INTERVIEW

K 「STORY」

2017.08.22
初の全国流通盤シングル「STORY」を8月30日にリリースするK。ソロとして初登場になるインタビューではBORN解散直後にソロ活動をスタートさせた時の想い、ボーカル&ギターとしてセンターに立って歌う経験を通して感じたことを飾らない言葉で話してくれた。
ライヴハウスの屋上でギターを弾いている時に生まれてきたメロディを形にした曲「STORY」はバンドからソロへと踏み出したKの心境とも重なるナンバー。彼の中に吹いている新しい風を感じてほしい。

取材・文:山本弘子
「新しいバンドをやろうとか、そういう発想はなかった」

――Kさんは BORNが解散(2016年5月)した後、すぐにソロ活動をスタートさせましたが、今振り返るとその時の心境というのは? K:今思うと考える間もなく決めてしまったので必死でしたね。解散ライヴの直後に発表して終演後にはファーストワンマンライヴを新宿ReNYで8月19日に行なうというフライヤーが配られていたんです。俺の中には解散して新しいバンドをやろうとか、そういう発想は浮かばなかったんですよね。 ――次のバンドを結成するという選択肢はなかったという。

続きを読む

K:はい。解散ライヴの前の話をすると自分は少しゆっくりしようかなと思っていたんです。そしたら、BORNの時に俺が自分で歌ったデモを持っていってたせいか、いろんな人が躊躇なく「Kはソロでいいんじゃない?」って言ってきて、「何、簡単に言ってるの?」って(笑)。だって、センターよりも陰のカッコよさが好きだったから。 ――センターを支えつつ、目立つみたいな。 K:もっとさかのぼると俺は最初ベーシストだったんですよ。猟牙とセンションした時に「ギターも全然弾けるじゃん。ウチのバンドに入ってよ」って言われたのがBORNの始まりだったので、思い返してみるとそういう音楽人生だったのかもしれないですよね(笑)。で、今回も最初は「無理に決まってるじゃん」って言っていたんですけど、試しに自分が歌うことを想定してキーを考えて作ってみたら、ギラギラ尖ってて自分の中でも「これ、カッコいいな」と思うものが出来て。 ――自分でもこれソロでもイケるんじゃないかと思えるものが出来たんですね。 K:イケるんじゃないかというよりも、こういう曲ができるっていうことは身体のどこかにまだ気合いが入ってるのかなって。その曲が新宿ReNYの会場限定で発売した「Rebirth」の原曲だったんです。 ――そうだったんですね。 K:そうこうする内にBORNも解散に向けてライヴの本数がどんどん増えていって忙しくなったので、自分はバンドに集中していたんですけど、まわりのスタッフから「どうするの?」って急かされて、いろいろなことを決めていった感じですね。ソロとは言え、バンド形態でやるのでメンバーを決めなきゃいけないんですけど、そんな時にノクブラ(NOCTURNAL BLOODLUST)のCazquiだったり、DEZERTのSORAだったり、初ライヴのステージに立ってくれた全員が「俺やるから、やりなよ」って言ってくれて……。もちろんやるからには本気でやらせてもらうと思っていましたけど。 ――それまでは文化祭で歌ったとか、そういう経験もなかった? K:誕生日ライヴでちょっととカラオケぐらい(笑)。 ――だったら、かなり勇気が入ることですよね。 K:だから、初ライヴでは心臓が飛び出るかと思うぐらい緊張しました。MCも言うことをさんざんノートに書いて(笑)、だから、ボーカリストのスゴさもわかりました。 ――実際に歌ってみてどんなことを感じたんですか? K:とりあえず、ボーカルって(ぶっ飛んでる)なって(笑)。センターに立って歌ってみて感じたのはカラオケと違ってみんな爆音で演奏するじゃないですか(笑)。しかもロックバンドはパフォーマンスしながら演奏するからキッチリ弾いてないし、こんな中で音程をとって歌うなんて不可能だと思いましたね。自分も楽器の時はそうだったから、猟牙に「ごめん。今日、チューニング狂ってた」って謝ると「ホント? 気づかなかった」って言われることが多かったのでスゴイなって。あと先輩のボーカリストに「MC面白いですけど、あらかじめ考えてるんですか?」って聞くと「何も。その時に思いついたことをしゃべってるだけ」って。俺はそんなことしたら何もしゃべれないからノートに書くんですけど、よくマイク1本であんな場所に立てるなって。 ――Kさんはギターを弾きながら歌うスタイルだけど、楽器を弾かない人は身体ひとつですからね。 K:ちゃんと音程とろうとしたらモニターより前に身を乗り出して歌えないですよ。最初から頭の中にある音階で歌っているのかなって。でも、だからこそヴィジュアルバンドのボーカリストってあんなフルスロットルのオーラが出せるんですよね。 『いざセンターに立ったら俺のやりたいようにやらせてくれって(笑)』
