2019.6.14 umbrella「リビドー」
Vocal.唯 / Guitar.柊 / Bass.春 / Drums.将
2019年6月12日に待望のニューシングル「リビドー」を発売したumbrella。
彼らが今作に込めた思い、"本能"と題されたその意図、秘めたる悪と今後の未来計画。
ワンマンツアー「解放する衝動」で見据えたものは果たして。
四人にそれぞれの思いを語ってもらった。

インタビュー・文:二階堂晃

『緊迫した鋭さというのは深くまで追求した結果の音』

――前作「ダーウィン」からおよそ1年ぶりとなる全曲流通作品となる訳ですが、この1年間はバンドにとってどんな期間でしたか?
:初めてのフルアルバムのリリースであったり全曲ワンマンであったりと、初めての試みが多い一年でしたね。
:前作「ダーウィン」をリリースし、9周年の全曲ワンマンを決めたこともありとてもあっという間の1年でした。結束力もまた強くなった1年じゃないかとも思います。
:去年は全国ワンマンツアーで沢山ワンマンをやったり、メンバープロデュースワンマンも企画したり、アコースティックCDをリリースしたり、とにかくライヴ来てくれる子達や曲を聴いてくれる子達がどうしたら喜んでくれるかをそれまで以上に知れたという、手応えのあった一年でした。
:ダーウィンのリリースで9都市をワンマンで回り、その後各メンバープロデュースワンマン、そして今年の3月に6時間に及ぶ全曲ワンマンライヴと、量、質共に過去の活動の中で一番濃厚な時間を過ごしたと思います。それによって力を付けることができた期間だと思います!
――今作「リビドー」制作にあたってのコンセプトはありましたか?
:シングルリリースするにあたって個人的に決めていることがあって、シングルという少ない楽曲の中で違う色を用意することを心掛けてます。今回は特にさらに強くベクトルの違う3曲が揃ったなと。それでいてumbrellaということ。これが嬉しいなーと思って。
:毎作品そうですが、新しいことへの挑戦は入っていると思います。
:作詞作曲は唯君がやってるのですが、自分のベースに関しては今作は「幅広さ」がテーマです。
:ドラムに関して言うなれば、以前の作品以上にフレーズ、サウンド面で攻めたアプローチを多くできた作品になりましたね。
――収録曲全体を通じてこれまで以上に緊迫した鋭さを持つサウンドが印象的だと感じましたが、こちらは意図してのことなのでしょうか?
:そうですねー、三曲とも全くちがうアプローチで激しさが出た感じですね。【リビドー】は特に今まであえてやらなかったプレイをしてみたり、この界隈でなかなか出てこないだろうっていう独特なコード感を突っ込んでみたりだのやりたい放題してやりました。【悪路】はしっかりとしたオルタナ・グランジを貫いてまさに悪路を歩いてるなって感じを表現できたと思うし【未来計画】はアンニュイな表情を出しつつもナチュラルに誰もが持っている心境や生活感を出せたかなと。
:楽曲が持つ世界観を表現したときに全体的にギターのサウンドはエッジを効かせた状態でレコーディングしました。なので楽曲の世界観とも相まってより切迫した感じに聞こえているんだと思います。
:ベースに関しては意図せず一番しっくりくる形の音像に近づけていった結果こうなりました。「リビドー 」「未来計画」は自分が今まで通らなかった音像ですし、「悪路」は自分が何も苦労せずいつも出してるベースの音ですし、どちらも自然体で生まれたものなので説得力はあると思います。
:それぞれの曲にとってベストな音像を追い求めた結果なので、緊迫した鋭さというのは深くまで追求した結果の音、ということかもしれませんね。
――「リビドー」アーティスト写真はこれまでのumbrellaのスタイルから一新してカラフルなテイストですね。こちらの意図についても聞かせて下さい。
:アー写はウチの大好きな親友のhibari君に撮ってもらいました。彼はウチのやりたい事、表現したい事をすぐに理解してくれるし120%ひきだしてくれる天才です。衣装に関してもメンバーを長年見てきた中で「これが絶対似合う」とかずっと思っていた事を衣装さんに話してみたら意気投合で、ガラッと変わりました。なので自分的には気に入ってます。カラフルなのもリビドーの世界観に合うような極彩色で攻め込んでみました。
:やはりumbrellaといえば「黒」みたいなイメージは自分たちの中にもあったかもしれません。それを自分たちでも新しいと思えるカラフルにするという挑戦でしょうか。
:スタイリストさんやカメラマンさんに恵まれて、以前より客観的意見を提案してもらう機会が増えて新しいumbrellaが生まれたと思います。
:アートな部分のコーディネートは主に唯さんなんですが、カラフルな花柄は欲望を表現していると思っています。少し話が逸れるのですが、僕の衣装はコートの裏地が花柄でして、一見見えないあたりが一歩引いた位置にいるドラマーらしくて良いな!と思っています。

