INTERVIEW

シェルミィ「ぼくらの残酷激情」

2017.07.04
7月19日に1stアルバム『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』を発売するシェルミィ。7月に大阪で、8月に東京で主催イベントと無料ワンマンを開催すれば、8月30日にはZirco Tokyoでのワンマン公演も決定している。
とてもバンギャルたちには身近なテーマを歌っているシェルミィ。
彼らがどんな意識を持ってバンギャルたちへメッセージを送っているのか、その想いをここにお届けしよう。

取材・文:長澤智典
『ヴィジュアル系音楽ばかりを聞いてるリスナーであり、ヴィジュアル系の音楽に育てられてきた』

――シェルミィの楽曲を聞くたびに感じるのが、多少デフォルメしてるとはいえ「バンギャルたちの病んだ心情をリアルに抉り取っている歌」であること。かなり、バンギャルたちの病んだハートをつかんでるんじゃない? :「わかる!!」と言ってくれる子たちは多いです。って言うか、僕自身の気持ちが、いまだにリスナー側と同じなんですよ。僕自身バンドを始める前から、バンドを始めてからもズッとバンギャル男のように、ヴィジュアル系音楽ばかりを聞いてるリスナーであり、ヴィジュアル系の音楽に育てられてきたんですね。だからこそ、バンギャルたちが共鳴する歌詞に自分も共鳴していたし、僕自身が病んだ心情の保有者なんです。

