INTERVIEW

アンフィル 「PARADISE LOST」

2017.04.18
アンフィルの2nd Album『PARADISE LOST』が4月19日にリリースされる。
始動1年目にリリースされた1st Album『LUNAR PHASE』は、少しアダルティーな作品だったことから、今作はよりアンフィルらしいアグレッシヴな作品にしたいというメンバーの意向通りの作品に仕上がっている。
8月からはワンマンツアーも控え、3周年に向けてどんどん加速していく彼らから目を離すな。

取材・文:山本貴也
『楽園がいいとされてるけど、本当はそうじゃないんじゃないかな』

――2枚目のフルアルバム『PARADISE LOST』がリリースされます。まずは制作にあたってのコンセプトから教えてください。 未月:1枚目のフルアルバム『LUNAR PHASE』は、作品としてはすごく好きなんですけど、結成1年目のバンドにしてはちょっとアダルティーになりすぎたので、今作はもっとキャッチーで聴きやすいアンフィルらしい作品を作ろうと思って、自分たちの若さや元気な一面を見せようというのがありました。

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翔梧:『LUNAR PHASE』は“月相”という意味で、アンフィルでいろんな曲をやりたいっていうのと、同じ月でもいろんな見え方があるから、いろんな曲を詰めてもアンフィルっぽいと思って付けたんですけど、結果的にアダルティーに落ち着きすぎてしまったので、今回はアグレッシヴな曲を多めに揃えたんですけど、いろんなことをやりたいのもあったので、1曲1曲の景色が浮かぶようなゲームのサントラみたいな感じにしようという裏テーマもありました。
未月:本来だったら1枚目で今回のような作品を出して、2枚目で『LUNAR PHASE』みたいなのを持ってくるパターンが多いと思うんですけど、『LUNAR PHASE』は自分たちのやりたいことだけを詰め込みすぎてしまったので、今作はもっとファンの人のニーズに応えるというか、全体的に明るくてノリやすい曲が多いです。
――表題曲「パラダイム・ロスト」は、アルバムタイトル『PARADISE LOST』のカタカナ表記だと思っていたら違うタイトルだったんですね。 未月:ファンの子も間違えてる人が多いかもしれないけど、実はそういう引っ掛けがあるんです。
――どういう意味合いが? 翔梧:「パラダイム・ロスト」が先に出来てからアルバムタイトルを決めたんですけど、『LUNAR PHASE』が英語で2ワードだったのでそれに寄せました。ちょっとややこしいんですけど、元々は「パラダイム・ロスト」が『PARADISE LOST』だったんですよ。“失楽園”という意味の“PARADISE LOST”と、考え方や大きな枠組が変わっていく“パラダイム・シフトという言葉の2つを組み合わせて「パラダイム・ロスト」になりました。“失楽園”は大まかに言うと、アダムとイヴが知恵の実を食べていろんな知恵を付けてしまって、いろんなことを考えるようになってしまい、その罰で楽園を追放されてしまうんですけど、「失楽園」って楽園を失うって書くので世間的にはすごくマイナスなイメージがあると思うんですよ。でも知恵を付けずにそのままのほほんと暮らすことが「そもそもいいことなのかな?」って思ったんですよね。だったら何も知らずに過ごすより、いろいろ苦しいことがあったとしても外の世界の方が楽しいことがたくさんありそうだなと。楽園がいいとされてるけど、本当はそうじゃないんじゃないかなって考え方がシフトする“パラダイム・シフトと“パラダイス・ロスト”を合わせて「パラダイム・ロスト」にしました。
――これは造語? 翔梧:造語です。
――作曲はyukitoさんです。 yukito:若さみたいなテーマがあったので、まずはノリやすさを意識しました。今までのシングル曲はわりと凝った曲が多かったので、今回はストレートでシンプルな構成にして、一度聴けば覚えてしまうようなとっつきやすさを大事にしました。
――最初の英語のセクションがすごく印象的でした。 yukito:曲を作る時もそこがメインというか、そこが最初に浮かんでそこから広げていきました。
未月:デモをもらった時もそこの印象が強かったです。
翔梧:1曲目は、始まりの曲、旅立ちの曲のようなイメージがあったのでそこを重視していて、その英語のセクションも旅立ちっぽいし、ライヴでも1曲目に相応しい曲かなと思います。アルバムタイトル『PARADISE LOST』は、楽園を追い出されるという意味あいなので、今回の僕達の冒険はそこからスタートします。
――MUSIC VIDEOはどんな映像に仕上がりましたか? yukito:「旅立ち」というテーマがあったので情景を2パターン作りたくて、最初は白い朝のようなイメージから始まり、サビではモダンな雰囲気になっています。失楽園というテーマもあったので花柄の背景で撮ったり、すごくテーマが見えやすい映像になったと思います。
翔梧:今までは真面目な歌詞とか暗い歌詞が多かったからあんまり笑ってなかったんですけど、今回は初めてと言っていいほど笑顔で撮れる曲だったので気持ちが楽でした。
