INTERVIEW
Special
結成2年目に突入したアルルカンのニューシングル「ジレンマ」がリリースされる。“希望”をコンセプトに制作した今作は、新たなことにどんどん挑戦していきたいという彼らの意思表明。初めてツインリードを取り入れたり、バンドサウンドのみで構成し、振り切れた激しさ全開の曲があったりと未来に踏み出すためのトライアルが散りばめられている。
8月9日に初の渋谷公会堂ワンマンが決定しているアルルカンの今とは? 希望があるからこそ抱えているジレンマについても率直に話してくれた。

取材・文:山本弘子
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「激しさや切なさとは違う一面も見せたかった」
アルルカン
――まず、ファースト・フル・アルバム『ニア・イコール』を経ての2015年第1弾シングル「ジレンマ」を制作するに当たってアルルカンが話したことはどんなことですか?
奈緒:アルルカンは激しさと切なさを全面に押し出してきたんですが、結成2年目に突入して、これまでとは少し違う一面を見せたくて「ジレンマ」は“希望”がコンセプトなんです。そのことを僕発信でメンバーに伝えて、暁から上がってきた歌詞もイメージにピッタリだったのでスルッと決まって……。
――“希望”をコンセプトにしたいという話をしたのは2014年ですか?
奈緒:はい。アルバムが完成して次のシングルにとりかろうというときだったと思います。楽曲自体は当時から存在していて、あたためていたんです。作った当初から今までと少し雰囲気が違うと思っていたので、この曲なら“希望”というコンセプトに合うかもしれないって。
――なぜ、そういう方向の曲を打ち出したいと思ったんですか?
奈緒:1年間でアルルカンのベーシックな部分は固まったと感じていたので、2年目はどんどん新しいことを取り入れていこうと思ったんです。同じことを繰り返しても成長がないし、今まで暗い曲で攻めてきてポップな曲はなかったので、今回はそこに重点を置いてみようかなと。僕は直感でものごとを決めるタイプなので「これだ!!」って、すぐ暁に伝えました。
:アルバムをリリースしたことでひと区切りついたのはメンバーみんなが思っていたことなので、僕自身も次は新しい何かに挑戦したいと思っていたんです。コンセプトについては以前、アルルカンのライヴを見てくれた人に「激しくて切ない中に希望が見える。それが魅力なんじゃないかな」と言われたことがあったので、奈緒から話を聞いたときに「いいな」って。自分自身も希望がないと生きていけないし、リンクする部分があったので歌詞もサクサク書けましたね。
――楽器陣は曲に対してどう感じてアプローチをしていますか?
祥平:奈緒からテーマを聞いて、曲を聴いたときにはいつもと違うベースのアプローチをしようと思いました。そこで新たな発見ができたら、さらに成長できると思ったし。
堕門:僕は「ジレンマ」を聴いてまず、「いつもと違う方向で来たな」と思いました。シンバルをすごく鳴らしたくなる曲というか(笑)、激しさもありつつ、ドラムをキレイに伝えたいって。環境が変わった面もあるので。
――(?)というと?
祥平:(笑)堕門が言いたかったのは太鼓類と金物類の割合の違いですね。金物類が多いとドラムの表情も変わってくるっていう。
奈緒:あと、ドラムをとるスタジオの環境が変わったということですね。
堕門:(汗)すいません。テンぱってます(笑)。
祥平:こうやって僕たちが補うことによって、どんどんドラムに詳しくなる(笑)。
來堵:ははは。僕はサビの抜けるメロディが“希望”というテーマに沿っていてすごく納得できましたね。ギターに関しては2年目にして初めて後半でツインリードにチャレンジしています。僕ららしい激しさや切なさも残しつつ、希望も見えていい感じで昇華できたましたね。
奈緒:ツインリードも突発的な思いつきだったんですよ。ふだんは僕がソロを弾くんですけど、お客さんも來堵がソロを弾く姿を見たいし、聴きたいだろうなって。実際、そういう意見をもらったことがあったので望まれることはやりたいと思ったし、2人がソロをとるって見た目的にも華やかですからね。合わせてみて「これならイケる!」って。
――初挑戦が多い曲が「ジレンマ」でもあるんですね。
奈緒:新しいことだらけですね。
「ジレンマを抱える中でいかに希望を見出せるかがテーマ」
アルルカン
――暁さんは希望をどう解釈して歌詞を書いたんですか?
:そういうコンセプトがありつつ、無責任に明るい歌詞は嫌いなので、自分が今まで歌ってきたことを踏まえて、その中で“希望”を見つけるっていう。実際、世の中、「これ、おかしいな」とか「イヤだな」と思うことのほうが多いと思うんですよね。臭いものに蓋をしても、現実はキレイなことばかりじゃないから、そこにジレンマが生まれる。でも、それは決して悪いことではないし、僕を含めて誰もが抱えているものだと思うから、その中でいかに希望を見出していけるかというテーマで書いていきましたね。だから僕自身の歌でもある。
――“正しい線、ここに 引いて!”というフレーズに込めたものは?
