INTERVIEW

More 「Crew」

2017.03.07
2017年3月15日、Moreの2nd MINI ALBUM『Crew』がリリースされる。
手探り感があったという2015年の始動当初から、2016年に初ワンマンなどを経てより活動が具現化して明確になったというMore。そんな彼らが放つ『Crew』にこめられた想いとは?
3月19日からは東名阪で無料ワンマンも開催される。そんなMoreの4人に話しを訊いた。

取材・文:山本貴也
「今回は内面にある深く沈んだ自分に気づけたというのがスタート地点なので、海上というよりは海底にいるところがスタート地点なんです」

――Moreにとっての2016年はどんな1年でしたか? JUDY隼(以下、隼):2015年に始動して、最初からコンセプトを決めて活動はしていましたけど手探り状態な部分もあったんですよ。それが2016年にたくさんライヴをしたり初ワンマンをして、最初はこっちから一方的な発信だったものが、観に来てくれる人の生の声や聴いてくれる人の反応を受けて、どんどん混ざり合って濃縮されていくことで、すごくいいバランス感で作ってこられた感じがすごくありました。
Loki:2016年6月で1周年を迎えて、2016年の下半期はワンマンに際して色々考えたり練ったアイデアを実際に実行してみたんですが、頭の中だけで考えてもアウトプットしないと分からないものってあるじゃないですか。それらがファンの反応を受けて具現化して明確になった1年だなと実感しています。

