INTERVIEW

Sick² 「ENIACATOMIC」

2017.03.28
Sick²の2枚目のフルアルバム『ENIACATOMIC』がついに完成した。
ジェネ★(Vo)らしい毒舌や皮肉を込めたリード曲「切断」をはじめ、今までのSick²とこれからのSick²が融合したハイブリッドな作品になっている。
このアルバムを引っ提げたワンマンツアーでは、メンバー毎にチケットを販売したりと、新たな取組も行っている彼ら。
今作について話を訊いた。
取材・文:山本貴也
「賛否両論というか、「死ね」ってメールがメチャクチャくるかもしれない」

――4月5日に2nd FULL ALBUM『ENIACMANIAC』がリリースされますが、制作にあたってのコンセプトから教えてください。 ジェネ★:シングル曲が結構たまってきちゃって、これ以上シングルを出してアルバムを出すと半分ぐらいがシングル曲になっちゃいそうだなと思ったので、そこから衣装や写真など全部をひっくるめた1つのコンセプトを考えました。ヴィジュアル系の原点と言ったら大げさですけど、今って何とか系って細分化されているので。その大元を一度Sick²で消化して形にして、そこから先のSick²のビジョンも見せていきたかった。

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――タイトルの『ENIACMANIAC』というのは? ジェネ★:造語なんですけど、“ENIAC”と“MANIAC”をくっつけて1つの単語にしました。“ENIAC”というのは、諸説はいろいろあるんですけど、俗に言う世界初のスーパーコンピューターと言われているもので、“MANIAC”は皆が受け取るような意味もあるんですけど、実は“MANIAC”という“ENIAC”の次に出てきたスーパーコンピューターがあって、世界で最初のコンピューターとその次という意味も含めてアルバムコンセプトに相応しいと思ってつけました。
――リード曲に「切断」を選んだ理由は? ジェネ★:今回はろっしー(大志)が作った曲なんですけど……。
大志:才能が開花してしまった自分が怖いですね。
ジェネ★:そういうのいいから(笑)。ろっしーが持ってきてコンセプトをぶつけたというよりかは、「こういうのにしよう」というイメージが元からあったので、今回の衣装とかアー写とも関係するんですけど、「切断」というタイトルにもあるように、すでにヴィジュアル系にあるジャンルを1つ1つ切って、カラオケのメドレーみたいな感じになっています。いかにもキラキラ系な曲があったり、和風みたいな曲があったりそれぞれのパートに合わせてメンバーの衣装も決めていきました。
大志:だからセクションが4つあるんです。
ジェネ★:曲としては新しいと思うんですけど、それぞれベタなものをやりながら、そこを皮肉ってるというか、ディスってまた次にいくみたいなのを繰り返すので、賛否両論というか、「死ね」ってメールがメチャクチャくるかもしれないですね。一番最後には、これから先の自分たちが新しい道を切り開いていくようなメッセージも込められています。
大志:曲も4分割というか、いろんなヴィジュアル系のジャンルや要素をぶち込んだのでいろいろ難しかったです。
――衣装もメンバー毎に4つのコンセプトに分かれていますが、それぞれどんな衣装なのか教えてください。 ジェネ★:僕はベタなものにちょっと新しいものをプラスして、未来的な新しいものは取り入れたいと思っていて、僕の中では90年代の始めのSOFT BALLETとかの前衛的な要素を入れつつ、さらにその先に向かえるようなものができればと思って考えました。
祭-まつり-:わたしは和風を担当していて、こだわりとしてはこってり和風じゃなくて、中に着てるのが実はジャージだったりするんですけど、一歩先というか和洋折衷のイメージで、サイバー花魁という感じです。
ジェネ★:ガチャガチャしてそうで意外とまとまってるよね。
――各々の担当分野は自由に決めたんですか? 大志:軽くミーティングはありましたね。
ジェネ★:けどやっぱりなるようになりましたね。
大志:祭-まつり-くんは名前が祭ですからね(笑)。
たくま:僕は元々ヴィジュアル系が好きなので、いつもと同じく好きなものを作った感じですね。
大志:たくちゃんだけ今までと変わってない。
たくま:歌詞が僕が好きなヴィジュアル系をちょっとディスるような内容なので、ちょっと心が痛いです(笑)。
大志:僕はデコラから始まって、カラフルなキラキラ系で人形がたくさん付いてます。意識はしてないけどどうしても可愛さは出ちゃいますよね。
一同:……。
大志:可愛いよりもカッコよさが出ちゃった感じかな?
一同:……。
――言われてみれば出てるような気がしないでもないです……。 一同:(笑)。
――「切断」のMUSIC VIDEOの見所を教えてください。 大志:SPOTには映ってない衝撃シーンもあるので「お楽しみに!」って感じですね。
