INTERVIEW

Chanty「壊創するシンポジウム」

2018.10.14
2018年10月17日、ミニアルバム【壊創するシンポジウム】をリリースするChanty。
全曲書き下ろし、バンド以外の楽器も積極的に取り入れながら生み出した今作は、自信と挑戦に溢れたバラエティーに富んだ作品となった。
今回は千歳・野中 拓・成人の3人に、サウンド面の制作エピソードや意識改革、そして、念願のソールドアウトを達成した5周年記念ワンマン@TSUTAYA O-WESTの感想と今後の展開について、たっぷりと語って頂いた。

取材・文:富岡 美都(Squeeze Spirits/One’s COSMOS)
「“この4人でやっていける”という自信がバンドについたから、楽しむ余裕が生まれた。」
――【壊創するシンポジウム】は【不完全な音楽】以来2作目となるミニアルバムですが、今回この作品形態を選ばれたのは?
成人:以前から、『シングルだと(収録したい曲が)全て入れられないから、次はミニアルバムだね』という話をしていて。シングルだと『どれを入れようか』と悩むことが多いし、わりとミニアルバム向きのバンドなのかもしれないです。
――収録する曲を悩めるほど楽曲ストックがあるのは素晴らしいです。
野中拓:いやいや、無いですよ!今回も、全曲書き下ろしです。
千歳:その時々に各々がしたいことを持って来るから、常に新鮮な気持ちで制作できています。火が点いたら、そこからは速いバンドだからね。
成人:時間的に余裕を持った制作方法ではないかもしれないけれど、それがChantyのスタイルなんだと思う。
千歳:今回は、良い意味で原曲を持ってきた人の個性が強い気がします。これまで同様、メンバー全員でChantyの世界を創っていくことに変わりないけれど、漠然としたところに皆で構図を作るのではなく、原曲の作曲者の目指す方向に皆で向かっていく感じだった。だからこそ、今まで以上に楽曲がバラエティーに富んだし、やっていて面白かったです。
――今、“個性”という言葉が出ましたが、芥さんも「体制が変わったことで、メンバー個々の我が出てきた」というお話をされていて。個人としての在り方やポリシー的な部分に変化がありましたか?
千歳:それぞれ考え方は違うと思うけれど、俺は音源にしろライヴにしろ“楽しくギターを弾こう”というだけです。そのためにはどうすればいいか。極論、そこだけなので。
野中拓:俺は、昔から変わっていないですね。メンバー・ファンを含めて、誰よりも自分が一番楽しんでいること。そこに対する自信はずっと変わらない。楽しんでいる姿を観てお客さんが更に楽しくなってくれるなら本当に嬉しいことですし、自分が楽しい、幸せと思えないと人を楽しませたり幸せにする事なんて出来ないと思っています。
成人:俺個人の目線ですけど、4人になってから、それぞれのメンバーに対して変わったなと感じる部分があるんですよね。例えば、前体制でも立ったことのあるライヴハウスで演奏した時、今2人が話したような部分を上手く活かせているからなのか、ちゃんと空間を使いこなせているという意味でステージが狭く感じる。ドラムは後ろから冷静にメンバーを見つめることができるので、フロント3人の『俺はこう見せたい』という部分が前よりもずっと伝わりやすくなったなと思います。
千歳:言葉に出すことでもないけれど、“この4人でやっていける”という自信がバンドについたからじゃないかと思う。余裕が無いと楽しむことはできないから、皆、心の余裕が生まれたんだろうな。
「つまらないこだわりを捨てれば楽曲はさらに素敵になるんだな、と。」
――今作で挑戦したかったことや打ち出したかったことを教えてください。
千歳:バンド以外の音、この4人以外の音も積極的に取り入れたいと思っていました。
――鍵盤がとても効果的です。
千歳:そうですね。アコースティックギターもかなり使いました。今までは、別の楽器を入れることを避けていたんです。過去にもピアノが入っている曲はありましたけど、“メンバーの音だけで何とかしよう”という気持ちが強かった。
――バンドサウンドへの強いこだわり故の抵抗が。
野中拓:カッコつけていたんですよ。同期を入れずにバンドサウンドでやっていることをドヤしたくはなかったけれど、内心は絶対にそういう部分もあったと思う。個人ではなく、バンドとしてね。
千歳・成人:そうだね。
――バンドのプライド的な部分だった。
