INTERVIEW

NoGoD「神劇」

2019.4.10
リリースとしては1年7か月の沈黙を破り、2019年4月10日(水)に満を持してのE.P『神劇』をNoGoDがドロップする。
すべての曲に最大限の熱を込めて生み出されたと同時に、稀代のエンターテイナーVo.団長の等身大の心を「やっと出せるようになった」という珠玉の全7曲。 まさに平成から令和へと時代が変わる瞬間同様、NoGoDにとっても『神劇』が大きなターニングポイントになることは間違いない。

インタビュー・文:二階堂晃
『(結論から言うと)「無い」です』
――NoGoD待望の新作『神劇』をリリースするまでにどんな日々を過ごしていましたか?
団長:1年7か月前に前アルバム『proof』をリリースしてツアーを回り、前Ba.華凛ちゃんが去年の3月に脱退してからもライヴは止まらずに続けてきました。いつでも次のリリースが出来るようにと去年の頭から曲作りもずっと続けていました。個々の音楽仕事やブリキのサーカス団(Kraとの合体ユニット)も急遽決まったりでなかなか思うように進まなかった部分もあったんですが。
Kyrie:ライヴをコンスタントに継続していく中でも日々曲は作り続けていこうと。そして去年の9月から11月の3か月間はライヴを休んでレコーディングに専念しようということになり、「いよいよリリースに向かおう」という思いで今作のリリースへと繋がっていった形ですね。
――『神劇』は全7曲のボリューミーなE.Pですが、全曲ガッツの溢れるハードな曲調であることがとても印象的です。
団長:曲作りを進めていく中で、純粋に良いと思える曲を集めたんです。「masque」や「シアン」を収録することは最初から決まっていて、『神劇』全体の“劇場”や“舞台”というイメージが固まってから残りのピースをはめていきました。
Kyrie:NoGoDは言ってしまえば「抜き」が下手というか。作品全体というよりも1曲1曲に常に全力を注ぎますし、さらに言うならば楽曲全体よりもメンバー個々の歌唱が演奏にフォーカスしがちなバンドなのでどの曲も相当の熱量が入っていますし、同時にバランスを取って手を抜くという作業が出来ないバンドだと思いますね。
団長:だからフルアルバムを作る時は、ウチはいつも意図的に「抜く」ための努力をしなくちゃいけないんですよ(笑)。
Kyrie:「抜く美学」みたいなものがNoGoDには無いんです。だから、いつも通りと言えばいつも通りのNoGoDの作品ではあります。
――今Kyrieさんは「いつも通り」とおっしゃいましたが、新体制初のリリースという点では意識の変化などはあったのでしょうか?
団長:これはメンバー全員一致しているんですが、結論から言うと「無い」ですね。Kyrieさんが全曲ベースをレコーディングしているという部分は大きな違いですけど。
Kyrie:制作のプロセスもこれまでの歴史と変わらず作曲者と僕とが主体となって行ったので、どこかしら僕の影が全曲チラついていると思いますし、今までと同じではないにしろ“今までと同じようなこと”ではあると思いますね。
――『神劇』というタイトルにはどんな思いを込めたのでしょうか?
団長:心機一転、日本語のタイトルを提示したいという狙いがあった中で、“進撃=ATTACK”であるとか、今回の作品全体のイメージにもなっている“劇場”とか、バンド名にも入っている“神”であるとか、『神激』という言葉に色んな意味を込められると思ったんです。
――今回の制作はどんな形で行われましたか?
Kyrie:今まではプリプロの段階ではその楽曲の全体像が見えないまま実際のレコーディングに臨むこともあったので今回からはそれを辞めたいなと思っていて。プリプロはあくまでレコーディングの際のガイドラインに過ぎないと言えるくらいまでしっかりとプリプロの段階で曲を詰められた点においては、これまでとは大きく変わりましたね。我々は本チャンのレコーディングでは楽器隊は一発録りなので、その方が合っているなと。
――この構築されたサウンドが一発録りなのは驚きです。
団長:もう何年も前からそうしています。我々はライヴ・バンドなので、このレコーディング方法がバンドには合ってますよね。
『やっと踏ん切りがついて、自分が道化になり切る決心がついた』
――では早速『神劇』について1曲ずつ伺っていきましょう。1曲目の「Curtain Rises」はDDTプロレス所属、竹下幸之介選手の入場テーマ曲にもなっているパワフルなギター・インストです。
団長:竹下選手はプロレス界では誰もが知る期待の選手なんですが、彼はまだ若いのに結構古臭い音楽が好きな人だったんです。別の現場で彼と出会った時に「オリジナルの入場曲って作ってもらえたりしますか?」と打診されて、俺が作る訳でもないのに「全然やるよ!」って即答して(笑)。