ジェネ★:見た目の衝撃シーンもあれば歌詞の面で衝撃のシーンもあるので、フルを見たらまた印象が変わると思います。だけど「すごい!」って言ってくれる人とブチ切れる人の半々でしょうね(笑)。結構強烈です。
「これが成功するかどうかは次のシングルとかで答えが出てくると思う」
――今作の収録曲の中から1人ずつオススメ曲を教えてください。 祭-まつり-:「シュレーディンガーの猫」という曲が今回のアルバムを作るきっかけというか、最初に出来てここから制作がスタートしたのですごく思い入れがあります。すっごくダルくて、もう作る気しねえなっていう曲ですね(笑)。仮タイトルも「ダルいやつ」だったし、今までこういう曲がなかったので新鮮だと思います。
――“シュレーディンガー”って聞くと何となくスピード感がありそうな曲のイメージなんですけどね。 ジェネ★:それたぶんミハイル・シューマッハのイメージじゃないですか? “シュ”がつくと早いみたいな(笑)。
――そもそも“シュレーディンガーの猫”とはどういう意味なんですか? ジェネ★:物理法則の単語で、すごく簡単に言うと、物理実験で箱の中の猫が生きてるか死んでいるかが1/2という状態は、その蓋を開けるまでは中にいる猫は、生きているけど死んでいると現実にはありえない状態になるという話です。説明すると結構長くなるのでその辺はググってください。
一同:……。
大志:何言ってるかわからない(笑)。
ジェネ★:女性が男性に想いを寄せていて、生きるか死ぬかぐらい思い詰めてた歌詞だったので、物理の曲ではないんですけどそれに例えて書きました。
――たくまさんはいかがでしょうか? たくま:「Pentimento Homme」が一番好きですね。これも今までやってない感じで、新しいことに挑戦したという感じがすごくしました。
祭-まつり-:前に出した「罪と罰とマゾヒスト」という曲があるんですけど、実は俺の中ではこの曲がそのイメージだったんですよ。でもその時は選ばれなくてカップリングで用意した曲が選ばれたんですけどね(笑)。
たくま:その選曲会の時からすごく好きで「やりたい」って言ってて、今回やれることになって嬉しかったし、アレンジ面でも一番うまくいきました。初のシャッフル曲なのでベースも弾いてて楽しかったですね。
ジェネ★:“Pentimento”というのが、画家が画を描いた後に、気に入らなかったり精神的な理由で上から塗りつぶして書き直されるてることが結構あって、それが後から発見されたりするんですよ。実際の下書きがどうなっていたかとかは科学的な検査で見えたりするんですけど、その塗り直しのことを“Pentimento”というんです。この物語に出てくる男性は遊び人で、1人の女性のことを好きになって今までの人生を塗りつぶしたい、やり直したいと思っている歌詞です。その人が人生を塗りつぶせたのか塗りつぶせなかったのかは読んだ人の想像に任せます。
大志:まさにジェネ★さんのことですね。
ジェネ★:まあ自分ことすね(笑)。でも僕が“Pentimento”できるかは分からないので、その辺は濁してあるんですけど赤裸々に書きました。
――大志さんはいかがでしょうか? 大志:「ジェミノイド」(※B TYPEのみ収録)ですね。Sick²の曲って暗かったり、すぐに人が死んだりするんですけど、それがこの曲はすごく前向きなんですよ。まっつんにデモを聴かせてもらった時からメッチャ好きで、まさにに俺の曲って感じです。
――祭-まつり-さんが大志さんのために書いてくれたと。 大志:祭-まつり-さんもそうだし、歌詞もジェネ★さんが俺のために書いてくれたのかなって。
ジェネ★:単語単語は前向きにしたんですけど、トータルのテーマが前向きかというと難しいところですね。「ジェミノイド」って、リアルな人間の顔になってしゃべるAIのような、人造人間の原型になるようなものなんですけど、歌詞自体が自分の感情だったり人との付き合い方に焦点が置かれていて、なかなかうまくいかないことって多いじゃないですか。でも人工知能なのでどんどん学習していって、人とのコミュニケーションがどんどんうまくなっていくと思うんですよ。そういう学習過程みたいなものを描きたいというか、「こういう時はこうした方がいいよ」っていう僕なりに思ってることがちょこちょこ盛り込まれていたりするのですごく身近な歌詞ですね。会社でうまくいかない人も、学校でうまくいかない人もいっぱいいると思うので読んでほしいですね。
――今作はロボットとかAIとか未来のテーマが多いですね。 ジェネ★:たしかにそうですね。でもたまたまなので単純に僕の趣味じゃないですかね。
大志:アルバムだからこそ書きたいことを詰め込んでる感じはあるよね。
ジェネ★:お笑い芸人さんみたいにネタ帳を付けてるんですよ。テレビ見たり、本を読んだりして、この言葉は使いたいとかこういう話を書きたいっていうのが膨大に溜まってるんですよ。それをアルバムを作る時にパーっと見て選んでいきます。基本的にNHKばかり見てるのでそういうのがどんどん増えていくんですよね(笑)。
