FEATURE

CASCADE「VIVA NICE TASTE」

2018.07.24
1990年代にカラフルでポップな佇まいと、毒の強いニューウェイヴサウンドで鮮烈なデビューを果たしたCASCADEが、今年で結成25周年。
それを記念してセルフカバー・ベストアルバム『VIVA NICE TASTE』をリリースする。
かつての名曲たちを今のバンドサウンドで再現した今作について、たっぷりと語ってもらった。

インタビュー・文:大窪由香
――今回、このViSULOGにCASCADE?と少し驚きましたが、新しいアー写を拝見して納得しました(笑)。
HIROSHI:ビジュビジュしてるからね(笑)。
――結成25周年を記念してセルフカバー・ベストアルバム『VIVA NICE TASTE』をリリースされますが、このタイミングでセルフカバーを出そうということになった経緯を教えてください。
MASASHI:友達と集まって飲み会をしている時に、今のレコード会社の人が来てくださいまして。当時僕らがメジャーデビューをした頃にも一緒にお仕事していた方なんですが、そこでちょっと盛り上がるようなことを何かしたいね、なんて話をいただきまして。25周年という節目の年でもありますし、僕らとしてもお客さんに向けて何かアクションをしていきたいなと思っていたところだったんで、そこから話がばーっと膨らみました。セルフカバーを作ることになったのは、ライヴでやり慣れてる曲でもあるんですけど、長年やってるうちに“ああしたい、こうしたい”っていうのがいろいろありまして、テンポを変えたりして磨かれた曲もあるので、それをこの機にぶちこんでおきたいなと思ったん です。
――新曲1曲を含む全11曲ですが、選曲はどんなふうにされたんですか?
MASASHI:ライヴでやってる定番曲もありますし、候補はいっぱい挙がったんですけど、最終的にはシングル曲だったり、世の中にいっぱい知られている楽曲をもう一回磨きたいなというのがありまして。ライヴで盛り上がる曲だったりしますからね。
TAMA:もちろん個人的にすごく好きだなって思ってる曲もあったりするんですが、例えば“この曲はあのライヴの日に、大合唱が自然に起きたよね。だからファンにとってもものすごく思い出深い曲だと思う”とか、これを出すうえでライヴの醍醐味と言いますが、そういうものがまた再構築できればいいなっていうので選曲したものもあります。
――それは例えばどの曲ですか?
TAMA:小さな星がほら一つとかですね。
HIROSHI:大変は大変だったんですよ、選ぶのは。やっぱりいい曲が多いんでね(笑)。でも昔の曲って、ライヴに来ているお客さん以外は、今のリスナーの人たちってほぼ知らないと思うんですよ。それを今の音でもう一回録ってみたいな、というのがありましたね。
――この取材にあたり、2002年にリリースされた2枚組ベストアルバム『VIVA NICE BEST』も聴き直したんですが、改めて名曲しかないじゃないですか。
TAMA:迷曲じゃなくて?(笑)
――いや、名曲です(笑)。なのでもっと曲数があってもいいんじゃないかと思ったんですが。
TAMA:それは、シングル曲を中心にみなさんが知ってると嬉しいなという曲を集めて、濃密に今の新しいCASCADEを見せたいっていうことで、必然的にこの曲数になったのかなと思います。
――セルフカバーというと、かなりアレンジを加えたり大幅に再構築してみたりしているのかなと思ったんですが、そういうことではなく純粋に今のCASCADEのバンドサウンドでレコーディングし直した、という感じですね。
MASASHI:そうです。ライヴからの延長線っていうところですね。
HIROSHI:あんまりいじると別の曲になりそうな気がして。サビ以外はほぼ何の曲かわからない、みたいなことよりは、知らない人に昔の状態の曲を今の音で聴かせてあげたいっていう。それが一番にあったから、ライヴでやり慣れている感じで昔の曲を今のCASCADEに届けようっていう。そんな感じでしたね。
――新しいリスナーもそうですけど、昔からのファンの方ももちろん楽しめる内容になっていて……好きな曲がアレンジで変わりすぎていて、なんか残念な気持ちになったりすることもあるじゃないですか。
HIROSHI:あのイントロが聴きたかったのに!みたいなのありますよね(笑)。僕も好きなバンドで“ここ変えちゃうの?”みたいなことありますからね。もちろん裏切っていい時もあるんですけど、僕らも音楽やってる側でありながら、聴くのも好きなんでね、リスナー側の気持ちで見てたところもあると思います。お互いに話し合ったわけではないですけど。
――共通意識としてあったと。
TAMA:今のCASCADEですっていうことをストレートにやったアルバムだと思います。あと、個人的にはCASCADEっていい意味でペラペラ感がすごくよかったと思うんですけど、プラスティッキーな音と言いますかね、それがより太くなったというか。ポップなんだけど先は尖ってて根元のエンジンはどっしりと太いという、そういうミサイルのようなサウンドになったんじゃないかなと、個人的に自画自賛しております。
――まさにそれは体感としてありました。今回のベースを人時さん(ex:黒夢)にお願いしたのはどういった経緯からですか?