Kyrie:ちょっとメンドくさい話なんですが、NoGoDは「Curtain Rises」から「masque」に繋がるのに対して、竹下選手の入場の際にはここからまた全く新しい「Curtain Rises -TypeFable-」のメイン・パートへと繋がるんです。なので、NoGoDと竹下選手で「Curtain Rises」という共有したイントロダクションを持っている、というニュアンスが最も的確かもしれません。
団長:是非、竹下選手の試合会場で「Curtain Rises -TypeFable-」の方も体感して欲しいです。会場で聴くとアガりますよ。
Kyrie:さらに言うなら、春のツアーで「「Curtain Rises -TypeFable-」を再構築して生演奏しようかという話も出始めているんで、期待して欲しいですね。
――それは要注目です。そして、事実上の1曲目であるミステリアスな要素も垣間見える「masque」へと繋がります。
団長:この曲はKyrieから「舞踏会」というイメージを聞かされて、すぐに「仮面舞踏会」をテーマにしようと思いました。それも、今世の中に多くあるような“素顔の自分を曝け出そう”というようなメッセージではなくて、“仮面を付けたまま自分を演じろ”ということについて書きたかったんです。それは我々のようなお化粧をしているバンドはもちろん、ステージの裏ではいつも泣いているけどファンの前では絶対に涙を見せないというような、昭和のアイドル文化に通ずるものもあると思うんですね。
――“ひとりのミュージシャンであるNoGoD団長を演じることの苦悩”を描いたことのようにも感じられました。
団長:自分自身に重ね合わせている部分はもちろんあります。メンバーにもよく言われていたんですけど、自分はこれまでずっと道化ぶっていてもどこかなり切れてない部分があったんです。それが、一昨年「Arlequin」を作ったことでやっと踏ん切りがついて、自分が道化になり切る決心がついた。あれが自分の中で大きなターニングポイントでした。今回Kyrieから「舞踏会」というテーマをもらったことで今の自分のその気持ちと重ね合わせて書いたのが「masque」です。
――常に力強いメッセージを常に投げかけてきた団長がご自身の心のリアルな部分を表現しているのは、大きな変化ですね。
団長:そうかもしれませんね。今回、自分の弱い部分を隠すのはもうやめようと思って全曲歌詞は書きました。歌詞は全曲を通じて一人の主人公の視点というテーマで書いたので、すべて繋がっています。
――続く「Borderline」はNoGoDの真骨頂とも言える、ハードかつストレートでキャッチ―なリード曲です。
団長:この曲がリード曲になったのは半ば俺のワガママみたいなもので、結構意見が分かれましたね。
Kyrie:極めてNoGoDらしい楽曲であるという中で、『神劇』の制作以前から存在していたものではあったので、部分的にレコーディングし直したりはしました。「この4人での作品」である点を重視したかったので、すでにレコーディングを終えていたベースも僕が弾き直しています。
団長:MVの構想も最初からあったので、絶対に「Borderline」をリード曲にしたかったんです。全曲リード曲になれる力を持った曲だったことは分かってはいて、でもでも……個人の趣味ですいませんっていう(笑)。
一同:(爆笑)
団長:「Borderline」か「シアン」がバンド内でのリード曲の候補だったんですが、自分たちがこの曲でステージに立っているイメージと、不安に思っているであろうファンのためにも強いパワーを持った「Borderline」を絶対に一番に押し出したかったんです。
――まさしく「シアン」はエフェクティブなギターと浮遊感のあるメロディーが印象的なNoGoDの新境地とも言えるShinnoさんによる楽曲ですね。
Shinno:特別に新境地を狙おうというつもりもなくて、今回に向けて自由に書いていた曲の中のひとつですね。
――全編にわたって繰り広げられるKyrieさんの流れるようなタッピング奏法も、この曲の大きな聴きどころですね。
Shinno:ずっとエフェクトかかってるし、すごいですよね。
団長:しかも、Kyrieはこのフレーズを弾きながらコーラスもしますから。
Kyrie:今のところ、この作品内で一番の難曲です(笑)。
『「そんなん分かってるよ。分かってる、でも!」っていう諦めの悪さ』
――5曲目「far away」は団長作曲によるエモーショナルなパワー・バラードです。
団長:元々メタルコアみたいな曲調をやりたいと思って作ったんですけど、俺にもKyrieにもその引き出しが無く(笑)、原曲から一番化けた曲になりましたね。