野中拓:うん。でも、『もうそれは必要ないよね?』という話を制作の最初の打ち合わせでしたんです。
千歳:悔しいけれど、別の楽器が入っただけで一気に世界が広がるんですよ。つまらないこだわりを捨てれば楽曲はさらに素敵になるんだな、と実感しました。今回は某友人バンドのスタジオを借りてレコーディングしたり、今まで以上に周囲の人達と一緒に作った感覚が強い作品になりましたね。
――では、1曲ずつ伺っていきます。5周年のTSUTAYA O-WEST公演でもオープニングを飾った【綺麗事】、本当に素敵なスタートでした。
千歳:あの日の1曲目にやるために生まれた曲なんじゃないかと思うくらい、ガチッとハマりましたよね。芥の作ったコード進行とメロディーを基に、スタジオで皆でドンッと合わせて形にしていきました。曲調は全くパンクではないけど、曲の作り方はパンクです(笑)。その時の皆のアイディアが詰め込まれた曲で、結構すぐ出来たよね?
成人:うん、これはスムーズだった。
千歳:途中で速くなる部分も、すんなり決まったし。
――その部分の感情のぶつけ方が何ともChantyで良かったです。
千歳:あれはスタジオでないとできなかったアレンジだと思う。
――バンドマジックですね。
千歳:まさに!Chantyが培ってきたバンドマジックにピアノという新しい要素が入って来て生まれた、今まで積み重ねてきたものと新しい挑戦が融合された曲です。
野中拓:歌詞も曲調も、凄く芥さんにハマっている気がする。やっぱり、他の人とは視点が違いますよね。言葉の選び方は勿論、楽曲のアレンジでもほんの数秒にも満たない細かい部分についてこだわったりするんです。
――ちょっとした間で伝わり方が変わってくる、とても繊細な曲ですからね。
野中拓:本当に繊細ですね。個人的には、前半の芥さんのブレスが凄く好き。ブレスが入るタイミングが素晴らしくて、リズムに乗りながらスッと入る感じが良いです。
成人:俺は、後半のがなっている部分が好きですね。芥さんがChantyではあまりやらなかったタイプのがなりを入れてきて、めちゃくちゃカッコいいと思いました。
――【赤いスカーフ】はChantyの得意なタイプの楽曲なのでは、と感じました。
千歳:こういうガチャッとした感じは、Chantyならではですよね。あえて音をバラけさせるような。
――そのバラけさせた音が最終的にガッチリひとつに固まるのがChanty、という印象があります。
千歳:そうですね。5年やってきたわけだし、『Chantyってどんなバンド?』と訊かれた時に浮かぶイメージがあることは大事だと思うんですよ。この曲なら、偶然MVを目にした人にもすぐに『あぁ、Chantyだね!』と感じてもらえるはず。
野中拓:収録曲の中で一番、スタジオで意見を出し合いながらアレンジしました。大半の楽曲は、“Aメロはシンプルで、Bメロでアゲて、そこから抜けるサビへ”とか緩急の流れがあるじゃないですか?この曲は頭から終わりまで皆がずっとMAXで、喜怒哀楽の“喜”、もしくは起承転結の“起”しかないような面白い曲になりました。
――【ねえ。】は誰しもが持っている承認欲求をストレートにぶつけていて、聴くとスッキリします。以前、「Chantyは愛されたいバンド」というお話をされていたことを思い出しました。
成人:バンドの欲が詰まった曲かもしれないですね(笑)。
千歳:サウンド面は、“いわゆるロックンロールだな!余計なことはせずに、皆でロックンロールをやればいいな!”と。極論を言うと、俺の中では全員リーゼントなイメージ(笑)。
――勢いを音源に閉じ込めるのが得意ですよね。
千歳:スタジオで咀嚼した感覚をレコーディングにぶつけるから、ライヴ感が失われないのかもしれない。この曲は各々が何をしているのかがはっきり見えるし、シンプルで裸の音がぶつかっているから、それがまたライヴ感に繋がっていると思います。
「ヴィジュアル系が好きな人なら初見でもノれる、キラーチューンができました。」
――【まっさかさまにおちていく】は、O-WESTで初披露にも関わらず客席に自発的な逆ダイが起きて驚きました。
千歳:気付いたら(お客さんが)飛んで来て(笑)。
成人:今後どうなっていくかは、まだわからないです(笑)。けど、テンションが上がりました。
千歳:あの時、皆のテンションも凄く良かったからこそ、飛びたいと思ったんだろうな。ライヴでお客さんと作っていく曲です。
――「ライヴで盛り上がる曲を」というようなところから生まれたんですか?
