FEATURE

メトロノーム 「CONTINUE」

2017.03.07
昨年9月にZepp Tokyoで復活。その後行った冬のワンマンツアーもすべてソールドアウト。今、メトロノームを求める人たちが増殖し続けている。
彼らは3月15日に1stアルバム『CONTINUE』をリリース。3月下旬からは同作品を手にした全国ツアー「現代MONO/POLY」もスタート。メトロノームの今を追いかけた。

取材・文:長澤智典
「『こういう曲がメトロノームにあったら面白いだろうな』ということから制作した」

――昨年9月に、メトロノームは約7年ぶりに再起動しました。熱狂的な復活を待ち望んでいた声、メンバー自身も強く実感しています? フクスケ:今回、YouTubeへ新曲「強くてNEW GAME」のMVを先に出したり、ライヴもそうなんですが、新しい動きが生まれるとみんなも反応してくれていて、「メトロノームが復活したのも嬉しいけど、新しい展開もあってすごく嬉しいです」という声も届いているので、そういうのが伝わってくるとすごく嬉しいですね。
――3月15日に『CONTINUE』を発売します。アルバムまでのリリース展開は、復活を決めたときから想定していたことでしたよね。 フクスケ:そうですね。アルバムを出して、何ヶ所かツアーをまわろうという流れまでは決めていました。
リウ:ただし、アルバムの制作に対して具体的に動き出したのは、9月に行ったZepp Tokyoでの再起動ライヴを終えてからでしたね。

