FEATURE

vistlip「BLACK MATRIX」

2018.08.23
8月29日(水)にNew Single『BLACK MATRIX』をリリースするvistlipが満を持してのViSULOG初登場!
TVアニメ『千銃士』エンディングテーマでもある本作の「人間に恋をしてしまった花」を描いた物語からファンへの愛情、そして絶賛制作中のNewアルバムとその先のvistlipの未来への展望にまで話が及んだ濃密なインタビューをご覧頂こう。

インタビュー・文:二階堂晃
『「花は人のためにどう咲くのか」ってことを僕なりに考えた』
――ViSULOG読者待望のvistlip初登場です。NEWシングル『BLACK MATRIX』はアニメ『千銃士』のエンディングテーマとなっていますが、こちらはどういった経緯で実現したのでしょうか?
:番組サイドから今回のお話を頂きました。まずスタッフの方がアニメの資料を持って僕に会いに来て、どういう楽曲を目指そうかという方向性についてのミーティングをしたんですが、結果として当初の方針よりもvistlipの色が強く出た楽曲になったなという印象ですね。
――「BLACK MATRIX」はvistlipの真骨頂とも言えるメロディアスで疾走感のある楽曲ですが、アニメサイドからはどういったイメージの曲をリクエストされていたのでしょうか?
:青春ソングではないですけど、10代の人たちに響くような日常を歌った曲にして欲しいとのことだったので、それを踏まえてバンド内でいくつか曲を持ち寄りました。でも、そういった雰囲気とは一番かけ離れた仕上がりになった曲かもしれないですね。
――「BLACK MATRIX」の作曲はTohyaさんによるものとのことですが。
Tohya:智とアニメサイドとの話をバンドで共有した上で、自分なりに智から伝えられたイメージに沿って原曲を書きました。
:タイアップ楽曲はいつもそうなんですが、作品の世界観に対してどう自分たちの色を当てていくのかが重要だと思っているので、自分なりに「きっとこういうことだろう」と感じた解釈をTohyaに伝えました。
――メロディアスで透明感のある曲ではありますが、バンドサウンド自体はよく聴くと実はラウドな要素がふんだんに盛り込まれている印象ですね。
Yuh:曲にもよるとは思いますけど、昔からそこに関しては意識していますね。どこかハードな部分がないとバンドとして丸くなっていっちゃうと思うので。俺も相方の海(Gu)もギターに関してはそういう要素は常に持っているつもりです。
――歌詞に関しても、純粋にストーリーとして素晴らしいと感じました。アニメとの在り方という部分については意識されましたか?
:アニメサイドからの要望のひとつに「無償の愛」とか「憧れ」について書いて欲しいというものがあって。作品の中に「薔薇」が数多く登場することもあって、まずは薔薇を主人公にしようと思って。そこから「花は人のためにどう咲くのか」ってことを僕なりに考えたんですね。花というものが人を想った時にどうするのかということをイメージしたら、まるでそのまま人間の世界のことのように思えて、そのことを表現しようと決めました。
――「BLACK MATRIX」の主人公はまさしく花だと思っていたのですが、智さんにとって薔薇の花だったのですね。
:そうですね。普段あまり手を出さないモチーフではあるので、歌詞の中では“薔薇”という単語は一切使ってなくて。
――大切な人へ向けたメッセ―ジというニュアンスがとても強い歌詞という印象を受けたのですが、具体的にどういう対象に向けての言葉といったイメージはありましたか?
:花が人間に恋をして憧れを抱いてしまった時の気持ちというものを強くイメージしました。それってすごく切ないよなって。
――“したい ばかりが膨らんでいく蕾”という部分は特に花の切ない気持ちが伝わってくる一文ですね。
:基本的に「~したい」っていうことばっかりじゃないですか、人間って(笑)。そんな願望や欲望とが膨らんで、やがては黒い蕾になるっていうイメージをMVの最後でも表現してて。誰かを思った時に同時に生まれる欲望といった黒い部分を人は隠していけるのか? っていうことについても触れたくて。
――という話になると、何故この歌詞の世界に対してタイトルが「BLACK MATRIX」なのかという問いに繋がります。
:タイトルに関してはすごく考えたんですよ。“BLACK MATRIX”っていう言葉は元々はパソコン用語で、画面内で黒を表現するための色素のことなんです。薔薇って色んな色があるじゃないですか。さっきの話から、真っ赤な薔薇の中にひとつだけ黒い薔薇が存在してるっていうイメージで最終的にこの言葉をチョイスしました。中々いいのが思い浮かばなかったですね。“点”とかそういう切り口で考えていくと、どうしても自分の美学に合わなくて。
――なるほど、先程おっしゃった「花が人間に頂いた恋心や憧れ」だけを書いた訳ではなかったのですね。
:そうですね。裏の無い歌詞の書き方はあまりしないと思います。
――とはいえ、歌詞の最後を“やがて君も強く咲いて欲しい。”と、前向きな願いで締めくくられていることも見逃せないポイントです。
:色々な受け取り方はあっていいと思いますけど、やっぱり最終的には聴き手に前向きな気持ちでいて欲しいなと思って締めくくった言葉ですね。
『今の自分たちはすごく前向きだしいつでも夢見てる』
――そんな「BLACK MATRIX」通常盤に収録されたカップリングについても伺っていけたらと思います。2曲目の「Original Words Complex」もTohyaさん作曲によるナンバーです。
