2019.6.14 Dear Loving「Life is…」
Vocal.MASA / Guitar.YUKI / Bass.KURO
Dear Lovingが3年越しのニューアルバム『Life is…』をリリースした。
結成26年目にして「暮らしに寄り添う」ことを第一に掲げた今作は、喜怒哀楽すべての感情が織り込まれた、
人の生きる姿そのものを描いた味わい深い一枚だ。
時に優しく心に寄り添い、時に激しくぶつけられるDear Lovingというバンドの想いを受け止めて欲しい。

インタビュー・文:二階堂晃

『『人間として自分が進まないとバンドも曲も前には進まない』

――前作「DOOR」から3年越しのフル・アルバム『Life is...』がリリースされました。前作から今作に至るまではDear Lovingにとってどんな道のりだったのでしょうか?
MASA☆:ライヴばっかりしていましたね。Dear Lovingは最新作が最高傑作であることを常に掲げていて、『DOOR』が自分たちの中で手応えのある作品だっただけに「これなら超えられる」と思える作品を生み出すにはこれだけの時間が必要だったのかなと。
YUKI:『DOOR』を作った時のテーマが「自分たちの向こう側に行こう」というものだったし実際にそれをやれたと思うから、しばらくは何も出てこなかったんですよ。
――『DOOR』で一度すべてを出し尽くしたDear Lovingが今作『Life is...』の制作へとギアを踏んだのは、なにかタイミングとなるきっかけがあったのでしょうか?
MASA☆:表題曲の「なりたい自分に私はなる」を書いたことで自分たちのモードが一歩進んだ感じはありましたね。「DOOR」の最後のフレーズと「なりたい自分に私はなる」は物語が繋がっていて、ドアを開けた先に広がる景色が今回の『Life is...』なんです。「なりたい自分に私はなる」が、朝ドアを開けて家を出ていく時の模様の曲で、そこからはじまる一日の暮らしというものを描いたのがこのアルバムのテーマです。
――“暮らし”という意味合いでの『Life is...』というタイトルであると。
MASA☆:実は前作の時にこのタイトルを付けようかなという思いもあったんです。だけど、まだその時は自分が「閉じて」いたんですよ。葛藤していたというか。自分がドアの内側にいる間は聴いてくれる人の暮らしを書くことは出来ないなと思って、前作のタイトルを『DOOR』にしたんです。そこからの3年間で僕自身色々な事を経験したことで心が開けた感覚があって、やっと今作で『Life is...』と名付けることが出来て。
――3年越しにこのタイトルを冠することが出来たのですね。
MASA☆:僕たちはあくまでもアーティストであってビジネス・ミュージックを作ってる訳じゃないから、人間として自分が進まないとバンドも曲も前には進まないんですよ。
YUKI:なるほど、人として前に進んでんねんな?その通りやわ。
MASA☆:(YUKIを向いて)なんでお前もインタビュアーみたいになっとんねん。
一同:(爆笑)
――葛藤の先にドアを開けたからこそ生まれた『Life is...』であり「なりたい自分に私はなる」ですが、そんなメンバーの皆さんの“なりたい自分”とはどんなものなのでしょうか?
MASA☆:ここまで長々と語っておいてなんですけど、なりたい自分は「バカ売れ」です(笑)。
一同:(爆笑)
MASA☆:やるべきことは積み上げて来ているので、あとはもう売れるだけですから。
YUKI:分かるわ。あとはもうそれだけやんな。
KURO:僕は、バンドを組んだ時の自分の気持ちに立ち戻って言うなら「モテたい自分に僕はなる」ですよね。
MASA☆:絶対ウソやん(笑)! 自分モテたいとかそういう人間とちゃうやん!
KURO:「海賊王に俺はなる!」的なことですよね? そういう意味では、もっと心の広い人間になりたいなあと思いますね。
――YUKIさんはいかがですか?
YUKI:僕はもう、MASA☆くんがいて、KUROちゃんがいて、ファンの子達がいれくれればもうそれだけで十分ですわ。
MASA☆:それを一言で言うなら?
YUKI:ん? ムチャクチャ売れたい!
一同:(爆笑)

