INTERVIEW
Special
6月3日にリリースされる5thシングル「道化ノ華」は、アルルカンの本質を浮き彫りにした毒も華もあるナンバーに仕上がった。バンド名とイコールの“道化”をコンセプトに、全員で世界観を共有して作り上げた楽曲だけあって歌にも音にも説得力があるのがいちばんの強みだ。
8月に初の渋谷公会堂ワンマンを控えている彼らにとって、この曲は新たなステージへの切り札なのか? メンバー全員に話を聞いた。
取材・文:山本弘子
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「全員が同じ方向を向いて作ったからパンチと深みのある曲が出来た」
アルルカン
――ニューシングル「道化ノ華」はアクが強く切なくて演劇的な要素もある。アルルカンの肝になるような曲だと思いました。
奈緒:いつも僕が曲を作って、暁が歌詞を乗せてアレンジしていくんですが、今回は作り方が違ったんです。“道化”というコンセプトがあった上で曲を書いたので深いものができたのかなって。ライヴのSEを発展させて作ったんですけど、いつかSEからそのまま繋げられるような曲を作りたいと思っていて、今回の“道化”というワードを当てはめたらピッタリかもしれないと思って作ったらハマりましたね。
――シングル「ジレンマ」では奈緒さんが“希望”というキーワードを提示したけれど、今回は?
奈緒:コンセプトを持ってきたのは暁ですね。
:バンド名が「道化師」だし、個人的には道化って何かに対する不満を嗤ったり、意見するものだったりすると思っているんですが、そういう話もしてコンセプトをバンドで共有したんです。
祥平:ガッツリ、テーマを決めた上でそれに沿ってある意味、演じるというか――。そういうことがバンド全体でできるようになったのは大きいですね。
奈緒:あと、こういう3連符のシンプルな曲をシングルのA面にすることって、今までなかったんですよ。4ビートでカッチリした押しメロの曲を持ってくるのが定番だと思うんですけれど、それを覆したいなと思っていたんです。
――1回聴いただけでバンドのカラーがわかるインパクトのある曲ですしね。
奈緒:パンチが効いていますよね。
――それでいてサビのメロディは切ないし、音にも迫力がある。
奈緒:迫力はかなり意識しましたね。このシングルの前にオムニバス盤に曲を収録しているんですが、そのあたりから音作りを変えました。音圧も全然違うと思うし、みんなでこだわりましたね。今までは僕の好みがもっと前に出ていたけれど、そこにメンバーの意見が加わって更に良くなりました。
祥平:作品を重ねるごとにみんな楽器も上手くなっていますしね。
「ベースを弾きながら詞を口ずさんでいる自分に驚いた」
アルルカン
――ちなみに歌詞はステージに立っている自分をイメージして書いたんですか?
:今までが個人的な想いを書いた詞なら、これはアルルカンとしての決意の詞ですね。
――“さぁ掃き溜めの中 夢を見よう”という歌詞が非常に好きです。
:やっぱり僕はこの世の中というか、社会のことが好きになれないんですよ。「それでも」というか「だからこそ」というか、だから僕はこの世の中で道化になろうと思いました。1年前、いつか僕の不満はなくなってしまうんじゃないかと思っていたんですが、いっこうになくなりそうもないのでこういう歌詞になったんだと思います(笑)。
――“舞台の上で 誰よりもきっと 戯けて魅せるから”とも歌っていますが、バンドの在り方でもあり、ステージで歌う自分の在り方でもある?
:そうですね。個人的にも思っていることだし、バンドの総意でもあります。
堕門:いつもは暁の中にある想いを表わしていると思うんですが、今回はバンドとしてのメッセージが出ているので、いい歌詞だなと思いました。
祥平:個人的に大変化だったのはベース弾きながら歌詞を口ずさんでいることですね。
――今までは思わず歌ってしまうことはなかった?
祥平:なかったんですよね。だから自分でも驚きました。“俺、歌ってる”って(笑)。
來堵:暁は今までと同じ気持ちで書いてると思うんだけど、「道化ノ華」の歌詞は絵が見える。だから、曲の世界観もすごく入ってくるし、イメージしやすいから演奏する側も高まるんですよね。すごくいい歌詞になったと思います。
奈緒:ライヴでも「道化ノ華」を演奏すると空気が変わるんですよ。今、來堵が言ったことと関係あると思うんですが、みんなで共有できているのが大きいんじゃないかと。コンセプトを考えた上での歌詞なので、書いているのは暁だけど自分の歌詞のように感じられるんです。
――それは大きな変化ですね。楽器陣の音色、プレイのこだわりは?
堕門:今回は音色について今までにないぐらい奈緒と相談しましたね。スネアの音についても細かく打ち合わせして最終的に納得できる音になりました。ライヴで叩いていてもむちゃくちゃ気持ちいい曲ですね。
奈緒:同期があるので、必要な音以外は全部排除していくようなアレンジの仕方をしていて、ギターはほとんどユニゾンしてますね。
