INTERVIEW

SCAPEGOAT 「ぼくときみ、のしたい」

2016.12.20
2016年9月14日にリリースされた『ヘドロ』から始まったSCAPEGOATの3作連続リリースもついに今作『ぼくときみ、のしたい』で完結(?)する。
どういう流れの中でこの3作品が制作され、それぞれの楽曲にどんな思いが込められているのかを是非このインタビューを読みながら紐解いていただきたい。
『ヘドロ』『ラストシーン』『ぼくときみ、のしたい』をリリースしたSCAPEGOATの4人が、2017年1月28日のLIQUIDROOM公演でどんなステージを観せてくれるのか期待は膨らむばかりである。

取材・文:山本貴也
「LIQUIDROOMを入れたら4部作なのかもしれない」

――9月にリリースされた『ヘドロ』から始まった一連の流れをあらためて教えてください。 :今だから言えることなんですけど、3枚出すってことは最初から決まっていて、LIQUIDROOMをふまえた一連の物語を起承転結の形で表現したいというイメージが僕の中でありました。3部作というつもりはなかったんですけど、結果的にそれに近い形にはなったし、LIQUIDROOMを入れたら4部作なのかもしれないですね。
――3枚出すことが決まっていて、それぞれの曲の構想も最初からあった? :『ぼくときみ、のしたい』だけは最初からイメージがあったんですけど、それ以外については、「こういう感じの曲にしたいな」ぐらいしかなかったので1作ずつ作っていきました。