『『生きてれば嫌いなヤツもいるし腑に落ちないこともある』

――もう一曲のMVが公開されている「贖罪」は、優しく包み込まれるような「なりたい自分に私はなる」から一転して、ハードで鋭い切れ味の振り幅に驚かされました。
MASA☆:『Life is...』は人間の喜怒哀楽すべての感情を込めた作品なので、僕自身が感じている「後悔の念」という部分についても歌いたいなという気持ちがあって。こういうロックな曲っていつもYUKIが持ってきたギターのフレーズから感じた世界観から広げていくんですけど、良い曲になりましたね。
YUKI:純粋にカッコええの作りたいなあって思いで持っていったら、MASA☆くんがインスピレーション受けてくれて出来上がった曲ですね。
――先程MASA☆さんが「後悔」とおっしゃいましたが、一体何に対しての後悔なのか気になるところです。
MASA☆:僕ももう大人なんで、今の自分が間違いを犯すことってそうそうないんですよ。ただ、もう一度会って謝りたい女の子が僕はいっぱいいるんです。
一同:(爆笑)
YUKI:簡単に言うと、今思えば「あの時はヒドいことしてごめんな」って言いたい女の子がいっぱいおるってことやな!
MASA☆:10代の頃の自分って、今振り返ると想像を絶するようなことばかりしてたなあって思うんですよ。だからと言って、当時のことを無かったことには出来ないじゃないですか。そういう気持ちも『Life is...』では書きたいなと思ったし、同じように過去の自分の行いへの後悔に縛られている人の気持ちに寄り添えたらなとも思ったんです。
――Dear Lovingのポップなイメージからすると、『贖罪』のソリッドな曲調にはとても意外性を感じました。
MASA☆:結成当初は激しい曲ばっかりやっていましたよ。そこからヴィジュアル系シーンを一度離れてからはポップな曲を中心に活動していましたけど、2010年にドラムのTAKUYAが脱退したことで、「ロックバンド」になろうという意思でもう一度大きなシフトチェンジをしたことで今の自分たちがあるんですね。
――Dear Lovingのハードな一面をMVとして押し出す曲は『贖罪』ですんなりと決まったのでしょうか?
MASA☆:それが実は『GIANT KILLING』で行こうかギリギリまで悩んだんですよ。ただ『GIANT KILLING』に似合う映像の世界を形にするのが、スケール的にちょっと現実的ではないなということになって、純粋にDear Lovingのカッコいい一面を伝えるために『贖罪』で撮ることにしました。
――『GIANT KILLING』はYUKIさんのバッキングボーカルとの掛け合いがライブでも大いに映えそうですね。
YUKI:合いの手のコーラスフレーズ、特に「もう一回」って部分を自分で言いたくて作ったような曲なんですよ。「俺“もう一回”って言いたい」ってMASA☆くんのとこにリフとアイディアを持って行って。そこからMASA☆くんが頭から煙が出るくらい曲を練り込んで完成しました。
MASA☆:僕の中で、最初にアイディアを持ってきた人、言うなれば「0を1にした人」が絶対に正義なんです。YUKIの持ってきたものが素晴らしかったから、その良さを最大限引き出せるようにレコーディング中に構成を変えるくらい、最後の最後まで模索して。
YUKI:それは逆も然りですね。MASA☆くんの持ってきたメロディに対して、絶対にそれを超えるくらいの良いギターリフを乗せなあかんっていつも思うし。
――『GIANT KILLING』同様、『XXX ~どうでもええけど~』では音楽業界へ、『DouBtS』では世の中全体へとMASA☆さんの飾らないディスをぶつける様も爽快です。
MASA☆:生きてれば嫌いなヤツもいるし腑に落ちないこともあるでしょう(笑)? そこに蓋をしているようでは、聴いてくれてる人の暮らしに寄り添うことは出来ないですから。

『『「大きな別れ」というものを避けて通ることは出来ない』

――一方、自分の恋人の亡くなった前の恋人への手紙という内容の『あなたの大切な人は、僕の大切な人』ですが、ここまでドラマティックな切り口で書かれた詞というものは他では見たことがありません。
MASA☆:『Life is...』を作る上で、僕自身の心境にも大きな変化があって。暮らしというものを描くにあたって「大きな別れ」というものを避けて通ることは出来ないじゃないですか。そう思って、最初に『Period』で恋人が死んでしまった女性の物語を書いたんです。その次にこの『あなたの大切な人は、僕の大切な人』、そして今の恋人へ向けた『天国に一番近い人』という風に、この3曲はスト―リーが繋がっています。
――この世にはいない人物も含めて、3人の男女の物語だったのですね。
MASA☆:僕は詞を書く上で、まずノートに年齢とか、出身とか、血液型とか、登場人物の設定を細かく書くところから始めるんです。そして次のページに主人公と相手がどう出会って、どんな言葉を交わして、どんな時間を一緒に過ごしていたのかといった状況を全部書き留めるんです。そこから自分の中でひっかかった言葉を組み上げて詞を完成させるんですね。
――それはとてもユニークな作詞のスタイルです。まるで映画監督の設定資料のようですね。
MASA☆:そうかもしれないですね。僕の歌詞のクレジットって自分自信の気持ちを書いた「MESSAGE」と物語を書いた「WORD」に分けていて、「WORD」に関しては全部そうしています。
――MASA☆さん個人の心境を切り取った「MESSAGE」の中でも、『キミに捧ぐ唄』はステージに立ち続ける生き様をまっすぐに歌われています。Dear Lovingは今年で結成26周年を迎えますが、皆さんにとって「バンド」とはどういう存在なのでしょうか?
MASA☆:今までも「バンドは人生」と言って来たんですけど、もはや自分自身になりすぎて、仮に無くなってしまったら自分たちも無くなってしまう。そんな風に思いますね。バンドの数だけ答え方はあるんでしょうけど、15歳からDear Lovingをやっているしバンドの無い人生っていうものが僕らには考えられないです。