――いろいろ発見がある日々ですね。 K:でも、俺も気づいたらボーカリストゆえのわがままも手に入れちゃってるかもしれないんですよ。元のメンバーが聞いたら怒るかもしれないけど、曲のエンディングってみんな、めっちゃこだわりますよね。俺もそうだったんですけど、今は正直、どうでもいいなって(笑)。あと歌っていて歌詞が飛ぶことがあるんですけど、センターだから間違っても堂々としてなきゃいけない。メンバーから「Kちゃん、今1番の歌詞を2番で歌ったよね」って言われると「あ〜、そこ楽器隊に関係ある?」みたいな(笑)。俺も以前は歌詞を感じながら右手のピッキングの強さとか変えてたのに、いざセンターに立ったら、「俺がやりたいようにやらせてくれよ」って(笑)。 ――センターの魔力ですかね。 K:だから、バンドの立ち位置ってスゴイなと思います。その一方で目立ってて自己中なようでセンターで歌うってみんなが支えてくれる安心感もあるんですよ。ワイワイ楽しんで演奏してると逆に落ち着くこともあるし。意外とセンターって居心地悪くないなって。 ――今の話を聞いていると向いていたのかもしれないと思います。 K:今は歌ってよかったって思いますね。キッズの頃から特定のパートが好きというより、バンドそのものが好きだったからかもしれないですね。センターに立つことの怖さも責任感も感じたし、いろいろなことが同時に押し寄せてきてますね。あと楽器隊って身体の外側の筋肉を使うんですけど、ボーカルって精神面とかインナーマッスルが重要なんですよ。だから、繊細だったりするのかなとか。 ――いろいろ分析してますねえ。Twitterでは“最近、歌うことが楽しくなってきた”ってつぶやいてますけど。 K:楽しいです。ただ、最初の新宿ReNYは後から映像で見て「誰だ!?」ってビックリしました。練習はしていたけど、喉の筋肉も顔の筋肉もついてないから、みごとに音がフラットしてて、自分の実力を受け入れましたよね。そこから「これ筋トレと一緒なんだな」と思ってボイトレに通う数を増やしてカラオケにも行って無我夢中で歌ってたら、ちょっとずつ良くなってきたって言われて階段を一歩上がれたのかなと。 ――今は初ライヴから約1年ですね。 K:はい。最初はみごとに敗北しましたけど、反省がないと人は成長しないと思うし、あの日は大事でしたね。俺の中で「これからも音楽を続けていくよ」っていう意思表示をしたライヴでもあったし、1人でもいいからステージに立っていたいという想いが強かったんです。 ――と同時にBORNが解散してファンに寂しい想いをさせたくなかった? K:そうですね。それはキッズの時の体験が大きいと思います。HIDEさんが好きだったんですけど、解散ライヴの後にXが最後に紅白歌合戦に出場して元旦に新聞見たら“hideソロ始動!”って書いてあって「解散は寂しいけど聴くわ」みたいな。LUNA SEAの終幕でもJさんのソロが俺は嬉しかったし、振り返るとバンドからソロになったアーティストに衝撃を受けたんですよね。だから、自分がしてもらって嬉しかったことをしたかった。「やったほうがいい」って引き出してくれたのはまわりですけどね。 『自分の中で曲は会話に近い。より伝わる曲にしたかったのが「STORY」』
――なるほど。8月30日には初のシングル「STORY」がリリースされますが、音源自体は今までも発表してきていますよね。 K:はい。会場限定盤は出していますが、全国流通盤は初ですね。 ――「STORY」はサビのフックのあるメロディが残る良い曲です。どんな心境の時に作った曲なんですか? K:BORNの時はメロディがない状態のオケを作ることに力を入れていたんですけど、歌うようになってからはメロディから作るようになったんです。この曲はDのRuizaさんのサポートギタリストとしてESAKA MUSEに出た時に空き時間に屋上でギターを弾いていたら出来た曲です。ふっとサビのメロディが出てきたのですぐに携帯に録音して、そこから発展させて作りました。更なる一歩を踏み出すような歌詞になったなって。 ――不安や悩みから抜け出して新しいストーリーへと踏み出していくような内容になっていますね。 K:歌詞見ると「俺、悩んでたのかな」って。 ――BORN解散前の心境を歌ったのかなと思いました。 K:ああ、そういう感じは出てますよね。歌詞を書いている時はわからないんだけど、後から気づかされることが多いんですよ。そんなに気持ちの揺れはない方なんですけど、悩んだり傷ついたりしていたのかなって。 ――曲調的には空だったり、外の空気感が感じられるので屋上でできたというエピソードには納得です。 K:確かに言われてみれば(笑)。MVにも夕暮れの空が出てくるんですよ。 ――Kさんの中でも明るめの曲調ですか? K:そうですね。全国流通盤ということもあって、いろんな人がすんなり入っていけるようなコード進行や構成がいいのかなって。BORNも俺のソロもちょっと尖った音作りが多いんですけど、「STORY」に関しては「ちょっと聴いて」って気軽に言えるような、より伝わる曲にしたいなって。俺の中で曲って会話に近いものがあるんですよ。 ――聴く人とのキャッチボールをしたいということ? K:はい。