千歳:そのイメージは全員の中にありましたね。シャウトも、メンバー全員で録ったんですよ。
――そこに、ライヴでファンの方々のシャウトも重なって完成するわけですね。
一同:そういうことです!
成人:Chantyには、『新曲です』と披露してすぐにノれるような曲が少なかったので。でも、お客さんのレスポンスがあれだけ早かったということは、この曲は解りやすい曲なんじゃないかな。
千歳:イントロで皆がすぐに声を出してくれた時、テンションが上がったもんね。Chantyを知らない子が聴いても楽しめる曲なはず。
野中拓:今回の収録曲の中で一番、お客さんが入りやすいでしょうね。ヴィジュアル系というジャンルの中で聴き慣れている曲調だろうし、Chantyの入門編的な立ち位置の曲。そういう意味では、音源で聴くとChantyらしさは無いと思います。ただ、ライヴで演奏したらChantyらしさしかない。この難しいメロディーをライヴできっちり歌えるところもうちのバンドの強みなので。ヴィジュアル系が好きな人なら初見でもノれる、キラーチューンができました。こんなことを言いながら、ライヴであまりやらないかもしれないけど(笑)。
一同:(大爆笑)。
――そこはやりましょうよ(笑)。
野中拓:『欲しい!』と言われると『どうしようかな…』となるタイプなので(笑)。
――バンド側が「やりたい」と思って演奏しないと映えないですから、きっと必要に応じて演奏されるでしょう。
野中拓:その通りです!
――【雨傘】は、芥さんがSoanプロジェクトの【紫陽花がまた咲く頃に】の歌詞を書いたことから生まれたそうですね。
野中拓:書いている人は同じだけど、形が違うところから生まれた珍しいパターンですね。芥さんにしか書けない歌詞No.1だと思います。
千歳:この曲は難産でした。皆、苦労したと思う。
成人:原曲を作った拓ちゃんは、『俺、一番楽をしているから!』と言っていたけど(笑)。
野中拓:すみません…(小声)。
千歳・成人:(爆笑)。
野中拓:原案を出した曲の自分のフレーズは簡単になるんですよ(笑)。
――「自分の曲だから!」と、ここぞと我を出すタイプではなく。
野中拓:全く!ベースを目立たせたい気持ちはゼロに近いです。ただ、作ったメロディーが映えるようなアレンジにして欲しい。
千歳:ベーシックな土台がガチッとしている分、選択肢が限られてくるし、拓ちゃんの欲しているものも何となくわかる。だからこそ、難しい。
成人:シンセギターだよね。
千歳:色々とエフェクトをかけて試してバーッと弾いたものを残していったので、何を弾いたのかは覚えていないです(笑)。
野中拓:一番難しかったのは成人くんでしょうね。本当に頑張ってくれたと思います。
成人:拓ちゃんは、ドラムに対するこだわりが強いんですよ。
野中拓:ドラムが映える曲が好きなので、ドラムをカッコよくアレンジできたら満足してしまう。難しいということもわかっているんです。でも、成人くんはやってくれるから。
千歳:アレンジとして、ドラムが派手になるほどベースはおとなしくなる場合が多い。
――ドラムが歌っているようなフレーズで彩りを持たせる楽曲は魅力的です。
千歳:それもまたChantyだよね。どうして変拍子にするの?
野中拓:偶然の産物的なところもある。曲を作る時、イントロ・Aメロ・Bメロ・サビとブロックごとに分けて録って最終的に繋げるんですけど、この曲はそのブロック同士が中途半端に近かったんです。最初は1小節くらい離れていたけれど、拍を詰めて変拍子にしたらカッコよさそうだとやってみたらこうなった。
千歳:拓ちゃんの曲は変拍子率が高くて、俺はそのアイディアを持っていない人間だから面白いんですよ。
野中拓:本当に、偶然も多いけどね。
千歳:原曲にしろ歌詞にしろ、色々な偶然が重なって生まれた曲ってことだ。
――【ポリシー】は、リズム隊のガッチリ感と、その上を跳ねまわるギターと歌がカッコいい楽曲です。
成人:この歌詞と曲調も、意外とChantyらしさ全開な曲かなと思う。
野中拓:この曲だけ、仮歌が間に合わなかったんですよ。皆、正解なのかわからないまま作業を進めていたと思います。
千歳:ぼんやりとしか完成形が見えていない状態だったので、手探りで不安でしたね。
――それでも、この曲を形にしたかったんですね。
野中拓:“ここまできたら、もうやるしかねえよ!”みたいな感じです(笑)。
千歳:“ここまできたら、こいつを仕上げるしかねえ!”という意地でした(笑)。