Tohya:今回カップリングに関しては完全にライヴを意識して制作しました。個人的にライヴで演奏して一番楽しいのはYuhの曲なんですけど、自分でドラムを叩いていて楽しい曲を自分自身でも作りたいなと思って。
――どういった経緯でカップリングにチョイスされた曲だったのでしょうか?
Tohya:表題が「BLACK MATRIX」に決まったのが本当にギリギリだったこともあり、今回なかなか進行がタイトで、レコーディング前日に出来た曲です。狙いとしては、僕はシンセアレンジから曲を作ることが多いんですが、この曲の冒頭のブラスのフレーズから膨らませてライヴを想定した遊びの面を強く意識しましたね。
――智さんからは何かTohyaさんへの楽曲に対するリクエストはありましたか?
:Tohyaの曲って「こういうリフで、こういうリズムで」っていう風にいい意味で偏ってるんですよ。今回はそれをあえて壊して欲しくて。そうすることでvistlipに新しい風を吹かせて欲しいという話はしましたね。
――この曲でとても印象的なサビの中で目まぐるしくリズムが変わるアプローチも、新境地の一つですか?
:いえ、そこは本来のTohyaの持ち味が出ている部分ですね(笑)。
――Yuhさんと海さんのギターに関してもフレージングが大変多彩な印象です。
Yuh:それが逆にこれは展開が多い曲な分、ギターに関してはTohyaから具体的なリクエストがあった箇所以外はシンプルなプレイを心掛けましたね。
――それは意外でした。智さんの書く歌詞も「BLACK MATRIX」からは一転して、面白い内容になりましたね。
:まずこの詞を書いたのはツアー中のフェリーの中で(笑)。制作の時間が本当に無かったこともあるんですが、前回のツアーが本当に今後の自分たちに対して前向きになれる内容だったんですね。率直な話、これだけ10年以上バンドをやってくると勢いってものがどうしても損なわれてくる部分を感じたりもしてて。それで略して「オワコン」になるように適当にタイトルを付けたんです。自分たちだけとは言わず、長く年数を重ねてるミュージシャンというもの全体に対してのエールというか。そういう思いを、自分のvistlip初期の歌詞を意識して書いてみました。外部になんて言われようと、今の自分たちはすごく前向きだしいつでも夢見てるし。なんていうのかな、そういう強気な姿勢みたいなものを表現したくて。
――音楽を取り巻く環境が変わったと言われて久しいですが、皆さんにとって音楽というものを今どういった目線で捉えていますか?
:音楽自体はむしろ昔より身近になってきたと感じますね。同時に、それにも関わらずこういったジャンル感の音楽がポップスに押し負けている印象は受けますね。音楽が身近になっているにも関わらず「ミュージシャンの危機」と言われたりしたりとか。「頑張れ!みんな負けるな!」って思います。
Tohya:僕は音楽自体の聴き方が「良いかか悪いか」じゃなくて「凄いか凄くないか」っていう風に今では変わっちゃってますね。たとえ世の中で売れてる曲でも「これは凄くはないな」って感じるものもありますし。そういう話になるとvistlipの曲はどれも「凄いな」って思うし、その気持ちは忘れずに思っていたいなって。前作の「Timer」をYuhが持って来た時に「すげえの出してきたな!」って悔しくもあり、同じバンドの中でそう思えるってまだまだ先があるってことだなと思いますね。
Yuh:それこそ今日たまたまCDが売れた時のミュージシャン本人に入るロイヤリティについてニュースで見たんですけど、その数字を知っちゃうと自分の後輩やこれから音楽をやりたい世代の子たちに夢を見せてあげられないなって思っちゃうんですよ。「音楽以外の仕事もしないと続けられない業界」ってなっちゃうのは悲しいことだから、子供が「ミュージシャンになりたい」って親に言った時に「それは生計が立てられない仕事だから」って理由で反対されないような世界をどうにかして作りたいって思いますね。
Tohya:今ならYouTuber一択だからね(笑)。
Yuh:向こうは子供がおもちゃで遊んでる動画を上げて何億円っていうような世界だからね。
『自分達にしか見えない景色を書こうと思って』
――そして3曲目の「The Other Side」はヘヴィでストレートなYuhさんによるナンバーです。
Yuh:原曲自体は前の選曲会に出てた気がする。前のツアー中に、ライヴで盛り上がる曲を新しいものに塗り替えていきたいねって話をしていて。個人的にもその話が出る少し前から今後のvistlipを考えた時にそう思っていたこともあって、うまくバンドと自分のモードがマッチして形になった曲ですね。本当に、ライヴのことだけを考えて作った曲です。
――緻密な展開とアレンジが魅力の「BLACK MATRIX」「Original Words Complex」とは大きく変わってストレートな曲ですね。
Yuh:ライヴの初見で分かりやすいものっていうことにはこだわりましたね。
Tohya:この曲だけもうライヴで披露してるんですが、僕らもお客さんもノリやすくてYuhらしさがすごく出てるなって。
――歌詞に関してはvistlipを応援するファンへのメッセージを綴ったものですか?
:そうですね。せっかくのライヴのための曲ですし、自分達にしか見えない景色を書こうと思って。
――いじりとも解釈できる表現からファンへの愛情が伝わりますね。
:ブラックジョーク満載にファンのことをいじってますね(笑)。
――それは本当に心からファンのことを信頼しているからこそ生まれる表現だなと感じました。