続きを読む

――みなさんはいろんな活動を平行して行っているので、メトロノームの制作に集中するのは大変だったんじゃないですか? フクスケ:そこまで無理があるようにはやってないので問題ないですよ。あとはメトロノームの曲の作り方が「自分の作った曲は自分で仕上げる」というスタンスでやっているので、自分のペースで無理なくできました。
――『CONTINUE』に収録した曲たちは、個々に作り上げた楽曲をまとめあげた形なのでしょうか? フクスケ:先にみんなでデモ曲を持ち寄り選曲会を行って、最初にリード曲を決め、そこからコンセプトを持ってまとめあげていった感じです。だから「強くてNEW GAME」をリード曲に決めたうえで、他の楽曲へ具体的に手をつけていった感じでしたね。
リウ:「強くてNEW GAME」の作曲をしたのは僕なんですけど、最初に楽曲を持ち寄った時点ではリード曲を目指して作っていたわけではなく、「こういう曲がメトロノームにあったら面白いだろうな」ということから制作したんですけど、みんなで話しあった結果、これがリード曲になりました。
フクスケ:メトロノーム感もあり、外に発信するにはいい派手さやメロディアスさもあったので「これだな」と。
「メトロノームの名前や存在をメトロノームの活休後に知った人がけっこう多くて、そういう面で再起動したことで新鮮な面白さを与えられて良かった」
――シャラクさんの歌詞を読みながら感じていたのが、まわりはメトロノームの復活に対して大騒ぎしてるのとは裏腹に、本人はその様子を客観的に眺めてるなという姿や想いなんです。 シャラク:最近は慣れるように心がけてるんですけど、(メトロノームの活動が)自分の事という実感があまりないというか、特に再び活動を始めた頃はぜんぜん実感がない感じでした。
――けっこう客観視しているのでしょうか? シャラク:いや、客観的にというか、今の状況がそれまでの自分を取り巻く環境とはまったく変わっているので、それで実感がわかないという感じです。
――再起動した当時は、どんな心境で過ごしてました? シャラク:現実感がぜんぜん無いまま、ただ急に関わる人たちが増えて、「どうしたらいいんだろう?」って意識だけでしたね。
――その時の感情を、アルバムへ収録した曲たちには詰め込んだわけだ。 シャラク:はい。
リウ:今でもそうだけど、再起動するときも「楽しいことをやろうよ」という意識から始まっているから、みんなそんな気負いもなかったんです。ただ、まわりの反応は自分らが思ってるよりもぜんぜん大きくて、正直なところ自分じゃわからない感覚は僕自身にもあるんですけど、身近な人たちに「メトロノームで弾いてる時は、他の現場とはぜんぜん違うよね」と言われると、「やっぱり違うんだな」と思ったりとか。僕はいろんなところでサポートミュージシャンとして弾いてるので、お客さんに直接話しかけられることも多いんですけど、その時の反応をみてると、メトロノームの名前や存在をメトロノームの活休後に知った人がけっこう多くて、そういう面で再起動したことで新鮮な面白さを与えられて良かったなとは思っています。
フクスケ:たしかに環境は以前と変わりましたけど、ただただ楽しく活動出来ています。
――でも、外からメトロノームを求める声は大きく膨らんでもいるんですよね。 フクスケ:どちらかというとみんな同じ目線で楽しんでくれてるというか、まわりの方々の中にも、そこまで「さぁ売れろ!」みたいな人はいないのですごくやりやすいですね。自分たちのやりたいことをぶつけようという感覚でやれてます。
「メトロノームを知ってる人が喜んでもらえる作品であり、メトロノームのことを知らなかった人たちにも新しい感じで見てもらえる」
――『CONTINUE』に収録した曲たちは、「メトロノームらしさと、今の自分たちらしさ」をミックスした曲たちと捉えても良いのでしょうか? フクスケ:そうですね。最終的にはそういう感じになったんですけど、基本的にはメトロノームを知ってる人が喜んでもらえる作品であり、メトロノームのことを知らなかった人たちにも新しい感じで見てもらえるような作品になったなと思っています。そんなに新しいことをふんだんに入れようとは思わなかったんですけど、7年間活動休止していたときに自然と培ったものが出たのかなというのはすごく感じています。
――昔も今もそうですが、その時代にはない斬新な音楽性を提示していますよね。 フクスケ:自分たちの中ではそこまで気にしてないんですけど、けっこうそう言われるので「そうなのかな!?」と最近は思っています。
――3人ともいろんな音楽性を様々な形で提示しているように、表現の多様性を持っている人たち。メトロノームになると入るスイッチもあるのでしょうか? フクスケ:どうなんでしょうね? 3人が揃うと自然とこういう感じになるのかも知れないですね。
「グルグル映畫館の天野さんが『シャラク君の歌い方を真似して作った曲なんだよ』と言って聞かせてくれたのが『形而上気分でRock'n Roll』でした」
――アルバムの中、グルグル映畫館の「形而上気分でRock'n Roll」をカバーしていますよね。その理由も教えてください。 シャラク:当時、グルグル映畫館の天野(鳶丸)さんが「シャラク君の歌い方を真似して作った曲なんだよ」と言って聞かせてくれたのが「形而上気分でRock'n Roll」でした。だから、僕も自然と思い入れをこの歌には持っていて、彼の追悼イベントをやったとき、僕はこの曲を歌いたかったんですけど、歌えなかったので、いつか何かの形で歌えたらいいなと思っていたことから今回形にしました。
――アレンジは、しっかりメトロノームの色に染め上げました。 シャラク:打ち込みが入っていますからね。
――完成した『CONTINUE』を、シャラクさんはどんな風に受け止めています? シャラク:前回のシングルも、今回のアルバムも、ライヴをやるにあたっても、昔の曲を聴いてると「やってることは同じかもしれないけど、音色や音圧とかが『今』になっているな」と感じていて、メトロノームって昔のバンドという感覚だったんですけど今のバンドになったなと。ニューウェイブと言ってるわりに、ちゃんと現代に対応出来ている良いバンドだなと思いました。
――アルバムに収録した歌詞についても、シャラクさんの場合は共通した想いを記していません? シャラク:共通するのは後ろ向きなところですかね。実感がわいてないところとか、後ろ向きなところとか、そこが自分らしいんでしょうね。そういう歌詞しか書けないのもありますし。
「フクスケさんの歌詞は、映画で言ったら『13日の金曜日』のように“みんな死んだ”みたいな感じがある」
――リウさんはどのように受け止めています? リウ:自分がイメージしていた通りの楽曲を持ってこれたなと思っています。活動休止している間にもいろいろと得たものがあるので、「こういうことをやりたいな」とアイデアとして溜めていたものを出せたかなという感じです。
――フクスケさんはいかがでしょうか? フクスケ:いったん活動を休止していたときに培ったもの。それは音にしても技術にしてもそうで、そういうところを出せたような気がしています。