野中拓:演奏を録って、『あとはヴォーカル頼んだ!何とか蓋をしてくれ!』って。
成人:蓋をした結果、こうなりました(笑)。
――そんな経緯を微塵も感じさせない素晴らしい仕上がりです!
千歳:全員が己との闘いに打ち勝ちました…!
成人:経緯を思い返すと、(Chantyらしさ全開になったのは)結果論でしたね(笑)。
千歳:成人くんも、『これで良いんだよね?』って不安そうにレコーディングしていたしね。最初にバチッと叩いてくれたからこそ、皆も良い感じにできた。本当にお疲れ様でした。
「シンプルでストレートな曲ほど難しいと思う。」
――【優しいあなたへ】は、美しくも胸を抉られるような切なさに溢れた楽曲です。
千歳:極力、シンプルにしようと。【誰】という曲に近いアプローチです。余計なものを入れないと決めていたので、アレンジも順調でしたね。
――歌勝負ですよね。
千歳:本当に。歌ありきだし、全員が歌のための演奏をしています。
――【赤いスカーフ】のようなガチャッとしながらひとつにまとまる楽曲もChantyならではですが、この曲のように全面的に歌を引き立てる楽曲も凄くChantyらしい。
千歳:うん、そうですね。
野中拓:どの曲に対しても手探りはしているし、余裕でこなせる曲は無いですけどね。シンプルでストレートな曲ほど、難しいと思うんですよ。
千歳:確かに。シンプルだからこそ、“こういうフレーズを入れてみよう”とか“ここは弾かないでみよう”とか、ライヴで演奏するごとに変わっていくんじゃないかな。
――その日の歌のテンション感によっても全く変わりそうです。
千歳:そう思います。感情が上がる日もあれば、静かに歌う日もあるだろうし。だから、この曲がどうなるのかは俺もわからない。ただ、変わっていくだろうということは強く感じています。バンドって、例えばヴォーカルが上がってきたら、それに対してドラムも強くなってきて、そうなるとギターやベースも強く上がっていくものなんです。そのバンドにしか出せないものが、この曲にはストレートに表れてくると思う。Chantyは、それができるバンドだから。
野中拓:ヴォーカルの繊細な部分まで伝わる曲だからこそ、芥さんの歌をいかに引き立たせるかを常に考えて演奏したい。ヴォーカルが気持ちよくお客さんに届く歌を歌える環境を作れるのは、俺らなので。芥さんは絶対にその日にあった歌い方をすると思うし、俺らは絶対にその歌に合わせるし。
千歳:ライヴで演奏しがいがありますね。
野中拓:緊張する…。
一同:(笑)。
野中拓:やっぱり、バラードの前は特に緊張しますよ。一音一音が大事で、世界観を壊したくない。芥さんの歌は、“ここは本当にライヴハウスなのか!?”と思うくらいホールを静寂に包む時があるじゃないですか?5周年のO-WESTワンマンの時に経験したんですけど、ライヴハウスで演奏中に自分の汗が流れてベースに当たる音やステージに落ちる音が聞こえるって、普通にライブをしていたらありえないと思うんです。芥さんは一瞬で張り詰めた空間を作り出す。そういう空間で良い表現をしたいと思うからこそ、緊張しますね。
千歳:拓ちゃんも成人くんも、凄く丁寧だよね。俺は大雑把ですけど。
――大雑把だとは思いませんが、リズム隊が丁寧というのはバンドにとって非常にプラスだと感じます。ギターには飛び道具的な要素もあったほうが魅力的ですから。
千歳:俺はそういうタイプのギタリストなので、緊張感のある静かな曲ほど、何も考えずにその場で思ったことをそのまま弾けて楽しいです。
成人:後ろで演奏していても、千歳さんがその時のテンション感で思ったままに楽しんで弾いていることが凄く伝わってきますよ。
――最後に【piano #4】。鍵盤などを柔軟に取り入れたことで、より良い形でインスト曲を生み出しやすくなったのではないかと。
野中拓:この曲は完全に芥さん、千歳さんの2人に任せていたので、レコーディング当日に聴いて『めちゃくちゃカッコいい!』と感動しましたね。
千歳:これが最後にあることで、ストンと落ちる気がする。
野中拓:そう!最後に聴くとストンと落ちて、最初に聴くと始まるんですよ。
千歳:ピアノの力って凄いなと改めて感じました。このギターは、ピアノに弾かされた気がする。事前のアイディアは何も無く、キーもわからないし、とりあえず当たる場所を探しながら弾いて、それを何10トラックと重ねて。自分でも何を弾いたかわからないんだけど、でも形になった。きっと芥も同じで、どこでどう歌ったかわからないと思う。全てピアノに導かれた曲。今回の制作で改めて可能性を感じたので、今後もピアノを良い形で取り入れていけたらなと思っています。