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En'ya:手探りでやってきて、幅が広かったんだと思います。それがちゃんと自分達がやりたいものと求められるものの帳尻を合わせられたというか、ちゃんと的を絞った制作や活動ができて、スタンスも中身も濃縮していけた1年だったかなと思いますね。
由寧:最初は本当にアイデアだけがどんどん出てきて、悪い意味であれもできるこれもできるみたいな感じでやれることが多すぎたんですよ。それがだんだん次は何をやったらいいのかが具体化してきた感じはありましたね。
Loki:最初はある意味、暴走状態だったからね。
由寧:具体的に何をしたらいいのかがだんだん見えてきて、それがライヴを重ねるごとにファンの方の反応を見て考えられるようになって、一歩一歩の歩みが確実になってきた感じはありますね。
――そんな充実した2016年を経てリリースされる『Crew』は、どんなコンセプトで制作されたのでしょうか? :さっきの話しに繋がるんですけど、前作のコンセプトが“THE CIRCUS OF PARADIGMA”ということで、“自分の好きなことに気付こうよ!”というテーマをこちらから投げかけていて、自分の1つの見方として“PARADIGMA”というワードを置いていたんです。それは僕ら自身もそうだし、それを見てくれる子たちに強く訴えたいことだったんですけど、今作はEn’yaくんから「“PARADIGMA”というキーワードにおいて二面性を持たせたコンセプトが欲しい」という意見をもらって、同じPARADIGMAでも、今度はそれを「周りに気付かせよう」というちょっと攻めの体制なんですよね。前作で自分自身の内面に気付いて、周りの情報とか余計なものから自由になったんだから、今度はそれを周りにも伝えていこうよって。自分は自分らしくというのを周りで供用していこうよというのが根幹ですね。
――タイトルの『Crew』というのは? :“乗組員”という意味なんですけど、世の中の荒波を同じ船に乗って助け合っていく仲間ですね。それは僕らのことでもあるし、お客さんのことでもある。上から何かを指示するんじゃなくて、並列という意味を込めて『Crew』というタイトルを置いています。
――Moreという方舟に乗ってる乗組員ということですね。 En'ya:“Moreの方舟”……。ダジャレじゃないですよ(笑)。
:でもそういうところからもインスピレーションを受けてますね。今回は内面にある深く沈んだ自分に気づけたというのがスタート地点なので、海上というよりは海底にいるところがスタート地点なんです。だから潜水艦というのをテーマにして溺れてるみんなを救済していこうって。ツアータイトルの「SALVATION」というのは、“SALVATION”が救済していくという意味で、今回のテーマは“SALVATION PARADIGMA”なので、みんなを救済していくPARADIGMAなんです。前作は“沈め”ということを強く推してたんですけど、今作のテーマは逆で“引き上げていこうぜ”って。そういう意味でも二面性を出していて、陰と陽で言えば今作は陽ですね。
Loki:一度内面に潜って沈めたものから上澄み取るじゃないけど、そこから本当に必要なものを拾い上げるみたいなニュアンスですね。
:ここまでコンセプトを決めるのは、無いと広がりすぎてしまうので、それを押さるという理由もあるんです。
「『Crew』って1曲目から順に聴いていくとすでにMoreを知ってる人向けで、最後から聴いていくとまだMoreを知らない人向けなのかも」
――M1「Nautilus」は海底の音だったのはそういう意味からだったんですね。 :そうです。「Nautilus」というのは、海底二万マイルに出てくる「ノーチラス号」という潜水艦から取りました。
――曲調も前作までと比べてストレートになった印象を受けました。 :そうですね。サウンドに関してはライヴ感というかバンド感を強く出しています。今回はギタリストらしくちゃんとギターを弾いてます(笑)。
由寧:『PARADIGMA』の時とくらべたら『Crew』の方が一般人向けというか、言葉はちょっと違うかもしれないけど、前の精神性と比べるとより具体的にアクションしてる感じはしますよね。
Loki:それも2016年に無駄が削ぎ落とされてきた結果ですね。音的にはシンプルになったかもしれないですが、内部的な部分はよりバンドとして研ぎ澄まされた感じがあると思います。
――M2「bottom circus」は今作のリード曲になるのでしょうか? Loki:ある意味ではそうですね。これが唯一『Crew』の制作が決まってから作った曲なので。
:これだけ後出しというか、ライヴでやってなかった曲になります。
En'ya:本当は収録する予定じゃなかったんですけど、ずっと「何か物足りないな」って感じていて入れることになりました。
――物足りないというのは? En'ya:曲を並べて見た時に、1年ぶりにミニアルバム出すのになんか弱くて、「本当にこれでいいのかな?」ってずっと悩んでたんですよ。ドラム録りがすべて終わってからもずっと引っかかっていて、毎日眠れないほど悩んでました。そんな時にでてきた曲ですね。急遽「この曲入れるから!もう1曲録るから!」って独断で勝手に決めました(笑)。
由寧:無茶振りでしたけど、入れてよかったなと思いますね。
:ある意味この曲が『Crew』を代表する曲になりましたしね。
En'ya:僕の中でこの曲はすごくMoreっぽいんですよね。テンポチェンジや転調だったり、めまぐるしい展開がMoreのライヴ感だったり面白い部分だと思います。
――テンポがだんだん速くなっていく感じがすごくスリリングですよね。 :少しずつ上がってくのってあんまりないですよね。「せっかくバンドなんだからこういうのやっちゃう?」って。うちは同期を使わないスタイルなのでここはMoreらしくできました。
由寧:本当にMoreの良さが凝縮してる曲だと思いますね。
Loki:去年を凝縮したものがここに出てるのかもしれないですね。歌詞に関しても、『Crew』をイメージして書きました。
En'ya:試聴動画もフル公開されているのでチェックしてほしいですね
――M3「Scar」はいかがでしょうか。 :今までもピアノが入った曲はありますけど、ピアノをメインにしたことがなかったので、そういう曲を作りたくて作りました。ピアノのアプローチも流れるような感じではなくて、ちょっと変な例えなんですけど、ピアノって歯みたいだなと思ったんですよね。デモを作った時の印象で頭の中にビジョンが浮かぶんですけど、この曲のビジョンは、“ヴァギナデンタータ”と言って、女性器に歯が生えていて食べてしまうという海外の民話があるんですね。生物とかでもメスが子供を産む時にオスを食べてしまったりとかそういう攻撃性があるので、そういう意味で歯だったんです。
――そんなビジョンでも曲調からは優しさを感じられましたけど。 :それは母性ですね(笑)。
Loki:毎回隼は曲のイメージをくれて、それを拾って歌詞を書く時もあれば、全く無視する時もあって。この曲ではいろいろとイメージを繋げていったので表面上では出ていないんですが、降り注いで叩きつけるような風景が見えて、「それは何だろう?」と考えた時に“痛み”だなと気付いて。その“痛み”から「Scar」(傷)というイメージに辿り着きました。