『やはり、Dear Lovingが人生そのもの』

――踏み込んだ質問になりますが、そんな皆さんの人生そのものであるDear Lovingという存在が危うくなったことはこの26年の間にありましたか?
MASA☆:大げさな話じゃなく、3日に1回くらいは危ういですよ。さっき「売れたい」なんて言いましたけど、上を見ても下を見てもキリがない世界じゃないですか。僕らは誰かと比べるとかじゃなくて自分たちで売れたいっていう気持ちなだけだから、毎日が楽しいし、毎日が危うい、みたいな。その二つはバンドにとって表裏一体だし、歳月を重ねる中でその危うさに気付かないフリをすることも、きっと上手になっていると思うし。
――危うさに気付かないフリ、ですか。
MASA☆:危うさと向き合いすぎてしまったら、人なんて脆いし。でも、そんな危うさや揺らぎを忘れさせてくれる楽しさがバンドにはあると思っていて、僕らは脆いモノ同士がお互い寄り添って絶妙なバランスでもたれかかりあうことで立っていられている。Dear Lovingは、そんなバンドなんじゃないですかね。
――なるほど。
MASA☆:簡単なことですぐに揺らいでしまうようなバランスかもしれないですけど、それでも立ち続けていられる声をファンの子たちがくれるんです。それがあるからこそ、僕らは立っていられるのかなって。「毎日が楽しくてしょうがないんです!」なんて言えたらいいんでしょうけど、僕はそんなのキモチ悪く感じてしまいますね。そんな危うさがあってこそのバンドという存在ですからね。キャリアがある分嘘をつくことは出来ないし、嘘はバレますから。
YUKI:コレ(Dear Loving)の代わりになるものが僕らにはないんです。どんな生き方をしている自分のことも想像することは出来るけど、Dear Lovingという生命体以上に輝いている姿の自分は思い描けないなって。
――『Life is…』はまさしく人生そのものを歌った『TOMORROW~あいのうた~』で締め括られます。皆さんにとって「人生」とはなんでしょうか?
MASA☆:「Dear Loving」って言っちゃいますね、僕らは。
KURO:辛いことや苦しいこと、たくさんありますけど、Dear Lovingが誰かのオアシスになってくれたらいいなって思いに尽きますね。
YUKI:KUROちゃん、「ディアラビとは?」って話になってんねんで(笑)。
MASA☆:(笑)。やはり、Dear Lovingが人生そのものです。この夏はライヴもたくさん決まってるので、やはり僕らの生を見てもらうのが一番だし、どこかで会えるのを楽しみにしていますよ。
umbrella
Dear Loving(ディアラビング)

日本の大阪府枚方市出身の3人組ヴィジュアル系インディーズロックバンドである。
2001年より独自のジャンル「ポジティブでポップでロック=ポジポック」をコンセプトに方向性を一転させる。

リリース情報
Dear Loving / 「Life is...」
2019年04月17日 RELEASE / 6th ALBUM

【CD】
PPR-10013 / ¥3,240 (Tax in)
[CD収録曲]
01.なりたい自分に私はなる
02.贖罪
03.GIANT KILLING
04.Period
05.あなたの大切な人は、僕の大切な人
06.神様でも天使でもない
07.XXX ~どうでもええけど~
08.DouBtS
09.天国に一番近い人
10.キミに捧ぐ唄
11.TOMORROW ~あいのうた~

ライヴ情報
ディアラヴィPresents DL26th 東名阪2マン『セク☆ラヴィ』
2019年06月27日(木) 大阪RUIDO

OPEN 18:00 / START 18:30
前売 ¥4,400 / 当日 ¥4,900 (D代別)
[出演]
Dear Loving / SEX MACHINEGUNS
[チケット]
《セク☆ラヴィ 先行フォーム受付方法》
注意事項をよくご覧頂き、下記専用申込フォームにて必要事項をご明記の上、受付期間内にお申込みください。
【専用申込フォームURL ※PC&スマホ用】
https://ws.formzu.net/fgen/S27649535/
【専用申込フォームURL ※ガラケー用】
https://ws.formzu.net/mfgen/S27649535/

ディアラヴィPresents DL26th 東名阪2マン『ブル☆ラヴィ』
2019年06月29日(土) 大阪RUIDO

OPEN 18:00 / START 18:30
前売 ¥4,400 / 当日 ¥4,900 (D代別)
[出演]
Dear Loving / Blu-BiLLioN
[チケット]
Lコード 53327

Dear Loving 七夕ワンマン『星降る夜に逢いましょう』
2019年07月07日(日) 渋谷REX

OPEN 18:30 / START 19:07
前売 ¥770 / 当日 ¥7,700 (D代別)
[出演]
Dear Loving
[チケット]
https://l-tike.com/order/?gLcode=71181

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