SPECIAL

A・O・I (R2Y+J、SHAZNA)パーソナルインタビュー

2018.04.10
昨年電撃的に再結成したSHAZNAのGu. A・O・Iと、同じく再始動を果たし精力的に活動中のEins:Vierの Ba.Lünaを中心に結成されたR2Y+J(リリィ・ジョーカー)。
「バンドの中だけにある良し悪し」にこだわり抜いて生まれたミニアルバム『COLD SLEEP』から、R2Y+J とSHAZNAという2つのバンドそれぞれに懸ける思いにまで及んだA・O・Iのパーソナルインタビューをご覧頂きたい。

インタビュー・文:二階堂晃
『冷凍保存することで、未来の技術で目覚めることを願うっていうイメージって素敵じゃないですか』

――ViSULOG初登場ということで、R2Y+J結成の経緯から伺ってもよろしいでしょうか? A・O・I:SHAZNAとEins:Vierの所属事務所が一緒だったこともあり、Lüna(Ba)さんとはずっと前から交流がありました。お互いの家が近いこともあって、SHAZNAとEins:Vierが動いていない時期に2人で作品作りを始めたことが最初のきっかけですね。ですが、その後僕が事務所を離れたりといった事情でLünaさんと一緒に活動することが難しくなり、一度距離を置いたまま時間が過ぎていったんですね。そこから10年くらいの時を経て、僕とIZAM(SHAZNAボーカル)くんがやっていたユニットのalcali-5の主催イベントに当時Lünaさんのやっていたバンドを誘ったことで再会したんです。 ――その時点でかなりの年月が経っていたんですね。 A・O・I:そのLünaさんのバンドがちょうどギタリストを探していて、この日をきっかけに僕がサポートするようになったんです。そして2年くらい手伝った後、解散をきっかけに「改めて一緒に何かやりませんか?」とLünaさんと話して、そのバンドのドラマーだったT-T(Dr)くんを迎えて3人で結成したのがR2Y+Jです。 ――R2Y+Jはどんな音楽性を追求しているバンドなのでしょうか?

