FEATURE

DEZERT パーソナルインタビュー

2017.06.12
「得るものはありましたけど、2ヶ月かける程ではなかった。いい意味ですよコレ」

――『千秋を救うツアー』の第1弾はかなりのハードスケジュールでしたが、いかがでしたか? 「なんか逆に楽だったんですけど。ライヴハウスの近くに泊まってライヴしてのルーティンだったんで。でも2ヶ月まわったら、その間はバンドとして時が止まるんですよ」
――時が止まる? 「バンド自身はライヴをやってて『この曲をこうしてみよう』とか、ツアーを通しても色々思うことはあるし変化もあるんですけど、東京戻って思うのはライヴに来ていない人たち、関係者、本質を知らない人からしてみたら、『2ヶ月経っておかえりなさい』なだけじゃないですか。バンドとしては時空が歪んだ感じしますよね」
――『浦島太郎状態』というか。 「そういう気持ちは若干ありましたね。あとは、こんな多く本数やらなくてもよかったなって」
――えっ? 「(笑)」

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――多かったと。 「完全にやりすぎですね。『2ヶ月を失った』は言いすぎですけど、『使ったわりには得るものはあんまり』みたいな。もちろん、いろんな地域に行けたことは無駄ではないし、得るものはありましたけど、2ヶ月かける程ではなかった。いい意味ですよコレ」
――では得たものは? 「『もうやらなくていいな』という感覚」
――まずそこですか。 「いや、大事じゃないですか」
――たしかにやってみないとわからないといえばそうですね。 「それが1番でかいですね。リリースもなく、大層なコンセプトがあったわけでもない。その程度じゃこんなに長いツアー出ちゃダメだなと。これが『アルバム出してその曲を育てたい』みたいな、あるいはリリースがなくても『バンドとしての転換期でお客さんと何かを確認し合う』みたいな。そういうガッツリしたものがないとやっちゃダメだなと思いました」
――ちなみに、それはどのあたりで気づいたんですか 「えー、7本目くらいですね」
――わりと序盤じゃないですか。 「『もうそろそろよくない?』ってなって。短い期間にたくさんライヴがあるから、細かい修正ならいくらでもきくというか、7本目くらいで『このパターンはこれだな』みたいな1個の完成形が一瞬見えるんですよ。『このセトリはこれだ』みたいな。不毛な時間も多かったなと思います。1本1本絶対やってよかったと思える部分はあるんですよ。……にしてはねえ、みたいな?」
――と、おっしゃるわりには『千秋を救うツアー2』が夏には控えていますが。 「すごくネガティヴなインタビューですね(笑)。バンドの予定の時系列的には前のツアーをやってる間に次のツアーのスケジュールも決まってるじゃないですか。それを別のタイトルでやろうという時期もあったんです。終わってみると、ひとつひとつのライヴとしてはいろいろあるんですけど、総合的には漠然とした想いしかないと思うんです。明確に『こういう風に思った』ツアーというよりは『ココこうだった』みたいな」
――木を見て森を見ず的な? 「結局、なんか1個のアンサーがあるのかなと思えば、多分無かったんですよね。そんなことも考えている暇も無ければ、正直準備もしてなかったし。次のツアーは、一般的に見たら良い日程、大きな会場で、期間的にも余裕をもったもので、まだ前回の答えが出てないからわざわざ同じタイトルにしたって感じです」
「『今日どうだった?』って聞かれたら『普通でした』って言えるのが良いなと思う」
――また“全国の千秋を救いに”いくと。 「バンドって、お客さんってバンドの写しみたいなものだと思っていて。うちのバンドってほぼほぼ『千秋くんを見に来てもらっている』と思ってるんですよね。『千秋くんしか見にきてないから俺なんてどうでもいい』みたいなネガティヴな意味ではなくて。バンドとして千秋くんを観に来てると思うので、それは千秋くんのことが好き……全員が“LOVE”じゃなくて(笑)。『嫌いも好きのうち』みたいな。じゃないとうちのライヴって来れないと思うんですよ。っていうことは、人それぞれだと思いますけど、極論、観点が千秋くんじゃないと、楽しくないんですよ。そういう意味で『全国にいる千秋くんを救うツアー』だったんですよ」
――フライヤーも千秋さんと同じ服装をした老若男女が並んでましたもんね。 「そういうテーマで。……に、してはやりすぎた」
――何回それ言うんですか。適正は何本?20本くらいですか。 「1本か2本……3本やればひとつの答えが出てくる気がしますよ」
――前回のツアーは10倍やってますし、次のツアーも3本よりは多いですよ。答えは次で出るのでしょうかね。 「ゆうても、僕は出ないと思いますよ(笑)。正直探す気もそんなにない。答えを出すというか、ひとつ何かが見つかったらいいなというか。今はいっぱいありすぎて困ってるところがあって」
――何から手をつけていいかわからないということでしょうか。さっきMiyakoさんのインタビューでも出てきたんですが。DEZERTのライヴはそもそも波があるような。 「かなり」
――それは千秋さんのテンションにに左右されてるみたいな? 「いや、そういうわけでもないんですよ。うーん、今1番答えを出したいのはそこかな? なんでそんなにバラつくんだろう。『今日歌モノ多かった、激しかった』とかではなくて、気持ち的な部分。『今日どうだった?』って聞かれたら『普通でした』って言えるのが良いなと思うんで」
――それに関してはDEZERT多分できてないですよね。でもまとまりのあるDEZERTもちょっと想像しにくい。 「人の価値観はそれぞれですから難しいですね。それこそまるで違う人たちが4人集まっているので。僕は最近『難しいなあ』としか思わないですね。自分の意思を伝える、人の意思を汲むとか、汲み取るほうが簡単ですね。伝えるのは難しい」
――それは最近のことですか? 「わりと色濃く出てきたな、と。昔はそんなことを考えなくても、手に届くところにいっぱい物理的な問題があったんで。『この曲間をちゃんとしてみよう』レベルの。活動歴が浅かったゆえにやることがたくさんあって、それをやればよかった。それが最近はそうでもないんですよねえ。物理的な部分ではなく、精神面や思想とか。」
