FEATURE

アルルカン 「真っ赤な嘘 / 影法師」

2017.02.28
3月1日に9thシングル「真っ赤な嘘」と10thシングル「影法師」を同時リリースするアルルカン。赤と黒のコンセプトのもと制作された2枚の作品は彼らが持つ切なさと激しさを両極に振り切ったものとなった。
インタビューでは、多忙を極める中、暁の喉の不調というアクシデントに見舞われた2016年のアルルカンを振り返りつつ、初期のバンドカラーでもあった赤と黒へと立ち返った理由、メンバーの心境の変化についてがっつり語ってもらった。
取材・文:山本弘子
「2016年は見えたものも得たものも多かった1年」(來堵)

――久しぶりの取材となるので2016年のことを少し聞きたいのですが、アルルカンにとって、どんな1年でしたか? :結果、続いていた重圧に耐えられず僕は喉を壊してしまいましたが、僕が休んでいた間も4人はツアーを廻って。バンドとしてプラスでしたね、いろいろひっくるめてアッという間の1年でした。
――結成以來、いちばん忙しかった1年? 奈緒:そうですね。シングル、アルバムなどのリリースやツアー、47都道府県とつねにやることが目の前にあって、今まではツアーが終わったら少し間があいたんですけど、次!みたいな。つねにわかりやすい目標があった1年ですね。やっと「残響TOUR」が終わってひと段落したところです。
堕門:2016年はずっと自分と闘っていた気がします。
來堵:見えたものも得るものも多かった1年でしたね。

