INTERVIEW

凛-Lin-「INNOCENCE」

2019.3.23
中国と日本の二箇所に拠点を置くギタリスト凛-Lin-がViSULOGに登場!
前バンドであるLilithの解散から今日に至るまでの経緯、中国と日本の音楽シーンの違い、そして3月6日にリリースした新作『INNOCENCE』について存分に語ってもらった。
己の可能性と信念を貫く凛-Lin-の“今”を感じて欲しい。

インタビュー・文:二階堂晃
『でも、辞める理由ってなんだろうって思って。』
――中国と日本の二箇所に拠点を置くギタリスト凛-Lin-さんがソロとしては初のViSULOG登場となります。前バンドLilithの解散から今日に至るまでの活動の経緯を聞かせて下さい。
:Lilithは一番長く活動して、音源も多く出したバンドだったので特に思い入れが強く、解散が決まった時から終わりまでの間はすごく辛かったです。丁度その時期にいろんなことが重なったのもあって…。解散が決まる前後に、日本でAffective Synergy第二期を始めていたこともあってとにかく必死でした。本来Lilithの仕事だったものをASで引き継いでいた部分もありましたし、楽曲の制作も続けていたので、精神的にギリギリの状態でした。そして、Affective Synergy第二期の活動が終わった時は、なんか疲れたなって、思ってしまったんですね。大きな喪失感と悲しみが心に残ってしまって、なかなか前向きになれなくて…、このまま身を引こうかなと考えたり。そんな状態でも、ギターは上手くなりたい、作曲もしたいっていう思いは変わらずあって、音楽にはなるべく触れれるような環境を作って、それまでと変わらないモチベーションを維持出来る状態にしていました。中国のアニメに挿入曲を作る話があったりして、模索しながら制作を続け、納品して、じゃ、これからどうするんの?っていう疑問が出てきて、自問自答が続きましたね。でも、辞める理由ってなんだろうって思って。自分に何か限界を感じてはなかったので、ソロで何か作品を出してみようかと。Affective Synergyも当初はソロの一環だったのですが、今回は自分の名前で、そしてギターで何かしたいなと思い、今回の「INNOCENCE」をリリースすることになりました。
――中国のヴィジュアル系シーンは今どのような盛り上がりを見せているのでしょうか?
:やっぱり、好きな人は好きというイメージですかね。メインストリームの音楽ではないのですが、変わらず日本の文化が好きな人はビジュアル系にも抵抗はないと思います。自分が最初に上海でライヴをした時、海外にもヴィジュアル系のファンが多くいたことに驚きましたし、ライヴ時の熱量のすごさに感動したのを今でも覚えています。1980年生まれから1990年生まれくらいまでの人が、特にヴィジュアル系が好きな年代だと思います。
音楽を好きな人たちって気持ちの熱さは同じなんですよね。
――凛-Lin-さんの目から見て、中国と日本の音楽シーンの違いや共通点があれば聞かせて下さい。
:日本はシーンが成熟しています。中国のメジャーシーンは基本的にバラード主体のポップス、それ以外はインディーズっていう感じですね。インディーズのバンドでそれを本職にしている人は圧倒的に少なくて、仕事の片手間にやっている人が多いので、日本のような本格的な活動をしていないバンドが多いのが実情です。例えば八年も活動をしているのに、ライヴの本数が少なかったり、音源のリリースが一、二枚だったり、日本のようにこれをしないといけないっていう一連の流れがなくて、そういう概念もないように感じました。ただ、そんな中でも共通しているのは、音楽を好きな人たちって気持ちの熱さは同じなんですよね。プレイヤーもオーディエンスも、ライヴの時の盛り上がりは甲乙つけがたいほどすごいです。あと、中国の場合はMC中でもお客さんが結構反応してくれます。リアクションがわりと大きくて元気です。ロックフェス、音楽フェスが意外に多くて、イベントの規模が大きいのも特徴です。一回驚いたのが、野外ライヴのステージが結構大きくて、持って行ったギターのシールドがアンプからエフェクターまで届かなかったです(笑)。
――アグレッシブかつ壮大な展開を見せる「INNOCENCE」はどのような形で制作されたのでしょうか?またコンセプトを聞かせて下さい。
:これからどうしようかなって模索していた中で、最初のピアノのセクションが出来て、何かを予知、期待させるようなイントロ、つまり夜明けのようなイメージがパッと浮かんで。そこからサビまではすぐに出来たのですが、曲全体の構成が落ち着くまでは結構な時間がかかりました。ギターでどこまで表現出来るのかなっていう思いもあって、インストにしようとは決めていたのですが、まずは上手くならないと始まらないなと感じて、地道に練習しました。普段、大事なセクションやギターソロでは一回思ったままにアドリブで弾いてそこから細かくリズムや音の運びを組み立てていくのですが、この曲は一回弾いた時にもうサビのメロディーが降りてきました。歌うならば違うメロディーを付けたと思うのですが、ギターで弾くのにふさわしいメロディーだと感じたので最初のインスピレーションを大事にしました。当初、この曲「Life」というタイトルだったんですよ。Life=人生。ここで終わっても仕方ないなっていう気持ちもあったし、自分の今までを振り返って総括する意味で遺作になるような作品にしようとしていて…。そういう出発点だったので、本チャンのレコーディングをすると時に、感情が籠りすぎて、弾けないっというか、なかなかOKテイクが出なくて、何度も録り直しましたね(笑)。だけど、完成が近づいた時に、これじゃ終われないなと。まだまだ出来るなと可能性を感じて、もっといろんな曲を作りたいなと思いました。