――M4「亡失の日々に舞う羽」はいかがでしょうか。 :この曲も「Scar」と同時期に書いて、ピアノをメインに置いた曲なんですけど、うちのお袋が癌で亡くなった時に“母に捧ぐ”というイメージで書きました。曲全体のイメージは鳥なんですけど、鳥が傷ついて傾いて落ちていく。でも落ちたからと言って悲しむばかりではなく、飛ぼうとして生を全うしたんだというテーマです。不安定な感じを出したくて、あえてAメロでは変拍子を使って傾きを表現しています。
Loki:この変拍子はくせ者ですね。
:Moreあるあるだよね。
En'ya:お前が傾いてるじゃねえかって(笑)。
由寧:こっちも命がけで演奏しないと本当に傾いてしまう曲ですね。
――歌詞についても教えてください。 Loki:お母さんに捧げる歌という話は聞いていました。仮タイトルは「比翼連理」、仲睦まじい夫婦などを表す言葉なんです。これは仮想の生き物で身体が半分半分の片側がオス、片側がメスという2匹揃わないと飛ぶことが出来ない鳥で。それがまず頭に浮かんで、隼のお母さんの話も聞いていたし、自分も過去に大切な人を失った経験があったので、その時の気持ちや思いを込めて歌い出しが“片羽の鳥はどう舞う”なんです。
――最後の“今日も古いピアノから・・・”というのは? Loki:唐突に出てきたように見えますが、隼のお母さんがピアニストだったので、このフレーズは絶対に入れたくて。俺の中で“ピアノ”はこの曲の全てを表すモチーフです。
――M5「seize the day」はすごくストレートな曲ですね。 :MoreなりのポップをやろうっていうのがテーマでMoreの陽の部分が出せました。これも歌詞のイメージを伝えたんですけど、「カルペ・ディエム」という言葉があって、“その日をつかめ”“今を生きよう”っていう意味なんです。
Loki:曲のストレートさに対して、“カルペ・ディエム”だと斜に構えてる感じがしたので、だったら英語のことわざの「seize the day」というタイトルにし、その日1日1日を大事にするというキーワードと曲のストレートさから歌詞を書きました。あまりメッセージ性どうこうっていうのは好きじゃないので、基本的に自分の中で思ったことを吐き出しています。これを聴いた人々の弱さを救うじゃないですけど、自分たちがやってることで喜びを与えられたらいいな、みたいな。歌詞もほかの作品に比べるとすごくストレートですね。
En'ya:「Moreでシングル作るならどんなの作る?」って言って作ってもらった曲なんですけど、結成当初に比べてだんだん尺の長いライヴが増えてきて、その中でセットリストを組んでいく時に、明るい曲というか、外向きの曲がほしいなと思ってたらいい曲を出してきてくれました。あくまで例えであってこの曲でシングルは切りませんけどね。明るい曲調なので正直最初披露する時はMoreのファンはあまり好きじゃないかなって不安もありました。
由寧:今思ったけど、『Crew』って1曲目から順に聴いていくとすでにMoreを知ってる人向けで、最後から聴いていくとまだMoreを知らない人向けなのかもなって。
「共にMoreの方舟で現代の荒波をくぐり抜けて、一緒に楽しんでいきましょう」
――3月19日からは東名阪で「SALVATION PARADIGMA」と題した無料ワンマンがあります。ここでは会場限定シングル『in desert』もリリースされます。 En'ya:ライヴではよくやってる曲なんですけど、『Crew』にはハマらなかった曲というか、どちらかというと前作に近い曲ですね。
:ライヴで定着してる曲なのであまりあとに出したくなかったのでこのタイミングでリリースすることにしました。
――東名阪無料ワンマンツアーはどんなツアーになりそうですか? :純粋にいろんな人に知ってもらいたいですね。今回のテーマにも繋がっていくんですけど、変に世界観とかは気にしなくていいので。
――この無料ワンマンは何も持ってなくても開場に行けば入れるんですか? :入れます。アポなしで大丈夫です(笑)。
Loki:チケットも会場物販や専門店さんで配布しているので、記念品として欲しいのであれば手に入れてほしいですね。
――通常のワンマンとは内容が違うんですか? :そこまで極端な演出とかはあえて無しにして、どちらかというと気軽に楽しめるライヴにしたいですね。
En'ya:演出に関してはいつも通り仕込みます、それがMoreの通常運転なので。フリーライブなんて今時珍しくもないですがMoreに触れてもらう良い機会になればいいし、いつも来てくれてる方への感謝の気持ちもあります。好感度アップ(笑)。
:初の名阪ワンマンだしね。
En'ya:力量不足なところもあるとは思うのですが短い持ち時間だとなかなか伝わりずらいバンドだと思うので。名阪でもワンマンで魅せたいっていうのも一つのきっかけですね。
――そして、6月24日にMore 2nd Anniversary「THE SALVATION CREW」が控えています。 :ここは濃くやってやろうと思ってますね。前回のワンマンを超える何かを考えていて、2年間の総括ですよね。
En'ya:無料に比べるときっとマニアックです(笑)。
:この日も会場限定で「溜息」というシングルがリリースされます。初期からずっとやってる曲なんですけど出しどころがすごく難しくてこのタイミングでリリースすることになりました。
En'ya:お客さんにもすごく人気の曲です。
――タイトルだけ見るとMoreっぽくないですね。 :そうですか?メチャクチャMoreっぽい気がするんですけどね。
由寧:きっと理解できる言語だからじゃない?
一同:(笑)。
――それでは最後にViSULOGを見ている人にメッセージをお願いします。 由寧:自分たちが何をやったらいいかとか、どう楽しんだらいいかというのが見えてきて、それと同時にそういう具体的なものを示すような作品ができて、それが海の底にぽっとあらわれたような状態なんですけど、まだ海の底だし、これからどう海を浮上していくかを考えるとすごくワクワクしますね。
En'ya:本当に名盤ができたと思います。試聴だけでは伝わらないと思うので、全曲フルで聴いてほしいんですね。そして今日は由寧くんの誕生日なので、また1つ歳を重ねた由寧くんのこれからにも期待していてください。
由寧:忘れてた(笑)。
――おめでとうございます。 :『Crew』という1つのアルバムと『SALVATION』というワードがありますけど、自分の表現したいものを表現し続けていないとダメになっちゃう人間なので、それを見てくれる皆がいることで、一番助けてもらってるのは自分自身だなという思いがすごくあります。もちろんこっちからも救出するし、救出されたいしみたいな、そういう混ざりあっていく感じをこのアルバムを通して、同じ“Crew”としてできたらいいなと思いますので是非それを感じ取っていただきたいです。
Loki:ここ最近はバンド的にも個人的にも充実してるというか、当初から思っていた理想だったりイメージが形になって花開いてる状況の中で『Crew』という名盤が生まれました。自分達も楽しみだし、楽しんでもらえる実感と確信があるので、『Crew』をしっかりと聴いて欲しいですね。ワンマンも4本決まっていますし、共にMoreの方舟で現代の荒波をくぐり抜けて、一緒に楽しんでいきましょう。




