INTERVIEW
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Special
『Joker’s KINGDOM』から始まった3部作のラストを飾るミニアルバム『サタヒナト』を4月23日(水)にリリースしたKra。王様になり、絶対的支配者になったジョーカーはその後、どんな結末を迎えることになるのか――。コンセプトにのっとって作品をリリースし、シアトリカルなライヴを行なっている彼らが意図しているものとは?
アルバムに収録されている楽曲のエピソードも含めて4人にたっぷり語ってもらった。
取材・文:山本弘子


「コンセプチュアルなやり方のほうがKraには合っている」(結良)
――ミニアルバム『サタヒナト』はKraらしいメロディが散りばめられつつ、ドラマティックで濃厚な作品になりましたね。これは2013年2月にリリースされたアルバム『Joker's KINGDOM』から続いているコンセプトなんですよね。
景夕:そうですね。アルバムもシングル「Clown’s Crown」(2013年9月)も含めて、3つの作品が全部、繋がっています。
――3部作的な意味あいがある。そもそも、どういうところからコンセプチュアルな作品を作ろうと思ったんですか?
Kra
景夕:トランプのジョーカーって飄々としたイメージがあると思うんですけど、そのジョーカーが「王様の地位を奪おうとしたらどうなるかな?」っていうところから始まったんですよね。結末も最初から考えていて、王様になってみんなに認められたいと思ったものの、力技で従わせるやり方では下がついてこないっていう。そういうときに感じるのは孤独感だろうし、それがジョーカーというカードが持っている宿命なんだろうなって。
――そういうことをメンバーに話したところから始まったんですか?
景夕:詳しくは話してないですね。「ジョーカーってどう?」みたいな話をしたのかな。
靖乃:ざっくりは聞いてましたけどね。後日談みたいになってしまうけど、『Joker's KINGDOM』をリリースして、春のワンマンツアーで、みんな色濃いものが好きなんだな、求められていたのはこういうことなのかなって手応えを感じたんですよね。そこにジョーカーっていうピースがキレイにハマったんだろうなって。
――Kraとして新たなチャプターに突入したわけですよね。
景夕:最初はそこまで意識してなかったんですけど、約1年を通して同じコンセプトでやるのは新たな試みではありましたね。ツアーをやるたびにいろいろ思うところがあったし、アルバムが想像していた以上に良かったので。
靖乃:2013年の年末が当初、一区切りになるのかなって思ってたんですよ。「Clown’s Crown」を発売して、もう1枚シングルを出して、このコンセプトは終わりっていう心づもりだったんだけど、始めてみたらシングルのヴォリュームでは収まらなかったのかなと。今回、より濃いものを表現できたかなと思ってますけど。
――コンセプトにのっとって活動してきて感じていることは?
タイゾ:Kraってもともといろんな曲調があって、そこは今も変わってないんですけど、コンセプトを決めることによって、Kraを知らない人にも衣装を含めてバンドの雰囲気が伝わりやすいのかなって。以前はシングルやアルバムをリリースするたびに衣装も変わっていたので、“どういうことがやりたいのかな”って思われていた部分もあったと思うし、せっかくヴィジュアル系をやっているなら普通にやってもつまらないから、いいキッカケになりましたね。
結良:1年ちょっとやってきて思ったのは、こういうやり方のほうがウチのバンドには合ってるのかなって。Kraの音楽性って一言では言い表せないから、作品ごとにコンセプトを変えるのはわかりにくいかもしれないし、今みたいにステージも同じコンセプトで繋がっているほうがお客さんの反応もいいですよね。
「描いているのは孤独や不安感から来る“王”としての死」 (景夕)
――では、そんな新たな試みの中、今回の『サタヒナト』のテーマは? ジョーカーの孤独、絶望感、死が描かれているように思いましたが。
景夕:実際の死というよりも、孤独や不安感から来る“王”としての死ですね。KING JORKERはいなくなってしまうっていう。そのテーマをツアータイトルに付いている“葬式”の“葬”に絡ませて描いていこうと。
――曲の作り方もテーマにのっとって?
景夕:“葬式”っていうテーマは前から考えていたので、衣装も黒で統一して、ピアノをメインで入れたいってメンバーに伝えて、曲を作っていきましたね。
――せっかくなので、1曲、1曲、エピソードを聞かせてください。まず、「亡国のアリア」はタンゴのエッセンスも入っていて、のっけから濃厚ですね。
景夕:“葬式”というところで、ちょっと「盛大な曲があってもいいのかな」ってところから書いた曲なんですけど、あまりにもキャラが濃いので最初は採用されると思わなかったんですよ。Aメロは英語とフランス語とロシア語をごちゃ混ぜにして歌っているんです。そういうところも“なんだ? これ?”って思うような感じにしたくて。
タイゾ:キャラが強いので、最初はこの曲を「どう料理すればいいんだろう?」って。でも、プリプロをして景夕の歌が入って化けた曲ですね。ちょっとおどけた感じもあって。