――フクスケさんは、2人の作ってきた楽曲をどんな風に捉えています? フクスケ:シャラクはいい意味であまり変わってなくて、メトロノームらしい曲を作ってきたなと思うし、リウはより派手な感じに仕上げてきたなと。その1つがリード曲の「強くてNEW GAME」として相応しい色を持った形になったなと思います。
――リウさんはいかがでしょうか? リウ:シャラク君の曲は、いい意味でメトロノームっぽい楽曲だなという感じがありましたね。フクスケ君の作る楽曲は年々激しくなっていく印象ですかね? すごいROCKしてますよね。
フクスケ:昔の曲も楽曲自体のバランスとしてそう聞こえさせてないだけで、意外とROCKしている楽曲が多いんですよ。今回の曲たちはアルバム全体のバランス的に余計そう感じさせてるのかもしれないし、たしかに激しくなっていってるんですけど、昔はリウが一番ROCKだったんですよ。
リウ:今やフクスケ君の方がROCKしてるのでその座は譲ります(笑)。
フクスケ:ROCKの座いただきました(笑)。
――リウさん自身、意識してROCKから遠ざかったわけではないですよね? リウ:昔は「こういう曲が弾きたい」という気持ちが強かった。でも7年間休んでいる間にいろんなところで、いろんなタイプのベースを弾いたことでそういうのが消化されたし、今もそういう環境を得ているせいか、昔のように自分が弾きたい曲を作ろうという気持ちはなくなったんです。逆に今は、「メトロノームの楽曲としてどういうものを作るか?」という意識になっている。そこなんでしょうね。
――シャラクさんは2人の作った楽曲をどのように受け止めています? シャラク:2人とも売れそうな感じの曲を……。サビのメロディとかすごくいいし、「いい曲書く人たちだなぁ」と思います。
――2人の書く歌詞についてはどうですか? シャラク:リウさんの歌詞は物語っぽいなと思っていて、フクスケさんの歌詞は「すごく暗いけど大丈夫なのかな?」みたいな。
フクスケ:みんなに心配されてる(笑)。
シャラク:自分も書く歌詞は暗いスタンスなんですけど、それは自問自答で終わっているんです。自分で逃げ道を見つけようみたいな感じなんですけど、フクスケさんの歌詞は、映画で言ったら「13日の金曜日」のように“みんな死んだ”みたいな感じがある。
フクスケ:そういうところはあるね。救いようのない感じだし。基本的に考え方が暗いんですよね。最初に考えてるのはこういう(歌詞のような)ことなんですよ。だけど、現実の世界に出るときは、そこの考え方を直していて、そこを直さないとこういう感じになります(笑)。
「カメラの台数も多いしクオリティも高いんで、もはやおまけレベルではないです(笑)」
――今回は【初回生産限定メト箱】と【通常盤】と2TYPEでのリリースになります。【メト箱】には「解離性同一人物」と「強くてNEW GAME」のMVに加え、9月19日にZepp Tokyoで行った再起動ライヴの模様を完全収録したLIVE DVDもついてきます。それで6,000円ってめっちゃお得じゃないですか? フクスケ:あのときのライヴが全部映像として入ってますからね。
リウ:カメラの台数も多いしクオリティも高いんで、もはやおまけレベルではないです(笑)。
――太っ腹ですね。 フクスケ:そこはもぅ……。
3人:キングレコードさん!
シャラク:大手の余裕を感じますね(笑)。
――ところで、なぜ『CONTINUE』というタイトルを付けたのでしょうか? フクスケ:復活のときに「再起動-PLEASE PUSH PLAY」とタイトルを付けていて、プレイボタンを押して始めるゲーム感みたいなものがあったので、そこからより濃くゲーム感を出していこうという感じで復活を兼ねて『CONTINUE』と付けました。
――アルバムの発売後には、全国ツアー「現代MONO/POLY」がスタートします。 フクスケ:そこは、アルバムを出すんだったらツアーをやろうというニュアンスなので、今回は復活後まだ行ってない箇所も含んでいるように、それぞれの場所でしっかりとメトロノームを見せていけたらなと思っています。
――今後もメトロノームの活動は継続していく形ですよね。 フクスケ:今回のツアーにも来て欲しいんですけど、その後も楽しみにしていてください。
リウ:今回のツアーもすごい本数を入れてるわけじゃなく、スケジュールに余裕を持たせているんですが、そうしてると、意外なところからライヴの誘い話がきたりするんです。そこで面白いイベントだなと思えば、3人のスケジュールと気持ちのうえで「OK」だったらすぐに決められる。そういう面でのフットワークは軽いのかもしれない。
――「三月に咲く愚鈍共による錆びたハサミと戒厳令の雨あられ三輪車の花園にて、許しておくんなはれや」だったり? フクスケ:そうなんです。今回MERRYさんから直接声をかけてもらえたのもすごく嬉しかったですね。メンツがMERRY、sukekiyo、メトロノームですからね。「どんな組み合わせだよ」って感じですけど、そのヤバさが楽しそうじゃないですか。
リウ:面白いと思ったら積極的に「OK」の声を出していくので、お誘いお待ちしています。
――最後にViSULOGを見ている方にメッセージをお願いします。 シャラク:このインタヴューを通して初めてメトロノームのことを知る人たちもいると思うんですけど、そういう人たちにも敷居が高くなく気楽に遊びに来てもらえるバンドだと思います。究極を言ってしまえば、全く曲を知らないでライヴにきても楽しめるし、楽しませる絶対的な自信はありますから。
リウ:見た目的にはけっこうパンチがありますが、誰が聴いても「いい」と思えるアルバムが出来たと思うので、ぜひ自信を持って勧めたいなと思います。
――たしかにビジュアルのインパクトは強烈ですよね。 リウ:今のヴィジュアル系とはちょっと違うので、そういう部分では変わってはいるんですけどね。
――そもそも、自分たらをヴィジュアル系だと認識しているんですか? フクスケ:僕はあまりないほうかもしれないですね。もちろん着飾るときは着飾りますけど、普段はヴィジュアル系らしさは全くないかもしれないけど、ヴィジュアル系は好きだし、「その中に入れてもらっても大丈夫かな?」っていう心配の方が大きいです。
シャラク:僕は逆にヴィジュアル系をそこまで詳しくないので、やるときは「自分はヴィジュアル系だ!」というのをすごく気にしてやっています。
リウ:やってて思うんですけど、対バンしてて一番楽しいのがヴィジュアル系なんですね。実際にこのジャンルはパフォーマンス力も優れてるし、僕自身いろんなジャンルで演奏してきたからこそ、ヴィジュアル系特有の楽しさはすごく実感しているので、その中で自分たちも活動していけたらなと思っています。
フクスケ:昔も今もスタンスはぜんぜん変わらず、楽曲も昔から知ってる人にも楽しんでもらえると思うし、最近知った人にも新しく感じてもらえるんじゃないかなと思ってるので是非聴いてほしいのと、このツアーで再起動後に出会えてない人たちとお会い出来たらなと思っています。