ギターのインストゥルメンタル音源っていろいろあると思うのですが、テクニカルなものか渋い感じの玄人向けのものが多いと思うのですが、ピロピロしすぎても通して聴くと疲れちゃうし、玄人向けすぎると印象に残らないと思うので、自分なりの解釈で聴いていて飽きのこない展開、印象に残るフレーズ、これらの点を特に重視しました。結果的には、この作品を創ったことによって前向きになれたし、希望を持てるようになりました。過去ばかり振り返ってしまう時って今がよくないって思っている時だと思うんですね。僕はずっとコンスタントに作品を出して、バンドもやってきたのですが、それがなくなった時ってどうしても過去の作品をいっぱい聴くし、懐かしみながらあの頃は楽しかったなとかって考えちゃうんですよ。でも、それって良くないなって自分では分かっているので、それを解決するには新しい作品を創って過去を塗り替える、未来を更新していくのが一番いいんですよね。だから、今回、時間はかかりましたけど、納得のいく作品が出来て、リリース出来たので、今はすごく前向きです。今前向きで楽しいからこそ、過去は過去で良かったなと素直に思える。そして、これからの人生が楽しみになりました。
『新しい作品を創って過去を塗り替える、未来を更新していく』
――凛-Lin-さんがギターをプレイする上で一番大切に心掛けていることは何ですか?
:技術的なことで言えばピックの当たり方、当てる角度ですね。結構左手の速さとか注目されやすいと思うのですが、実は右手ってすごく大事で。ギターソロのセクションはピッキングのニュアンスをいろいろ変えてます。あとはチョップというブラッシングを混ぜる奏法がありまして、分かりやすく言うとちょっとノイズの入るような弾き方を入れています。音源だとあんまり聴こえないのですが、これを入れることによってリズムと音に深みが増します。ギターソロ以外だとバッキングと呼ばれる伴奏的なパートになるんですが、メタル調の刻むフレーズは硬めで鋭利なピックを使って、サビの部分は別のピックに持ち替えて当てる角度を調整しています。まぁ、簡単にまとめると、納得いくまで何度も弾きました(笑)。昔と比べて自分自身変わったなって思ったのが、今回は結構一発録りを大事にしてて、途中からのパンチインをなるべく減らして、いい意味での雑さ、人間らしさを残しています。いつもだったらめちゃくちゃ綺麗に整えないと納得いかなかったんですよ。今はパソコンでレコーディングする時代なのでいくらでも綺麗に直せるんですけど、例えば、フレットを移動する際の指が弦に当たって擦れる音をわざと残しています。
――このインタビューと並行して「INNOCENCE」のMusic Videoの制作も進行しているとのことですが、こちらはどんな作品になるのでしょうか?
:曲のイメージにぴったりな作品になりましたね。この曲のサビを作った時、大海原に向かってギターを弾くイメージだったんですよ。ずっと頼みたかった制作会社があって念願が叶いました。事前の打ち合わせは一回だけだったのですが、作品のラフが来た時、すごくいい感じでびっくりしましたよ。撮影時はほとんど一発OKだったので、かなり巻いてしまって不安だったのですが、映像を見て安心しました。あと、心境の変化からか、MVに対しても昔ほどシビアにならなくなったんですね、いい意味で。昔だったら髪のセットが乱れたり、メイクがどうのとかって細かく気にしていたのですが、今回はありのままの自分をナチュラルに出そうって考えていたので、もう風も強かったし、ほんと寒かったんで、いいや!って。なるようになれって(笑)。まぁ、それも重なって多分撮影もすぐ終わったのかなって。全体のイメージとしては、止まっていた時間が動き出して、再び旅を始めていく感じです。
『魅せる自信はあります。』
――凛-Lin-さんの音楽的なルーツを教えて下さい。
:僕の一番最初のルーツはLUNA SEAとPIERROTです。そのあといろいろなヴィジュアル系バンドを聴きました。そして、洋楽のメタルコアバンド(As I lay DyingやKillswitch Engageなど)にハマり、日本のPay money to money pain、Supeといったバンドに大きな影響を受けましたね。他にもアニソンやJ-Pop、C-Pop、K-Pop、クラブミュージックなど。わりといろいろ聴きますね。昔聴いてた音源も聴きますが、結構最近の音楽を聴くことが多いですね。
――今注目している日本のヴィジュアル系バンドがいたら教えて下さい。
:んー、RAZORですかね。ギタリストの衍龍くんが同じ中国出身なので特に頑張ってほしいなって!それにメンバーの皆さんもいい人ばかりですし。今度のツアーファイナル見にいく予定です。
――「INNOCENCE」をリリースして、さらなる次回作へのヴィジョンがあれば聞かせて下さい。
:結構EDMが好きなので、それにギターを乗せた曲と中華メタル2を創りたいですね。対極にあるような曲を出したいって考えてます。中華メタル2が2な理由は、Lilithの「盤龍舞凰」が自分の作った初代中華メタルだからです(笑)。
――「INNOCENCE」や既存のソロ楽曲を生で体感したいファンも多いかと思いますが、今後ライヴの構想はありますか?
:曲が増えたらやりたいですね。魅せる自信はあります。インスト中心でやりたいなって考えてます。実は一緒にライヴしたいメンバーは決まってるんですよ。あとはギターとベース、1人ずつ募集中です(笑)。
――では、最後に、ViSULOG読者へメッセ―ジをお願いします!
:数年越しにまたこうしてVISULOGさんに掲載して頂き光栄に思います。過去のバンドも今のソロも含めて応援してくれたら嬉しいです。いろんな曲を出しているので、是非聴いてみて下さい。

