INTERVIEW

Chanty 「不完全な音楽」

2016.09.20
2016年9月14日に初となるミニアルバム『不完全な音楽』をリリースしたChanty。
現在はワンマンツアーを開催中。ミニアルバムの楽曲に込められた思いや、3周年という節目を向かえ、活動当初から3年経った今気付く心境の変化など、素直な言葉で語ってくれた。

取材・文:福田 日向子
「不完全は絶望じゃなくて希望なんです」

――初回盤の1曲目に収録されている「【3.0.17】、このタイトルの読み方はあるんですか? :ないです。
成人:今つけたら?
:やだ!このタイトルは読み方うんぬんじゃないから。
――では、なぜこの数字なんでしょう? :どこにも言ってないんですけど、これは『終わりの始まり』っていうChantyの最初のシングルを発売した日から、この『不完全な音楽』の発売日までの日数なんです。3年と17日。
shia.: 『終わりの始まり』のリリースは3年前の8月28日だったね。
:そう。『終わりの始まり』が出来たとき、「この曲を歌う為に生まれてきたくらいに思って。それから3年と17日経ってこの『不完全な音楽』をリリースして、まだあんなこと吠えていられるのか?と言うと、自分はそのつもりでもなかなかそうはいかないことも出てくるんです。人間月日が流れれば絶対変わってくものだし。逆に変わらないところも山ほどあって。だから、『終わりの始まり』を生んだ人間達が3年経ったらこういう風な気持ちで歌って、演奏して、こういうバンドが出来上がったっていう“しおり”というか、単純にしるしみたいなものなんです。だからタイトルは記号みたいなものだと思ってください。