大志:NHKと東京MXして見てないもんね(笑)。
――ジェネ★さんはいかがでしょうか? ジェネ★:「PARAPHILIAPARANOIA」ですね。僕の中ではノリがいいというか、聴くと自然に身体を動かしたくなるようなイントロで、そこから最後まで同じテンションでいくのでついつい身体が動いてしまうんです。
大志:途中でEDMっぽいのも入ってるし、Sick²っぽい。
ジェネ★:“PARAPHILIA”って異常な性欲だったり性的嗜好の話なんですけど、たまたま男の人と女の人が出会って、片方の性癖にもう1人も染まって犯罪にまで発展してしまったり、いい意味でも悪い意味でも相性のいい人達っていると思うんですよね。それが最終的にどんどんエスカレートしていっていくところまでいっちゃうみたいなことを書きました。この歌詞を読んで憧れる人もいれば、怖いって思う人がいたり、どこかで自分に照らし合わせてセーブかけよって思う人がいたり、いろいろなとり方はあっていいと思うんですけどね。
――『ENIACMANIAC』はSick²にとってどんな1枚になりましたか? ジェネ★:今回のメインコンポーザーは祭くんなんですけど、バリエーションは常に大事にしたいし、他のメンバーもバリエーションをすごく考えてると思うんですけど、そういう意味ではすごく成功した1枚になったと思いますね。今までの総まとめみたいな部分だったり、これまでのヴィジュアル系を自分の中で消化できたかなと思います。これが成功するかどうかは次のシングルとかで答えが出てくると思うので、これが活かされるか殺されるかはこの先を楽しみにしていてほしいですね。
大志:シングルもたくさん入ってるし、Sick²の入りとしてはすごくいい作品だと思いますね。
「各メンバー毎にチケットを販売して、ブースを分けてライヴをやる」
――今作を引っ提げたワンマンツアー『ENIACATOMIC』はどんなツアーにしたいですか? ジェネ★:アルバムのツアーなので、最後の恵比寿は変わったことをやると思うんですけど、他の箇所に関しては真っ向勝負というか、自信を持って新しい曲を引っ提げてガツンとSic2らしさを見せたいので直球勝負でいきます。
――ツアーファイナルの恵比寿LIQUIDROOM「恵比寿、切断。」では、メンバー別のチケットがあるんですよね? ジェネ★:そうなんです。各メンバー毎にチケットを販売して、ブースを分けてライヴをやるんですけど、それも「切断」という意味で各メンバー毎の区切りをつけていて、衣装も4つに区切られているし、他のバンドがやってるようなことは全部切り捨てて次にいこうよみたいな意味の「切断」でもあります。最初に発案した時は客席じゃなくてステージを区切ろうと思ったんですけど、いろいろ問題があって客席を区切ることにしました。僕の個人的な好みなんですけど、メンバー全員でヴォーカルを推してますみたいなバンドが嫌いなんですよ。全員が平等に扱われている中でもヴォーカルが一番人気というのが僕の中の理想だったりするので、そういうのも考えて全員が主役になるライヴがいいなと思ったし、他のメンバーの魅力にも気づきやすいのかなという逆説的な考えもあったりしますね。
大志:初めての試みでどうなるか分からないから楽しみですね。
――それでは最後にViSULOGを見ている人にメッセージをお願いします。 大志:Sick²のことを少しでも気になってる人がガッツリ好きになってもらえるようなアルバムとツアーになればいいなと思っているので、全世界にいる9,000億人の隠れろっしーファン出てこいや! 俺の欲求を満たしてください。
たくま:アルバムもライヴも新しい試みがたくさんあるので楽しみにしていてください。
祭-まつり-:前作のアルバムが全部主張してて「うるせえな」って思ってたんですけど、今回のアルバムを聴いて「もっとうるせえな」って思いました。
一同:(笑)。
祭-まつり-:けどそれがSick²だなって最近は思っていて、いい意味でSick²の悪さが出てるなって。それは皆が好きになってくれる悪さだと思うので、胸張ってその曲たちを引っ提げてツアーに行きたいと思います。
ジェネ★:「いい意味で」って言えばなんでもいいと思ってるでしょ(笑)。「いい意味でデブだよね」とか言っても通用しないからね。
一同:(笑)。
ジェネ★:他のバンドは、「こういう曲をやらない」「こういう楽曲とこういう楽曲は同じアルバムに入れない」とか、そういうのがすごく多いと思うんですよ。今回のアルバムはそれを全部裏切れると思う。さっき祭-まつり-が言った「もっとうるせえ」っていうのも本当にその通りで、またこの次もうるさいのがくると思うんですけど予想は軽く超えてくると思う。好き嫌いはすごく分かれるバンドだとは思うんですけど、絶対に他のバンドと似たものはないというか、その辺は聴いて判断してもらいたいですね。そして好きになってくれた人だけワンマンもその後もついてきてくれたら嬉しいです。




