FEATURE
RAZOR「RED INVISIBLE」

Vo.猟牙、Gu.剣、Gu.衍龍、Ba.IZA、Dr哲也の5人によって結成され、11月30日には、1st Mini Album『RED INVISIBLE』をリリースし、同日には新宿ReNYにて実質の初ライヴとなる『RAZOR 1st ONEMAN LIVE 2016「RED INVITATION」』が行われる。
さらに2017年1月からは1st ONEMAN TOUR 2017「RED INVITATION」も決定しているRAZOR がViSULOGに初登場!
取材・文:山本貴也
――RAZOR結成のいきさつから教えてください。
剣:猟牙からTwitterのDMで連絡をもらって、連絡先交換みたいなところがきっかけですね。
猟牙:その時はバンドどうこうじゃなくて、Twitterを見てたら剣が出てきて、挨拶はしたことあるけどちゃんと話したことないなと思って連絡たんです。そこから少しずつ連絡を取り合うようになってご飯行きましょうって。
剣:ご飯の約束してたんですけど、お互いのタイミングが合わなくて行けなくなっちゃって、そこからしばらくは音信普通でした……(笑)。
猟牙:確かに(笑)。その後しばらくしてご飯に行ったんですけど、そこでバンドの話しで熱く盛り上がっちゃって、おやおやこれはと。
剣:Sadieが活休してからだいぶ日は経ってたんですけど、僕のこれからどうしようかなってすごく悩んでたし迷ってた時期でもあって、バンド以外の音楽の仕事はたまにやったりしてたんですけど、やっぱり1番やりたいのはバンドだと思ったんです。そこからバンドを組むとしたら誰がいいのかって考え出した時に猟牙という人間が僕の中に出てきたんです。
猟牙:嬉しいですよね。
剣:対バンしたこともあったし、映像や音楽も聴いていたので自分がやりたい音楽性に近いものを猟牙なら出してくれるんじゃないかなってイメージができて、そこから一緒にやってみたいという動機が生まれたんです。でも何も決まってない状態で「一緒にやらない?」っていうのも唐突だし何も進まないと思って、大体の未来像だったりスケジューリングをノートにまとめて、ご飯行く時に持っていったんです。
猟牙:すごくビックリしましたよ。バンドやろうって話しをするつもりじゃなかったのに、実はこういうプランを考えててって紙にビッシリと書いてあった。そんな剣の熱いプレゼンに心奪われて、一緒にやるならこういう熱い人間とやりたいなって思ったし、もちろん音楽の話しで盛り上がったのもあるけど、音に対するビジョンも合致してたから面白い化学反応が起きそうだなって。気づいたら帰る頃には「じゃあ頑張ろう」って握手を交わしてました。
――すごいスピード感ですね。
猟牙:俺も色々悩んでたんですよ。バンドはやりたいと思ってたんですけど、前のバンドに全てをかけてやっていたしそう簡単に気持ちを切り替えられなかったんですよね。でも剣と出会っていろいろ話したことによってどんどんどんどん情熱のスイッチが入ってきて、やっぱりバンドやりたいなって。剣が作り溜めていたデモも聞かせてもらったんですけど、メチャクチャ精密に作りこんであって、これはきっとこだわりが相当強い人なんだろうなって思ったんですよ。でも俺が「こんなんどうかな?」って提案したら、「それ面白いね」ってすぐに反応してくれてすごく頭も柔軟だったんです。俺自身も好奇心が強い方なので、新しいことに対して柔軟に取り組める人じゃないと一緒に色んな世界に飛び込んでいけないと思ってたからそういう意味でも一緒にやれる仲間ができたみたいな感覚でしたね。
剣:もし僕らが十代くらいの時に出会ってたらお互いの主張がメッチャ激しかったし絶対ぶつかってたと思うんですよね。今も良い意味での主張の激しさはあるんですけど、お互いの意見を取り入れようっていう柔軟な意識も強いので上手く事を進められています。
猟牙:同じような痛みを味わってきたし、言わなくてもお互いに分かり合える部分があるんですよね。音楽をやっていくにはいろんな苦楽があると思うんですけど、それを言わずもがな分かり合えるっていうのは心強かったですね。
――そこからメンバー探しが始まったんですか?