――音が太いですよね。
奈緒:ベースもユニゾンしてますからね。楽器陣はどっしり構えて、ウワもので雰囲気を作ることを意識しました。ギターでこだわったのは沈んでいく部分は半音ずつ下げて、(ボーカルの)ソロの瞬間にコードの流れを逆にして半音ずつ上げていってるんですね。で、希望が見えそうになるところでもう1回落として“アルルカンはこうです”って。そういうプレイもこの曲の意味あいとハマるなと思っていてお気に入りですね。
來堵:奈緒が言ったとおり、ユニゾンの力押し。弦楽器3人の勢いにドラムが加わる迫力が聴き所ですね。あとはサビの開けた雰囲気。サビだけはユニゾンではないのでいちばん印象に残るかもしれないですね。アレンジはシンプル•イズ・ベスト。
アルルカン
――攻撃的なセクションとメロディアスなサビのコントラストが気持ちいいですもんね。
奈緒:僕ら弦楽器隊はまず僕の家で音を録ってスタジオに入ってアンプを通してもう1回レコーディングするリアンプ作業をするんですけど、そのときに時間をかけていろんなマイクを試したり、位置にもこだわりましたね。來堵は自分のスピーカーを持ちこんだりとか。
祥平:曲への理解度が深まったこともあって、アレンジを進める上での判断力もアップしたんですね。自分の引き出しとか、そういうことではなくもっとその曲に合ったフレージングが即座に判断できる事に気付けたのは大きいし、だからこそバンドのパワーも増したんじゃないかと。
――ボーカリストとしてチャレンジした部分は?
:この曲はキー的な問題で難しかったですね。メロディも今までのアルルカンとは違うし、歌い方も違いますね。
――チャレンジも盛りだくさんですね。MVも作り込んだ映像になっていますね。
奈緒:すべて合成の映像は初挑戦でしたね。
:今までよりイメージが見えている曲だけにきちっと表現したかったので、メンバーやエキストラさんとの打ち合わせを綿密にしましたね。合成って実際に出来上がってくるまでわからないので現場でやるべきことをやって、映像を見てからまたイメージに近づけていく作業をして、時間をかけましたね。
祥平:以前のMVは曲のイメージに合う場所に行って撮影をしていたんですが、今回は合成なのでブルーバックの殺風景な中、1人、1人、淡々と撮っていくっていう。それだけに前もって仕上がりをイメージしておかないと大変なことになるなって。
來堵:カット数が少ないので、どうなってしまうんだろうっていう期待と不安がありました。
――エキストラのピエロがたくさん出てくるのも楽しいですよね。
堕門:エキストラの方の演技がめちゃくちゃ良くて、“うわーっ”って見入ってましたね。
奈緒:堕門ちゃんは演劇部だったんですよ。なので、エキストラさんとも話が盛り上がっていて。
堕門:結構話しましたね、表情の作り方とかどうピエロになりきるのかとか。完成した映像を見た時にエキストラさんが話した事がしっかりと出ていたのでそれもまた“すげえ!”って(笑)。
「情景が見える曲で今の自分だからこそ書ける歌詞」
アルルカン
――カップリングの「身を知る雨」については?
奈緒:この曲は自分らしさをガーンと出したというか、切ない曲にしたいと思って作りましたね。手拍子してもらいたいと思ったので、サビでクラップを入れているんですけど、アルルカンらしいヘヴィなサウンドに自分の根底にあるものをふんだんに詰め込んだ曲でもあります。演奏はユニゾン以外の部分は実験的というか、後半のビートが速くなるところはコードを弾いている人間が誰もいないという。
――展開が想像つかない曲ですもんね。出だしはヘヴィでデスボイスだけど。
奈緒:そうなんです。前半とサビでは同じ曲と思えないほど違うっていう。
:情景が見える歌詞。次に自分がしたいことが少しずつ出せているというか、今だからこそ書ける詞だと思います。
――“雨”の情景は最初から浮かんでいたんですか?
:デモを聴いたときに浮かんだので、そういうニュアンスを音に出してほしいって奈緒に頼みました。
奈緒:イントロは重いフレーズなのに浮遊感が漂っていると思うんですけど、雨の感じの音を入れてほしいと言われて鍵盤を入れて、そのおかげで同期のイメージもわいてきてカッコよくなった。
:“ポンポン”って弾いてもらって「それ、それ」って(笑)。
――雨がいろいろなものを洗い流してくれるものであると同時に自分を浮き彫りにするものとして描かれているように思いました。
:冒頭の“傘を差すのが嫌いで”は単に自身の事なんですが、雨が洗い流してくれるっていうのはありますよね。ものごとを昇華するまでにはみんな葛藤があると思うんですけど、1周して向き合うというか、そこで前に進むなり、何かを失くすなりして、スッキリするというか。
――アルルカン流レインソング?(笑)。時期的にも梅雨時だし。
奈緒:そういえば6月ですもんね。
:狙いました(笑)。僕、今までわかりやすい言葉をあまり使ってこなかったんですよ。今の自分ではそれを代えがきくモノにしてしまいそうで。でも絵が浮かぶ事で曲が生きる事もあると思うので、これからは少しずつ色んなモノを取り入れながら成立させていければなと思います。