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――大変だったけど、その分、得るものも多かったというか。 來堵:ギターにいちばん向かい合った1年だったと思います。47都道府県で4人で廻っていた時は奈緒がギター弾きながら歌っていたので、「弾けないところは任せるわ」って言われて、いざやってみたら至らないところがあったので、「もっと上手くなろう」と思ったし、もともと自分自身がなりたかったヴィジョンに近づけたというか、「これだ!」っていう確信が持てた年でしたね。
祥平:個人的に印象深いのはやっぱり4人で廻っていた時ですね。1人1人がライヴをひっぱっていくという意識を持つ中、ライヴのやり方やお客さんとのやりとりも変わっていって、自分も声を出すようになって、それが新しい武器になったのは大きかった。バンドとお客さんとの一体感を作り上げる上で大事なものが自分の中で見つけられました。
――2~3本ならまだしもよく決断しましたね。最初にやろうと言ったのは? 奈緒:GOサインを出したのは僕ですね。
祥平:俺がいちばんビビってましたね(笑)。
奈緒:自分の中ではこの状況を楽しもうと思っていたので「俺、ステージで歌えるじゃん」って(笑)。ギターはコード弾いて來堵に任せればいいと思っていたし、絶対にやることに意味があると思った。暁がいなかった時期はデカかったし、最近のアルルカンのライヴって全員が“俺が俺が”って声出しまくってるんですよ。俺はシャウトが出来ないので、そこは來堵と祥平に頼んでいるんですけど、人間、追い込まれるとできるようになるんですね。
――一つ山を乗り超えたんでしょうね。 奈緒:“よく17本のワンマンを決断しましたね”って言われるんですけど、穴を開けるつもりはなかったから即決だったんですよ。チケットを買ってくれたお客さんには本来の5人ではないし、申し訳ない気持ちもあったけど、それでも想いを伝えに行こうって。
――暁さんはこのメンバーで良かったなと思いませんでした? :今となってはヒシヒシそう思いますけれど、あの時は「喉を元に戻さなきゃ」とか「もっとやれるようになろう」って焦っていたし、イライラしてましたね。4人に対しても、もっとセットリストで遊んでくれとか、違うものを求めていたんですけど、ちゃんと副産物が生まれたんだなって。最近やっとバランスをとることをマイナスに捉えなくなったんですよ。
――バランスをとるというのは? :バンドでいることもそうだし、人と一緒にいることもそうですね。もともと狭い空間で好きなものに浸るのが好きであまり人と一緒にいられないから、ヴィジュアル系をやってたんですけど、人といることをもっと大事にできたら、もっといいものができるんやなぁって思うようになって。
――大変化ですね。 :(笑)そうですね。世の中に“普通”という受け皿があるとしたら、僕はそこからこぼれちゃったんですね。TVの中のキラキラした言葉も全然刺さってこなかったし、前は受け入れられないものが多かったんですけど、そこにはそこの良さがあるのかなとか。
「アルルカンの再定義がテーマ」(奈緒)
――キャパシティが増えたんですね。そんな変化、成長の2016年を経て同時リリースされる2枚のマキシシングル「真っ赤な嘘」と「影法師」は良い曲が生まれたから2枚になったんですか?それともコンセプトありき? 奈緒:コンセプトありきです。まず、“赤と黒”というバンドカラーに戻したかったんですね。ある程度、バンドをやっていくと衣装も変わっていくと思うんですが、“求められているアルルカンって何だろう?”と考えた時に初期がいいっていう声が多かったんです。バンドって“昔のほうが良かった”って言われがちで、そこで悩むと思うんですけど、僕らはまだ結成して3年で言われ始めたばかりなので「じゃあ、みんなが好きな昔のアルルカンに戻してあげるよ」って。最初はちょっとひねくれた気持ちだったんですが、当時と今では作曲の仕方も曲に込める想いも深みが出てきているので、作っていく内に楽しくなってきたんです(笑)。
――なるほど。 奈緒:で、アルルカンは切なさと激しさの両面を持っているバンドなので、衣装も赤と黒で両極端にして、分けてみたんです。
:初期に赤と黒の衣装を着ていたんですよ。2回ぐらい着て僕が飽きたので、「次は緑にして」って変えちゃったんですけど。
奈緒:元に戻すというとマイナスのイメージがあるかもしれないけれど、今の僕らのパワーを持っての再構築というか、アルルカンの再定義がここからのテーマなので、今回のシングルはその布石なんです。
「『真っ赤な嘘』と『影法師』は真逆のコンセプト」(奈緒)
――このシングルから始まるということなんですね。「真っ赤な嘘」のほうは、切ないメロディとフックのあるギターリフが印象的です。 奈緒:曲は切ないイメージで書きました。メロディが良いのでサビから始まる曲にしようって。でも、ただ切ないだけではアルルカンではないので、フックのある激しいギターリフがその位置づけになっています。デモの段階で「曲がいいんだから、そのギターリフ必要ないんじゃない?」っていう意見もあったんですが、「いや、これがあるからアルルカンなんですよ」って主張を通したんです。実際、SPOTがアップされたら「ギターがいい」っていう意見があって嬉しかったですね。
――歌詞はアルルカン名義になっていますね。 :はい。自分の想いは背景にあって言葉選びは僕なんですけど、パッと聴いた時にどう思うかを大事にしたかったので、「この表現でいいかな?」、「どう思う?」ってメンバーに意見を聞いて完成させていきました。ここまでのやりとりをしたのは初めてで、それが嬉しかったのでアルルカン名義にしました。
――「真っ赤な嘘」のMVには男女のカップルのシーンが挟み込まれていますが、ズバリ、これは恋愛の曲なんですか? 奈緒:いろいろな捉え方ができると思うんですけど、歌詞に関しては暁に「ストーリー重視でわかりやすく今まで書いてこなかったニュアンスを盛り込んでほしい」って伝えたんです。ヴィジュアル系のファンの大半は女性なので、女性視点で「なるほど~」と思ってもらいやすいドラマ性のあるMVにしたかったんですね。「真っ赤な嘘」は衣装も歌詞もMVもヴィジュアル系が好きな人に向かって発信しています。どこまで受け入れられるんだろうと気になっていたんですが、SPOTと写真だけでかなり反響が返ってきているので。
――歌詞は恋愛の曲にもバンドとファンの関係にも置き換えられるなと思いました。“壊せない、今もこれまでも。”という歌詞が偽りの事実だとしたら、永遠なんてないんだけど、そこでつく真っ赤な嘘は悪い嘘ではないというか――。 全員:無言