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凌央:僕も、そう。
:うちのメンバーの4/5はバンギャル男です。
凌央:若干1名例外はいますが(笑)、みんなヴィジュアル系のライヴによく通っていたメンバーたちですからね。
――そんなバンギャル男たちがバンドを組んだということは、最初から成りたい明確な姿を掲げ活動を始めたのでしょうか? :ファンとして好きだったバンドと自分らが表現したいバンドの姿は、正直異なること。それでも、いい風にまとまってるんじゃない?
凌央:そうだね。単に「好き」という括りだけで語るなら、みんなヴィジュアル系という枠の中でも好きな趣向はバラバラなんで。
:唯一みんなで共有しているのが、「作品の中へ嘘はつかない」こと。そこは、自分たちの気持ちへ正直に向き合ってますね。
凌央:シェルミィの歌詞に共感するファンが多いのも、そこなんだと思う。よくシェルミィのファンの子のtwitterを見ていても、シェルミィの歌詞をヘッダーにしている子もいますからね。
:っていうか、そこ見てるんだ(笑)。さすが、病んでるな。
――凌央さんもリスカ系の人? 凌央:僕はさすがにリスカはしてないですけど、その姿に憧れはあります。眠剤も服用してないですが、ビタミン剤は飲んでます。そこは、意外と健康志向なんで(笑)。
:僕なんかかなり逝ってます。深夜になるたびにいろんなことを考えてしまうダークサイドな性格なんで。
:だからこそ、シェルミィの病んだ世界観を彼は書けるわけだからね。
『彼(薫)が、このバンドの中で一番ヤバい人です。天然でキマッちゃってますから』
――豹さんは女性目線で歌詞を書くことが多くないですか? :そうですね。でも、あえて性別を超えた形の一人称で書くことも多いです。そうしたほうが、性別を超えて共感してもらえるなと思って。
:豹くんは、かなり女々しい性格だからね。
:いやいやいや、俺、喧嘩負けたことないよ。
:えっ、そんな話聴いたことない。
:せめて、こういうときには格好つけさせてよ。
友我:豹くんは、女々しいヴォーカリストです。
:でも、そこが可愛さなんですけどね。病んでる割にはどこか愛嬌があってほっとけない。元気がないときは、つい「おい大丈夫か、これ食べるか」ってお菓子を渡してあげたくなる。
:お菓子とかもらったことないわ……。
:せめて、こういうときは格好つけた発言をさせてよ(笑)。
:豹くんは、すぐ「トイレに行きたい」という人。
4人:……。
:じつは彼(薫)が、このバンドの中で一番ヤバい人なんです。天然でキマッちゃってますからね。
――シェルミィの曲世界を、薫さんはどのように受け止めています? :曲を聞いては「これかな!?」という感覚でギターを弾いてるように、自分なりに頑張って理解を深めようとしています。
:彼は人間が特殊なんで。
:自分では普通だと思ってるんですけど……。
:理解の噛み砕き方が特殊なんでしょうね。
:それが薫やバンドの味になっているのなら、それで問題ない。むしろこのバンドって、みんな個性だけは他のバンドさんには負けてないよな。
:今日はおとなしいけど、友我なんてめっちゃうるさい奴だからな。
友我:恥ずかしがり屋なんです。
――友我さんも病んでる人? 友我:このメンバーの中では一番ポジティブなんですけど、最近は気温の変化でちょっと病られちゃってます。季節の変わり目は精神的に弱くなります。
『たまに「みんなもっと病んでくれ」って豹くんから指令が降りてくる』
――シェルミィって、バンギャルたちの心情を代弁した歌も多いけど。同時に、「大嫌いな貴方の為に」のように、これまで見下してきた連中に対して牙を剥いてる曲も歌ってるじゃない。その反骨精神にも、いいなぁと共鳴を覚えたんですよね。 :「大嫌いな貴方の為に」は、高校時代の担任に向けて書いた歌なんですよ。高校生のとき学校の進路相談で「音楽の道に進む」と言ったら、「お前なんか絶対に売れないから辞めろ」と言われたことがあって。その教師の顔を思い出しながらこの歌詞を書きました。今は、「ざまぁみろ」って感じです。
凌央:でも、今は別の人の顔が浮かんでくるんでしょ。
:バンド活動を始めたら始めたで、バンドの活動タイミングごといろんなことを言ってくる奴らが多いんですよ。
――だけど、バンドが結果を出すと掌返ししてくる人たちも多いんじゃない? :その通りなんです。
:そういう人たちって、確かにいますね。シェルミィもまだまだな状態だけど、それでもすでに掌返しをしてくる奴らがいるからね。そういう連中たち全員を、何時か見返してやりますよ。
――その気持ちが、バンドを前へと突き動かすモチベーションになっていたり? :そこはおっきいです。何が正しい方法かはわかんないですけど、「負けるもんか」という気持ちは全員が持っています。
:その意識を通して、よりメンバーの気持ちが一つに固まったというか、バンドとして気を引き締めてくきっかけにもなったからね。
:うちのメンバーっていい人たちばかりで。僕が誰かにいじめられてたりするじゃないですか、そうすると「うちのヴォーカルに何するんだ」とみんな助けに来てくれるんですよ。
凌央:そこで彼をほっといたらほっといたで、その経験によってまたいい病んだ歌詞を書けそうだから、別にほっといてもいいんだけど(笑)。
:そうなんだよな。
:うちのメンバー、すぐに僕もいじめるんですよ。
:それは、逆も然りでしょ。たまに「みんなもっと病んでくれ」って豹くんから指令が降りてくるからな。
凌央:そう。幸せになったらいかんって。
『今回のアルバムコンセプトが「僕らの人生をお詰めします」なんです』
――シェルミィって、記された歌詞はとてもネガティブだけど、メンバー自身のモチベーションはかなりポジティブですよね。 :そうなんです。でも歌詞にだって、じつは前向きな想いが隠されてたりもするんですよ。
――アルバム『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』に収録した曲たちは、最近制作した歌たちが多いのでしょうか? :今回のアルバムコンセプトが「僕らの人生をお詰めします」。シェルミィが始動してから1年チョイ。ここへ至るまでにもいろんな動きがありました。とんでもなく大変なこともあれば、めちゃめちゃ楽しいこともありましたし、これから広がる未来も待っています。それら全部を詰め込んだようアルバム『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』は、シェルミィの活動1年間をまとめあげたボリューミィな集大成作品になりました。
友我:すごくつらいことも確かにあったけど、そのおかげでいい曲を書けたように、このアルバムを聴いた人たちの反応が楽しみです。
――友我さんは、『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』に対してどんな思い入れを抱いてます? 友我:収録したいろんな曲を聞くたびに、いろんな嫌な思い出やつらかった経験が甦ってきます。
:相変わらず病んでんなぁ。
――薫さんは、アルバム『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』についてどんな想いを持ってますか? :僕の中では、これまでの音楽人生の中一番長い制作時間や期間を賭けていたように、それを乗り越えられたうえで完成したんで、すごく満足しています。
