HYSTERIC CIRCUS 夏の東名阪 2017

2017.07.15(土) 高田馬場AREA ライヴレポート

7月に東名阪を舞台に行った「HYSTERIC CIRCUS夏の東名阪 2017」。葵-168-、アンフィル、SCAPEGOAT、Neverlandの4バンドは全ヶ所へ出演。各会場ごとに、甘い暴力(大阪)、メリーバッドエンド(名古屋)、メガマソ(東京)を迎えてイベントは行われた。
ここでは、ツアーファイナルとなった7月15日(土)@高田馬場AREA公演の模様をレポート。イベントの熱気を、ここに再現しよう。

TEXT:長澤智典

Neverland












この日は、ヴォーカルの涼太が喉を壊し治療中という理由から欠席。トップを飾ったNeverlandは、涼太を除いた3人でステージに立っていた。

猛々しいサイレンの音へ呼び込まれるように舞台上にメンバーらが姿を現した。
「涼太は今、喉を壊して欠席してるけど、そのぶん俺らで盛り上げるから!」一輝の言葉を受け、ライヴは「アグリマン」から幕を開けた。
歪みを上げたサウンドを、彼らは喧嘩をふっかけるようにぶつけてきた。
一輝ががなりたてるように歌を吐きだしてゆく。マイナスな要素を気迫で補うよう、足りないピースは戦いを挑む意識で描き加えるとでも言うように、Neverlandはこの日のステージにぶつかっていた。
観客たちを煽るてらの叫び。
勢いを抱いたまま、演奏はホラーナンバー「SORROW GHOST」へ。

一輝とてらが歌や叫びを投げかけ、ダークでスリリングなモンスターロックをぶつけてきた。
その熱に触発された観客たちも頭を振り乱し、3人の気迫へ同じよう気迫を持って戦いを挑んでゆく。
その演奏からエナジーや魂が伝わるなら、その楽曲は触れた人の心へ力を授けていく。人の心を熱く掻き立てる衝撃を与えてゆく。
キラキラとした輝きを放ちながら、演奏が駆けだした。てらが「※タイトル確認」を、想いを告白するように歌いかけた。
まぶしい光を抱かせる歌に刺激を受けた観客たちも、手バンし、心地好く身体を揺らし、舞台上へ想いを投げ返していた。
とても希望を与えてゆく楽曲だ。疾走する演奏に触れながら、心に生えた翼を誰もが羽ばたかせていたかった。

ここで、アンフィルの翔梧がゲストヴォーカリストで登場。
このスペシャルな編成で届けたのが「666Hz」。
ヒステリカルでスリリング、何よりホラームードを携えた楽曲が、観客たちの身体をウキウキと揺らしだした。
翔梧もゲストヴォーカリストとは思えないメンバーらと一体化した姿で、刺激的な演奏へ痛い心地好さを描き加えていた。

最後に、この編成で「Daydream」を披露。切なさの中から見える眩しいキラキラとした輝き、哀愁味を背負いながらも確かな力を抱き疾走してゆく演奏。
歌詞に込めた想いに翔梧自身が強く共鳴しているからこそ、その歌声は確かな説得力を持って響いてきた。
その演奏は、人の感情を強く揺さぶる感動を持って胸に突き刺さった。
アクシデントを、いろんなアイデアや嬉しいサプライズに変え、Neverlandは何時も通りのモンスターホラーな音の渦巻くパーティロック空間に塗り上げていった。
それが素直に嬉しかった。

アンフィル














気持ちの内側から熱いエナジーが一気に沸き上がってゆく。
アンフィルが「パラダイムロスト」を奏でると同時に、熱を抱いた歌声と演奏が、触れた人たちの心に力を注ぎ込んだ。躍動するパワフルで熱を携えた演奏に触発され、その場で飛び跳ねずにいれなかった。
彼らの歌は、触れた人たちに明日へ向かう力を授けてゆく。
それは、彼ら自身が光を放つ存在だから?
そんな気持ちさえ抱いてたのも事実だ。

光に満ちた空間へ、スリリングや興奮という熱を注ぎ加えるように「ラヴァ」が飛び出した。
前へ前へ気迫満載の演奏を突き付けてゆく楽器陣。翔梧の歌声には、未来をつかもうとする熱い躍動と野望が漲っている。
魂の叫びを覚えるたびに一緒に拳を振り上げ、沸き上がる高揚へ嬉しい昂りを覚えていたかった。
アンフィルの歌や演奏は、触れた人たちに明るいエナジーを注いでゆく。

これまでの興奮から一変、「この歌があなたに届きますように」翔梧の言葉を合図に流れたのが、刹那な旋律の優しいスキップに胸がキュンと泣き濡れるバラードの「星の雫」だ。愛しくも切ない想いをむせび泣くように、少しでも気持ちの揺れが届くようにと、目の前の観客たちへ……その先に見える愛しき人へ翔梧は、アンフィルは哀切な心模様のままに想いを届けてきた。

「アンフィルがめちゃくちゃカッコいいバンドだということを見せつけてやるんで、めちゃくちゃ楽しんでいこうぜ!」

翔梧の煽りに続いて飛び出したのが、突如現れたサーカス小屋の妖しい演目にパーティ気分で溺れてゆく。
そんな歪んだ楽しいホラーパーティへ興じれる「ルピナスアンハピネス」だ。どこか捩じれたポップな世界観に触れていると、いつしか螺子を外して騒ぎたい気分へ陥ってゆく。
それがとても心地良かった。