:人によって線引きって違うと思うんですよ。「像」という曲でもルールについて歌っているんですが、大勢の人が集まるほどラインがなくなりますよね。身近なことを例にあげると、電車は降りる人のほうが先と教えられたはずなのに先に乗ってくる人がいたりとか。自分がいろいろなことを感じて考えるようになれば相手のことも考えられるようになるし、お互いにそうあれれば、線は太くなると思うんですよね。共有できるというか
――。ただ、それは心の余裕がないと難しい。そういう想いを込めていますね。
奈緒:今回、テーマは今までと真逆ではありますけど、大きくブレてはいないと思うんですよ。この1年でアルルカンが確立したものがあった上での新たな挑戦なので、基本的なスタンスやバンドのテーマは変わっていないと思います。暁のことだから、ひねくれた視点で描くのは想像がついていたし、僕もそういう歌詞を望んでたんです。キレイごとを並べている歌詞ではなく、共感する部分がありつつ、ちゃんと希望を歌っている。
「『像』に代わる強力なライヴチューンを作りたかった」
アルルカン
――矛盾を見つめた上でそこからどうするのかっていう――。カップリングの「imp」は振り切れてますね。激しさでいうと何レベルぐらいですか?
奈緒:レベル5が最高値だとしたら、5、5ぐらい(笑)。
祥平:レベル7でもいい(笑)。
奈緒:これはムチャクチャにしてやろうと思って書いた曲ですね。僕ら、ライヴで1年間、「像」に助けられてきたんですけど、そろそろ、あの曲には頼れないなと思っていて、2年目も強力な曲を作ろうよって。バンドの音だけで完結させたかったので「像」に比べたら単純明快で音数も少ない。それと僕の書くメロディはキレイなものが多いんですけど、「imp」は気持ち悪い歌メロにしたかったので、すべて暁に作ってもらいました。
:「像」の気持ち悪い部分のメロディも僕が作ったので(笑)。
――2年目のアルルカンのライヴのキラーチューンですね。
奈緒:そのつもりで書きました。
――歌詞には「ジレンマ」に通じるテーマがありますか?
:3曲の歌詞は誰もが抱えている矛盾が共通している部分。答えはそれぞれ違うんですけどね。「Imp」は愚痴みたいな感じです。
――建前と本音がある社会に感じる矛盾について歌ってますよね?
:そうですね。日本って建前と本音がキッパリ分かれているじゃないですか。相手を思うゆえの建前もあると思うんですが、みんな、建前の中には本音がないとわかっている。それぐらいわけのわからない状態なのに甘んじて生きていることへの苛立ちというか愚痴というか。
――でも、“この口から吐き出すしか無い”と歌っている。
:僕にはバンドがあるから、そういう手段を選ぶっていう。自分がどう感じて何を思うのか歌っていきたいし。
――なるほど。バンドの生音で完結させたかった曲ということで、レコーディング中のエピソードがあったら教えてください。
祥平:バンドならではの良さというところで、ユニゾンを全面に押し出しています。リハーサルで演奏してカッコいい曲になったなと。あとはライヴで育てるのみですね。
堕門:ドラムに関してはどういうアプローチでいくか奈緒が相談してくれたんですよ。フレーズでも気持ち悪さを表現できたと思います。
奈緒:ドラムはむちゃくちゃ手数を多くしてガーッと叩くか、シンプルにするかのどちらかだと思っていて、堕門ちゃんに「どっちがいい?」って聞いたら「手数を極端に少なくしたほうが面白いし、いいんじゃないかな」という答えだったので、そういうアレンジにしましたね。ギターは全く同じフレーズを弾いているんですけど、ここまでガッツリ、ユニゾンにしたことはなかった。仕上がったのを聴いてスッキリしてるけど、音圧があるなって。今まで激しい曲は同期ありきで作ってきたんですけど、全然負けてないなって。
來堵:この曲がライヴの核になるにつれて、それ以外の曲もバンドアンサンブルがしっかりしてくるのかなという期待はあります。
奈緒:1度、昨年のライヴでバンドサウンドだけの曲を無料配布したことはあったんですよ。ただ、その曲はキレイな曲だったので天と地の差があるぐらい極悪な曲ができた。
――ということは今後、同期がないバンドだけの曲が増える可能性もある?
奈緒:曲のタイプによると思いますけど、「この曲は同期が少ないほうがいい」とか「これは多いほうが曲が活きる」っていう判断ができるようになるんじゃないかな。
:これから面白くなっていくといいよね。
「聴く人がどんどん鬱になっていくイメージ」
アルルカン
――では、[TYPE:B]に収録されている「白い鬱」は? メロディがキレイですよね。
奈緒:この曲はキレイというより、聴く人がどんどん鬱になっていくイメージで作ったんです。そのときの自分の心理が反映されていると思うんですが、締め切りが迫ってくる中、曲を作ろうと思ってもできなくて、頭の中にはあるのに形にできなかったりとか、そういう時期に作った曲ですね。
――アップテンポと作曲方法は違うんですか?
奈緒:最初、ドラムから考えたんですが、こういう作り方をしたのは初めてです。
――ドラムで終わる曲なのも印象的でした。
奈緒:それも途中で思いついたんです。エンディングにドラムを4小節、残したらカッコいいんじゃないかと思って「堕門ちゃん、もう1回叩いて」って。同じフレーズをえんえん叩いてる過去になかった構成ですね。「白い鬱」はホントにメンバーに助けられた曲なんです。ベースもツアー中、大阪のホテルで祥平に「好きなように弾いて」って頼んで……。ふだんは暴れるフレーズが多いんですけど、今回は動くところは動いて、落とすところはルート弾きにして。