パーソナルQ&A

凛-Lin-
あなたの長所は? ストイック、好奇心が強い、優しい
あなたの短所は? ネガティブ、自我が強い
よく言われる第一印象は? おもしろい、可愛い(性格が)
あなたの弱点、天敵はなんですか?
最近「いいな」と思ったCDは? Kris Wu「Antares」
Bring Me the Horizon「amo」
the peggies 「Hell like Heaven」
最近のマイブームは? 旅行
この前、初ハワイ行って来ました。
起きて一番最初にすることは? スマホを見る。
集めているものはありますか? Chrome Hearts、遊戯王OCG あとは音楽関係の機材です。
好きな言葉、座右の銘などはありますか? 「不屈の精神」
音楽以外で大切なものは? 家族、友人
死ぬまでにこれだけはしておきたいことは? ソロでアルバムを出す。
もう一度味わいたいあの瞬間は? 2016年1月17日の上海ライヴ。
今だったらもっと上手く演れると思います。
理想的な休日の過ごし方は? ネットサーフィンしてDTMしてギターを弾く。
締めはアニメを見る。
今からでも挑戦したいことは? 二胡か琴。弾けるようになりたい。
新しい楽器への挑戦ですね。
10年後の自分に一言 よく頑張りました。

RELEASE

凛-Lin- New Single「INNOCENCE」
2019年3月6日(水) Release!!
[収録曲]
01. INNOCENCE
[発売元]
Grows Independent Music
[配信]
iTunes Store / amazon music / Prime music / レコチョク / music.jp / oricon / Sportify / Mora / LINE MUSIC / Google play music / KKBOX / 他

凛-Lin- PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。
  • 凛-Lin-
    Birth:
    12.26
    Blood:
    O


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