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――全てに共通するテーマみたいなものはありました? :『ヘドロ』の時に、1人の男の人に着目したので、それぞれの物語というよりは、一連の流れをその男の人主体で考えようというのはありました。
――その男の人は全員同じ人? :イメージとしては同じ人です。
――2作目となる『ラストシーン』に込めた思いは? :今回の3作品にはそれぞれにメインタイトルを付けたくて、映画を切り取ったような、作品を象徴するタイトルがほしかったんです。『ラストシーン』に関しては、「ハルカ・モノクロ」が、簡単に言うとベタな恋愛ソングなので、曲的にもこの言葉が一番ハマりそうだなと思ってつけました。
――「ハルカ・モノクロ」について教えてください。タイトルはどういう意味が込められているのでしょうか? :曲の方向性は決まっていたんですけどタイトルはすごく悩みました。“モノクロ”は、作品自体にモノクロの写真を使ったりモノトーンのようなテーマもあったのでそれを入れたかったのと、“ハルカ”を付けたのは、「ルイ・ヴィトン」とか誰かの名前をそのまま使ってるブランド名ってたくさんあるじゃないですか。それを見て“ハルカ”って言葉を足したら名前っぽくなると思ったし、遠いイメージや記憶が色褪せるようなイメージもあって、そういう部分がすごくいいなと思って付けました。
――この主人公はどういう状態なんですか? :完全に女々しい気持ちですね。あまり多くを語りたくはないんですけど、この曲だけ見たら失恋しているように見えると思うんですよね。でも『ヘドロ』からの関連性をふまえて見たら、「もしかしたら自分で手をかけたのかな?」っていう感じにも捉えてもらえるかも……。
――MUSIC VIDEOも見所が満載です。 :今回は楽器隊のイメージシーンも入っていて、それをやりたくて撮った部分もあります。最近はああいう作品を見ないし面白いかなと思ってそれぞれの生活感を出しました。
――ライヴでやってみた手応えはいかがでしょうか? LAYHA:ツアー中にいろんなセットリストに組み込んでやってみたんですけど、何曲目にやってもいい意味で世界観が変わるんですよね。パッと聴きアンコールの1曲目とかでやりそうな雰囲気ですけどどこでも使える曲です。
――C/W「phantom」は、一連の流れとは別物になるのでしょうか? :そうですね。今回は2タイプで出していて、1曲+MVの初回盤をメインで考えています。カップリングは通常盤にしか入っていなくて、ライヴを意識したSCAPEGOATらしさを出した曲になっています。
たつき:「phantom」は、ツアーの後半からやり始めたんですけど、初めてやった時から爆発力のある曲でしたね。分かりやすい曲なので反応しやすいと思うし、これもどこでもやれる曲ですね。
「心中がテーマで、最初は本気で一緒に死ぬつもりだった」
――『ぼくときみ、のしたい』は、発表時は『ぼくときみ、のしあわせ』という嘘のタイトルが付いていて、曲名も「君を殺して僕も死ぬ」に(嘘)が付きました。これにはどういう狙いがあったのでしょうか? :まず、「君を殺して僕も死ぬ(嘘)」は、優しさと激しさが両極端な曲になっているので、それだったらタイトルも最初は違う部分を見せたいっていうのと、ワンマンのタイトルと同じということもあって、早い段階で“(嘘)”が付くのはちょっと違うかなというのがありました。リリース情報が解禁されたのが11月11日なんですけど、本当のタイトルが解禁される1ヶ月ぐらいは幸せをイメージしてほしかったんですよね。
――本当に両極端で不思議な曲ですよね。 :心中がテーマで、最初は本気で一緒に死ぬつもりだったんですけど、主人公の心境がだんだん変化していって、結果的に“嘘”というか死にたくないなって。
さゅら:ポップな部分とハードな部分を1曲の中に入れようというのは決めていたので、どうせだったらポップな部分をメチャクチャ幸せにしてやろうと思ったんです。ヴィジュアル系が使わないコード進行ではあるんですけど、そういう音楽も好きなので「この進行でいけば最後は激しくできるな」っていうことを最初に考えました。そこからはいつものSCAPEGOATの曲を書くように進めていって、1サビ終わりでまた幸せなセクションに戻るんですけど、さすがにここは作りながら「大丈夫かな?」って正直思ってました(笑)。でも違和感があるからこそいいのかもと思って、メンバーとも相談しながらライヴの流れを汲んで今の構成になりました。
――歌詞さえ読まなければ本当に幸せな雰囲気ですよね。 一同:(笑)。
さゅら:ちょっとふざけてる風にも聴こえるかもしれないけど、幸せな画をとことん追求していったらとんでもない曲になりました。
LAYHA:そういう曲にしようというのは共有していたんですけど、最初は「なんじゃこりゃ!?」って思いました(笑)。「どうアプローチすればいいんだろう?」っていう部分ではすごく悩みました。
たつき:曲のノリやリズムが途中で変わったりするのはもう慣れてるんですけど、さすがにこれは完成するまでちょっと不安でしたね(笑)。最終的にはなんとか上手くまとまったと思います。
:歌詞に牧師の言葉が入ってるんですけど、ここはメロディーも分かりやすいしお客さんに歌ってほしいんですよね。「赤いバスルーム」でもお客さんが歌ってくれるんですけど、そういうのは僕らの強みでもあるので、そういう部分をLIQUIDROOM前にもう一度というか、LIQUIDROOMでそれを観たかったというのはあります。結婚式をしたいわけではないんですけど、心中がテーマだから一番合うかなと思ったし、“死が2人を分かつまで”なので、「君を殺して僕も死ぬ」っていうタイトルに直結して分かりやすいかなって。
――ワンマンタイトルと同じにすることは最初から決めていた? :決めてなかったんですけど、もはやこれでいいかなって。
――MUSIC VIDEOはどんな映像に? :映像も両極端なんですけど、どちらかというと女の子主体の画になってます。冒頭で「一緒に死のう」って言ってるので、実際は最初から死んでるんだろうけど、途中で明るいセクションに戻るので、女の子はずっと都合のいい夢を見ていましたみたいな感じですね。
