INTERVIEW

umbrella「Frontier」

2017.05.09
umbrellaの5枚目となるSingle『Frontier』が5月17日にリリースされる。
umbrellaらしさをさらに進化させたソリッドな楽曲となっており今までと違った一面が垣間見える作品となっている。
6月からは『Frontier』を引っ提げた主催ツアーも控えており、今回の楽曲たちがライヴでどう進化していくのかも楽しみだ。

取材・文:山本貴也
「今回はほんまに鬱憤がたまってたので、それを全部出しました」

――5枚目のシングル『Frontier』は、また違うumbrellaの一面が見れた気がしましたが、制作にあたり何かコンセプトはありましたか? :ないですね。「こういうコンセプトで曲を作ろう」と思って作ったことがなくて、格好つけるわけじゃないですけど「ひらめく」というか、生活していく中で、ふっと降りてきたものを形にしちゃうんです。だから、「こういう曲を作りたい」、「最近のノリがある曲を作りたい」とか、そういう目的で作ったことは一度もないんですよ。

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――今回の「Frontier」も降ってきた曲? :実は「Frontier」はだいぶ前から出来ていたんですよ。聴いた人みんなが「新しい」って言ってくれたんですけど、僕の中では何が新しいのか分からなかったんですよね(笑)。
――そんな「Frontier」をどうして表題曲に? :最初はバラードという案もあったんですけど、衣装とか自分のイメージに対して一番しっくりくるものが「Frontier」だった。写真も僕らの中で新しい境地にいきたいのもあったし、すごく失礼な話ですけど、これだけたくさんバンドがいる中で、そこまで突飛したバンドを最近はあまり見かけなくなってきてる。そういう音楽業界になってほしくないし、僕らがバンドに憧れをもっていた時代はもっと特徴的なヴィジュアル系バンドが多かったってことを歌詞とかに全部突っ込みました。ただ、個人的には作った曲は全部シングルで出したいんですよ。カップリング用に曲を作ったりはしないし、全部自分がいいと思った曲なんで、ほんまやったら1曲入りのシングルを延々と出したいぐらいです(笑)。
:選曲に関しては、コンポーザーであり歌い手である唯くんの意見を一番尊重すべきかなと思っていて、あとはいかにそれをそういう風にもっていくかですよね。直感でも時間をかけて考えたとしても「この曲がいい」って言うのであれば、それに対してどうアプローチをするかだけで、どれがシングルになってもためらいはない。そもそも新曲ができた時に、基本的に「あーシングルっぽいよね!」って俺ら全員が言うんですよ。
:全部ええからどれでもええよって(笑)。
:だから逆に困るんですよね。出し惜しみするわけじゃないですけど、今出したいものを先に出すのか、いや、でもこれを出さないとみたいのもあるから、選曲会はすごく大事。
――前作がこういう感じだったから今回はこうとかはあまり考えない? :全く気にしない(笑)。
――先ほど曲が降ってくるとおっしゃっていましたが、歌詞も同じように降ってくるんでしょうか? :歌詞を先行して作るタイプじゃないんですけど、曲の雰囲気がある程度できあがると、これは「皮肉たっぷりな歌詞にしよう」とか、「悲しい歌詞にしよう」とか、もともと皮肉たっぷりな歌詞ばっかりなんですけど、「Frontier」の場合は、今の不満を思いっきり出してしまいました。
――この業界に対する不満? :別に何を言われてもいいんですけど、後半がすごく悪口になっちゃったんですよね……。インタビューとかがあるから喋れるんですけど、普段は口下手なのであんまり喋れないから、世に出す時くらい好き勝手言ってしまおうって(笑)。今回はほんまに鬱憤がたまってたので、それを全部出しました。
――なんの鬱憤が? :「こうやらないとダメ」とかあるじゃないですか。そういうのに最近イライラするんですよね。僕らは振りをやれとか強制しないですし、ずっと音楽中心でやってきた。今の流行を追うのも大事だと思うし、それを作れるのもすごいと思うんですけど、まわりでちょっと流行ると「じゃあ俺も!」みたいな風習が大っ嫌いなんです。昔はもっと遠い存在の人に憧れを持ってたと思うんですけど最近はそれが近すぎる。僕らはそいつらと一緒にされたくないし、それで文句言うんやったらもう来んでいいしってことを振り切って書いてます。
:僕ら自身もそういう環境でずっとやってきたんで、さっき言ったように「誰かの真似をせえ!」みたいなのは、umbrellaをやり始めた頃くらいからずっとありましたから。それをひっくり返すためには、楽曲であったり演奏であったり売上だったりっていうものがないとでかい口も叩けない。だから自分らを追い込む意味でも臆せずに発言していかないとなって。最近のミュージシャンは自分の発言にもビビるようになったしすぐに謝罪する。あれが僕は嫌いなんですよ。
:謝らんくていいのにね。