――(汗)この解釈、的外れでした? :いや、そういう意見が“しめしめ”ですよ(笑)。
奈緒:いろいろな受け取りかたをしてもらっている時点で、もう完全に罠にハマってるんです(笑)。
堕門:お客さんからのお手紙やSNSなどで「こう思いました!」って教えてくれる方も多くて、こっちが「そういう考え方もあったんだ!」って気付かされる時もありますしね。
奈緒:で、黒い衣装のほうのシングル「影法師」は真逆のコンセプトなんですよ。自分が言いたいことだけバーッと書いてくれって伝えて。
――ある意味、ストレートっていうことですよね。 奈緒:そうですね。内面を突き詰めた歌詞にしてほしかった。曲もクソ激しいけど、内に内に向かう感じなので。
――2曲ともアルルカンらしい曲ですか? 奈緒:極端に振り切れている2曲ですね。
――では、表題曲について各自、どういうふうに捉えているんでしょう? :「真っ赤な嘘」は言葉選びも映像も「これでもか」っていうぐらいにわかりやすくしたんですよ。でも、そういうことばっかりしたら性格的にしんどくなるので「影法師」は自分が書きたいことを書いて、それが評価されるかどうか。言いたいことは決まっていたので、最後にどう着地するかの過程が書いていて大変だったですけどね。
――主人公は形のないものにつねに怯えている。でも、影を否定している歌詞ではないですよね。 :はい。世間一般では暗いものを良しとしない傾向があるのかもしれないですけど、僕にとってはそうではないし、否定したり、なかったことにはできない。影を受け入れて次に進むしかないかなって。過去に自分がしてきたことを疑って向き合って、なぜなのか考えて昇華することが自信に繋がるんです。この歌詞はまわりに人が増えてきた環境だからこそ思うことでもある内容です。狭い世界でやっていくならイタい自分でもいいですけれど、人間力が高いのに越したことはないと思うので、自分を失わずにもっと器を大きく、懐を深くしていきたいなって。
――そういうことを考えているんですね。 :考えてるだけです(笑)。なれていないので。
――祥平さんはどうですか? 祥平:「真っ赤な嘘」は奈緒節が全開の曲で懐かしい感じがありつつ、曲全体で聴くと真新しい。ベースに関しては「影法師」もそうなんですが、自分が曲を作るようになってからどんどん悩まなくなってきましたね。曲がカッコよくなるベースを弾こうって。両方、いい感じで向き合えたと思います。
奈緒:「真っ赤な嘘」のアプローチは今までと近いところもありつつ、バンドとしてわざと狙ってできるようになったところも盛り込まれています。「影法師」は今のスタイルのアルルカンを貫いていった進化系の途中段階。「今、あなたたちが知っているアルルカンってこんな感じ」っていう曲ですね。MVも対照的なんですよ。作り込んでいるのが「真っ赤な嘘」だとしたら、「影法師」は“影”を意識した演奏シーンがメインのカッコいい映像になっています。
來堵:「影法師」はどストレートで今までのアルルカンをパワーアップさせた感じなんですが、「真っ赤な嘘」では新たなアプローチをしていますね。「真っ赤な嘘」のイントロのギターのカッティングは思いつきで弾いたら奈緒に「それ、いいね」って採用になったんです。あれ、音外れてるんだよね?
奈緒:うん。
來堵:スケールにない音を弾いてるんです。
奈緒:不協和音といえば不協和音なんですけど。
來堵:逆にそれがいいよねってことになったんです。それと「真っ赤な嘘」はカップリングも含めてキレイなメロディで景色が見えるような1枚になっていて、「影法師」はパワーアップした曲ばかり。自分が書いた曲も入っています。
:「影法師」は曲の雰囲気からして深い感じですね。
堕門:ドラマーとしての取り組み方も違っていて、「真っ赤な嘘」は前回のシングル「カルマ」で得たテクニックを活かして大人っぽいアプローチで叩いています。「影法師」は真逆のゴリゴリのサウンドなので、そういうタイプの音楽が好きな僕としては渾身の一撃です(笑)。MVではウィッグをつけて叩いているんですが、髪がボッサーッとなるぐらいに激しく叩いているので、そういうところもしっかり見てほしいですね。
「赤は『楽しもう!』、黒は『ついてこい!』みたいな」(暁)
――この2枚のシングルが3月4日からスタートするワンマンツアー「嘘と影-自分を保つ為の2つの顔-」へと繋がっていくと思うのですが、2デイズでドレスコードが赤と黒ですね。これは赤と黒の異なるコンセプトのライヴ? 奈緒:そうですね。黒のほうは昔のアルルカンっぽいライヴにしたいんですよ。生き急いでいる感じやいつ見られなくなるかわからない緊迫感のある内容にしたくて、赤のほうは47都道府県ツアーで培ったピースフルであったかい雰囲気のライヴにしたいなと思ってるんですが。
:色に合わせて景色を作り出したいですね。
來堵:赤のほうは今までと違う意識でライヴに臨みたいですね。黒は今まで通りをより深く表現する感じですかね。どちらもより濃く深く二面性を表せたらなと。
奈緒:例えば黒では楽器隊は全然しゃべらないとか。昔は僕ら、ライヴのMCでは背中向けてたんですよ。
:楽してたんですよ(笑)。
――水飲んだりとか? 奈緒:飲んでました(笑)。
祥平:話を振られると困るという気持ちも強かった(笑)。
:そういう意味でも47都道府県はデカかったんです。赤はそこで培った感謝ですかね。「楽しもう!」っていう。黒は「ついてこい!」みたいな。ピリッとしたライヴにしたいですね。
――セットリストもそういうテーマのもと曲を選ぶんですか? :そうですね。赤では重苦しい曲はやりたくない。
奈緒:まだこれから詰めていく段階ですけどね。
――2日間来るお客さんは赤と黒の服を用意しないと。 奈緒:(笑)そうですね。そんなにキッチリしたドレスコードにはならないと思うんですけど、來堵がグッズをデザインしているので、どっちかというとグッズTシャツで挑んできてほしい。ウチのバンドには“ダメ人間Tシャツ”っていうのがあるんですけど、それより今回のグッズTで参加してほしい。
祥平:会場を全部、真っ赤で埋め尽くしたいですね。それ見たらかなりテンション上がると思うので。
――赤は興奮する色でもありますからね(笑)。 :黒では胸ぐらつかんでグッとするような時間も過ごしたいし、距離を感じる瞬間もあるかもしれないけど、それでいいかなと。赤も黒も“アルルカンを好きになって良かった”と思えるライヴにしたいですね。