:自分でOKテイクを出しても、まわりが「もっともっといける」と限界を突破するまで演奏を煽ってたもんな。
:自分では「もういいでしょ」と思ってるのに、まわりは「まだまだイケる」と。その試練を乗り越えたことで、きっと自分は強くなっているのかも知れない……。
:レコーディングは、みんな必死でしたけどね。みんなフルアルバムの制作も初めてなら、今回は新曲がほとんどだから、完成するまで全体像が正直見えなかった。
凌央:このメンバーが集まったときに「結成1年後にはアルバムを出せるバンドになろう」という話をしてたんだけど、実際その通りになったからね。しかも、当初は豹くんしか曲を書けなかったのに、今や僕や友我くんも楽曲を提供しているよう、その辺でも成長してきたなと思ってる。
――なぜ、みずから楽曲制作を始めたのかも気になります。 凌央:豹くん以外は、みんなコンポーザーよりもプレイヤー気質だったんですけど、活動していく中「豹くんにこんな曲も歌って欲しい」という欲求が自然と高まってきた。そこからなんですよ、「豹くんに気持ち良く歌ってもらうための歌を作ろう」という気持ちになり、自然といろんな楽曲を作るようになったのは。
:僕自身は、めちゃくちゃ自由に表現させてもらっていますからね。本当は作詞をしたいと思ってるメンバーもいると思うんですよ。だけど僕のわがままで、シェルミィの歌詞に関してはすべて自分で書きたいんです。それくらい言いたいことがめちゃくちゃある。もちろん、メンバーが書きたいことのヒントもくれるように、今の環境には本当に満足しています。
『ファンと僕らはいつも同じ目線で共に闘いあっていたい』
――豹さんは、アルバム『ぼくらの残酷激情/ボクラノグランギニョル』をどのように捉えています? :このアルバムは、シェルミィが活動2年目へ突入して最初の作品になるんですけど。とにかく、僕らの持ついろんな表情を出せた作品になった手応えを感じています。
――この1年間はあっと言う間でした? :早かった。
:めちゃくちゃ早かったな。結成したのは昨日だっけ? と言いたくなるくらい。
凌央:このメンバーとは毎日一緒におるから、「えっ、まだ1年?」って感じやな。
:もう3年くらい一緒にバンド活動をしている感覚やな。
凌央:それくらい濃い時間を過ごしています。
――シェルミィは、7月に大阪で、8月には東京で主催イベント、無料ワンマンを連続で行います。 凌央:今回の無料ワンマンには、ある狙いがあります。でも、今はまだ秘密です(笑)。
:なぜ無料なのか、そこにも意味があるんですよ。
――シェルミィは、これまでにも何度かワンマン公演を行っているんですよね。 :「全校集壊」「最後の晩惨」「第一次負け犬下剋上計画」「目黒グランギニョル」「心斎橋グランギニョル」「第二次負け犬下剋上計画」と6回やりました。要は、リリースごとにワンマンをやってるんですよ。
友我:最初のワンマンって、始動から3ヶ月後だったからね。
:しかも、初めてのワンマンのときからステージセットをめちゃくちゃ凝ったり、ドレスコードを作ったり。ワンマンに関しては、毎回ハードルの高い内容でやっています。しかも、何時だって前回を下回ることはやってないです。
――シェルミィは、けっこう反骨精神も強くないですか? :反骨精神はすごく強いです。よく「大人が嫌い」とMCでも言うんですけど、僕らは何事も決めつけたがる大人や世の中へ立ち向かっていきたいし、自分たちの成果を見せることで、世の中の人たちを掌返しさせてやりたい。シェルミィのファンたちの中にも、僕らと同じような環境の中で戦っている子たちは多いと思います。僕らはそういう子たちと一緒に闘いあいたいんです。仲間ではあるんですけど、むしろそれよりは、ファンと僕らはいつも同じ目線で共に闘いあう同志でいたい。そういう意識でいます。
――同じ意識を持っている仲間どうしという感覚だ。 :そうなんです。今回のアーティスト写真も、一つの国を立ち上げたイメージで撮りました。僕はその国の帝王となり、玉座にあぐらをかいています。
:その玉座のことを理解出来てなくて、勝手に座って遊んでた奴もおったけどな。
:あの椅子は座り心地がいいね。
――シェルミィとしては、自分たちの国家を作りたい意識で活動をしているんだ。 :今はまだまだ軍みたいな感じですけど、何時かは大国にしていきたいです。
『グランギニョルという言葉は、僕らシェルミィの世界観をわかりやすくまとめた言葉。その言葉を僕らが冠したときは、とても大切な意味を持ったものになっていると思ってください』
――シェルミィの楽曲の中でも支持の高い「哀しい日はいつも雨」。この曲、バンドマンに弄ばれたバンギャルの心情を歌にしていません? 友我:豹くんが遊びまくったことを書いてるもんな。
:いやいや、そんなことはまったくないよ。
:僕は遊び人だよ。
友我:あなたは遊べなさ過ぎでしょ。いまだに童貞だし。
:ドレッドで童貞のくせにバイセクシャルなんですよ。
凌央:その話、よく聞くわ。
:えっ、それ違う……。
友我:豹くんは遊ぶじゃなく女性に弄ばれるタイプだもんね。そして、何時も捨てられる。
:ちょっと……僕にもキャラっていうのがあるんだから、ひと言言わせてよ。僕も遊んでます!!
友我:遊ばれてます。
:まぁ、弄ばれてるからこういう歌詞を書けるんだけど。自分がバンギャルの子と同じ立場を経験してるからこそ、説得力を持って受け止めてもらえているのかも知れない。そういう友我だって、「哀しい日はいつも雨」を聞きながら昔はよく泣いてたじゃない。
友我:あっ、泣いてました。その歌詞を自分に変換して聞くと、あまりにもリアリティがあり過ぎて、よく泣いてました。
:僕も「大嫌いな貴方の為に」を自分と置き換えながら聞いては、グッときています。
:俺も「大嫌いな貴方の為に」は、よく自分と置き換えながら聞いてます。
凌央:俺、「悪い大人」の歌詞が今の自分にしっくり当てはまるんですよ。これを聞くたびに反骨精神で燃えてくるからね。
:それ、わかる。俺もこの曲を聞きながら、「よっしゃいくぞー!!」とテンション上げてるからね。
凌央:ぜひ学校や会社、バイトへ行くときに聞きながら、「よっしゃ!!」となって欲しい。
――8月30日にはZirco Tokyoを舞台にワンマン公演も開催になります。最後に、そこへ向けてひと言お願いします。 :8月30日のZirco Tokyo公演は「新宿グランギニョル」と題して行うんですけど。その前に、7月と8月に行う主催イベント、無料ワンマンを「夏の残酷変死体」と題して行います。それを経ての「新宿グランギニョル」のように、そこには連動性もあるよう流れで味わって欲しいのと、Zirco Tokyo公演は凄いことになりそうです。シェルミィは“グランギニョル”という言葉をキーワードに活動しています。その言葉に紐付いて出てくる血や死体などグロテスクなものたち。その意味を、グランギニョルという言葉の意味と重ねあわせ探って欲しい。グランギニョルという言葉は、僕らシェルミィの世界観をわかりやすくまとめた言葉。その言葉を僕らが冠したときは、とても大切な意味を持ったものになっていると思ってください。
:そうだね。僕がドレッドとヒゲと童貞を貫くのと同じように、シェルミィはグランギニョルというテーマを貫き続けますから。