COMMENT MOVIE

RELEASE

NEW ALBUM「CONTINUE」
2017年3月15日(水) Release!!
【初回生産限定 メト箱】
CD+DVD
[CD]
01. CONTINUE
02. 強くてNEW GAME
03. ボク募集中
04. 自分コンプレックス
05. 東京ロマンチカ
06. 暗いbaby
07. 空想ヒーロー
08. 豆腐メンタル
09. 千年世界
10. 惨敗生活
11. 形而上気分でRock'n Roll
12. 解離性同一人物
[DVD]
第10期 起動 Zepp Tokyo「Please Push Play」
01. 残念僕の人生
02. プチ天変地異
03. ねじ式
04. 世界はみんな僕の敵
05. 僕の右脳 猿の左脳
06. アクアリウム
07. プラネット
08. 不機嫌なアンドロイド
09. thank you for my everyday
10. ハロー
11. コンピュータ
12. 解離性同一人物
13. 三つ数えろ
14. めんどくさい
15. MATSURI
16. PSYCHO-ENEMY
17. 絶望さん
EN-1
18. メタリア~ノ?ピコリアーノ!
19. φD-SANSKLIT
20. ボク偉人伝
EN-2
21. アリガト
Recorded at Zepp Tokyo, Japan September 19th, 2016

解離性同一人物 [MUSIC VIDEO]
強くてNEW GAME [MUSIC VIDEO]

【通常盤】
CD Only
[CD]
01. CONTINUE
02. 強くてNEW GAME
03. ボク募集中
04. 自分コンプレックス
05. 東京ロマンチカ
06. 暗いbaby
07. 空想ヒーロー
08. 豆腐メンタル
09. 千年世界
10. 惨敗生活
11. 形而上気分でRock'n Roll
12. 解離性同一人物

LIVE INFORMATION

NEW ALBUM「CONTINUE」発売記念ツアー『 現代MONO/POLY 』

2017年03月25日(土) 仙台CLUB JUNK BOX
2017年04月09日(日) 名古屋Electric Lady Land
2017年04月16日(日) 心斎橋BIGCAT
2017年04月21日(金) 福岡DRUM Be-1
2017年04月23日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGD0M
2017年04月29日(土) TSUTAYA O-EAST




2017年03月18日(土) 名古屋ボトムライン
2017年03月21日(火) 新宿ReNY


メトロノーム PROFILE

メトロノーム
  • VOICECORDER /Vo:シャラク
    Birth:08.10
    Blood:A

  • TALBO 01/G:フクスケ
    Birth:12.09
    Blood:O

  • TALBO 02/B:リウ
    Birth:06.01
    Blood:B



DISCOGRAPHY

アーティストタグ