Kyrie:『神劇』は押せ押せなメロディが大部分を占める中で、団長が元々持っている伸びやかな歌唱のアプローチを最大限引き出す曲も欲しいという話をして、エモーショナルな方向に変化しましたね。
団長:歌詞も、ドン底の気持ちを歌っていますね。ただ、決して絶望ではなくて。サビのコーラスで歌詞カードには表記していないですけど“Don't alive forever=永遠に辿りつかない”ってKyrieが言ってて。
K:つらい!
団長:自分で言ってるわけじゃなくて、誰かに言われてるっていうことを表現したくて。何も諦めてないんですよ。回りからは「無理だぞ」って言われても「そんなん分かってるよ。分かってる、でも!」っていう諦めの悪さ、それでも前に進もうとする気持ちが伝わったら嬉しいですね。
――高速サウンドでたたみかけつつも、団長のメッセ―ジが突き刺さる6曲目「DOOR」も相当なパワーを持った曲ですね。
Kyrie:リズムが暴れているやんちゃな曲をやりたいなと思って書きました。で、こういう速い曲をバンドに持っていって、Kくんに怒られるっていう。
K:ブチギレ案件です(笑)。
一同:(爆笑)
K:さらに聴いた印象よりも実際の方がさらに速いんですよ。
――歌詞に関してですが、“鍵はその手の中”と歌っているのにも関わらず、詞の主人公はまだ前へ踏み出せていないという解釈が出来ると思います。
団長:そうなんです。ドアの前には立っているけれど、開けたらゴールという訳でもないと思っていて。開けた瞬間に次のドアがまた出て来るかもしれないし、開けられないまま終わるかもしれない。でも、少なくともドアの前には立っているんだぞっていう。
『平成31年にリリースされたロック・アルバムの中で一番良いものが出来た』
――『神劇』は、この作品の世界観を如実に表しているとも言える「そして舞台は続く」で幕を下ろします。何故、こんなにも悲しいメッセージで新体制NoGoDスタートとなる作品を締め括ろうと思ったのでしょうか?
団長:だって、我々は順風満帆じゃないですから。爆発的にセールスがある訳でも、暮らしが大きく潤っている訳でもない。バンドって体力も魂も大きく使うものだし、言ってしまえばしんどいものじゃないですか。「俺はいつまでもいるぜ!」なんてこと、もう歌えないですよ。何故なら自分に嘘はつきたくないから。昔は自分を鼓舞するために強がっていましたけど、もうそういう歳でもないですし。そんな保証のない、不確かなものを表現したくないと思うんですよ。
Kyrie:表向きのイメージと違って、本当の団長は実は案外根暗っていうね。
団長:強がるのを辞めようって本当に思うんですよ。バンドが終わりに向かっているとかそういうことではなくて、バンドを続けていくことの大変さを隠すつもりが無くなった。「それを踏まえて、道化ましよう」っていうことなんです。もしかしたらこの作品が今までのNoGoDで一番人間臭くてリアリティがあるもので、色んな経験をしてきたことでやっとそういうものが出せるようになってきたのかもしれないですね。
――ヴィジュアル系シーンのみならずエンタメの世界全体の中においても、誰もが笑顔を期待して人が集まってくるであろうNoGoD団長の大きな心の変化ですね。
団長:自分の弱みを見せていくことがやっと出来るようになってきたように思います。自分の思いを押し付けるばっかりじゃダメで、聴いた人に共感してもらえるものも書けるようになりたいってずっと思っていたんで。
――『神劇』は今のNoGoDにおいて、どんな位置づけの作品だと実際に完成してみて感じていますか?
Shinno:これまでの活動の集大成でもあるのかなと思いますが、団長が今「弱みを見せる」と言ったように等身大の今のNoGoDの形だと思いますね。
K:今の「軸」になったなという感じはします。『神劇』を軸にすることでまた新しい曲も出来ると思うし、過去の曲の聴こえ方も変わってくると思いますし、新しいNoGoDのベースが作れたんじゃないかなって。
Kyrie:作品全体と楽曲それぞれとで、違った表情を見せる面白い作品になったなと感じますね。それこそ「Borderline」は曲単体で聴くと前向きで力強くて、団長の言った“進撃=ATTACK”の意味合いが強い印象を受けますけど、この作品の中に入ることで、それがまるで強がっているようにも見て取れる。とても面白いことですよね。
団長:誰に聴いてもらっても、これが過去最高のNoGoDだと絶対に思ってもらえる自信がありますね。平成31年にリリースされたロック・アルバムの中で一番良いものが出来たと言い切っていこうかと。後2ヵ月しかないですけど(笑)。