『なんかいろいろ毒を吐きたくなったんですよね』
――収録曲の中から各々の好きな曲や印象深い曲を教えてください。 ハル:僕は「星の雫」ですね。今年の初めに入院していて、同じぐらいの時期にアルバムの制作も始まったんですけど、最初に届いたのがこの曲だったんです。入院中は本当にやることがなさすぎて、1日中この曲を聴いて頭の中でドラムフレーズを考えて、消灯時間と同時にパソコンを開いてドラムを打ち込むっていう作業をしていたのもあって、一番たくさん聴いたし思い入れがあります。曲調も虚無感をすごく感じるし、聴くとその時のことを思い出したりしてすごくグッときます。
――ハルさん作曲の「ひだまりアンサンブル」のことも教えてください。 ハル:自分の初作品になるんですけど、本当にシンプルで分かりやすくて、自分の好きな感じの曲を作ってみました。ギターソロじゃなくてあえてピアノソロというのもこだわりです。歌詞に関しては、「太陽が照ってる草原みたいな感じで」ってお願いしました。
翔梧:それが“ひだまり”です。
――いいタイトルですね。 ハル:なかなか決まらなかったよね。
翔梧:結果的には満足してるんですけど、なかなか決まらなくてここにいきつくまでが大変でした。「ひだまりスケッチ」というマンガがあるんですけど、その語呂がめちゃくちゃ好きなんですけど、それをそのまま使うわけにはいかないから、「ひだまり」だけ使って「ひだまりアンサンブル」にしました。こういう甘々な全くマイナスのない歌詞って書いたことがなくて、結構恥ずかしいんですけど、「ひだまり」って聞くと、原っぱに寝転んでる2人の幸せな感じをイメージして書きました。
:僕も「ひだまりアンサンブル」好きですね。すごく楽しくて明るい気持ちでレコーディングできたので、初めて「レコーディングって楽しいかも」って思いました(笑)。
――他にもお気に入りの曲はありますか? :「RIP」ですね。作ったのは結構前なんですけど、とにかく速くて激しいカッコいい曲を目指して作りました。ギターもツインギターだったり他のパートも全部カッコよく仕上がりました。すごく抽象的なんですけど、薄暗いところにいるイメージでって翔梧に伝えたらすごく苦労してましたね。
翔梧:景色が浮かぶようなワードが欲しいって言ったら、暗い、冷たい、寒い、コンクリートみたいな(笑)。それをひねくれた感じにしてほしいと言われたので、浮かんだイメージは映画の「SAW」みたいな感じでしたね。でも「SAW」っぽさが出過ぎないように、中二っぽいワードやヴィジュアル系っぽさのするワードをはめていったので、いろいろ想像してほしいですね。あとこの曲で歌詞ミラクルが起きたんですよ!
――というと? 翔梧:「RIP」って聞くと唇っぽいじゃないですか。言葉だけだと可愛い感じがするけど曲は可愛くないので、そういう面でもひねくれた曲にしていたり、スラングで“Requiescat in Pace=安らかに眠れ”という意味もあるなって思って歌詞を見返したら“安らかに眠れ”って勝手に書いてたんですよ。それでタイトルは絶対に「RIP」にしようって。
未月:歌詞にもあったし最初からそっちの意味のタイトルだと思ってた。
翔梧:実は違うんだよね。
未月:読み方も“アールアイピー”かと思って、「A.C.T.C」と読み方が被るからやめてくれないかなって思ってたら、“リップ”だった(笑)。
――、「A.C.T.C」の読みは「エーシーティーシー」? 未月:そうです。これは前作で「L.O.L.S」という曲を作ったので、その続編ではないんですけど、アルファベットを4文字並べたシリーズを作りたくて付けました。ライヴ映えする激しい曲が欲しかったので、ヴィジュアル系を意識しながら荒々しく歌ってもらいました。
翔梧:往年のヴィジュアル系によくある“オイ!”っていうのをやりたかったんです(笑)。
未月:あとBメロの歌詞をあえて歌詞カードに記載してないんですけど、それもまたヴィジュアル系っぽいかなって(笑)。
――「A.C.T.C」というのは? 未月:アクト・茶番みたいな……(笑)。他にも意味はありますけどね。
――そんな未月さんのお気に入りの曲は? 未月:「ルピナスアンハピネス」ですね。自分の曲はヴィジュアル系っぽさを全面に出していこうと思って作りました。というのも、翔梧さんとハルさんは歌ものを作ってくるし、yukitoさんはバラードっぽいもの、棗さんもメロが綺麗な曲を作ってくるから、自分はアクが強い曲を作ったら皆の間に入れるかなと思ったんです。こういうティム・バートンみたいな世界がすごく好きなので、ストリングスとかパーカッションとかいろいろな音色を使ってそういう世界観を出してみました。それもあって歌詞も少しふざけた感じで書いてみました。でも歌詞に関してはあまり詳しく話したくないので聴きながら想像してほしいですね。きっとタイトルで予想がつくんじゃないかな。
――アルバムならではの曲かもしれないですね。 未月:正にアルバムだからこそできる曲ですよね。そういう意味でもアルバムって好きなことがやりやすいからいつも作るの楽しみなんです。