:こっちは提供する側だし、お客さん合わせるわけじゃないんだけど、そういうこと考えたらSNSって怖い(笑)。あんまり言いすぎるとヤバいからそこは歌詞だけにしとこって(笑)。
:そういうバンドがいるからこそ、俺たちのこのロック魂が生まれるんです。
:それで相乗効果で盛り上がると思うので、逆に感謝ですよね。
:まあ、僕らみたいのを嫌ってるミュージシャンも多いはずなんですけどね。
:正義がおるから悪もおるし、どっちが正義はお互いが思ってることであって、俺らは自分らが正義やという信念を持ってやってる。
:まあ、それで敵対してもらっても構わないんですけど、どっちが正解とかではなく、両方正解なんですよ。
:そういうのがあるからヴィジュアル系は面白いんですよ。
:だからこそ僕らはヴィジュアル系をやれてると思うんですよね。変な決まりごとがあったらとっくにやめてると思う。
「本当にギリギリで、出来た時は半泣きになりました」
――『Frontier』の制作にあたって何か印象に残ってることはありますか? :3曲目の「スロウレイン」という曲があるんですけど、作曲にかかった年数がすごくて、たぶん9年前くらいの曲なんですよ。
――そんなに!? :自分がやりたいアプローチを曲自体が断ってくるというか、拒んでくるみたいな感じで、これでもないあれでもないって、僕のイメージにどうしても合わなかったんです。今までこんなに困ったことがなかったので、人生で一番苦しんで作った曲ですね。
――どうして今回この曲を収録しようと? :僕が決めたんじゃなくて、春から「あの曲ないの?」「あの曲どう?」みたいな。
:「スロウレイン」だけじゃなくて「ハイキ」もわりと古い曲です。
:「ハイキ」はumbrellaができて、春が入った時くらいの曲やんな?
:7年前くらいですかね。その時にデモ段階を車でパッと聴かされたんですけど、そのメロディが7年越しに出てくるのはすごいことやと思って。でも彼の曲に関しては結構そういうの多いんですよ。
:たまに鼻歌で歌ってるもんな(笑)。
:それだけ頭に残るメロディということですよ。
――春さんから収録したいって言われてから完成させた? :そうですね。何度も向き合ってきたけどどうしても出来なくて「この曲は未完で終わるんや……」と思ってたら春からそう言われて、最後にもう一度向き合ってみようかなって。これで無理やったら無理と言おうと思って。でも本当にギリギリで、出来た時は半泣きになりましたから(笑)。本当に難産も難産で、umbrellaの中でも一番哀愁が多いしアプローチも違う曲になりました。
――展開もどんどん先に進んでいくし、繰り返しもない。 :この曲は、「死が近づいてる人が最後に愛する人と死ぬ前に雨の中で踊る」みたいなストーリーで、その人はもう死ぬのに繰り返しはないと思ったんです。戻ってしまったら意味合いが変わってくるから最後まで進んでいこうと。
――人生は一度きりですからね。 :そうやってアプローチしたら曲がすんなりと受け入れてくれたんですよね。
――9年越しに完成した曲を聴いていかがでしたか? :デモ段階からすごく良かったんですけど、より進化してましたね。僕はメチャクチャ「スロウレイン」推しだったので、本心で言うとこれが表題でも良かったんやないかなって(笑)。ほんま9年を感じさせない今の曲、今の音になりました。
:音は変わっても曲の良し悪しは変わらないからね。いつの時代も良い曲は良いんです。
:ドラムも今回すごかったよね? 今までと全然違うアプローチでスネアのピッチも今までで一番高かったんちゃう?
:「Frontier」は高いな。
:「Frontier」ですっごいムカつくことがあって、ギターソロ終わりのドラムのフレーズがカッコよくてそっちに耳がいっちゃうんですよ!
:(笑)。
:でも僕はumbrella史上で柊のソロは「Frontier」が一番良いと思ってるし、ベースもレコーディングの時に、「もうちょっと悩ましげなフレーズ弾いて」って言ったらすごく良かった。
――今回はより手応えのある作品が出来たということですね。 :今まではあんまLINEとかで「新曲聴いてください!」とかはなかったんですけど、今回は先輩バンドマンとかに「できたんすよ!!」って送ったら皆さんすごく喜んでくれました。
「僕らはここで終わりじゃないし、今後もumbrellaはいろいろやらかします」
――MVはどんな作品に? :今回は「軽薄ナヒト」「アラン」「ヨルノカーテン」と続いて、また全然違うアプローチで、僕らの伝えたいことの混沌とした部分を出していて、僕の根暗さとかが出てるかもしれないですけど、すごくスタイリッシュでギラついた感じになっていて鋭さがあります。今回はアー写も僕のイメージで撮らせてもらったんですよ。
――雨の中の撮影だったんですよね? :寒かったっす!
:僕の個人写真がちょっと半目なんですけど、ナチュラルに風が吹いてて寒かった時の“ウー”っていう感じで、これは思い出やと思って選びました。
:個人写真に関しては3人が撮り終わって僕の番になったら雨が土砂降りでヤバくて車に避難しながら、弱まったら撮っての繰り返しだったので、僕の写真をアップにしたら衣装も傘もびしょ濡れです(笑)。