Kra
――道化的なね。美輪明宏さん的というか(笑)、演劇的ですよね。
景夕:歌い方もちょっと野太くしてますね。
――こういう曲調って浅くなっちゃうか、深みが出るかっていうところで難しいですよね。今のKraだからやれるんだろうなって思いました。
靖乃:最初、景夕のデモのドラムが裏打ちのハットとジャーンっていうシンバルのキメしかなかったから、「この曲、俺、必要?」って聞きましたもん(笑)。バンドアレンジになるまではどうしようかなって。
景夕:(笑)まさか選ばれると思ってなかったからね。歌詞はジョーカーの独白ですね。キングダムがなくなって、在りし日の場所に来たときに感じたことを歌うという設定。
――“幻想を映し出す”っていうのは栄華を誇った時代のこと? あと、台詞が入っているのも印象的です。
景夕:そうですね。1曲目が滅びた後の場面から始まるから、語りでは今までのことを振り返ってるんです。
――なるほど。「空中ブランコ」は場面が移り変わるような開放感のある曲調ですね。
タイゾ:これはイントロのピアノのフレーズがあって、そこから肉付けして作った曲ですね。サビのメロディは跳ねてる感じだけど、ほかは優しく歌っている。今回、景夕が優しく歌う感じのメロディを入れたかったんです。
景夕:今、タイゾが言ったみたいにピアノのフレーズに開放感があって、サビが明るいので、最初は「どんな世界観が合うんだろう」と思ってたんですけど、今までジョーカーの心もようを描いた曲が多かったから、ここで“Joker's KINGDOM”の世界観を出したいなと思って、ちょっとサーカスっぽいイメージを植え付けたかったんですよね。空中ブランコは、天井から吊るされてるわけじゃないから不安定なんだけど、目が離せないほど不思議な世界を描きたかった。空中ブランコって相手に受け止めてもらえるっていう信頼関係があってこそ成り立つもので、この曲のジョーカーは飛ばないといけない立場なんですよね。その関係を第3者的視点で描いてる。第3者はジョーカーの目を見て孤独がわかるっていう。ジョーカー自身の心理は「さよなら」という曲で書いてるんですけど、ギターソロを聴いて、歌詞のイメージがより広がった曲でもありますね。
タイゾ:そうなんだ。初耳でした(笑)。
結良:サビのベースはオクターブ奏法で弾くのが王道のパターンだと思うんですけど、そうしたくなくて、フレーズを考えました。
靖乃:この曲はスピード感重視ですね。Bメロの最後のフィルからサビに入るところではギアが入れ替わる感じで叩いています。
Kra
――そして「カルマ」はクラシックとヘヴィロックが融合したイメージがある。
結良:この曲は「イントロのドラムをこうしてほしい」ってリクエストがあって。
景夕:そうだっけ?(笑)。
結良:忠実に作ってたら、今度はピアノを入れたいって案が出てきて。
景夕:……。
靖乃:注文したヤツが完全に忘れてますけど(笑)。
景夕:ホントに忘れてた。結良さん、こういうフレーズが好きなのかなって。
結良:ピアノは元にあったものをもう少し速くして。
景夕:えー? やっぱり、そうだよね? おかしいと思った(笑)。
靖乃:1.5倍ぐらいのスピードにしたんだ?
結良:超絶ピアニストが弾いてるような感じにして。指的にも位置的にも不可能ではないなと思って。
景夕:この速さで指が動くって相当のピアニストだよ。
結良:景夕は3才からピアノやってるって聞いてるから(笑)。
景夕:まあ、ライヴを見とけって感じですね(笑)。
結良:サビのメロディもなかなか決まらなくてね。
景夕:結果的にKra史上、最高にキーの高い曲になっちゃった。でも、このメロディがないとカッコよくないから頑張ろうって。
靖乃:全員が身を削った曲でもありますね。
結良:僕がやりたい構成を全部入れた曲ですね。この曲、ベース以外は難しいんですよ。ギターとドラムは僕が表現できる限界のものを渡して「すげえの頼むね」って。だから、僕だけ身を削ってないんです(笑)。
靖乃:この曲だけはステージで走り回れるんでしょ?(笑)。
タイゾ:ギターソロも自分が得意なことだけやっても刺激がないなと思ったので、慣れないフレーズを入れて弾いてるんですけど、結良さんにデータで送ったら、「思ったより良かったよ」ってちょっと上から目線で言われました(笑)。
景夕:歌詞はジョーカーの苦労や苦悩を全て出してますね。全て捨ててきた人生の中、もう1度、這い上がりたいっていう。最後に“これ以上、失くすものなどないだろ”って自分を奮い立たせているっていう。そうやって生きていくこと自体、人の業だと思っているのでタイトルを「カルマ」にしたんです。
Kra
――リードトラックの「微笑みの葬列者」はループするフレーズが気持ちいい。
タイゾ:これもイントロのピアノのフレーズから作りましたね。自分の作る曲はめまぐるしく展開していく構成が多いんですけど、この曲はシンプルにして歌を聴かせたいなって。歌のメロディは景夕が考えていますね。
景夕:曲の雰囲気も含め、歌詞も劇場感みたいなものを目指して書きましたね。何も信じられなくなったジョーカーの孤独を描いているので、ちょっと独りよがりではあるんですけど、恨みにも似た感情をぶつける歌い方をしていますね。
――劇場感というところでは「亡国のアリア」も共通していますね。