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―――「【3.0.17】」の歌詞にある、“不完全な声”とは? :これも、すごく抽象的で。どう取ってもらってもいいんです。僕らがいつまで経っても不完全であるとか、到達できない部分のことっていうのはずっと言ってたんですけど、この“不完全な声”っていうのが果たして自分たちのことなのかどうかっていうのも曖昧で。もしかしたらお客さんのくれる声のことかもしれない。ただ、不完全であるってことってまだ望めるっていうことで、我々って何か望んでなきゃ生きていけないじゃないですか。あれが間違ってるからこうするとか、こうなりたいから、今これをするとか。そういう原動力がないとネガティブな僕らはやっていけないんですよ。でもネガティブを開き直るんじゃなくて、ネガティブだからこそ出来ることがあって、うちらが守るべき場所を作れることってあるのかなっていうのを思うようになって。“不完全”なのは我々でもあって、誰かでもある。不完全は絶望じゃなくて希望なんです。
――『滅菌、消毒、絆創膏。』は出来上がってみていかがでしたか? 千歳:3年間Chantyをやってきて、ずっと作りたかった“不安定だけど激しい”っていうサウンドの構成が出来ました。今まで、自分はギタリストだから、ギターで何かしようってずっと思ってたんです。けど、ベースやドラムがあって、楽曲を構成しているのはギターだけじゃないっていう事に気付いて。あくまで曲はバンドで作り上げていくものだから、自分が出したい形っていうのは、初めからバンドで作っていくのが1番の近道なんだなっていうことが分かりましたね。
――分かりやすい激しさもありながら、ライヴではどうなるのか少し想像つかない楽曲だなと思いました。 千歳:ライヴはね・・・楽しくなるんじゃない?
野中:でも楽しくなる!って俺らが思った曲は、大体お客さんが真顔で見てる!
一同:(笑)。
成人:思ってる反応と違った時って逆に楽しかったりもするよね。その都度発見というか。
「Chantyのライヴは夜が来ますね」っていうことを言われて。
――「ねたましい」はすでにライヴでも演奏されてるんですよね。 成人:そうですね。ドラマーのポジションからすると、芥さんに操られつつ、楽器隊4人が表現する楽曲っていう感じです。歌詞もメロディもなかった最初の段階から、すでに叫び声のような訴えかけるようなものを感じて。曲が形になって、生で演奏する度に最初に感じたイメージをどんどん5人で具現化出来てきてると思いますね。5人が5人同じ方向を向いてたからこそ出来あがった1曲だと思います。
:意思の統一が出来たなと思いますね。この曲に対してみんな同じものを見ていて、原案を出す段階の頭の中で鳴っていた方向に向いてってくれて。
千歳:曲が出来上がったとき早くライヴでしたいって言ってたもんね。
成人:むしろ1番最初にやったからね。
――実際ライヴでやってみてどうでした? :あ、もう最悪な気分になります。 一同:(笑)。
:落ち込みますね。セットリストに入れ込むと、前後にもネガティブな曲が寄ってくるんです。なのでもう、とことん落ちますね。このまま消えちゃうんじゃないかって。
――楽器陣の皆さんも? shia.:僕は、こういう曲の方がテンション上がります。楽しい曲は、単純に楽しい!っていう感じなんですけど、「ライヴしてる、生きてる!」って思えるのはこういうネガティブな楽曲だったりするんです。
野中:ドMやんな(笑)
:僕ら、今年の始めくらいからお客さんに時々「命を削って演奏してる」って言われたりすることがあって。何の事か最初よくわからなかったんですけど、こういう曲できっとそれが見えるんじゃないかなと思います。
――「今夜未明」はライヴで演奏してみていかがでした? shia.:「Chantyのライヴは夜が来ますね」っていうことを言われて。ライヴのセクションとして。その表現ってめっちゃいいなと思ったんです。この曲が入ることによって、その夜っていうものを表す幅が広がったなと思うんです。初期のChantyにあったエグみを詰め込んだような曲だけど、実際ライヴをやってみて、そういう感想をもらえたから、自分が思ってたよりちゃんと伝わってるんだなって思いました。
:この曲は曲間の間がいっぱいあって、表現しずらいんだけどうるさいくらい静かになる。
野中:お客さんも、その場にいる全員が音を立てないように息を殺してて、ここは本当にライヴハウスかっ!?って思うような静寂になるよね。無音を演奏しているイメージなんだけど、5人が全員「これだっ!」って思える間を作るのは一生無理なんじゃないかなあ。難しい曲だなと思います。だからこそ楽しい。
成人:次に音を出す俺のさじ加減で大きく曲が変わるし、やりがいがあるよね。
:でもあの間良かった!っていうのはある。だから、一体感っていうのはこの曲のためにあるのかもしれないですよ。目に見える動きじゃなくてね。
カレーに例えたら、これは玉ねぎ。
――「無限ループについて聞かせてください 野中:『不完全な音楽』を一つのカレーに例えたら、これは玉ねぎ。その心は、玉ねぎってカレーを作るときに絶対必要なものでしょ。なかったら美味しくないし、でもカレーが出来たときには溶けて形には見えない。自分の中で「無限ループ」ってそういう曲で。通常盤の方にしか入ってないけど、なくなったらこのアルバムは美味しくない。がっつりメインにはなってないんだけど、すごい味を出してるっていう曲。
――歌詞では、「シバく」というキーワードが気になりますが。。 :自分のことをシバきたくて。この作詞をしてるときに、別件で締め切りに追われてたんです。自分は何年も音楽をやってきて、なのになぜいつまで経っても締め切りというものに追われてしまうんだろうっていうところから始まって。最初はシバく対象が誰なのかは決まってなかったんですけど、やっぱり自分しかいなかったんですよ。
千歳:このアルバムは誰にでも当てはまる歌詞が多いんだけど、「無限ループ」は特に現代っぽくてすごく現実味があると思う。
:人生のループから抜け出したいですね。いつも同じことに悩んじゃうから。分かってるのに進めない自分のような人たちが、明日に向かえるように。そういう曲です。