:そうですね。まさしくその通りです。
――ここまで深く踏み込んでファンへの言葉を届けるのはなかなか出来ることではないかと思うのですが、改めて皆さんにとってvistlipのファンとはどういう存在ですか?
Tohya:優しい子たちだなって思いますね。俺たちステージで時々メチャクチャだったりするんですけど、どんな時でも優しく見守ってくれてるなって。後は、控えめというか遠慮がちな子たちかなとは思いますね。
――前回のツアー中の瑠伊(Ba)さんのTwitterの動画を見る限りはどの箇所も物凄い盛り上がりだったと感じましたが。
:どの会場もすごく盛り上がりましたね。でも、まだまだ(リミッターを)外してやりたいなと思ってます。今の目標の一つですね。
――Yuhさんはいかがですか?
Yuh:俺も言葉が下手なこともありますけど、なかなか言葉では理解し合うのが難しいなって思いますね。vistlipを愛してくれているからこそ色んな事考えちゃうのは分かってる上で、色んなことを素直に受け止めてお互いもっと理解を深めていけたらなって。繊細な子たちですね。
――改めて智さんはいかがですか?
:誰よりも自分の味方だなと思います。僕が弱ってる時にも力になってくれる心強い存在です。YuhとTohyaが言うようにすごく人間らしい子たちだと思うんで、俺たちの知らないところでケンカとかもしてるのかもしれないけど、vistlipはファンのためにやってる部分がすごく大きいバンドだと思うんで。やっぱり何よりも大切な子たちですよ。
――そんなファンの方と共に歩む上で、ライヴも数多く決定しています。まずA9とのツーマンツアーは意外性もありつつ、とても相性の良いカードだなと感じました。
Yuh:最初海がA9のメンバーから連絡をもらって、これもツアー中のフェリーの中で俺たちに提案してきたのかな?
:俺以外の4人は全員A9とは交流があるんですよ。
――ではこの場を借りて智さんはA9のどなたと親睦を深めたいか是非聞かせて下さい。
:まずは同世代のHIROTOくんから攻略していって(笑)。そこからやはりボーカリスト同士ということで将くんまで辿り着きたいですね。
――このツーマンではバンドとしてはどんなライヴを見せていきたいと考えていますか?
:俺ね、最近すごい思うんですけどツーマンとか対バンイベントとかってバンド同士の戦争っぽい感じがあるじゃないですか。でも俺たちが目指さなきゃいけないのって、その場にいるお客さんを楽しませることだから。そこに俺は私情を挟みたくはないんですよね。だから、いかにA9のファンも楽しませてあげられるかっていうことを目標に純粋な気持ちで臨みたいです。
『今自分たち自身が本当にvistlipを楽しんでいるっていう最高の状態』
――そして「vistlip oneman tour 2018」へと繋がっていきます。
:今制作中のアルバムを11月にリリースしてのツアーということになるので、まずは良いアルバムを作ることですね。作品の世界観といった部分は僕が作り出せるかなと思っているので、メンバーにはそれぞれ思い思いの欲しい曲だったりとか、さっきもYuhが言ったようにこれからのvistlipのライヴを塗り変えていけるような曲を詰め込んだ作品にしたいと思っています。
――幅広くバラエティに富んだ音楽性を持つバンドとして結成されたvistlipは、ある時期から「ポピュラリティ」を一番の武器とすることで大きく成長したバンドだと思います。そんな皆さんは今また大きく変わろうとしている時期を迎えているということなのでしょうか?
:そうですね。ステージというものに対して前向きな気持ちになっていることが大きいかな。もちろん昔の曲も大切にしているので塗り替えたからやらないという訳ではなくて、純粋に自分たちが新しいものを見てみたいというか。
Tohya:何よりもアルバムがまずは楽しみですね。ライヴを意識したアルバムを作ることでこれまで見れなかった景色もきっと作っていけると思うので。
Yuh:俺たちが「ライヴ感のあるアルバム」って先行して言っちゃってるだけに、具体的にどんなものになるか楽しみな反面プレッシャーもあって。ノリやすけりゃいいってもんでもないと思うし。
:そう。いろんなライヴ感があるからね。
Yuh:なので、まずは俺たちの提示するライヴ感をちゃんとファンが納得出来る作品にまとめた上で、そこの曲たちを次のツアーで形に残していけたらいいなと思いますね。
――期待しています。それでは最後に改めて「BLACK MATRIX」を完成させてのViSULOG読者へのメッセージをお願いします。
Tohya:そこそこ長くやってるバンドなんで、名前は知ってても曲は知らないって子もまだたくさんいると思うんですよ。「BLACK MATRIX」はもちろん、これまでにもたくさん良い曲を作ってきてるので、是非vistlipの音楽に触れて、ライヴにも足を運んでもらえたらと思います。
Yuh:結成11年も経つとライヴよりも作品そのものに重きを置くバンドが多くなりがちだと思うんですけど、このタイミングで俺たちが今「ライヴ感」に目を向けている意味を伝えられるようなアルバムを作りたいです。気持ち大き目なハコでライヴをやってるバンドってことで今は目を向けてない世代の子たちにも楽しめる活動を続けていくので、これを機会に是非vistlipに目を向けてもらいたいですね。
:初めまして。今自分たち自身が本当にvistlipを楽しんでいるっていう最高の状態なので、11年やって来た先にそう思えてるのはとてもいいことだと思いますし、是非今後のvistlipに新しく触れてもらえたら嬉しいですね。