「ひとつの目標をクリアしたことをファンの人達が素直に喜んでくれた、その事実が嬉しかったです。」
――9月16日に行われた5周年のTSUTAYA O-WESTワンマンは、念願のソールドアウトとなりました。ステージ上から満員のホールを目にした瞬間の率直なご感想は?
成人:最初に客席を見た感想は、“人が多いっ!”でした(笑)。勿論、ライヴを通しての感想はまた違いますけど、これだけの人達が5周年という記念すべき日に観に来てくれたんだということへの嬉しさが何よりも先に感じました。
千歳:俺は“(このたくさんの人の前で)何をしようかな~!”と思いましたね。あの日のライヴはギター始まりでしたけど、要はライヴの最初の一音を弾くわけじゃないですか?“どうしようかな、何を弾こうかな”と。ライヴが始まってしまえば、あとはもう“どう楽しもうかな”“どうぶっ壊そうかな”って、そんなことだけです。
野中拓:初っ端は、緊張するから前を見なかったですね(笑)。1曲目の【綺麗事】で演奏がオールインしてから見て、“こんなにたくさん来てくれてありがとうございます!”と思いました。バンドの誕生日に足を運んでくれた、それ自体が本当に幸せなことだから。
――5回目の記念すべき日にバンドの実力で目標を叶えたこと、本当に素晴らしいです。
野中拓:当然“嬉しい”という感情はあるんですけど、それ以上に感謝の気持ちが大きかった。“来てくれてありがとう、Chantyを知ってくれてありがとう”という気持ちが先行していました。
成人:そうだね。O-WESTよりも大きい会場はたくさんあるし、他の人から見たらソールドアウトも別に珍しいことではないかもしれないけれど、Chantyは1年目からずっと“O-WESTをソールドアウトさせる”と思い続けてきたから、その目標が叶ったことの意味合いが大きかった。ひとつの目標をクリアしたことをファンの人達が素直に喜んでくれた、その事実が嬉しかったです。
――ファンの方々がステージに返す声や熱量が物凄くて、バンドへの想いが強く伝わってきて感動しました。
千歳:『これ見てよ!お客さんの熱量、凄くない!?』と自慢したいです。Chantyのファン、カッコいいですよね。
――本当に!特に、芥さんもお話になっていたアンコールの【C】は、歌詞の内容も相まって「何があっても突き進んでいく」というバンドとファンの無敵感に溢れていました。
千歳:あんなに熱量のある【C】は初めてだったし、“こんな凄い熱量が持てる曲だったんだ!”と驚きました。
成人:Chantyを題材にした歌詞の曲だということも大きかっただろうね。
千歳:始動ライヴでも演奏していた曲だからね。この曲をソールドアウトのO-WESTまで連れて来られたのはお客さんのおかげだし、やり続けてきたからこそ、あの日の【C】ができたんだと思う。
野中拓:俺の中の【C】という曲の印象と、お客さんの思うそれは、きっと全然違いましたね。あの日、【C】で泣いている人がたくさん居たんですよ。俺は泣くような曲だとは思っていなかったから、“皆の中ではそういう曲に成長していたんだなぁ”とジーンとしました。あの日のライヴは、【C】がピークを持って行った気がする。
千歳・成人:うん。
――バンドが続かないと言われる昨今、バンドを存続するために一番大事にしていることは何ですか?
野中拓:…バンドを続けること、じゃないですかね?変な精神論でも、ふざけているわけでも無く。結婚と一緒じゃないかな。結婚生活を続ける中で別れてしまう人も居るし、続く人も居る。バンドも同じで、バンドでの生活を送るだけ。“続ける”と思っていたほうが続かない気がします。『ダイエットを続けるぞ、頑張るぞ!』って、しんどいじゃないですか。でも、炭水化物を抜くことや運動をすることが自然になってしまえばしんどくない。バンド生活を送ることが自然になれば良いんですよ。シンプルだけど難しいことだとは思う。
成人:バンドの話をする時に『家族や夫婦みたい』という言葉は自然と出てくることが多いし、皆それが無意識のうちにあるだけの話なのかも。“続ける”という言葉自体には特に意味を持たせていなかった結果の5年なのかな。