COMMENT MOVIE

RELEASE

NoGoD NEW MINI ALBUM 『神劇(しんげき)』
2019年04月10日 RELEASE!!
KICS-3789 / ¥2,500 (税抜) / KING RECORDS
[CD]
01. masque
02. Borderline
03. シアン
04. far away
05. DOOR
06.そして舞台は続く

LIVE INFORMATION

「神劇」発売記念イベント ※Fan Club ONLY

2019年04月10日(水) SHIBUYA DESEO

「神劇」発売記念イベント ~アルバム再現プレミアムショーケース~

[神撃の濱劇場-第一幕-]
2019年04月20日(土) Music Lab.濱書房
[神撃の濱劇場-第二幕-]
2019年04月21日(日) Music Lab.濱書房
[神撃の濱劇場-第三幕-]
2019年04月27日(土) Music Lab.濱書房
[神撃の濱劇場-第四幕-]
2019年04月28日(日) Music Lab.濱書房

NoGoD PRESENTS-SPECIAL 2MAN 5DAYS-【D2M5D】

2019年05月02日(木) 渋谷DESEO
2019年05月03日(金) 渋谷DESEO
2019年05月04日(土) 渋谷DESEO
2019年05月05日(日) 渋谷DESEO
2019年05月06日(月) 渋谷DESEO

NoGoD単独大布教-2019-東名阪「神劇ノ宴」

2019年05月11日(土) ell.FITSALL
2019年05月17日(金) ESAKA MUSE
2019年05月25日(土) 新宿BLAZE


2019年04月13日(土) Nakano Space Q ※Kyrieのみ出演
2019年04月14日(日) Music Lab月濱書房 ※Kyrieのみ出演
2019年04月22日(月) 高田馬場CLUB PHASE
2019年04月26日(金) Azagaya LOFT ※団長のみ出演
2019年06月01日(土) TSUTAYA O-WEST ※K サポートドラム
2019年06月02日(日) 川崎セルビアンナイト
2019年06月09日(日) 渋谷DESEO
2019年06月11日(火) 川崎Serbian Night
2019年06月14日(金) 東京・恵比寿 club aim ※Kyrieのみ出演
2019年06月15日(土) 西荻窪UEN C1スタジオ ※Kのみ出演
2019年06月23日(日) 阿倍野ROCKTOWN
2019年06月24日(月) 今池3STAR
2019年06月26日(水) 高田馬場CLUB PHASE
2019年07月26日(金) duo MUSIC EXCHANGE / TSUTAYA O-WEST / SHIBUYA DESEO ※3会場行き来自由
2019年07月26日(金) 新木場STUDIO COAST ※団長のみ出演
2019年07月27日(土) TSUTAYA O-EAST
2019年07月28日(日) TSUTAYA O-EAST ※K サポートドラム
2019年08月10日(土) ※K サポートドラム札幌KRAPS HALL
2019年08月11日(日) ※K サポートドラム札幌KRAPS HALL
2019年08月17日(土) ElectricLadyLand / ell月SIZE
2019年08月18日(日) BIGCAT / SUNHALL / アメ村BEYOND ※3会場行き来自由
2019年08月20日(火) DRUM Be-1 / DRUM SON ※2会場行き来自由
2019年08月21日(水) DRUM Be-1 / DRUM SON ※2会場行き来自由
2019年08月23日(金) DIME / MONSTER ※2会場行き来自由
2019年08月24日(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2019年09月01日(日) CLUB CITTA’川崎 ※K サポートドラム
2019年09月14日(土) TSUTAYA O-EAST ※K サポートドラム

NoGoD PROFILE

  • Vo:
    団長
    Birth:
    12.23
    Blood:
    -

  • Dr:
    K
    Birth:
    09.04
    Blood:
    B

  • Gu:
    Kyrie
    Birth:
    11.29
    Blood:
    B

  • Gu:
    Shinno
    Birth:
    01.08
    Blood:
    A


アーティストタグ

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