COMMENT MOVIE

RELEASE

1stフルアルバム「ぼくらの残酷激情」
2017年07月28日 Release!!
BnG-005 / 3,240円(税込)
[CD]
1.哀しい日はいつも雨
2.ストロードール
3.悪い大人
4.ファッションマイスリー
5.透明人間
6.脆弱性クロンダイク
7.心理的瑕疵少女
8.君の首を絞めるうた-再録編-
9.遭難
10.平成メンヘラセオリー-再録編-
11.大嫌いな貴方の為に

LIVE INFORMATION

1stフルアルバム「ぼくらの残酷激情」リリース記念見世物公演ツアー【夏の残酷変死体】

2017年07月19日(水) 心斎橋Fanj twice(主催イベント)
2017年07月20日(木) 心斎橋Fanj twice(無料単独公演)
2017年08月14日(月) 池袋EDGE(主催イベント)
2017年08月15日(火) 池袋EDGE(無料単独公演)

ツアーファイナル【新宿グランギニョル】

2017年08月30日(水) Zirco Tokyo(単独公演)


2017年07月04日(火)アメリカ村DROP
2017年07月06日(木)伏見JAMMIN’
2017年07月07日(金)新宿club SCIENC
2017年07月09日(日)高田馬場AREA
2017年07月24(月)心斎橋FANJtwice
2017年07月29日(土)HOLIDAY NEXT NAGOYA
2017年07月30日(日)新横浜 NEW SIDE BEACH!!
2017年8月1日(火)池袋Black Hole
2017年08月03日(木)TSUTAYA O-EAST 他(全6会場)
2017年09月22日(金)名古屋ell.SIZE

シェルミィ PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:

    Birth:
    07.20
    Blood:
    A

  • Guitar:
    友我
    Birth:
    04.25
    Blood:
    A

  • Guitar:

    Birth:
    11.10
    Blood:
    B

  • Bass:
    凌央
    Birth:
    07.05
    Blood:
    A

  • Drums:

    Birth:
    -
    Blood:
    -



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