――Aメロのオペラみたいな歌い方も面白いですね。 翔梧:その“オペラ”というワードが欲しかったんですよ(笑)。デモの段階からら途中の“オーオオー”みたいなのが入っていたので、思い切ってそっちに寄せてみました。Aメロのキーもいつも自分が作るキーじゃなくて、中途半端に高かったり低かったりしたので、じゃあどっちも歌おうと思ってオクターブ違いで両方入れてみました。
――yukitoさんはいかがでしょうか? yukito:僕は「Scar」です。バラードとか暗い曲が好きなのもあって、すごく僕好みのロックテイストな歌ものになりました。ギターのカッコいいリフも作れたし、オブリもロックバラードならではのことができたかなと思います。
――翔梧さんは? 翔梧:「五月一日、幸福論」ですね。この曲、未月っぽくないですか?
――たしかに。 翔梧:なんかいろいろ毒を吐きたくなったんですよね。
未月:なんかあったんだ……。
一同:(笑)。
翔梧:何もないんですけど、普段の小さいイライラってあるじゃないですか。全然どうでもいいんだけどイライラすること。それだけを詰め込んだみたいな感じです。でも結局「それを言って何になるの?」って感じなんですけどね(笑)。何のプラスにも得にもならない真面目ぶらない曲を作ろうと思って書きました。
――歌いかたもけだるい感じですね。 翔梧:台詞も入ってるんですけど、歌も台詞っぽい感じで歌うようにしています。これも実は歌詞ミラクルがあるんです。
――歌詞ミラクル第二弾ですね。 翔梧:タイトルがなかなか決まらなくていろいろ調べてたんですけど、5月1日はメーデーで「助けて」という意味があるんですけど、何も知らずに歌詞を見たらサビで「助けて」って言ってたんです。
――それで「5月1日」だったんですね。五月蝿い(うるさい)が五月だからかなとかいろいろ考えてました(笑)。 翔梧:実はそれもあるんですよ。
『我ながら本当にいい曲を作るバンドだなと思いました』
――あらためて『PARADISE LOST』は当初の狙い通りの作品になりました? 未月:翔梧さんが言ってたゲームのサントラっぽい、起承転結のある作品になりましたね。最初から最後までの流れも含めてうまくまとまったと思います。
翔梧:前作は始動10ヶ月ぐらいの時に出して「ホールが似合いそうだね」って言われたんですけど、今回は自分たちの身の丈にあった作品ができました。
:すごく攻撃的でメリハリのあるアルバムが出来たと思います。
ハル:想像以上のものができて大満足の1枚ですね。
yukito:ジャケットから物語に入り込める作品になっているので、最初から最後まで全部を通してまるっと聴いてもらってこの物語を感じてほしいですね。
――この作品がリリースされても、まだアンフィルは楽園から追放されたままなんですか? 翔梧:そうですね。何の挑戦もしない人生は意味がないのでこのままでいいんじゃないかな。「パラダイム・ロスト」でも“楽園はいらない”と言ってるので、このままアンフィルとして歩んでいけたらいいですね。安定は衰退でしかないですから。
――ライヴDVD『アンフィル 2nd Anniversary Oneman Live「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE』も発売されますね。 未月:メンバ―の成長がすごく感じられる作品ですね。
翔梧:前作に比べて見せ方も演奏も上手くなりました。最初から最後まで見所かなと思います。
――少し先ですが、8月にはワンマンツアー「一石を投じる」も開催されます。 翔梧:このアルバムを引っ提げてという感じのワンマンツアーではないんですけど、その頃には曲も育ってるはずだし、前回のツアーよりもセトリがだいぶ変わると思います。
未月:このアルバム聴いて興味もってもらって、ワンマンツアーに来てもらえるのが一番嬉しいですね。
――それでは最後にViSULOGを見ている人にメッセージをお願いします。 ハル:2枚目のフルアルバムも大満足の1枚になったし、3年目のアンフィルにもってこいのアルバムが出来たと思います。ここから3周年に向けて頑張りますので乞うご期待!
:セカンドアルバムを出して、セトリとかライヴのやり方もどんどん変わっていくと思うんですね。歌ものにはわりと定評があるんですけど、ロックバンドやライヴバンドとしてもカッコいいところを観せるので、イベントツアーやワンマンツアーに来てもらえたらと思います。
未月:この前2周年ワンマンが終わって、3周年に向かうこの1年なんですけど、3年という数字は結成前からすごく目標にしていたので、今回のアルバムと一緒に、まだ会ったことがない人達に会いに行きたいと思います。
yukito:今年は本当に飛躍の年にしたいので、この3年目は1年目、2年目の倍以上の盛り上がりで行きたいと思います。ワンマンツアーやイベントツアーもあるので是非ライヴに足を運んでください。
翔梧:最近、移動中にずっとアルバムをリピートして聴いていて本当に満足のいくアルバムができたし、シングル曲もアルバム曲を活かしてるし、アルバム曲もシングル曲を活かしていて、我ながら本当にいい曲を作るバンドだなと思いました。これからも自信のあるものをどんどん打ち出していくのでずっと付いてきて欲しいし、知らない人には知ってもらいたいので、ワンマンツアー是非遊びに来てもらいたいです。