――その変化はどうしてだと思います? 「なんでなんですかねえ、僕らは5年くらい活動してきてライヴやってるじゃないですか、でも『今DEZERTを初めて観る人からしたらどうなのかな』みたいな差が出てきて。バンドは活動していくし、やればやるほど、そこに新しく観る人が出て来る。悪い意味じゃなくて。そこにどんどん温度差がでてくるのかなと思ってて。そういうコツをつかむのも難しいし。ある種ずっと『上がっていく』ってすげえ難しい。皆どうしてるんですかね。バンドとして全く変わらなければ簡単だとは思うんです。最初にコンセプトがあればいいのかもしれないけど、そういうバンドって5年前に観ても今観ても同じですよね」
――バンドにコンセプトがあれば、活動して行く上である種の指針にはなりますよね。 「そうですよね。でも人って変わっていくじゃないですか。やりたいことも好きな音楽も。その中で、コンセプトを維持し続けるのも難しくないですか?」
――例えるなら大抵の人は5年前と同じ服は着ないものですよね。 「老けていくし、体力もなくなるし髪の毛もなくなっていくだろうし、その中で同じことをやり続けるって難しいのかな。コンセプトがあれば、それができれば、それこそ、楽なのかもしれない。でも“普通”でいられないでしょう」
――自然体ではない? 「そうですね」
――Sacchanさんは自然体でありたいのでしょうか。 「色々キャラや発言を作ろうと思っていた時期もあるんですけど。あとは皆からいい人と思われたいとか(笑)。でもそもそも僕そんなに良いやつじゃないなと。あ、でもそういう『闇が見えるバンドマンシリーズ』ってつまんないからこの話はやめましょう」
――なんですかそれ(笑)。 「最近バンドに限らずそういうの多いじゃないですか。『昔はいじめられてたけど……』みたいな」
――ドキュメンタリーや生い立ちインタビューとかも多いといえば多いですね。『いじめられてひきこもっていたけど今はステージの上で輝いてる』みたいな。 「そういう話も飽きたな、と思うので、僕の過去の話はどうでもいいですね。っていうか、最近『もういいかな?』って思うことしかなくないですか? 何見ても、何聴いても」
――それはむしろメンタルの方の問題では……。 「いやいや健康そのものですよ。せいぜい飲みすぎてお腹が痛いくらいですよ」
――単純に年を重ねて目が肥えて『この元ネタは~』とか思っちゃうみたいなことはありますね。 「それに僕は今1番ビビってますね。」
――年長者はそういう先入観で見ちゃうけど、それが新鮮に映る世代もいるんですよね。 「とくに僕らのジャンルってそうだと思うんですけど、化石化してるじゃないですか」
――シーンが? バンドが? シーンですかね。バンドは皆色々考えて、真面目にやってる。僕らも含めて試行錯誤して一生懸命やってると思うんですけど。……に、しては、やっぱり」
「だから僕は千秋くんに『タレント』になってほしい」
――今日『に、しては』が多いですね、Sacchanさんは閉塞感のようなものを感じているのでしょうか。いよいよこういうインタビューで話す内容ではなくなってきましたね(笑)。 「まあ他のメンバーがちゃんとした事こと言ってると思うので、ここは僕の悩み相談で」
――相談されても良い答えが出るかどうかわかりませんが。とはいえ、今のシーンがダメだとは言いたくないし、1ライターが言う資格もないと思うんですけど。 「そうなんですよねえ」
――停滞してると皆が感じてる分、何かを起こせる隙間はあるのかな、と。ライターにもいえることなんですが。皆がそれぞれがんばってると思うんですよ。 「僕は思うのは人材不足の1点ですね。このシーンで若くてやべえなという人が少なくて、いたとしても人材が少ないから、すぐいいところ『シーン、ジャンル』に見つかってという二極化っぽいイメージ。若い人たちがやりたいと思えないのかな。そもそも世間的に流行ってはないし。化石は化石なりに面白いことを考えて頑張っていくしかない。誰かが掘り起こしにくるかもしれないし。なんせ『写ルンです』が流行りだす時代ですからね」
――あのレトロ感が若者に受けている的な……。 「でも『写ルンです』で撮ってデータでもらうらしいですよ」
――新たな進化が。 「だからもしかしたらあれみたいに進化するかもしれない。それか焼き野原になった今を一旦整地するとか。で、話をもどすと、自分たちがいるジャンル、シーンだから面白いことになって欲しいんですよ。だから僕は千秋くんに『タレント』になってほしいんです」
――それはどういう意味で? 「一番タレントに近いアーティスト」
――色々いらっしゃるじゃないですか。音楽活動もやりつつドラマやクイズ番組にも出るみたいな? 「出る出ないは置いておいて、『出ててもおかしくない』っていうか『“ヒルナンデス!”とかのコメンテーターにいてもおかしくない』みたいな。最近そういうタレントみたいなミュージシャン、あんまりいないですよね。ぜひなってほしいなと思います。だから“2”はそういう旅です(笑)」
――結果的に千秋さんに憧れて若者がシーンに新規参入してくるような? 「それ最高ですよね」
――ベタな言い方しますと『若者が夢を持てるシーン』になってほしいですね。 「楽しい感じになってくれたら」
――そんな今が楽しくないみたいな。 「(同席しているMiyakoに向かって)ねえねえ、みーちゃん楽しい? このジャンルで希望もてる? ワクワクしなくない?」
――あー『ワクワク』ねえ。 「ぜんぜんないですよね。で、思ったんです。俺らがやらなければいけない」
――あら素晴らしい結論に。 「だって最近、バンド仲間で集まると「最近面白いバンドいないよね~」みたいな話しになっちゃったりするんですけど、ふと、何様だ、我らは(笑)と思って。若手とか若手じゃないとかではなくて、うちらは何も成し遂げてない。皆グダグダ同じこと言ってるけど『じゃあ俺やるわ』とは言わない。そういうバンドにならなければいけない。個人的には、そういうところを思いながら、再認識と進化のツアーにしたいですね。」