――3作ともすごく見応えのある映像ですね。 :映像重視な部分が強かったので、そういう意味ではすごく満足しています。
――撮影は順調に進みました? :屋内だったんですけど、コンクリート打ちっ放しのスタジオで寒かったですね。
たつき:演奏シーンの撮影で始めて汗かかなかったです(笑)。
LAYHA:演奏シーンを階段で撮ったので、動ける範囲が決まっていて、どうやったら自分の個性を出せるのかが難しかったですね。
たつき:階段だといつもライヴでやってるようなパフォーマンスはできないからね。
:色合いも分かりやすくて雰囲気が伝わる映像かなと思います。
――C/W「朱殷ノ契リ」ですが、“朱殷”(しゅあん)という言葉を初めて聞きました。 :血に近い色で凄惨な様子を表現する時に使う言葉なんです。
LAYHA:意味を初めて知りました(笑)。
さゅら:単純な疑問なんだけど、そういうのってどうやって見つけるの?
:“漆黒”ってあるじゃないですか。黒の中にも黒があるってことは、赤の中にも赤があるんじゃないかなって。最近のSCAPEGOATって、君(お客さん)と僕(自分)っていう関係だった場合、血の契約じゃないですけど、ちょっと深い部分で交わってる感じがするので、どうしても血がかかせなかったんですよね。
さゅら:Aメロは怪しい雰囲気なんですけど、全体的にはSCAPEGOATをパッケージしたバンドの中心部分みたいなものをLIQUIDROOM前に書きたくてこういう世界観にしました。
「どんなイベントでも怖気づくことなくというか、簡単に言うと負ける気がしない」
――あらためて今回の3作品はSCAPEGOATにとってどんな作品になりましたか? LAYHA:3作どれを切り取ってもこういうことをやれるバンドは他にいないだろうなって思いますね。
たつき:どの作品も僕ららしいサイコパスが出てると思いますね。3作とも曲調は違うんですけど、同じバンドだと感じさせるものはあると思うので、そこさえ崩さなければなんでもやれるんじゃないかって思える作品になりましたね。
さゅら:LIQUIDROOMに向かって3作品を作ることは結構ハードルが高かったんですけど、「今の自分たちにはどんな曲調が必要なのか?」ってことをバンドで話し合って作れたので、LIQUIDROOMへの自信も付いたし、SCAPEGOATをやっていく上での自信もつきました。この3作品を出して、インストアもたくさんやって、できる限り応援してくれる人に会える機会を増やしたいですね。
:4月にWESTワンマンをやって、LIQUIDROOMやろうってなって今に至るんですけど、あの時は想像できなかったぐらい自分達が成長できてる気はしてますね。今までは4、5ヶ月に1枚のペースでリリースしてたことを考えたら、それを2ヶ月周期で倍の速度で全てをやれたと考えると、自分たちをいい意味で追い込んでこれたし、その結果がライヴにも確実に出ていて、どんなイベントでも怖気づくことなくというか、簡単に言うと負ける気がしないんですよね。そう思えるようになったのもこの3作のリリースがあったからこそだし、こんなに変われるんだなって思いました。
――2016年後半はハードスケジュールでしたよね? たつき:ヤバかったですね。
さゅら:ツアーしながら曲作って、リリースして、インストしながら曲を練って、帰ってきてレコーディングして、撮影してっていう感じでした。
たつき:「今日って何のインストアだっけ?」「何の取材だっけ?」って思うぐらい短期間にいろんなことをやってました。半年で1年分ぐらいの活動をした気がするので、2016年は1年半ぐらい生きたような気がしてます(笑)。
――12月30日には、目黒鹿鳴館で無料ワンマン「試しに、死んでみる?」があります。 たつき:応募期間は終わってしまったんですけど、当日、会場まで来てもらえればできる限り入れるようにはしようと思うので、あきらめずに足を運んでもらいたいですね。
:2016年最後のワンマンになるので濃いものにしたいです。
――1月28日のLIQUIDROOMのイメージはできてきましたか? :観に行ったことしかないですけど、「こういう感じなんじゃないかな」っていうのは想像できるようになってきました。いつも通りやる部分もありつつ、ワンマンでしかできないこともあるので、そういう面を意識して、SCAPEGOATのワンマンショーのようなライヴにしたいと思いますね。
――当日は無料配布音源もありますが、これも一連との繋がりがある作品なんですか? :“生と死”という部分ではある意味これが完結作になるのかなとは思いますけど、それだけではなく次も見据えつつの作品になっています。
――最後にメッセージをお願いします。 LAYHA:『被害者の会』で物語が1つ完結して、そこから約半年間でシングルを3枚出して、ようやくLIQUIDROOMに辿り着くことになるんですけど、そこを成功させないことには2017年はどうにもできないと思うんですよ。だからこそ、今はとにかくライヴを観て欲しいという気持ちが強いし、生のSCAPEGOATに触れてほしいので、LIQUIDROOMで会えたら嬉しいですね。
さゅら:作品にもライヴにも個人的にもすごく自信があるし、誰かと比べてどうこうとかではなく、リキッドに向かってるからこそこういう風にどんどん強くなれてると思うので、LIQUIDROOMで自分達がどんなバンドになったのかを観れるのが自分自身すごく楽しみです。
:単純にLIQUIDROOMでやれることが嬉しいですし、すごく楽しみですね。未知の領域ではあるので僕らも気を張ってる部分があるし、お客さんも気を張ってくれてると思うんですけど、始まってしまえばそんなのは関係ないと思うんですよね。3作品を聴き込んで来てくれたら楽しめるのかもしれないけど、深読みは家でやってもらって、ライヴは思いのままに感じてほしいですね。
たつき:SCAPEGOATの最高キャパシティーに挑むライヴなんですけど、いつも通り楽しんでもらいたいですね。もちろんこの日は特別なんですけど、これまでの1本1本も特別だったし、LIQUIDROOMが終わってこの日が特別の中でも特に特別だったなって思えるようなライヴにしたいですね。だから初っ端から通常イベントのようにテンション感できてほしいし、そのテンションで最後までやれたらなと思ってます。