RELEASE

2nd Full Album「PARADISE LOST」
2017年04月19日 Release!!
【初回盤】
CD+DVD
DSI-005 / ¥3,611(税抜)
[CD]
01.paradise lost(SE)
02. パラダイム・ロスト
03. Lamplight=melody
04. A.C.T.C
05. RIP
06. Scar
07. パロニリア
08. Step bye step
09. ラヴァ
10. 星の雫
11. ひだまりアンサンブル
[DVD]
01. パラダイム・ロスト MV
02. パラダイム・ロスト MV Making
03. Lamplight=melody (「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE / Director’s cut ver)
04. 迷い姫 (「Lamplight&feel.-equal-」@新宿BLAZE / Director’s cut ver)

[発売元]
dotSIX Inc.
[販売元]
ONG DISTRIBUTION

【通常盤】
CD
DSI-006 / ¥3,056(税抜)
[CD]
01. paradise lost(SE)
02. パラダイム・ロスト
03. Lamplight=melody
04. A.C.T.C
05. RIP
06. ルピナスアンハピネス
07. Scar
08. パロニリア
09. Step bye step
10. 五月一日、幸福論
11. ラヴァ
12. 星の雫
13. ひだまりアンサンブル

[発売元]
dotSIX Inc.
[販売元]
ONG DISTRIBUTION

LIVE INFORMATION

Oneman Tour 2017「一石を投じる」

2017年08月19日(土) 大阪RUIDO
2017年08月20日(日) 名古屋ell.FITS ALL
2017年09月02日(土) 高田馬場AREA
2017年09月03日(日) 高田馬場AREA

主催イベント「#秘密の花園」

2017年05月12日(金) 高田馬場AREA


2017年04月22日(土) 高田馬場AREA
2017年04月29日(土) 京都MUSE
2017年04月30日(日) 名古屋Electric Lady Land
2017年05月05日(金・祝) 心斎橋FANJ
2017年05月20日(土) 長野CLUB JUNK BOX
2017年05月21日(日) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
2017年06月23日(金) OSAKA RUIDO
2017年06月24日(土) 名古屋 CLUB 3STAR IMAIKE
2017年07月02日(日) 高田馬場AREA
2017年07月07日(金) 大阪RUIDO
2017年07月08日(土) 名古屋ell.FITS ALL
2017年07月15日(土) 高田馬場AREA

アンフィル PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:
    翔梧
    Birth:
    10.05
    Blood:
    AB

  • Guitar:
    yukito
    Birth:
    10.27
    Blood:
    A

  • Guitar:
    未月
    Birth:
    09.30
    Blood:
    A

  • Bass:

    Birth:
    11.02
    Blood:
    AB

  • Drums:
    ハル
    Birth:
    07.15
    Blood:
    O



DISCOGRAPHY

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