COMMENT MOVIE

RELEASE

9th MAXI SINGLE 「真っ赤な嘘」
2017年03月01日 Release!!
【初回限定盤】
GMCD-029A / ¥1,800(税込)
[CD]
01.「真っ赤な嘘」
02.「gossip」
[DVD]
「真っ赤な嘘」MUSIC CLIP +撮影密着オフショット
【通常盤】
GMCD-029B / ¥1,500(税込)
[CD]
01.「真っ赤な嘘」
02.「gossip」
03.「パノラマ」

10th MAXI SINGLE 「影法師」
2017年03月01日 Release!!
【初回限定盤】
GMCD-030A / ¥1,800(税込)
[CD]
01.「影法師」
02.「lullaby」
[DVD]
「影法師」MUSIC CLIP +撮影密着オフショット
【通常盤】
GMCD-030B / ¥1,500(税込)
[CD]
01.「影法師」
02.「lullaby」
03.「MAZE」

LIVE INFORMATION

アルルカン 2 CONCEPTUAL ONEMAN TOUR「嘘と影-自分を保つ為の2つの顔-」

2017年03月04日(土)仙台HooK
2017年03月05日(日)仙台HooK
2017年03月11日(土)札幌COLONY
2017年03月12日(日)札幌COLONY
2017年03月18日(土)金沢VanVan V4
2017年03月19日(日)金沢VanVan V4
2017年03月21日(火)新潟CLUB RIVERST
2017年03月22日(水)新潟CLUB RIVERST
2017年03月25日(土)福岡DRUM SON
2017年03月26日(日)福岡DRUM SON
2017年03月28日(火)岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2017年03月29日(水)岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2017年04月01日(土)OSAKA MUSE
2017年04月02日(日)OSAKA MUSE
2017年04月08日(土)名古屋ell.FITSALL
2017年04月09日(日)名古屋ell.FITSALL
2017年04月15日(土)新宿ReNY
2017年04月16日(日)新宿ReNY

GOEMON RECORDS 4th ANNIVERSARY TOUR『大名行列2017 ~瞬殺!~』

2017年05月03日(水祝) 池袋CYBER ※-男限定-「ごえもんにんにくまつり」
2017年05月05日(金祝) 池袋EDGE ※アルルカン-女限定-ONEMAN「Escort to a Libido」
2017年05月09日(火) 仙台HooK
2017年05月13日(土) 大阪MUSE
2017年05月14日(日) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2017年05月19日(金) 岡山Crazy mama 2nd ROOM
2017年05月20日(日) 福岡DRUM SON
2017年05月25日(木) 浦和ナルシス
2017年05月27日(土) 金沢VanVan V4
2017年05月28日(日) 新潟CLUB RIVERST




2017年04月29日(土) 新木場 STUDIO COAST
2017年06月02日(金) Zepp Tokyo

アルルカン PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vocal:

    Birth:
    12.09
    Blood:
    A

  • Guitar:
    來堵
    Birth:
    12.08
    Blood:
    A

  • Guitar:
    奈緒
    Birth:
    04.26
    Blood:
    B

  • Bass:
    祥平
    Birth:
    05.12
    Blood:
    O

  • Drums:
    堕門
    Birth:
    03.05
    Blood:
    A



DISCOGRAPHY

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