RELEASE

ニューシングル「BLACK MATRIX」
2018年08月29日(水) Release!!
【LIMITED EDITION】
(CD+DVD)
MJSS-09227~8 / ¥1,800(税抜)
[CD]
01. BLACK MATRIX
[DVD]
01. ROUGH the vistlip

[初回封入特典]
トレーディングカード(ランダム封入)
[発売元]
マーベラス
[販売元]
ソニー・ミュージックマーケティング

【vister】
(CD+DVD)
MJSS-09229~30 / ¥1,800(税抜)
[CD]
01. BLACK MATRIX
[DVD]
01.「BLACK MATRIX」Music Video + Making映像 収録予定

[初回封入特典]
トレーディングカード(ランダム封入)
[発売元]
マーベラス
[販売元]
ソニー・ミュージックマーケティング

【lipper】
(CDのみ)
MJSS-09231 / ¥1,200(税抜)
CD
01. BLACK MATRIX
02. Original Words Complex
03. The Other Side

[初回封入特典]
トレーディングカード(ランダム封入)
[発売元]
マーベラス
[販売元]
ソニー・ミュージックマーケティング

LIVE INFORMATION

A9 vs vistlip TOUR「V.A.」

2018年10月08日(月・祝) 新宿BLAZE
2018年10月19日(金) 名古屋E.L.L.
2018年10月21日(日) 梅田TRAD(旧umeda AKASO)

the day of BIRTHDAY[DEVIL's LINE]

2018年11月15日(木) 高田馬場AREA

vistlip oneman tour 2018

2018年12月02日(日) 福岡BEAT STAION
2018年12月08日(土) 金沢EIGHT HALL
2018年12月09日(日) 大阪BIG CAT
2018年12月14日(金) 仙台RENSA
2018年12月17日(月) 札幌ペニーレーン24
2018年12月22日(土) 名古屋DIAMOND HALL
2018年12月26日(水) 新木場STUDIO COAST


2018年09月09日(日) Zepp DiverCity
2018年10月06日(土) 大阪・服部緑地野外音楽堂

vistlip PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。
  • Vo:

    Birth:
    01.13
    Blood:
    A

  • Gu:
    Yuh
    Birth:
    07.28
    Blood:
    A

  • Gu:

    Birth:
    07.20
    Blood:
    A

  • Ba:
    瑠伊
    Birth:
    11.15
    Blood:
    A

  • Dr:
    Tohya
    Birth:
    01.03
    Blood:
    A


DISCOGRAPHY

アーティストタグ

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