――そんな苦労がありながらもすごくカッコいい写真ですよ。 :今までの写真もみんな好きなんですけど、コンセプトも自分で決めて本当にバッチシでしたね。カメラマンも昔、僕と一緒にツアー回ってくれたバンドマンで、僕らのことを分かってくれた上で撮ってくれるので最高でした。
:お互いに性格が分かってるとスムーズですよね。
――今作『Frontier』は、umbrellaにとってどんな1枚になりましたか? :今回も最高の1枚ができました。毎回言ってるけど……(笑)。
:組んだばかりのバンドの初期衝動にはないような、いい意味でまとまった1枚になったかなと思いますね。それが落ち着いたからとかではなく、攻めてはいってるんですけど、新しいバンドにはないグルーヴ感であったり音作りであったり、各々が積み重ねてきたものがギュっと詰まってさらに攻撃的になりました。
:さっきもおっしゃっていただいたんですけど、umbrellaは歌モノバンドっていう認識をされていて、それをいい意味で裏切れる、ライヴ感のある曲ができたかなと。僕らのライヴのイメージって、バラードばっかりやってると思われがちなんですけど、意外とイケイケでゴツゴツしたサウンドでライヴバンドらしいアプローチをしているので、それが垣間見える作品かなと思います。これを聴いてライヴに来たいと思わすことができる作品になったと思うし、そこは本当に生で聴いてほしいのでそう思ってもらえたら嬉しいです。
:毎回出す度に良いのは当然なんですけど、今回は伝えたいことがより具体的になった感じですね。賛否両論めっちゃあると思うんですけど、それはそれでいいと思うんですよね。「そんなこと偉そうに言って」とか、言わせたらいいと思うし、そういうものに対して僕らは臆せず進めるって自信があって出せる曲やから、これを出した=宣戦布告やと思ってるし、「かかってこいよ!」ぐらいの音源なので、バンドマンにしろお客さんにしろ伝わって、何かしらの起爆剤になったらいいかなと思います。これ聴いてなんも思わない人はもうそれで終わりやろなって。
――6月からはこれを引っ提げたリリース主催ツアー【ironical culture】も控えています。 :6月11日のファンミーティングは地元というか、ホームでやってる所の近くで、もう一度初心に戻ろうという意味合いが強いです。それに6月11日って暦上“傘の日”なんですね。言ってしまえば自分らの日なので、umbrellaを発足してからこの日は何かしよう、できれば毎年何かできればいいなって思ってたんですけどなかなかできなかったんですね。でもそれが去年やっとできたので今年もできるのが嬉しいです。
――どんな内容になる予定ですか? :俺たちが始めたこの大阪でどういう活動をしてきて、今までどんなことがあったのかみたいな話もできたらいいなと思うし、ファンと結束を固めてツアーに挑めたらなと思います。
――それでは最後にViSULOG見ている人にメッセージをお願いします。 :最高の音源を出して、ツアー回ってともう楽しみしかないですね。もちろん忙しいのししんどい部分もあるんですけど、umbrellaで忙しいのはすごく楽しいし、生きてる実感がすごくあるんですよね。だから早くツアーに行きたいなって。純粋に楽しみです。
:仙台、新潟、名古屋に関しては実は初主催になるんですよ。名古屋に関しては最近は月一くらいで行かせてもらってますけど、それまではなかなか行く機会がなかったし、やっぱり俺らが現地に行って演奏することがお客さんに対しての一番のアプローチかなと思うんですよね。今回のシングルを引っ提げてのツアーになるので、どういう反応が出るかも楽しみですし、ツアーが終わる頃には次にどういう動きをして皆に喜んでもらおうかなと考えてるんで、そこを含めて、5月のリリースから6月のツアーファイナル大阪VARONまですごく楽しみな毎日になるんじゃないかなと今から楽しみです。
:新曲たちがどうライヴで成長していくのかがすごく楽しみですね。さっきも春さんが言いましたけど、なかなか行く機会がない場所もあるので、そういう場所に対してのアプローチを考えていくのも楽しいですし、どうせ主催ツアーするなら仲良い人たちと楽しくワイワイみんなでやって、その楽しさを来てくれるお客さんに伝えられるように一生懸命やらないといけないなって。
:今回のツアーは僕らの知り合いがやっと出てくれたというか、今まではいろんな予定あって合わんかったのがようやく実現したので、umbrellaがやっとそういうフィールドに足を踏み入れて、新天地としてどう対バンの人たちと闘っていけるかとか、こういうイベントを組めるようになったので、できるだけ多くの人に聴いてもらいたいし、その音源を育てるというのが僕らの宿命でもあるし、僕らだけじゃなく、お客さんも一緒に育てて行くというのはやっぱり大事やと思うんで、今後のumbrellaを楽しみにしていてください。でも僕らはここで終わりじゃないし、今後もumbrellaはいろいろやらかしますんで楽しみにしといてください。