『生きるために備え持った強い力』

――表題曲「リビドー」は何を表現した楽曲なのでしょうか?
:[性的な]とかの表現になっちゃうのですが、欲望とかの一つで生きるために備え持った強い力なんですよね。リビドーは【楽園】を舞台にそこで様々な欲に溺れていく様をサビで表現していますがそこからどんどん飽和し、溢れて滅んでいく様を側から見ているイメージで作りました。
:ギターのサウンド面で言えばリビドーから私が連想する抑えきれない衝動をエッジの効いたサウンドにしてみました。
:自分が今まで通らなかった音のエッジ感で、紙一重で危険なイメージを表現しました。
:ドラムに関して言えば、欲望というテーマの元で「自分が叩きたいフレーズ」を多く入れました。Bメロにその特色が強く出ていると思います!
――最近皆さんが感じた【メランコリー(=憂鬱)を教えて下さい。】
:欲しいものが沢山あって憂鬱です。機材もほしいし家電もほしいし…
:世知辛いニュースが多すぎる事。いつの時代もですがマイナスな出来事ばかりがどうしても伝わりやすく目に入りやすい事。
:西成の飲み屋で隣に座ってた爺さんに「今の若いもんは新しいものに目を向けすぎや!昔を学べ!お前も田中角栄のことを歌にしろ!」と延々説教されたけど、呂律が回っておらず大半が聞き取れなかった。
:最近シンバルを一新したのですが、これもいつか割れてしまうんだなぁ…と思うことですね。
――アートな世界観が広がる「リビドー」Music Videoについて解説して下さい。
:これも才能に一目惚れした方がいまして、その人に丸投げしてます。「MVという概念ではなく【映像作品】にしたいです」と言われ「いいよ!」ってくらい信頼して任せてあのような不可解でとても素晴らしい芸術作品が出来ました。「あえてストレスを与える」という彼らしいアプローチが愛おしい。顔が見えない、大事なところでノイズが入る終盤にかけてなだれ込む情報量が好きです。彼の楽園を味わってくださいね。
:本当にアートな世界観だと私も思います。黒基調の映像に時々差し込む色味がとても強烈ですね。楽曲だけでなくこのMusic Videoを見るとより一層楽曲が持つ怪しさや浮遊感が強調されて聞こえると思います
:何度かMV撮影をお願いしてる監督が、「好きにしていいですか?」と聞いてきたので「是非是非!」と言ったらああなった。
:「プロモーションビデオ」ではなく「ミュージックビデオ」として仕上がったものですね!完成されている「umbrella」というものを一度バラバラにして再構築したような感じで、umbrellaとしてのこれから先への欲望とメンバー各々の欲望を統一していくかのような印象です。
――「リビドー」Music Video収録時のエピソードを聞かせて下さい。
:何が出来るのかあえて聞かなかったのでただただ彼のやる事、指示された事を撮っていきましたがこんなのになってるんだと驚いてます。あ、一つ細工を個人的に組み込んでてマイナス人生オーケストラのハル君からもらったギターをところどころ弾いてる場面が映ってます。色味が綺麗なのでここだ!と思って。ありがとねハル君。
:演奏シーン自体の撮影はほとんどカット数がなく、一体どんな仕上がりになるのか私自身も楽しみにしていました。撮影した場所は2階だったんですが床に大きな穴があって簡易的に塞がれていただけだったので、監督に「ここ落とし穴なんで」って言われたことを何故か印象的に覚えています。
:監督に「目線こっちで!そう!最高です!」と言われてかなり気分が良かったです。
:その日に衣装の完成系を初めて見て、着てみて「おおぉ!」ってなってたのですが、コートの前のボタンを留めると「マトリックスのキアヌリーブスみたいや!」となったのでマトリックスの真似とかをしていました。もちろん使ってませんがカメラマンとマトリックスっぽい写真も撮りました。
――カップリング曲「悪路」は何を表現した楽曲なのでしょうか?
:これは簡単に言えば人が歩いた道ではなく自ら道を切り開いて歩くんだという曲ですね。「終わりの見えない問題に答えを答えを押し込んで」とあるんですが、そこがとても個人的に好きで、無理矢理納得いかない事を正しいと思い込ませて生きている人たちが多いなという意味で綴りました。人とは違う事をしたり気に入らないと感じたらすぐ批判や悪口陰口を言ってる奴らに目もくれず歩くしかないんだよという強い意志のある曲です。
:唯くんから上がってきたデモを効いたときに懐かしいグランジだなと思いました。umbrellaの中にも時折現れるけだるいグランジサウウドの中でリアルな歌詞を歌う楽曲だと思います。
:唯君らしい楽曲ですよね、気だるさを音符いがいの成分で表現しました。
:荒れた道、というイメージなので泥臭く、ルーズでダーティなグルーヴを作るよう意識しました。スネアのゴーストを少し大きめの音量でジャストでは無い位置に入れるのがポイントですね!
――皆さんにとって、生きていて「悪路(=歩きにくい道)」を感じるのはどんな時ですか?
:いつも感じていますよ。生きづらい世の中だなと思ってます。自分の気持ちは歌詞に綴ったので是非読んでください。
:やはり繁華街のドン・キホーテの店内はとても歩きにくいですね。休日ともなるとそれはもう。
:酒を飲み過ぎるとどんな道でも歩きにくいので、進む道が天国か地獄かは、案外自分次第ということです。
:たぶん常に悪路というのは存在していて、みんなそれと戦いながら生きていると思います。都合の良い道なんて誰にとっても無いんだと思います。でも山道を悪路と例えれば、登りきった先には素晴らしい達成感や美しい景色があるように、悪路の先には希望があるものだと信じています!
――カップリング曲「未来計画」は何を表現した楽曲なのでしょうか?
:これは実は【軽薄ナヒト】の続編としてストーリーを作りました。歌詞を見ていただけるとわかると思うんですが「何もしない奴」だなと「こいつクズだな」と思うかもしれませんね。色々主人公にも理由もしかり考えはあるんですよ。これからもっとストーリー考えて続編考えていこうかと思ってます。そのほかにギミックがありますがわかった人は愛ですね。大好きです。
:楽曲の雰囲気自体は爽やかにも聞こえるのですが、歌詞が決して明るい雰囲気でもないのでで極端に明るくなりすぎないサウンドを意識しました。自分でも今までに出したことのないようなサウンドだったので悩みましたが程よくマッチできたのではと思います。
:ベースはとにかく機械ぽさと人間ぽさの塩梅が大変でした。今までに使ってこなかったフレーズで勉強になりました。
:未来、という不確定な事を表現するにあたり、音楽を聴いている今現在はミニマムで隙間があった方が良いと思い、ドラムの音数をかなり減らし、サスティンも削って小さな音像を作る事を意識しました。