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A・O・I:根底にあるのは、僕もLünaさんもUKロックが好きという部分ですね。曲の作り方としては、まず僕がコード進行とメロディだけを考えてスタジオに集まるんです。そこで実際に僕が歌ったものを聴いてもらいながら2人に入ってきてもらって、その場の空気で曲を組み立てていくスタイルですね。 ――デモ音源などを作らないということでしょうか? A・O・I:そうですね。今時珍しく、かなり原始的な作り方をしているバンドだと思います。偶然生まれるものを大切にしていきたいという思いがありますね。また、LünaさんもT-Tくんもとても職人気質のミュージシャンなので、僕がギターで作る曲の雰囲気に対して2人のリズムでグルーヴを練り込んでいく過程を見ているのもとても楽しいですね。 ――『COLD SLEEP』は何故このタイミングでのリリースだったのでしょうか? A・O・I:本当は去年の暮れにはリリースをしたかったのですが、なにせ曲を作るのに時間がかかるので色々と間に合わなくて(笑)。本当はもっとリリースもコンスタントに出していきたいんですよね。 ――『COLD SLEEP』収録の全曲から独特の映像美や世界観を感じることが出来ます。是非1曲ずつのイメージを紐解いて頂いてもよろしいでしょうか? A・O・I:“COLD SLEEP=冷凍保存”することで、未来の技術で目覚めることを願うっていうイメージって素敵じゃないですか。表題曲の「cold sleep」はそういうSF観が曲全体から漂えばいいなと思いながら作りましたね。実は、レコーディング時にはこの曲はリード曲じゃないかなと思いながら作っていましたけど、サビの広がり方が他のキャッチ―でポップな仕上がりのものとは違う境地にいけたかなと思って、この曲をリードに選びました。歌うのが一番難しいので、少しだけ困ったなというのはありますけどね(笑)。 ――もちろんライヴではA・O・Iさんご自身でギターボーカルを執られるのですよね? A・O・I:ええ。R2Y+Jは3ピースで同期をほとんど使わないことにしているので。 ――「cold sleep」のSF観のインスパイアとなったA・O・Iさんのルーツはどういったものなのでしょうか? A・O・I:『ファイブスター物語』というSF漫画が大好きなんです。宇宙を舞台にした登場人物が何千人もいる作品なんですけど、そこで描かれている人間模様が素晴らしくて。台詞もすごく多いですし、時系列も何万年にも渡る壮大で難解なストーリーなんですけど、僕はすごく影響を受けていますね。 ――SFの世界観が漂いつつも、詞の内容では許されない恋愛について歌っているかのような印象を受けました。 A・O・I:恋愛というよりも家族というか、自分の子供を未来に送り出すイメージが近いですね。恋愛の歌も好きですけど、もう少し独りよがりな心象を歌っていると思います。 ――是非ともリスナーの方には曲の深い部分を味わいながら聴いて欲しいですね。2曲目の「snow man」もまた映画のような世界観の楽曲です。 A・O・I:「snow man」はこの作品の中では一番古い曲で、前作の『LIMIT CODE』(2016年6月15日発売1st Aibum)の後に最初に作った曲ですね。割とサクっと出来た曲で、コード感やテンポ感的にもRADIOHEAD(トム・ヨークを中心に結成されたUKロック・バンド)のような雰囲気になったんじゃないかなと。そんなに大人のバンドぶってるつもりもなんですけど、今は4曲ともテンポはわりと遅めですね(笑)。その中でも「snow man」が一番キャッチ―な印象になったかなと思います。 ――歌詞もとてもロマンチックですね。 A・O・I:この曲はサビの“Rainy day I'm waiting for you like a snowman”というフレーズから膨らませていって。悲しい雨の日でも雪に変われば、少しは楽しい気持ちになれるんじゃないかなと思って。作曲の段階からこの部分の歌詞はあって、最後まで変わらずに残りましたね。 ――楽曲制作時のエピソードは何かありましたか? A・O・I:この曲はスムーズに完成したこともあってしばらく置いていたんですが、久しぶりにスタジオで演奏した時にLünaさんが「A・O・Iくん、この曲ええなあ。」って何度も言っていたのが印象的でしたね(笑)。 『全員で同じ方向を向かなきゃいけないとも思わないんです』
――続く「starry sky」は4曲の中で一番きらびやかな印象です。 A・O・I:この曲はライヴのために作った曲です。『LIMIT CODE』に「VIBES」という曲があって、ライヴの時に2分くらいのプリ・イントロを追加して演奏しているんです。「starry sky」はその部分を元に広げていって生まれた曲ですね。R2Y+Jはいかにもお約束な、「あざとい」ことをあまり良しとしないバンドではあるんですが、とは言えライヴでガッツリ盛り上がれる曲が欲しいなと思いまして。あざとさにも色々ありますけど、ライヴで潔く思い切って演奏出来ていますし、このくらいの雰囲気が僕たちには似合っているんじゃないかなと。ただ、ちょっとものの良し悪しをバンドの中のみに求めすぎな部分もあるのかなと思っていて。 ――と言うと? A・O・I:バンドそのものを存続させていくためにも、まずは自分たちが納得できるものを生み出すことに何よりも執着しているバンドですから。もちろんオーディエンスにエネルギーを向けてはいるんですけど、根本の精神性が内向的なバンドなので、今後の作品では今より少し外を向くために第三者を制作に入れてみるのもありかなと「starry sky」を作った上で思いましたね。 ――この曲を通じてバンドの次が見えてきたのですね。 A・O・I:ひとつ形にすると、良くも悪くもひとつ終わりますから。 ――そして4曲目の「reason」でミニアルバムは締めくくられます。 A・O・I:当初はこの曲がリード曲になる予定でした。ベースのリフと頭のギターのアルペジオがカッコよく決まればといった部分から制作はスタートしましたね。 ――この曲に限らずですが、Lünaさんのベースラインは独特のスタイルと存在感がありますね。 A・O・I:歌いながら弾いて、なおかつあのグルーヴを生みだすのはすごいことですよね。