野中拓:そう思う。5人乗りや4人乗りの船で、海に出たとして。周りには何も無くて、誰か1人でも漕がなければ前に進まないから、沈むしかなくなる。そうなったら、もう誰かが『漕ぐぞ!』なんて言わなくても漕ぎますよね。
――根底に絶対的な信頼関係があるからこそ、成立する関係ですよね。
野中拓:うん、最初は違ったと思いますよ。月日って大事です。あと、1年目で『O-WESTワンマンをする』という目標を達成したことも大きかったと思う。それによって『次はO-WESTをソールドアウトさせよう』という新しい目標ができた。ただ、もし2年目でその目標が叶っていたら、今みたいにはなれていなかったかもしれない。
――そこで新たな目標が生まれたか、進む先を見失っていたかはわからない。
野中拓:うん。5年という絶妙なタイミングで叶えられたからこそ、今こうしてバンドのモチベーションも上がっているのかなとも思う。5年間、熟成させてきた想いがあるので。
――その間、誰も諦めずに船を漕ぎ続けたことが素晴らしいです。第三者からしたら、バンドが続くのは奇跡的なことだとも感じますから。
野中拓:そうですよね。もっと奇跡を起こしていきたいです。
「【どくせんよく】では、もっとその場所に居る人達のそばに行きたいし、あわよくば独り占めしたい。」
千歳:次なる目標として、まずは2019年1月5日の名古屋Electric Lady Landワンマンがあるからね。
――【どくせんよく】と銘打った新たなワンマン企画、ツアーではなく全国各地で単発ワンマンを行っていくのも新鮮です。
千歳:挑戦していくことが大事だし、生きている限りは目標が無いとただ生きているだけになってしまう。俺はそれで楽しいとは思えないから、ひとつずつクリアしていきたい。
――最初の目標にE.L.L.を選ばれたのは?
野中拓:照明が綺麗で、昔から何度も『あの空間でワンマンをやりたいね』という話をしていたんです。次の展開についての話し合いの中で『単発の名古屋ワンマンをやったら楽しいね』という意見が出て決まりました。
――【どくせんよく】は、今後も“全国のワンマンをやってみたかったライヴハウス”で開催されていくわけですね。
野中拓:そうです。Chantyには【人見知らない】という皆が忘れた頃に突然出てくる2MAN企画があるんですけど、開催ペース的にはそれに近いかもしれない(笑)。
千歳:スペシャル特番みたいなものだよね(笑)。
成人:確かに(笑)。
野中拓:【どくせんよく】も、来年1月のE.L.L.ワンマン以降、半年くらい出てこないかもしれない。でも、また忘れた頃に突然2ヶ月置きとかでやるかもしれません(笑)。
――神出鬼没な企画ですね。
野中拓:そうです。今回、あえてワンマンツアーはやめました。バンド側が掲げているワンマンツアーのファイナルって、全てのお客さんと共通したファイナルではないじゃないですか?『初日しか行けないから、私にとっては初日がファイナルだ』という人も居るだろうし、それぞれに『私のファイナルはここ』というのがあって、それはメンバーのファイナルとは共通しないということをしっかり理解しなくてはと思ったんです。初日、地方公演、バンドが掲げたファイナル、それぞれが同じように大切だし、常にファイナルな気持ちでやらないとダメだということもわかっている。そういう意識を持ったら、ワンマンツアーは中途半端な気持ちじゃできないと思うんですよ。次にワンマンツアーを発表した時は、今までとは全く違う気持ちで挑むワンマンツアーになると思います。
――「『ファイナルがベストアクトだった』と言われても…」という方がたくさん居る事実を忘れてはいけないですよね。
野中拓:そうです。お客さんの立場に演者側が立つのは難しいですけど、Chantyはできる限りファンと想いを共有していたいし、そばに居たい。【どくせんよく】では、もっとその場所に居る人達のそばに行きたいし、あわよくば独り占めしたいなと思います。時間を掛けて、日本全国に行きたいですね。
――ツアーでは全公演を通してのセットリストや方針が決まってしまいますけど、単発なら会場に合わせた演出ができますし。
千歳:その日にしかできないアレンジもできるし、そこに全力を捧げるからね。
野中拓:セットリストも全く変えて、正真正銘、その日1本しかないライヴにします。
――まずは、名古屋E.L.L.を最高の形で染め上げてください!
野中拓:地元の人達にも、全国から集まってくれる人達にも、皆に楽しんでもらえるライヴにしますので遊びに来てください!どくせんします。