祥平:申し分ないアレンジができた曲でもありますね。俺がどんなベーシストなのか気になった人はこの曲を聴いてもらったら間違いないですね。性格までわかる(笑)。
「これまでになかったアルルカンのビートロック」
アルルカン
――「人形—ヒトガター」はどんなイメージがあって作った曲でしょう?
奈緒:「身を知る雨」が自分が大好きな要素ばかりを詰め込んだ曲だとしたら、この曲は逆に自分の中にないものを少しずつ取り入れた挑戦の曲ですね。生楽器をフィーチャーしてギターも一部のユニゾン以外、2人バラバラなことを弾いている。ギターがユニゾンするところでベースは別のフレーズで動いてたり、ドラムも今までにないビート感ですね。
――イントロがギターロックですもんね。
奈緒:デモではイントロはドラムだけだったんですけど、スタジオに行ったら足音だったり、部屋で鳴ってる音を入れるのもアリだなと思って、その場でギターを弾いてメンバーに効果音を出してもらったんですよ。「祥平はこの音で來堵はこの音」って。テックさんにもエフェクターを鳴らしてもらったり。
來堵:そんなことやってたら歌録りの時間が2時間しかなくなっちゃって(笑)。
:「明日にしようか」って。
奈緒:(苦笑)ひらめいちゃうと、実行に移さないと気が済まなくなるんですよ。
――そんな手作り感満載の曲でもあるんですね。
奈緒:まさにそういう感じですね。みんなで作ったみたいな。
――歌詞は「道化ノ華」に通じる世界観ですか?
:そうですね。演じる人や自身の事を書いてます。
祥平:こういう遊び心のある曲は久々なのでリミッターはずれましたね。
堕門:ライヴでも好きなことができそうな曲ですね。
奈緒:振りきりすぎて途中でレゲエのビートになったりしてる(笑)。
祥平:デモの原型をとどめていない曲でもあるね。
奈緒:そう。イントロのベースからしてデモと全然違うんですよ。それがめっちゃカッコよかったりして。
祥平:俺の中でこの曲のベースのイメージはBOOWYの松井恒松さんなんです。動かざること山のごとしみたいな感じでガッツリ、ベースとにらめっこして弾いている感じ。
奈緒:(笑)でも、ライヴでは逆に動くんでしょ?
祥平:そうだね。
奈緒:BOOWYって言われて気付きましたけど、ビートロック感のある曲ですね。もともと意識していたのも‘80年代のロックだったので。
來堵:ギターを弾いていても気持ちいいですね。今までになかったニュアンスのアルルカンが描くギターロック。
――最後に以前に取材したときはまだ渋谷公会堂に立つイメージが見えていないと話していましたが、「道化ノ華」が完成した今はどうでしょう?
祥平:O-EASTでワンマンをやって以降はイメージしやすくなりましたね。ステージの大きさしかり、見る景色も含めて似通ったところがあったので、次に向けて考えることがたくさん増えました。
奈緒:あのときに見えなかったことが少しずつ見えかけてはいますね。O-EASTがあったからこそ、「こうしたい」、「ああしたい」という具体的な案も出てきているんですが、それぞれがやりたいことをうまく落としこみつつもメンバーのやりたいことや想いが1つになったときがいちばん強いのかなと。ワンマンツアー「アンチヒーロー」を経ての渋谷公会堂なのでツアーの中でより見えてくると思うし、あとで後悔しないように120%まで想いやコンセプトを高めて立ちたいですね。
來堵:楽しませたいというライヴのスタンスは昔から変わっていないけれど、そこに今回のシングル「道化ノ華」が加わって、5人で表現したい世界が明確になった上で臨むわけだから、見応えのあるものにしたいですね。ワンマンツアーも各地でいろいろな表情が見せられるだろうし、その集大成が渋谷公会堂になると思います。
堕門:O-EASTで学んだことを踏まえつつ、僕らの魅せたい物もより明確になっていくと思います。しっかり渋谷公会堂に向けて進んでいきたいですね。
:ホールだからこそできることがあるだろうし、お客さんも見たいものがあると思うんですけど、今の僕たちがライヴにおいて、いちばん大事にしているのはその空間を目の前にいる人たちといかに楽しむかというところなので、そのバランスですよね。結成して2年たたないバンドが渋公に立ってどういうライヴをするべきなのか、自分はどうしたいのか、僕としては、まだ見えていないですね。
――「アンチヒーロー」のツアー中に見えてくるのかもしれませんね。ホールで見たい人や初めて見に来る人もいるだろうし。
:そうなんですよね。熱のやりとりが好きな人もいれば、ホールでじっくり聴きたい人もいると思うけれど、みんなにいい顔をするようなことはできないし「アルルカンはこういうバンドです」というステージを見せないと逆に失礼だと思うんですよね。何を見せてあげようかな。これから苦しみます(笑)。
RELEASE
5th single
「道化ノ華」