祥平:今作から違うアプローチをしていこうと思ったので、歌メロやフレーズが立っているところを活かして支える側に徹していこうと。で、隙間をうまく埋めるっていう。完成した曲はスッキリしつつ、前より聴き応えが増していると思います。
奈緒:ギターも迷ったあげく、來堵に一緒に考えてもらった。自分の中にある引き出しから、いろんなパターンを弾いて「どれがいい?」って。結果、エコーをかけようということになって、それが曲の浮遊感に繋がったんです。ミックスダウンのときにベースにもディレイをかけて、さらにふわーっとさせて。
來堵:いいと思ったのが全部、ディレイ系の音だったんですよね。
奈緒:ギターのアレンジでこんなに曲の印象が変わるんだって思いましたね。聴いたときの祥平の反応が“これだぁ”って感じでいちばん面白かった。
祥平:(笑)僕、ディレイ系、大好きなんですよ。
――歌詞も白い闇に塗りつぶされていくような印象を受けました。
:果てしなく堕ちていくわけでもなく、かといって希望を気軽に口にできる状況でもないという印象を受けたので、言葉にするなら「白い鬱」かなと。これは僕の中のジレンマですね。
――自問自答と自己否定を繰り返して“—僕は正気でしょうか?”って問いかけていますね。
:そうですね。2周年を迎えて生み出すものも多くなってくるとわからなくなってくることがあるんですよね。俺が拾ったもの、捨てたものはそれで良かったんだろうかとか。やっぱり、不安になることはありますね。混沌とした中で希望を目指していくんだけど、手に入らなかったら? っていう想いも同じだけあるというか。
――不安と希望は背中合わせですもんね。
:「ジレンマ」では“絶対、希望は見つけられるはず”って思ってるんですけど、「白い鬱」は希望があるかどうかもわからないという心境ですね。
「より濃くて説得力のあるアルルカンの世界を確立したい」
アルルカン
――なるほど。現在も精力的にライヴを行なっているアルルカンですが、8月9日には初の渋谷公会堂ワンマンが決まっていますよね。今、考えていることは?
:「ジレンマ」は僕たちにとって、この先に繋がる1つのキッカケなんですが、正直、現時点で渋谷公会堂をどういうライヴにするかは、まだボンヤリとしか見えていないんです。もっともっと説得力のあるステージにしなければいけないというのは共通して思っていることで、4月にはTSUTAYA O-EASTでのワンマンもあるので、バンドとしてさらに1つにまとまって、もっと濃いところまで表現したい。ホント、これからだと思っているんですけど。
――これからの日々にかかっているという。
:そうですね。イベントでは立ったことがある会場なんですが、ワンマンとなると全然、意味あいが違うと思うので、渋谷公会堂に向けて足並みを揃えていくところですね。年月をかけて渋公に立つバンドもいると思うんですよ。でも、僕たちはそれを選ばなかったからこそ、得られるものもあるし、まだ早いという批判もある。それも自分たちが持っている力次第だと思っているので納得させられるライヴを見せたいですね。
祥平:ホントにその通りだと思う。今までアルルカンが培ってきたことを踏まえて、渋谷公会堂に見合うバンドにならないと。これから自分に必要なものをまた探して、それをしっかり自分のモノにして何より堂々とライヴがしたいですね。それが説得力にも繋がると思うので。
堕門:僕もアルルカンというドラマーとして……
4人:(笑)えーっ?
堕門:間違えました。アルルカンのドラマーとして(笑)、祥平の言っていた通り、渋谷公会堂に立つのにふさわしい人間になりたいですね。
奈緒:みんなも言っていたとおり、今の状態ではまだ渋谷公会堂には立てないんです。ショーとしてまだ見せられていないと思うので、そこが課題でもあると思うし、自分たちの世界をより濃く深く表現していかないと。個々の技量も大事ですけど、それ以上にバンドとしてどう見せていくのか、どうしたいのかもっと強く打ち出すことが必要かなと。
:1年前の僕らからするとリキッドでワンマンできたのもスゴイことなんですよ。2年目に入ってもつねに5人全員が先に進んでいく意志を持って「こうしていこう」って言い合えるのはラッキーだし、同じ姿勢でいられるのは大きいですね。課題はあるけれど、迷うことなく進めている。
來堵:みんな、いいこと言う! (笑)。ホントに5人とも同じこと思ってるんだなって。
――それは素晴らしいことです。
來堵:とにかく、より濃いものにしていきたいんです。ライヴが激しいとかカッコいいとか、それだけじゃなくて視覚、聴覚、嗅覚、いろいろな角度から攻めてアルルカンを確立させたいんですね。それだけにやることも増えるだろうけれど、“これぞアルルカンだ”って胸を張って言いたい。そこに向けて全力で活動していきます。
:上まで行くヤツって、届くか届かないかのギリギリのところを目指せるヤツだと思うんですよ。保証があるからやるのではなく、進みたい道があるから行く。がんばります!
RELEASE
4th single 「ジレンマ」4th single 「ジレンマ」
2015.2.25 Release!!