靖乃:ドラマティックな感じですね。映画というより舞台。息している感じがある。
――MVの見所は?
景夕:なんだろうね。みんなが仮面をつけているところ?
靖乃:モノクロで統一しているっていう。中途半端にやるとカッコ悪いものになるので、やりきらないとなって思ってましたね。画が加わることで、この曲の劇場感がより伝わるものになったかなって思います。ライヴではもっとスゴイもの見せますけどね。
――楽しみです。そして「さよなら」はメロディがキレイな切ない曲。
タイゾ:今まで何度も選曲会に持っていったけど、なかなか選ばれなかった曲でもある。この曲は打ち込みが大変でしたね。ストリングスが歌メロに絡んだり、離れたり、ハモったりしててよく聴くとスゴイことになってる。構築するのが大変でしたね。
――歌詞はジョーカーの気持ちが浄化されてる感じがする。
景夕:ちょっと皮肉っぽい言い回しもしてるんですけど、いいことも悪いことも受け入れて、思い返すとアッという間の出来事だったなって。最後の2行は「空中ブランコ」に繋がっていくジョーカーの心理ですね。“寂しさにはもう慣れたはずなのに“~伸ばした手に温もり求めてしまうよ”っていう。最後の曲なのに、また別の物語が始まるような感じに持っていきたかったんですよ。
――ジョーカーが王国から消えていく光景を描いている?
景夕:そうですね。この歌詞ってバンドにも当てはまるなって。解散とかいろんなことがあるけど、そこから始まるものもある。もし、自分がバンドをやめたらっていう自分の気持ちも重ねて書いていますね。
タイゾ:タイトルが「さよなら」なのは意外でしたね。英語やフランス語で来るのかなって思っていたから。
景夕:このコンセプトで作る最後の作品だし、ストレートでいいよなって。
――あと、通常盤に収録されている「嘘つき」がまた、いいですよね。誰にでも、どこか当てはまるような歌詞で。
景夕:これはジョーカー自身の生き様を歌った詞ですね。どんなにイヤなことがあっても楽しいことがあっても、すべて軽く考えているように振る舞って自分の本当の感情を出さないっていう。よくも悪くも嘘つきっていう。ピアノのフレーズもコミカルでちょっとおどけた感じだったから、ジョーカーの性格を表すのに合ってるなって。
タイゾ:「カルマ」のような流れるようなピアノも好きなんですけど、若干チープとも思えるような簡単なメロディが繰り返される中毒性のあるフレーズにハマった時期があったので、そういう要素を存分に取り入れた曲ですね。チューニングを下げてます。
結良:この曲はイントロやAメロに使われているユニゾンのフレーズを耳コピするのが大変でしたね。なるべくメンバーに聞きたくないから、何とか自分で見つけたくて。
景夕:キミ、マゾなの?(笑)。
タイゾ:最初から聞いてくれたほうがこっちも楽だよ(笑)。
「次のツアーはこれまでやってきたことの集大成」 (景夕)
――(笑)では、最後にライヴについて教えてください。4月25日からはツアーが始まりますが、各メンバーの設定があるんですよね。
景夕:僕がジョーカーでノッティ(靖乃)が愛のスナイパー、タイゾはイケメンナイトで結良さんは理屈屋二等兵(笑)。それぞれの個性がありつつ、ときにJoker’s KINGDOM”の設定に合った濃いMCがあったり、ときにはふだんのKraが出ることもあるんですけど、そのときどきの音源のコンセプトに従ってやってますね。
靖乃:このコンセプトで始めたばかりの頃はカッチリ見せてキッチリ演奏してたんですけど、スタッフチームの意見もあって、遊びの部分を増やしたんですよ。そういう部分はライヴDVDでも垣間見えると思うんですけど。
――2013年12月24日のなかのZERO大ホールでのライヴを収録したDVD「Joker of Despair from 『ZERO』」も同時発売されますからね。これを見ると4月25日からスタートする全国ツアーがより楽しめるわけですよね。
靖乃:そう。Kraっていうバンド名を知っている人はたくさんいると思うけど、今の俺らを知ってもらうという意味でも、単純に面白がってもらえるアイテムですね。
景夕:次のツアーは同じコンセプトで1年以上やってきたことの集大成になると思います。いろんな表情、いろんなスタイルの曲があるので、楽しめると思います。
――最後に聞き忘れてたんですけど、『サタヒナト』ってどういう意味?
景夕:結良さんが考えたんです。ツアータイトルの“葬”をそのままアルバムのタイトルにするのもどうかな? と思ってたら、「サタヒナト」はどう? って。
結良:漢字をバラバラにしただけ。
景夕:草かんむりが“サ”で下の横棒をとったら、タとヒとナとトに見えるかなって。
靖乃:なぞなぞみたいな感じですね。
――なるほど~。架空の地名のようにも思えるタイトルだなと思ってたんですけど。
靖乃:魔王の呪文っぽくもあるしね。これを考えた時期の結良はスマッシュヒットがいっぱい出て、冴えまくってたんですよ。
景夕:ライヴのMCも冴えまくってた時期あったよね(笑)。
結良:前から冴えてるんだけどね(笑)。
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RELEASE
MINI ALBUM
「サタヒナト」