音源になっている中ではいちばん長い曲なので、しゃべりと一緒でこうまく流れを作らないとって構成は何度も練り直しました。あとはサラッと聴けてもひっかかりがない曲になるのは嫌だったので、俺らしさを出しつつ、歌い方も悩んだ結果、「やっぱりまっすぐ歌おう」って。 ――MVにはギターを弾かないでマイクスタンドで歌うシーンやソファーに座って歌うシーンも出てきますが、Kさんから見所を。 K:初のミュージックビデオなので最初は大丈夫かなって。当たり前なんですけど、ソロになってからレコーディングも撮影も休憩がないんですよ(笑)。演奏シーンもイメージシーンも全部、俺かって。 ――はははは。 K:見所は歌と一緒で少しずつ佇まいにも自信が出てきたなって。あと今回は真っ赤な衣装を着ているし、ギラってるなって。 ――ギラついてるのは大事なポイントなんですね(笑)。歌っている表情を見てもボーカリスト然としていますよ。 K:MV編集していても今だに「そういえば俺、ボーカルなんだよな」って思うんですけど、1年前の会場限定のDVDよりカッコよくなれてると思うので、ぜひ見てほしいですね。 ――カップリングの「Higher」はギターのみならず、ベースもドラムも派手ですね。 K:ソロのリハーサルはライヴありきになるので、バンド時代と比べたら回数が減るんですよね。なので、ドラムのShunくんたちとラフにスタジオに入って音を出したりしてるんですけど、「Higher」はそういう時に「曲でも作ってみない?」って生まれた曲ですね。俺がベースを弾きながら歌っていて、ベースから始まるどパンクな速い曲にしようってノリ一発で作った曲。歌詞も酔い狂いたいみたいなロックンロールです。 ――「雀羅」のほうは? K:これは1年前からワンマンでやっていた曲です。今回のシングルにパズルのピースみたいにハマる気がしたのでアレンジを詰めて完成させました。リフでゴリゴリ押していく得意分野の曲なんですけど、綺麗なセクションもあって。 ――テンポが落ちる間奏のイメージも最初からありましたか? K:はい。初めてライヴで演奏した時はそこにも歌が乗っていたんですが、今いち納得できなくて、今回のような形になりました。 『悩むこともあるけど、最終的には動くしかない。やるしかない』
――「STORY」は3曲ともカラーが違いますが、自分でKというアーティストを分析すると? K:「Higher」とか「雀羅」のような攻撃的な面を持っているのがKだと思うんですけど、より深く知っていくと「STORY」を歌っている俺にたどり着くんじゃないかな。ソロになってから、いろいろな人と飲みに行ったり、ゴハンを食べるようになったんですけど、BORNの印象が強いせいか「イメージと違う」って言われたりとか。きっとソロってよりパーソナルな部分が伝わるんしょうね。 ――そうかもしれないですね。基本姿勢としては派手でギラついていたいというところなんでしょうけど。 K:「センター張るなら、これぐらいやらなきゃダメでしょ」っていうのもあるかもしれない。悩むこともありますけど、最終的には動くしかない、やるしかない、怖くても一歩踏み出すしかないと思うタイプなので、それが今の活動に全部出ていると思います。 ――最後にViSULOG読者にメッセージを。 K:「STORY」を出して今後はライヴの機会も増えるので、ぜひ1度触れてみてほしいですね。このシーンはバンドが好きな人が多いと思うんですけど、自分的にはソロでありつつ、バンドをやっているような気持ちでいるので。


COMMENT MOVIE

RELEASE

「STORY」
2017年08月30日 Release!!
【初回限定盤】
CD+M∞CARD
PSIM-30055 / ¥2,778(税抜)
[CD]
01. STORY
02. Higher
03. -story forever-
[M∞CARD]
01. STORY -MV-
02. STORY -MV- off shot
03. Digital Photo

【通常盤】
CD ONLY
PSIM-20044 / ¥1,852(税抜)
[CD]
01. STORY
02. Higher
03. 雀羅
04. -story forever-

LIVE INFORMATION

2017年08月23日(水) Shibuya Rex
2017年09月03日(日) 金沢AZ
2017年09月05日(火) 仙台MACANA
2017年09月09日(土) 大阪RUIDO
2017年09月10日(日) 名古屋ell.FITS ALL
2017年09月18日(月・祝) 福岡DRUM SON
2017年09月20日(水) 岡山IMAGE
2017年09月23日(土) 高田馬場AREA
2017年10月09日(月・祝) 渋谷DESEO

K PROFILE

K

  • Vocal:K
    Birth:05.26
    Blood:A



DISCOGRAPHY

アーティストタグ

K

K | 関連INTERVIEW

関連インタビューはありません。

K | 関連PICKUP

関連ピックアップはありません。