猟牙:そうですね。ちょうど同じぐらいの時期に、衍龍と哲也が一緒にバンドやろうとしてたみたいで。
衍龍:そうなんです。前のバンドが終わってから哲也と一緒に新しいバンドをやろうってことでヴォーカルを探していて、カリスマ性があって自分たちのやりたい音楽に合うヴォーカリストで絞り込んでいったら猟牙くんしか思いつかなかったんですよね。そこからゴリ押しで猛アタックを始めたんです。プランとかもあるにはあったんですけど、それよりも気持ちで押し付けようと思って、お酒の力を借りて口説いたりしたんですけどなかなか落ちなくて……。
一同:(笑)。
衍龍:なんとか話しが進んでスタジオに入ろうってなった時ぐらいに、「実は剣と……」ってことを聞いて4人で会ったんです。
猟牙:哲也と衍龍がカッコいいのも上手いのも知ってたんですけど、次にやるバンドが最後だと思ってたから断ってたというか慎重だったんですよね。それで何かのタイミングで剣と一緒に2人が出るライヴを観に行ったら「コイツらカッコいいな」って。
剣:衍龍のギター回しから、哲也が叩いた瞬間の音圧が強烈すぎて、こいつらはヤバいって。
猟牙:不思議と一緒にやってる画が見えたんですよ。
衍龍:あんなに渋ってたのにライヴが終わった瞬間にすぐに楽屋まで飛んで来てくれてね(笑)。
猟牙:ライヴ見てあれだけカッコいいところ見せられたら断る理由はないですよね。
――IZAさんはどういう経緯で?
IZA:前のバンドの時に猟牙くんと対バンする機会があって、カッコいいヴォーカルだなって印象がずっとあって、前のバンドが解散して1人でずっとメンバーを探してたんですけど、なかなか納得のいくヴォーカルが見つからなかったんです。そんな時に猟牙のバンドが解散するって噂を聞いてライヴを観に行ったんです。
猟牙:すげえ懐かしい。
IZA:あらためて猟牙くんのステージを観て、これ以上のヴォーカルは見つけられそうにないからもうバンドやるのを諦めようかなって感じだったんですけど、去年の12月にひょんなことから「セッションやらない?」ってお誘いを受けてその時の打上げでたくさん話して、中身も熱い男なんだっていうのを知って、ますます猟牙くんとやりたいなって思うようになってしまって……。猟牙くんとできなくて中途半端に別のバンドをやるぐらいならやめるべきかなと思ってた矢先に連絡がきたんです(笑)。
猟牙:すごいタイミングだよね。
「ビジュアルも含めて自分が“REDの象徴”になろうと思った」
――メンバーが決まった時点で、RAZORとしての音楽性や方向性は固まっていたんですか?
剣:猟牙の音楽性がメチャクチャ広くて「こんな音楽がしたい!」っていう枠が良い意味でないんです。それに5人共すごく頭が柔軟だし音楽に詳しいので、変にこういう音楽をというよりも、曲によっていろんな表情をみせられる楽曲を揃えた方がいいんじゃないかと思ってサウンドは重たいけどいろんなタイプの曲があるようなイメージですね。
――1st Mini Album『RED INVISIBLE』というタイトルにはどんな意味合いが込められているんですか?