COMMENT MOVIE

RELEASE

2nd FULL ALBUM「ENIACMANIAC」
2017年04月05日 Release!!
【TYPE-A】
CD+DVD
PCM-207A / ¥3,500(税抜)
[CD]
01. ENIAC
02. CRAZY TOKYO
03. PARAPHILIAPARANOIA
04. 罪と罰とマゾヒスト
05. 絶対天使領域
06. 冬の終わる場所
07. CLUBSICK
08. 切断
09. 妄想悪魔審判
10. Pentimento Homme
11. deep:sleep
12. ぐり×ぐり
13. シュレーディンガーの猫
[DVD]
01. 切断(MUSIC VIDEO)

【TYPE-B】
PCM-207B / ¥3,000(税抜)
[CD]
01. ENIAC
02. CRAZY TOKYO
03. PARAPHILIAPARANOIA
04. 罪と罰とマゾヒスト
05. 絶対天使領域
06. 冬の終わる場所
07. ジェミノイド
08. CLUBSICK
09. 切断
10. 妄想悪魔審判
11. fiction
12. Pentimento Homme
13. deep:sleep
14. ぐり×ぐり
15. シュレーディンガーの猫

LIVE INFORMATION

Sick²祭-まつり-バースデーワンマン『まつりさん、幸せですか?』

2017年03月31日(金)大塚Deepa

2nd FULL ALBUM『ENIACMANIAC』発売記念ワンマンツアー『ENIACATOMIC』

2017年04月08日(土)HOLIDAY NEXT
2017年04月09日(日)心斎橋soma
2017年04月11日(火)福岡DRUM SON
2017年04月23日(日)仙台space Zero
2017年04月25日(火)札幌Crazy Monkey
2017年04月26日(水)札幌Crazy Monkey

2nd FULL ALBUM『ENIACMANIAC』発売記念ワンマンツアー『ENIACATOMIC』TOUR FINAL『女の子を騙すだけの簡単なお仕事です。8』
「恵比寿、切断。」

2017年05月05日(金)恵比寿LIQUIDROOM

Dream Agent presents 3MAN 『鶏×猿×病』

2017年05月09日(火)池袋Black Hole




2017年03月25日(土)名古屋E.L.L
2017年03月26日(日)新宿RUIDO K4
2017年04月22日(土)新宿ReNY
2017年05月02日(火)OSAKA MUSE
2017年05月03日(水)名古屋ElectricLadyLand
2017年05月20日(土)渋谷REX
2017年05月21日(日)新宿RUIDO K4

Sick² PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:
    ジェネ★
    Birth:
    03.15
    Blood:
    B

  • Guitar:
    祭-まつり-
    Birth:
    03.31
    Blood:
    A

  • Bass:
    たくま
    Birth:
    06.19
    Blood:
    O

  • Drums:
    大志
    Birth:
    10.25
    Blood:
    O



DISCOGRAPHY

アーティストタグ

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