2014.4.23 Release!!

サタヒナト
初回限定盤 紙ジャケット仕様
[CD+DVD]
YZPS-10009
¥3,240(Tax in)

[CD]
1.亡国のアリア (ボウコクノアリア)
2.空中ブランコ (クウチュウブランコ)
3.カルマ
4.微笑みの葬列者 (ホホエミノソウレツシャ)
5.さよなら

[DVD]
・『微笑みの葬列者』Music Clip
・Music Clipオフショット


サタヒナト
通常盤
[CD]
YZPS-10010
¥2,808(Tax in)

[CD]
1.亡国のアリア
2.空中ブランコ
3.カルマ
4.微笑みの葬列者
5.嘘つき(※通常盤のみ収録)
6.さよなら

LIVE DVD
「Joker of Despair from『zero』@2013.12.24なかのZERO大ホール」」

2014.4.23 Release!!

Joker of Despair from『zero』
[Live DVD]
YZPS-8003
¥7,020(Tax in)
片面2層 約140分収録
[DVD]
01.リルール
02.バスタード
03.不思議な世界からの招待状
04.レジスタンス
05.サァカス
06.常夜の君
07.Schwarz wald
08.Clown's Crown
09.無拓と無択と
10.Joker
11.artman
12.SMLT
13.ダーリン イン ザ ダーク
14.ショータイム
15.Utopia
-ENCORE-
16.題名のない冬の日
17.Alice
18.彷徨えど夜
19.マスカレード
20.明日屋
21.リグレット
22.エキストラ キングダム
-特典映像-

SCHEDULE
Kra LIVE TOUR 2014 Joker’s KINGDOM ~葬~
04/25(金) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
04/27(日) 静岡Sunash
04/29(火・祝) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
05/02(金) 仙台MACANA
05/04(日) 札幌colony
05/06(火・祝) 甲府 Conviction
05/11(日) 岡山IMAGE
05/14(水) 博多DRUM SON
05/17(土) 神戸 VARIT.

Kra LIVE 2014 Joker's KINGDOM
~今夜世界の果てより~

07/06(日) 東京キネマ倶楽部

Kra LIVE
サタデーナイトフィーバーリタ~ンズ

[全会場] 高田馬場AREA
08/02(土) アイドルの巻
08/09(土) 制服の巻
08/16(土) ヤンキーの巻
08/23(土) 女装の巻
08/30(土) 二次元の巻


05/31(土)新潟Live Hall GOLDEN PIGS BLACK STAGE
06/01(日)仙台MACANA
06/05(木)博多DRUM SON
06/07(土)岡山IMAGE
06/08(日)大阪FANJ twice
06/13(金)札幌KRAPS HALL
06/14(土)札幌KRAPS HALL
06/21(土)金沢AZ
06/22(日)名古屋ell.FITS ALL
06/27(金)TSUTAYA O-WEST
PROFILE
Kra

Kra Vo: 景夕
birthday:02/26
blood type:B
Kra Gu: タイゾ
birthday:02/18
blood type:A
Kra Ba: 結良
birthday:08/12
blood type:A
Kra Dr: 靖乃
birthday:11/04
blood type:AB
オフィシャルサイト

DISCOGRAPHY

アーティストタグ

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