『一歩一歩を大切に』

――皆さんがこれからのumbrellaに思い描いている「未来計画」を聞かせて下さい。
:未来は本当にわかりません。ウチが何かで死んじゃうかもしれないしそれでも明るい未来を信じていたいですね。計画としては今後まだまだみなさんの期待を裏切っていきたいなと思ってます。あなた達の斜め上にいたいんです私は。
:バンドとしては来年の10周年を見ています。もっと長い未来を計画したほうがいいのかもしれませんが一歩一歩を大切に、音楽やumbrelal通して如何に人として成長していけるか。そういう計画をたてながら10週年へむかって行きたいと思っています。
:フアンの皆に応援してもらうのも勿論大事ですが、俺ら4人がまずフアンの支えや逃げ場にならないといけないなと思ってます。俺らが与えられるものを存分に与えて健やかな気持ちで付いてきてもらって、まずは来年の10周年に向けてメンバーとフアンの気持ちを同じ方向にして前進したいです。
:来年には10周年を迎えますが、もっと長い年月を掛けてumbrellaを日本が誇るバンドにしていきたいですね!僕は普段洋楽をよく聞くのですが、日本の音楽はメロディーが美しい。umbrellaはその中でもトップレベルに歌が良いバンドなので、世界で戦っていけるバンドになっていきたいです!
umbrella
Umbrella(アンブレラ)

2010年3月14日に結成されたV系ロックバンド。
「心に傘を」をコンセプトに哀愁あるメロディと切ない歌詞をオルタナティヴサウンドに乗せる。
2018年3月14日には結成8周年記念ワンマンライヴをTSUTAYA O-WESTにて敢行した。
現在7th Single「リビドー」リリースワンマンツアー「解放する衝動」を決行中。

リリース情報
umbrella / 「リビドー」
2019年06月12日 RELEASE / 7th SINGLE

【CD】
DCCNM-20 / ¥1,620 (Tax in)
[CD収録曲]
01. リビドー
02. 悪路
03. 未来計画

ライヴ情報
7th Single「リビドー」リリースワンマンツアー
「解放する衝動」
2019年06月14日(金) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2019年06月27日(木) 渋谷RUIDO K2

OPEN 18:30 / START 19:00
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000 (D代別)
[出演]
umbrella
[チケット]
e+一般発売中
名古屋公演
https://eplus.jp/sf/detail/2907870001-P0030001
東京公演
https://eplus.jp/sf/detail/2908520001-P0030001

ザアザア × umbrella 2MAN LIVE 「傘と雨」
2019年06月11日(火) アメリカ村BEYOND
2019年06月20日(木) 心斎橋VARON
2019年06月28日(金) 渋谷REX

OPEN 17:30 / START 18:00
前売 ¥3,500 / 当日 ¥4,000 (D代別)
[出演]
umbrella / ザアザア
[チケット]
ローソンチケット発売中(パソコン / スマートフォン / 携帯共通)
https://l-tike.com/search/?lcd=92317%2C54373%2C73652
[主催/企画/制作]
ザアザア / umbrella
[問]
渋谷REX 03-5728-4911

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