RELEASE

5th SINGLE「Frontier」
2017年05月17日 Release!!
DCCNM-005 / ¥1,620(税込)
[CD]
01. Frontier
02. ハイキ
03. スロウレイン

LIVE INFORMATION

umbrella 5th SINGLE「Frontier」 リリース主催ツアー【ironical culture】

~仙台編~
2017年06月05日(月) HooK SENDAI
~新潟編~
2017年06月06日(火) 新潟GOLDENPIGS BLACK STAGE
~東京編~
2017年06月08日(木) 初台DOORS
~名古屋編~】
2017 2017年06月21日(水) 今池3STAR
~大阪編~
2017年06月22日(木) 心斎橋VARON

umbrella -fan meeting-【傘の日】

2017年06月11日(日) 南船場地下一階

umbrella&master+mind presents umbrella柊生誕祭【アマヤドリ~天邪気~】

2017年07月24日(月) 新宿LOFT


2017年05月20日(土) 北堀江club Vijon
2017年05月21日(日) 【全6会場】 Music Club JANUS / OSAKA MUSE / SUNHALL / AMERICA-MURA FANJ-twice / 心斎橋CLUB DROP / アメリカ村CLAPPER
2017年06月03日(土) 伏見JAMMIN'
2017年06月10日(土) OSAKA RUIDO
2017年06月29日(木) 新宿BLAZE
2017年07月11日((火) SHIBUYA DESEO
2017年07月16日(日) 高田馬場AREA
2017年08月13日(日) 名古屋APPOLO BASE
2017年08月20日(日) 福岡DRUM Be-1
2017年08月26日(土) 心斎橋BIGCAT

umbrella PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:
    唯 -Yui-
    Birth:
    02.19
    Blood:
    B

  • Guitar:
    柊 -Shu-
    Birth:
    07.26
    Blood:
    B

  • Bass:
    春 -Hal-
    Birth:
    04.30
    Blood:
    B

  • Drums:
    将 -Sho-
    Birth:
    02.23
    Blood:
    O



DISCOGRAPHY

アーティストタグ