RELEASE

2nd Mini Album「Crew」
2017年03月15日 Release!!
GNTZ-012 / ¥2,600(税込)
[CD]
01. Nautilus
02. bottom circus
03. Scar
04. 亡失の日々に舞う羽
05. seize the day

LIVE INFORMATION

More東名阪無料ワンマン 「SALVATION PARADIGMA」

2017年03月19日(日) 恵比寿club aim
2017年03月24日(金) アメリカ村Clapper
2017年03月27日(月) 今池3STAR

More x umbrella2マン「揺れる傘、廻る歯車 vol.2」

2017年04月09日(日) 池袋手刀

More x umbrella2マン「揺れる傘、廻る歯車 vol.3」

2017年05月20日(土)北堀江club vijon

More 2nd Anniversaryワンマン「THE SALVATION CREW」

2017年06月24日(土) 池袋EDGE




2017年04月15日(土) 宇都宮KENT
2017年05月21日(日) Music Club JANUS / OSAKA MUSE / SUNHALL / AMERICA-MURA FANJ-twice / 心斎橋CLUB DROP / アメリカ村CLAPPER
2017年06月04日(日)目黒鹿鳴館

MORE PROFILE

※画像クリックで大きい画像が表示されます。

  • Vo.:
    Loki
    Birth:
    12.22
    Blood:
    B

  • Gt.:
    JUDY隼
    Birth:
    02.13
    Blood:
    AB

  • Ba.:
    En'ya
    Birth:
    10.07
    Blood:
    B

  • Dr.:
    由寧
    Birth:
    02.07
    Blood:
    B

  • sprt.P.:
    山光
    Birth:
    03.22
    Blood:
    A



DISCOGRAPHY

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