TAMA:サポートでライヴをやってもらったんですよね。2daysセットリストが違っていて、50曲を一生懸命やってくれて。それも人時くんだからできたっていうのもありますし、あのライヴでの安心感もわかってましたからね。あと2014年の20周年の時にいろんなゲストベーシストを招いて作った『Jam-packed Jam』というアルバムがありまして、もちろんみなさんすごいベースの方たちなんですけど、個人的に人時くんのベースが好きだなあと思いまして。僕らのいい感じのペラペラ感に、あの人時くんの太い音が入ってくると、これまたCASCADEの音をいい意味で進化させてくれて、パワーアップするんじゃないかなと思って。それで人時くんのライヴを見に行きまして、『ちょっとお願いできないかな』って言ったら、二つ返事で『嫌だ』って言われたんですけど……あ、これは冗談ですよ(笑)。そういう経緯で、人時くんありきのいい感じのアルバムになったなと思います。
――(笑)。レコーディングでは一緒にスタジオに入られたんですか?
MASASHI:いや、それぞれのスタジオでやって、っていう感じだったんですけど、やっぱりライヴで一緒にやってたからかもしれないですけど、すごくトリッキーなことをやりつつも、安定したこともやってくれていて。そのさじ加減がすごくいいですね。やっぱり面白いベースを存分に弾いてくれる人だなと、尊敬してますよ。
HIROSHI:演奏もすごいんですけど、早いんですよ。ドラム2曲入れ終わった頃に、“ほぼできた”って送られてきたんですよ。それもすごかった。
――“もうちょっとこうしてほしい”とか、リクエストをすることもなく?
MASASHI:細かくやった曲もあるんですけど、やっぱりライヴで交わしたこととかも考慮しつつ、それを飛び越えてくる感じが面白いなと。
TAMA:何より楽しんでやっていただいたのが一番ですよね。
――TAMAさんは今回改めて昔の曲を歌うことで、何か変化を感じたりすることはありましたか?
TAMA:さっきサウンドのことで先は尖ってるけど根が太いというお話をしましたが、それ実はある人と対バンをした時に、ボーカルのことでそう言われてちょっと嬉しかったんですよね。『先は尖ってるんですけど、根がすごく太くなってますね』って。歌とか声って、足踏みした時にコンクリートでも足跡がつくみたな、それぐらいの気持ちで全身で臨まないとダメなんですよね、極端な話。それはライヴをやってれば本能的に身についてくるものというか、体がわかってくるものだと思うんですけど、やっぱりライヴが大きいのかなと思いますね。あと、今後の課題でもあるんですけど、喉も胸も締め付けずに、いい意味でフラットな感じで声が出せたらいいなと。その出し方を、最近わかったよ うな気がして。まだまだなんですけどね。そこはあまり力まずに出そうかなと。あとはもう、ここで癖を入れると面白いなとか、今回のレコーディングは楽しんでやってた気がしますね。
――そして1曲目に入っている「unfairly」ですが、この曲は2月に行ったライヴで初披露されたんですよね。
MASASHI:そうですね。そのライヴをやるためになんか新曲がほしいねっていうことで作って、あっためていた曲です。
――すごくストレートなロックチューンで。
MASASHI:まじりっけのない感じがいいなと思って。あとはやっぱり、バンドの中で勢いが出る曲がいいなと思って作りましたね。歌詞は、今のバンドの勢いというか、これまでずっとやって来た感情だったり、そういう感じがストレートに出たのかなと思います。
HIROSHI:他の曲もそうなんですけど、基本はしっかりあるけど最終的には“楽しいな”っていうのが一番にあったらいいなと思っていて。「unfairly」は2月のライヴからやってますけど、その1回目から楽しかったですね。で、レコーディングも楽しかったので、結果楽しいぞと(笑)。珍しく同期の音が全然入ってなかったので、“こうきたか”とデモを聴いた時は思いましたね。
TAMA:曲もすごく感動的だし、MASASHIがやっとまたギターを弾き始めてくれたなと(笑)。
MASASHI:アハハハハ。
TAMA:同期ものが多かったから(笑)。でもやっぱりMASASHIのギターはMASASHIのギターだなと思いましたし、それもすごく嬉しかったですね。もちろんHIROSHIくんのドラムもね、いい意味でうるさく叩いてますんで(笑)。そこに僕の歌が乗っかって、今のCASCADEを表現した曲が一曲目にきてるのがいいなと思いました。
――楽曲名でもありますが、タイトルを『VIVA NICE TASTE』にしたのはどうしてですか?
HIROSHI:前のベストアルバムのタイトルが『VIVA NICE BEST』だから、もう直球の方が周年らしいなと。一番わかりやすいんじゃなかろうかとおもいました。あと「VIVA NICE TASTE」って、インディーズの時からやっていた一番古い曲たちの一曲なんですよ。それもあって、タイトルにしようかと。
――改めて結成25周年、ちょっと振り返っていただきたいなと思いますが、調べてみると結成から2002年の解散までが9年で、再結成から現在に至るまでもちょうど9年なんですよね。