RELEASE

2nd mini album「壊創するシンポジウム」
2018年10月17日(水) Release!!
【初回限定盤】
MNPK-018 / ¥2,700(税抜)
[CD]
01. 綺麗事
02. 赤いスカーフ
03. ねえ。
04. まっさかさまにおちていく
05. 優しいあなたへ
06. 雨傘
07.piano♯4

【通常盤】
MNPK-019 / ¥2,200(税抜)
[CD]
01. 赤いスカーフ
02. ねえ。
03. 雨傘
04. ポリシー
05. まっさかさまにおちていく
06. 綺麗事

LIVE INFORMATION

人見知らない♯12 ~Chantyとザアザアの結果~

2018年10月17日(水) 高田馬場CLUB PHASE

杪秋の秘め事(仮)

2018年11月20日(火) 高田馬場CLUB PHAS ※招待制ワンマン

どくせんよく~名古屋編~

2019年01月05日(土) 名古屋Electric Lady Land


2018年10月23日(火) 高田馬場AREA
2018年10月31日(水) 高田馬場AREA
2018年11月10日(土) 札幌Crazy Monkey(芥サポート)
2018年11月11日(日) 札幌Crazy Monkey(芥サポート)
2018年11月24日(土) 大阪北堀江club vijon(芥サポート)
2018年11月25日(日) 今池CLUB 3STAR(芥サポート)
2018年11月26日(月) 札幌KRAPS HALL
2018年11月27日(火) 札幌KRAPS HALL
2018年12月01日(土) 岡山IMAGE
2018年12月04日(火) 福岡Drum Be-1
2018年12月06日(木) OSAKA RUIDO
2018年12月07日(金) 名古屋ell.FITS ALL
2018年12月09日(日) 長野JUNK BOX
2018年12月10日(月) TSUTAYAO-WEST
2018年12月22日(土) 高田馬場AREA(芥サポート)
2018年12月27日(木) OSAKA MUSE
2018年12月28日(金) 名古屋ElectricLadyLand
2019年01月17日(木) TSUTAYA O-WEST
2018年12月31日(月) 吉祥寺ROCK JOINT GB(千歳サポート)


Chanty PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。
  • Vo:

    Birth:
    04.29
    Blood:
    A

  • Gu:
    千歳
    Birth:
    04.20
    Blood:
    O

  • Ba:
    野中拓
    Birth:
    05.17
    Blood:
    A

  • Drums:
    成人
    Birth:
    03.26
    Blood:
    O


DISCOGRAPHY

アーティストタグ

Chanty | 関連PICKUP

関連ピックアップはありません。