アルルカン
TYPE:A
CD+DVD
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¥¥1,944tax in

[CD]
01. ジレンマ
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01.「ジレンマ」-PV-

アルルカン
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01. ジレンマ 02. 1mp
03. 白い欝
SCHEDULE
GOEMON RECORDS Presentsアルルカン ONEMAN 「胡蝶之夢」
04.26(日)TSUTAYA O-EAST

GOEMON RECORDS presents
アルルカン1st ONEMAN TOUR『アンチヒーロー』
06.06(土)金沢AZ
06.07(日)新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
06.14(日)仙台HooK
06.19(金)岡山Crazy MAMA 2nd room
06.20(土)大阪MUSE
06.21(日)名古屋ell.FITS ALL
06.27(土)福岡DRUM SON
06.28(日)広島並木ジャンクション
07.04(土)札幌COLONY
07.05(日)札幌COLONY
08.09 (日) 渋谷公会堂



02.21(土)OSAKA MUSE
02.22(日)名古屋ell.FITSALL
03.01(日)TSUTAYA O-EAST
03.07(土)高田馬場AREA
03.08(日)柏PALOOZA
03.14(土)仙台Darwin
03.15(日)宇都宮ヘブンズロック
03.21(土)長野JANKBOX
03.22(日)高崎CLUB FREEZ
03.25(水)名古屋E.L.L
03.28(土)埼玉ヘブンズロック
03.29(日)新横浜NEW SIDE BEACH
04.03(金)京都MUSE
04.05(日)新潟RED STAGE
04.11(土)OSAKA MUSE
04.12(日)名古屋E.L.L
04.19(日)新宿ReNY

PROFILE
アルルカン

アルルカン Vo:暁
Birthday: 12.09
Blood type: A
アルルカン Gu:來堵
Birthday: 12.08
Blood type: A
アルルカン Gu:奈緒
Birthday: 04.26
Blood type: B
アルルカン Ba:祥平
Birthday: 05.12
Blood type: O
アルルカン Dr:堕門
Birthday: 03.05
Blood type: A
オフィシャルサイト


DISCOGRAPHY
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