猟牙:バンドをスタートするまでにも色んなことがあって、色んな痛みを伴ったりもしたんです。“赤”って痛みや血のイメージもあれば、燃える炎というイメージもあって、すごく色んな顔を持った色だなと思ったんです。“INVISIBLE”は隠れるとか見えないって意味なんですけど、普段人が表面に出てない部分で抱える気持ちとか、そういう痛みだったり燃える気持ちだったりを全曲に散りばめたかったんですよね。だから衣装も髪も赤しかないと思って、ビジュアルも含めて自分が“REDの象徴”になろうと思ったんです。
――『RED INVISIBLE』に収録されている曲はどれがリードになってもおかしくない曲ばかりです。
剣:そうなんですよね。メンバーとも全曲MVを撮りたいねって言ってました。
猟牙:「MISSING PIECE」という哲也が持ってきた曲があるんですけど、最初はやる予定がなかったし、哲也もバンドで使うつもりはなかったんですけど、アルバムの曲を並べた時に、「これあったら緩急つくよね」ってことで急遽入れることになったんです。でも作った哲也自身が「マジで入れるの?」って最初はすごく戸惑ってたり。
哲也:収録するのを誰よりも反対してましたよ(笑)。
剣:ヘヴィーな曲ばっかり並べられると胃もたれするよねって。そういう意味で他の曲と違う良さがあるのが「MISSING PIECE」だったんです。
猟牙:これは歌いたいなと思ったので、ゴリ押しで入れることにしました。
――実はこの曲が1番猟牙くんっぽいなって思いました。
猟牙:そうですね。俺のルーツがすごくある感じがしますよね。かなりタイトなスケジュールだったんですけど、絶対に良いものになるっていう自信はずっとあったし、すごく気持ちが入る曲になりました。
――「RED ZONE」をリード曲に選んだのはどうして?
猟牙:剣が一番最初に持ってきた曲なんです。
剣:だからメンバーが1番聴き飽きてる曲ですね(笑)。バンドをどうしていこうかって大変な時期に夜な夜な作って完成させた曲です。“立ち止まっていた時はあったけど、それは決して無駄じゃなくここから前を向く”というのがコンセプトで、間口が広くて入りやすい楽曲になったと思います。
IZA:何回も聴いてるけど、やっぱりカッコいいなって思いますよ。
剣:1周回ってね(笑)。でもそういう良さってあると思うんですよね。その反面、哲也が持ってくる楽曲は状況が複雑なのが多かったりするんですけど、ポイントポイントですごく良いメロディーがあるんですよ。だから哲也はバンドに深みを持たせる楽曲を作るのがすごく得意なんだろうなって。
哲也:リードにはならない曲ばかりだけど……(笑)。
猟牙:俺はそういう曲をあえて表題にしたいくらいなんですよ。哲也が隠し持ってる面白い曲をどんどんやっていきたい。
哲也:良い意味で裏切っていきたいのはありますね。
猟牙:RAZORとしては、今作『RED INVISIBLE』でまず土台を見せつけて、ここからさらに色んなところにチャレンジしていきたいし俺ら自身もチャレンジしたい。自分ら自身がずっとワクワクしながらやっていきたいですね。
――「RED ZONE」の歌詞もすごくストレートなメッセージが込められていますね。
猟牙:そうですね。最初に出来た曲っていうのもあるし、自然とそういうことを書いてましたね。それと、変わらない気持ちを込めて、ある曲の歌詞を引用しています。
「とにかく自分の理想やカッコいいと思うものにはどんどん挑戦していきたい」
――他の曲もお聞きしたいのですが、「ANOTHER」はいかがでしょうか?
哲也:俺と衍龍で猟牙くんを口説く時に使ってた曲です(笑)。1番難しい曲を聴かせてどんな反応をするかっていうのと、俺が結構頭が固いタイプなので、これを受け入れてくれるか否かみたいなところあったんです。そしたらすごくいい反応をくれて、「俺は難しいオケにキャッチーなメロを入れたい」って言ってできた曲ですね。
猟牙:たぶん俺が一番乗り気でしたね。
哲也:このオケにこれだけキャッチーなメロディーを乗せられるんだって感動したし、本当にすげえなって思いましたよ。
猟牙:バックがひたすら銃撃戦みたいになってるからすごく悩んだけどね。
剣:僕からしたらすごく新しかったですね。「この変な拍子なに?」って。新しすぎて慣れるのにトータルで2ヶ月くらいかかりました(笑)。
――「PRIARY」はいかがでしょうか?