パーソナルインタビューを読む


千秋 パーソナルインタビュー

Miyako パーソナルインタビュー

Sacchan パーソナルインタビュー

SORA パーソナルインタビュー

RELEASE

「完売音源集-暫定的オカルト週刊誌②-」
2016年11月23日 Release!!
【変態盤】
CD+DVD
SFG-004 / ¥8,640(税込)
[CD]
01.「変態」
02.「切断」
03. 遮光事実
04. MONSTER
05.「不透明人間」
06.「絶蘭」
07. 脳みそくん。
08. さくらの詩
09. ストロベリー・シンドローム
10.「死刑宣告」
11. リリィさんの整形美容術
12.「告白」
13. 肋骨少女
14.「遺書。」
15. Ghost

[DVD]
2016年6月5日 【楽しい食卓ツアー】FINAL
at. Zepp Tokyo
01. opening
02.「あー。」
03.「君の子宮を触る」
04. 大塚ヘッドロック
05.「殺意」
06.「宗教」
07.「秘密」
08.「擬死」

【凡人盤】
SFG-005 / ¥3,780(税込)
[CD]
※収録曲は「変態盤」と共通です。

LIVE INFORMATION

"千秋を救うツアー"振替公演

2017年06月21日(水)名古屋 CLUB UP SET
2017年06月22日(木) 浜松FORCE

DEZERT LIVE TOUR 2017"千秋を救うツアー2"

2017年08月19日(土) 恵比寿 LIQUIDROOM
2017年08月26日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
2017年08月27日(日) 金沢 EIGHT HALL
2017年08月29日(土) 高松 オリーブホール
2017年09月02日(土) 福岡 DRUM LOGOS
2017年09月03日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2017年09月09日(土) 札幌 ペニーレーン24
2017年09月16日(日) 仙台 Darwin
2017年09月30日(土) 大阪 なんばHatch
2017年10月01日(日) 名古屋 ダイアモンドホール
2017年10月08日(日) 東京 中野サンプラザ
[チケット]
前売り ¥4,000 ※税込み、D代別
※中野サンプラザ公演は全席指定、他公演はオールスタンディング
一般発売:7月15日
※プレイガイド情報は後日オフィシャルホームページにて
・一般発売に先駆けてオフィシャルホームページ先行実施
受付URL http://eplus.jp/dezert17hp/
※枚数制限:お1人様各公演4枚まで
受付期間:5/01(月)12:00~6/19(月)21:00
結果確認:6/22(木)12:00~6/29(木)18:00
入金期間:6/22(木)12:00~6/30(金)21:00
※08月19日恵比寿公演~10月01日名古屋公演まで受付
※10月08日中野サンプラザ公演は後日受付情報を解禁

TOUR FINAL

2017年10月08日(日) 中野サンプラザホール

DEZERT PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:
    千秋
    Birth:
    03.02

  • Guitar:
    Miyako
    Birth:
    03.29

  • Bass:
    Sacchan
    Birth:
    10.28

  • Drums:
    SORA
    Birth:
    06.22



DISCOGRAPHY

アーティストタグ

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