2015.06.03 Release!!

アルルカン
TYPE:A
CD+DVD
GMCD-015A
¥1,944(tax in)

[CD]
01. 道化ノ華
02. 身を知る雨

[DVD]
01. 道化ノ華 -PV-



アルルカン
TYPE:B
CD
GMCD-015B
¥1,620(tax in)

[CD]
01. 道化ノ華
02. 身を知る雨
03. 人形-ヒトガタ-


SCHEDULE
GOEMON RECORDS presents
アルルカン1st ONEMAN TOUR『アンチヒーロー』

06.06(土)金沢AZ
06.07(日)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
06.14(日)仙台HooK
06.19(金)岡山Crazy MAMA 2nd room
06.20(土)大阪MUSE
06.21(日)名古屋ell.FITS ALL
06.27(土)福岡DRUM SON
06.28(日)広島並木ジャンクション
07.04(土)札幌COLONY
07.05(日)札幌COLONY
08.09 (日) 渋谷公会堂



07.21(火)TSUTAYA O-WEST
07.20(月・祝)TSUTAYA O-EAST
08.07(金)高田馬場AREA
09.20(日)新宿ReNY

PROFILE
アルルカン

アルルカン Vo:暁
Birthday: 12.09
Blood type: A
アルルカン Gu:來堵
Birthday: 12.08
Blood type: A
アルルカン Gu:奈緒
Birthday: 04.26
Blood type: B
アルルカン Ba:祥平
Birthday: 05.12
Blood type: O
アルルカン Dr:堕門
Birthday: 03.05
Blood type: A
オフィシャルサイト


DISCOGRAPHY

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