『COLD SLEEP』は僕がほとんど歌ってますけど『LIMIT CODE』まではLünaさんがボーカルを執る部分も多かったですし、次回作はまた色々と変わるでしょうね。 ――作品作りにおいて内向的なバンドとしてのポリシーを貫いてきた中で「starry sky」を作ったことで以前よりも外を向く意識に目が向いたとのことですが、『COLD SLEEP』全体を総括してみていかがですか? A・O・I:『COLD SLEEP』がR2Y+Jにとってまた一つの節目になったと思いますね。ただ、バンドの内向的な部分を変えたいなと思うのは、あくまでも僕個人の感想なので。LünaさんとT-Tは今後もそれぞれのスタンスでもっと深く内向的になっていいのかもしれない。その上で僕については、R2Y+J内の立ち位置として今までよりも少し外向きなメンタルをバンドに落とし込むことで、今後いい感じにそれが二人とも混ざるんじゃないかなと。全員で同じ方向を向かなきゃいけないとも思わないんですよ。 『自分たちの良し悪しにこだわるという道を大事にしたい』
――そんなA・O・IさんにとってSHAZNAが2017年より新しい形で再結成されたことも今とても大きなトピックだと思われますが、SHAZNAとしての今の活動に関してはいかがですか? A・O・I:新メンバー3人のモチベーションがとても高いので、元からいた我々の気も引き締まりますよね。当時は常にサポート・ミュージシャンと一緒にツアーを回っていたこともあって、どこかで回りに頼っていたように思いますけど、彼女たちは僕らよりも年齢がひと回り若い子たちですから、まず僕らが頑張らないといけないし、誰も助けてはくれない環境になってよかったなと。楽曲制作に関しても、SHAZNAというテーマの元だとR2Y+Jとはまた違った責任感の中だからこそ生まれる良い曲というもがあると思っていますから、僕は恵まれているなと思いますね。「当時みたいな曲が出来たかな?」と思っても、やはりそれは古く聴こえてしまうんですよ。そうじゃないものを作らないと面白くないんだなってことにSHAZNAでは直面していますね。 ――今の時代に対してSHAZNAとしてアプローチしていくということでしょうか? A・O・I:うーん、そこまで僕は他人の音楽を聴いている方ではないんですが、きっとそういうことなんでしょうね。 ――A・O・Iさんご自身としては、シーンの流行や時代のニーズと言うものにはあまり関心がないのでしょうか? A・O・I:いえ、TVから流れてくるヒットチャートを耳にして、「いいな」と思っちゃうことも多いですよ。「今流行っているものは良くない」という感覚でもないですし。ということは今世に出ている音楽の尖っている部分をキャッチできている側の1人ではあると思っているので、時代から逃げてはいけないなと思いますね。それはSHAZNAであろうが、もしかしたら今後はR2Y+Jとしてもそうなのかもしれない。話を戻すと、SHAZNAとして動いていることでR2Y+Jとしても外に目が向くようになった部分はあるかもしれません。 ――その部分は大変興味深いです。A・O・IさんにとってのSHAZNAとR2Y+Jとしての意識の違いや、心の置き方はどういったものなのでしょうか? A・O・I:バンドの質がまったく違いますからね。心のどこかでR2Y+JをSHAZNAのように売っていきたいという気持ちはゼロじゃないんです。ただ、「バンドの中だけにある良し悪し」がそれに勝っちゃってる。 ――バンドの中だけにある良し悪しですか。 A・O・I:バンドって結局、続けていくことが一番難しい。そのための1つの方法論として、R2Y+Jでは自分たちの良し悪しにこだわるという道を大事にしたいなと。その中で、いつか良いきっかけが自分たちにあればいいなと思っていて。本当に難しい問題ですけどね。 ――大変難しい問題です。A・O・Iさんのような90年代ヴィジュアル系の黄金期と、最新のシーンのどちらをも肌で感じている方はこれからの時代にとって大きな存在だと言えます。長いキャリアの中で、これからのシーンに対してのご自身の在り方は今後どうあるべきとお考えですか? A・O・I:いつの世も、それまでの誰もやってこなかった新しいことをやるというのが大事なのかなと思います。当時のSHAZNAで言えば、女形の先駆者としてIZAMくんがあのスタイルであの曲達を歌うという面白さがありました。そして現在のSHAZNAで言えば、メンバーの半分が女子でセンターに女形がいるというのが、もうV系の枠を飛び越えていますよね。出尽くしたかのように見えてまだまだ新しいものはこのシーンにあると思いますし、それを提案していくことこそがSHAZNAというバンドの今後に与えられた役目だと僕は思っています。 ――期待しています。それでは最後に、6月8日(金) 渋谷 VUENOSにて開催される『R2Y+J present MINI ALBUM "COLD SLEEP" 発売記念LIVE "S.L.O.D.E CRACK rev.5"』へ向けてのメッセージをお願いします。 A・O・I:リリースから発売記念ライヴまで3ヶ月空くことにはなるんですが、その分最新の僕たちを見せられると思いますし、ひょっとしたらさらに新しいサウンドも同時に届けられるかもしれません。SHAZNAファンもEins:Vierファンも、是非一度R2Y+Jに触れに会いに来て欲しいですね。


RELEASE

R2Y+J Mini Album「COLD SLEEP」
2018年03月21日(水) Release!!
SLR-012 / ¥2,000(税抜)
[CD]
01. cold sleep
02. snowman
03. starry sky

[発売元]
SPACY LOVER RECORDS
[販売元]
FWD,Inc.

LIVE INFORMATION

R2Y+J present MINI ALBUM "COLD SLEEP" 発売記念LIVE "S.L.O.D.E CRACK rev.5"

2018年06月08日(金) 渋谷 VUENOS

R2Y+J PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Ba.&SideVo.:
    Lüna

  • Dr:
    T-T

  • Vo&Gu:
    A・O・I



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