HIROSHI:そうなんですよ。いいところに気付きましたね(笑)。僕も今朝それを思いました。
――解散まで9年は張り詰めた時期があったりと、本当に紆余曲折あったと思いますが、25年を振り返ってみてどんなお気持ちですか?
TAMA:一言で言えば、駆け抜けたなっていう感じはありますよね。今も駆け抜けてる感じはありますし。
――そのスピードは前の9年と今の9年、変わらないですか?
TAMA:う〜ん、そうですねえ。音楽シーン自体、今の方がスピードが早いんじゃないですかね。
――再結成してからは、やりたいペースでどっしりとした活動をされているのかなと思っていたんですが。
TAMA:そうなんですよね。他のバンドの方たちはもっと緻密にやられている方もいらっしゃると思うんですけど、我々はそんなにみっちりとやってる方ではなかったような気がしますね。それが逆によかったのかもしれない。だから、あっという間というとなんか違うかなと。これからもマイペースに駆け抜けるんだろうなと。
MASASHI:うん。ありきたりかもしれないですけど、出会った頃のことを、ほんとに昨日のことのように思うこともありますし、濃厚ではあるんですけどね。だからやっぱり駆け抜けた、駆け抜けてるっていう感じですかね。
HIROSHI:そうだね。TAMAちゃんもMASASHIくんも、ボーカリストとしてギタリストとして、作詞作曲者として進化はしてるんですけど、根本的なところは変わってないというか。それは昔からそうなんですよね。見ててドキドキするというか、刺激を受けるというか。
――メンバーとの関係性も結成から変わらないですか?
TAMA:変わらないことと言えば、相変わらず『飲みに行こうぜ!』っていうのはないですね。『ファミレス行こうぜ』はありますけど。
一同:(笑)。
TAMA:打ち上げが嫌いとか、そういうことではないんですけどね。メンバーとご飯に行くとか、よっぽどのことがない限り……再結成しようっていう話をした時も、やっぱりファミレスでしたしね。
HIROSHI:(笑)。インディーズ時代からそうだったよね。対バンとかしたバンドさんに打ち上げに誘われるんですけど、なんかお断りしてみんなで車で移動して。途中でお腹が減ると、ちょっとファミレスに行って食べて帰る(笑)。
――それじゃあミュージシャンの友達も少なかったですか?
TAMA:こっちは仲良くしてるつもりなんですけどね(笑)。でも気軽に誘われるようなバンドではなかったような。行ったら行ったで楽しいんですけど、最近はもう2時ぐらいになったらお迎えがくるから。
HIROSHI:眠たくなるってことです(笑)。
TAMA:この間メトロノームのメンバーとはご飯を食べたりして、ああいい人たちだなあと思って。
――(笑)。8月には大阪と新宿で“結成25thセルフカバーBESTアルバムリリースツアー”がありますね。収録曲はマストで聴けると。
TAMA:やるでしょ。でも、やるかどうかはわかんないですよ、ってことにしておいてください(笑)。
HIROSHI:(笑)。ちゃんと聴きこんで来てね、ぐらいな感じで(笑)。
TAMA:聴きこんでこいよ。みんなで合唱しようぜ。
HIROSHI:それでいいです(笑)。
TAMA:今いるカスケーダーもみんないい人で優しい人たちばかりで、新規の方も全然受け入れてくれるので、みなさん遊びに来て楽しんで帰ってくれたらいいなと思いますよ。怖くないですよ〜。
――25周年のさらに向こう、CASCADEのこれから先のビジョンは見えてますか?
MASASHI:見えてる部分と、見えない部分ももちろんあるんで、まだまだ突っ走っていく感じかなと思います。
TAMA:いい意味で流されてきた部分もあるんですけど、その中でもやっぱり負けず嫌いなところはあったなと思うんです。結構負けず嫌いです。だから、これからも駆け抜けていくと。まだまだやりますよ。それがビジョンなのかもしれないですね。

RELEASE

2018年07月25日 リリース
結成25周年記念 セルフカバー・ベストアルバム「VIVA NICE TASTE」
TKCA-74671 / ¥3,000(税別)
[CD]
01. unfairly ※新曲
02. Sexy Sexy,
03. S.O.S ロマンティック
04. YELLOW YELLOW FIRE
05. cuckoo
06. あなたのベッドで眠りたい
07. コングラッチェ
08. Dance Capriccio
09. FLOWERS OF ROMANCE
10. 小さな星がほら一つ
11. VIVA NICE TASTE

LIVE INFORMATION

CASCADE 結成25th Vol.3 「VIVA NICE TASTE」

2018年08月04日(土) アメリカ村CLAPPER
2018年08月19日(日) 新宿LOFT ※二部制

CASCADE PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。
  • Gu:
    MASASHI

  • Vo:
    TAMA

  • Dr:
    HIROSHI


DISCOGRAPHY

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