――「世界に見捨てられてもきっと音楽は鳴りやまない」は、すごく日常を感じられる曲ですね。 :そう。この歌の1番の主人公は日曜日ライヴに行ってきて、カラッカラに晴れた月曜日を迎えたんです。きっとこの人はすごい音楽を楽しんでいて、でもバンドってすぐ終わってしまうしライヴも一瞬。だから「どうして終わってしまうんだろう」って嘆くんですね。逆に、2番の人は音楽のことを信じてないんですよ。
野中:みんなが音楽好きなわけやないからね。演者が好きだから、その人の音楽を聴くこともあるし。
:このジャンルに限らず、色んな視点で音楽を楽しむ人、作る側の人も含めてみんなが音楽に救われたら嬉しい。俺も救われたくて。本当は“誰か”に救われたいんだけど、“誰か”ってずっといてくれるわけじゃないんですよ。でも音楽は絶対そこにあるんです。だから、自分の都合の良い解釈で音楽を楽しんで良いと思うんですよ。
千歳:俺は芥くんの言うような“救われる”ってどういう感情なんだろう?ってすごく考えた。嬉しいとか楽しいってことなのか、どれが正解か分かんなくて。でも、ライヴでやってるときは嬉しいとかとはまた別の感情になって。笑顔でいることが正しいのかも分からなかったな。
shia.:難しいですよね。笑顔になったからといって必ずしも救われたことにはならないし。
成人:俺は何も身にまとわず草原走ってるようなイメージ。叩いていて爽快感があるんです。
shia.:そんな趣味があるの?(笑)でも分かる。何も重荷がない感じ。
野中:俺は素直になれるかな。ステージでも別にかっこつけたりもせず、無理に動こうとも思わなくて。素直に弾けるんです。
:結局、この曲は誰宛でもないんですよ。だから僕らも楽なんです。これ聴いて幸せになってねとも言わないから、どんな捉え方でも良いんです。ただ、少なくとも僕らはこの曲と出会って救われた気がします。それは作り手としてじゃなくリスナーとして。そんな不思議な力がこの曲にはあると思う。
Chantyを知らない人をギャフンと言わせられるように。
――そしてワンマンツアー「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」が始まりますね。 野中:そうなんです。実はソールドアウトしてるところもあって!でも逆ソールドアウトしてるところもあるからね。
一同:(笑)。
――逆ソールドアウト!? 野中:大阪の2日目とか全っ然売れてない。
:福岡もなかなか伸びない。まだまだこれから!頑張ります!
野中:まあそういうのは曜日や色んな関係もあるので仕方ないと思うんです。行きたいしやりたいから行くわけだし。だからソールドアウトしてるかっていうのはほんまにどうでもいい!したらめちゃくちゃ嬉しいしおまえたちのおかげでソールドできたよーって頭撫でてあげたい、逆にしてなかった日はむしろ一人一人への感謝の気持ちも強くなって頭撫でてやりたくなるわけで(笑)
:バンドやってる以上結果が出るよう頑張らなきゃっていうのはあるんですけど、そこはお客さんが見てるところじゃないしね。ただ、「ソールドアウトしたい!」とはこれから言っていこうと思います。最近、曲に責任はないっていうのをすごく強く思ってて。どんな曲であっても曲が評価されないのはバンドがいけないと思うんですよ。当たり前の話ですけど。我が子を一人前に育ててあげなきゃいけない。もちろん、それを聴いてくれてるお客さんにも責任はなくて。正直、Chantyの音楽はとっつきづらいところもあると思うので、前は例え売れなくても自分達の好きなことを・・・って言い訳みたく言っちゃってたんですけど、今、売れたいです。曲を一人前に育ててあげるのと一緒に、信じてついてきてくれる人たちが、周りにいるChantyを知らない人をギャフンと言わせられるように。まあ、そう思い始めてから、見てる人をより突き放すようなライヴが多くなったんですけど。
一同:(笑)。
野中:でも、そう思うからこそChantyを見せ付けたいんだよね。変に歩み寄っちゃってもだめだと思うし!うちら頑張ってますよ、他とは違うことやってますよっていうのを言いたい気持ちとかではなくて、まずは自分達自身が大好きな音楽をちゃんと伝わるように試行錯誤していきたい。正直追加公演のリキッドルームも現時点で数字だけ見たら厳しいなって思ってしまうけど、絶対伝わるって信じてるから。Chantyのありのままを全国で伝えて、この日につなげていけたらいいなと思う。今一番充実してます。
shia.:単純に伝えづらいことばかりだからこそ、わかってくれた時、足を運んでくれた時、なんでもいいからレスポンスをくれた相手が愛おしくて仕方ないんです。「Chantyの世界へようこそ」って。
:多分、全然合わないって思ってる人もいると思うんです。
shia.:そう思ったならそれで良いからね。
:そう。だからまずはライヴ見ましょう?Chantyの今を体感してほしいんです。3年歩んできた過程もすべて。どんな形でもいいけど出来ればなるべくワンマンを見て欲しいですね。絶対伝えられる自信があります。
野中:ネガティブとか言いながら自信満々です!
一同:(笑)。
――ViSULOG読者へ一言お願いします。 shia.:『不完全な音楽』は、聴いていて中学生みたいな気分になったんですよ。自分がやりたかった、聴きたかった音楽なんで、MDに入れて聴きたいなって思って。昔はCDを買ったらMDに入れてたんですけど、その作業をしてる時って「音楽から何かをもらってる!」って感じられてたんです。だから、その気持ちを是非味わって欲しいと思います。
:新しくなったViSULOGをご覧の皆さん。新しくなるということは、逆行することも必要だと思うので、Chantyの次のリリースはカセットテープにします。
一同:(笑)。
野中:このインタビューをご覧になっているということであれば、興味があるって事だと思うので、ライヴに来てください!
成人:『不完全な音楽』ということで、今度は完全になれるのか、はたまた不完全なのか、次回作をお楽しみください!
千歳:ViSULOGをご覧の皆さん・・・ロクなこと言えないのでライヴに来てください。