剣:これはスタジオでセッション感覚で作っていきました。
衍龍:わりとトントン拍子でできましたね。
猟牙:メンバーのルーツが集まってできた1曲なので、最初はこれをリードにするか悩みました。
――歌詞が難しいですね。
哲也:漢字が難しい(笑)。
猟牙:いつも存在しない漢字を作っちゃうんですよね。
――それが英語にも聞こえますよね。
猟牙:そこが狙いだったりもするんですけど、英語叫んでるなって思って歌詞を見たら「日本語なんかい!」ってなるもの面白いなって。
――「ギブミー不気味」はインパクトのあるタイトルですね。
哲也:歌詞はかなり暗いんですけどキャッチーな感じもあって、その変なバランスを聴かせたかった曲です。
猟牙:基本的にはいい曲なんですけど、要所要所にドス黒い語りが入っていたり、歌詞に沿ってどんどんアンダーグランドになっていって最後にまた開けて悲しく終わっていきます。
衍龍:歌詞カードを見ながらどんな状況を想像するのかが楽しみな曲です。
剣:聴き終わった後にめっちゃ憂鬱になるかもしれないですけどね。
――「埋葬」はいかがでしょうか?
衍龍:僕の見た目に合った通りの曲というか自分のルーツを入れた曲です。とにかく怒り表現したくて、猟牙くんにも怒りをテーマに書いてってお願いしたら素晴らし歌詞を書いてくれました。
猟牙:ちょうど苛立つ事件が身近で起きたのでそれを題材に書きました。楽しくぶち切れてやろうかなって。
――一切の情報が明かされないまま行われたZepp Tokyoのライヴはいかがでしたか?
剣:ほぼシークレットに近かったんですけど、登場に仕掛けを作ってもらったりしてすごく反応が良かったです。1曲目に「ANOTHER」をやったんですけど、始まった瞬間にオーディエンスが見入ってる感じが逆に気持ちよかったですね。
――11月30日には新宿ReNYで、RAZOR 1st ONEMAN LIVE 2016「RED INVITATION」が行われます。
哲也:同日にCDも発売されるので、もし間に合えばCDも聴いて来てください。実質の初ライヴになるので、いろんな人に聴いてもらいたいし観てもらいたいので頑張ります。
IZA:『RED INVISIBLE』が1枚目にして100%のものを作れたという自信があるので、あとはライヴを観てどう感じ取ってくれるかだと思います。気に入ってくれたらアルバムをじっくり聴き込んでもらってその後のワンマンツアーにも来てもらえたら嬉しいですね。
衍龍:音源はもちろん、ライヴでしか観せられない一面もあるので、そこを楽しみつつ曲も覚えてもらえたらなと思います。
剣:発展途上なところは多々ありますけど、そこはオーディエンスの皆と作っていきたいというか、頼っているわけじゃなく、あくまで僕らが提示していく側なんですけど、ライヴの空気感や世界観は集まっていただいた皆と作っていくものだと思っています。11月30日は歴史に残る1ページになると思うのでRAZORに触れに来てください。
猟牙:本当にカッコいいと思えるメンバーと組めたし、とにかく自分の理想やカッコいいと思うものにはどんどん挑戦していきたいですね。11月30日に初めてライヴを観る子がほとんどだとは思うんですけど、そこから始まるストーリーなので一緒にRAZORを作り上げていきましょう。
RELEASE
2016年11月30日 Release!!
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CD+DVD TRCL-0137 / ¥2,500(税別) [CD] 01. ANOTHER 02. PRIMARY 03. ギブミー不気味 04. 埋葬 05. MISSING PIECE 06. RED ZONE [DVD] 01. RED ZONE( MUSIC VIDEO ) ※11月30日(水)新宿ReNyにて、「RED INVISIBLE」をご購入のお客様は、終演後にRAZORメンバーとの握手会にご参加できます。 |
LIVE INFORMATION
2016年11月30日(水)新宿ReNY
2017年01月06日(金)仙台MACANA
2017年01月08日(日)OSAKA MUSE
2017年01月09日(月)名古屋ell fits all
2017年01月15日(日)TSUTAYA O-WEST
2017年02月04日(土) 仙台darwin
2017年02月05日(日) 仙台darwin
2017年02月25日(土) 大阪BIG CAT
2017年02月26日(日) 名古屋ELL
2017年03月11日(土) TSUTAYA O-EAST
RAZOR PROFILE

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Vocal:
猟牙
Birth:
07.03
Blood:
AB
-
Guitar:
剣
Birth:
04.02
Blood:
B
-
Guitar:
衍龍
Birth:
10.14
Blood:
O
-
Bass:
IZA
Birth:
05.08
Blood:
O
-
Drums:
哲也
Birth:
10.15
Blood:
A