RELEASE

New Single「ぼくときみ、のしたい」
2017年01月18日 Release!!
【A type】
CD1曲+MV+8pブックレット
S.D.R-305-A / ¥1,500(税抜)
[CD]
01. 君を殺して僕も死ぬ

[DVD]
01.君を殺して僕も死ぬ(MV+making)

【B type】
CD2曲
S.D.R-305-B / ¥1,200(税抜)
[CD]
01. 君を殺して僕も死ぬ
02. 朱殷ノ契リ

LIVE INFORMATION

「試しに、死んでみる?」

2016年12月30(金) 目黒鹿鳴館 ※無料ワンマン

SCAPEGOAT ONEMAN LIVE「君を殺して僕も死ぬ」

2017年01月28日(土) LIQUIDROOM ebisu


2016年12月21日(水) 練馬文化センター 小ホール(つつじ)
2016年12月23日(金) 目黒鹿鳴館
2016年12月31日(土) 高田馬場AREA
2017年01月06日(金) 名古屋E.L.L
2017年01月07日(土) 大阪RUIDO
2017年01月13日(金) 池袋EDGE
2017年01月14日(土) 高田馬場AREA
2017年02月04日(土) 横浜BAYSIS
2017年02月18日(土) 名古屋ell.FITS ALL
2017年02月19日(日) 大阪RUIDO
2017年02月21日(火) 渋谷REX
2017年02月25日(土) 高田馬場AREA
2017年03月05日(日) 池袋EDGE
2017年03月10日(金) 高田馬場AREA

SCAPEGOAT PROFILE


  • Vocal:

    Birth:
    04.24
    Blood:
    O

  • Guitar:
    さゅら
    Birth:
    05.24
    Blood:
    A

  • Ba:
    LAYHA
    Birth:
    06.17
    Blood:
    B

  • Dr:
    たつき
    Birth:
    secret
    Blood:
    ドS



DISCOGRAPHY

アーティストタグ