RELEASE

2016.9.14 Release!!
1st MINI ALBUM「不完全な音楽」
【初回限定盤】
CD+DVD
MNPK-011 / ¥2,500(税別)
[CD]
01.【3.0.17】
02.滅菌、消毒、絆創膏。
03.今夜未明
04.ねたましい
05.世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない

[DVD]
2016.04.29 TOKYO FMホール「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー」ライヴ映像
1.やんなっちゃう
2.貴方だけを壊して飾ってみたい
3.m.o.b.

【通常盤】
CD
MNPK-012/ ¥2,200(税別)
[CD]
01.ねたましい
02.今夜未明
03.無限ループ
04.滅菌、消毒、絆創膏。
05.世界に見捨てられてもきっと音は鳴り止まない

LIVE INFORMATION

ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク

09.19(月祝)名古屋ell.SIZE
09.20(火)名古屋ell.SIZE
09.23(金)大阪RUIDO
09.24(土)大阪RUIDO
09.29(木)福岡DRUM SON
09.30(金)福岡DRUM SON
10.02(日)広島BACK BEAT
10.03(月)広島BACK BEAT
10.09(日)札幌スピリチュアルラウンジ
10.10(月祝)札幌スピリチュアルラウンジ
10.15(土)仙台BIRDLAND
10.16(日)仙台BIRDLAND

「ゆらゆら揺れる月明かり水面に映るキミとボク」追加公演

10.21(金)LIQUIDROOM

Chanty Presents「自家製忘年会」

12.07(水)高田馬場AREA
12.08(木)高田馬場AREA

HYSTERIC CIRCUS 関東CIRCUIT 2017

01.07(土) 横浜BAYSIS
01.08(日)西川口Hearts
01.09(月祝)宇都宮KENT
01.14(土)高崎club FLEEZ
01.15(日)稲毛K’S DREAM
特設ページはこちら!:http://v-kei.jp/event/?eventId=29

VISULOG 6th ANNIVERSARY

02.04(土) 名古屋クラブクアトロ
02.05(日) umeda AKASO
02.18(土) TSUTAYA O-EAST
特設ページはこちら!:http://v-kei.jp/event/?eventId=30


10.05(水)高田馬場AREA
10.25(火)TSUTAYA O-WEST
10.31(月)高田馬場AREA
11.05(土)高田馬場AREA
11.07(月)渋谷REX
11.25(金)江坂MUSE
11.26(土)京都MUSE
11.28(月)名古屋E.L.L
12.01(木)TSUTAYA O-WEST
12.16(金)新宿ReNY
12.31(土)新宿ReNY

Chanty PROFILE


  • Vo:芥
    Birth:04.29
    Blood:A

  • Gu:shia.
    Birth:08.29
    Blood:AB

  • Gu:千歳
    Birth:04.20
    Blood:O

  • Ba:野中拓
    Birth:05.17
    Blood:A

  • Dr:成人
    Birth:03.26
    Blood:O



DISCOGRAPHY

アーティストタグ

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