勢いを加速させるように流れたのが、激しく攻める「RIP」だ。攻撃的な姿勢を持って魂を躍動させる歌声とメッセージを彼らは突き付けた。激しさと疾走性を増してゆく演奏に刺激され、身体がどんどん熱を抱いてゆく。このまま一緒に、興奮のその先まで突き抜けていきたい気分だ。

「最高のファイナルにしようぜ! 俺がお前らを連れ出してあげるからさ」、最後にアンフィルは「迷い姫」を突き付け、観客たちを右へ左へとモッシュパーティに連れ出した。
凛々しく、でも胸をくすぐる歌と演奏がもっともっと一緒に騒ごうぜと熱い誘いをかけてきた。
いつしか会場中の人たちが胸をはしゃがせるパーティロックに刺激を受け我を忘れ騒ぎに興じていた。楽しく無邪気に意識をかっ飛ばしてゆく。
それこそがアンフィル流のパーティロックだ。

ライヴ後にドラムのハルのバースデーを祝うためにステージにケーキが登場。
会場中の人たちと一緒にバースデーソングを歌い、みんなで幸せを分かち合っていた。

SCAPEGOAT












SCAPEGOATのライヴは、優しく穏やかな表情を携えたバラード「告白_時々、雨」からゆったりと幕を開けた。
過去のいろんな後悔を思い返し嘆くように、今の自分の痛い感情を解き放つよう春が朗々と歌いあげてゆく。
いつしかそこへ歪みを抱いた躍動する演奏が色を加えだした。
込み上がる切ない気持ちをすべて昇華するように、春は嘆きを持った音色響かせる演奏の上で切々と、いや、慟哭する想いのままに歌いあげて逝った。

場面は一変。

ドス黒く重々しい音の塊をSCAPEGOATは場内へ一気にブチ蒔けた。
「昏睡」が、暴れたい衝動に火をつけた。
いや、それ以上に春の嘆き叫ぶ感情を音として具現化するように、重厚さと刹那さが交錯するドラマを、黒い熱狂の中へSCAPEGOATは映し出していった。
緩急を描きながら黒い微睡みの物語をノイジーな音を通しSCAPEGOATは突き付けてきた。

「君と僕だけの秘密の儀式を始めよう」。
観客たちの歌声をリードに、演奏は凄まじいコアな熱を懐いたラウド&ヘヴィな「赤いバスルーム」へ。
理性の鎖を引きちぎり観客たちを野生の自分へ解き放つように、SCAPEGOATは黒く轟く演奏をぶつけ、観客たちの感覚をぶち壊しだした。
凄まじい音が渦まく中へ、誰もが盲目的に溺れていた。それが恍惚だとでも言うように……。

「頭潰せ!!」激しくドライブするギターサウンドとタイトでヘヴィな演奏に触発され、身体がはしゃきだす。
胸にガッと突き刺さる刹那でメロウな歌声に刺激を受け、エッジ鋭くも重く突き刺す音に身体が興奮を覚えながら、誰もが「Romancer」の作り上げた暴れの宴へ嬉しく溺れていた。煽るメンバーたちへ手バンしながら想いを返してゆく観客たち。
いつしか場内は、手バンどころかヘドバンの風景に塗り変えられていた。

「俺はこんなに求めているのに、君は僕を拒絶する」。漆黒で暗鬱で重厚でドス黒い病んだ感情のドラマをSCAPEGOATは「拒絶」を通し描き出した。
純粋ゆえにねじれた感情はそのままひどくねじ曲がったまま。
でも、その常軌を逸した様が心地好い音として火照った身体を黒く包み込んでいた。
後半に生まれた観客たちの絶叫。
剥きだした裸の心と心で殴りあい、激しくきつく求めあう。その関係性が最高じゃない。

「最高級の夢を見ようぜ! 忘れられない夜にしようぜ!」、最後にSCAPEGOATはモンスター級にラウドでヒステリカルな「眠れない僕の趣味」を叩きつけた。
「眠れないのは誰のせい」と彼らは歌いかけてきた。
熱狂の地獄へ引きずり込んだのはSCAPEGOATのせい。それだけは確かだ。
誰もが全力で身体を折り畳み、絶叫飛び交う黒い儀式に溺れていた。
その空間へ浸っていることが、何にも変えがたい絶叫だと感じているように……。

葵-168-






重く激しい音を突き付け葵-168-のライヴは幕を開けた。
まさか葵がいきなり牙を剥いて観客たちへ挑みかかってくるとは。
いつも以上に感情剥き出しで、すでに熱を身体中に抱いた観客たちへ、うちらのライヴでも一緒に熱を交わしあわないかと葵は「雪月花」を突き付けた。いつもは優しい表情を魅力にしている葵だからこそ、葵流の攻めの姿勢はとても刺激的に瞼へ焼きついた。

葵-168-流のサイバーダンスロックナンバー「Dancin'Viper」が飛び出した。先鋭的な演奏の上で、葵は耳に心地好い歌をはべらせ、観客たちを情熱的でダンサブルな宴の中へ巻き込んでいった。
フロアーの人たちも本能へ従うままに手を大きく振り、躍動的で刺激満載な葵-168-流ダンスロックに楽しく身を溺れていた。
何より、葵自身の挑発的なステージングがとても刺激的だった。

「みんなと一つになりたいな」、荒々しいビートを響かせた「MUSIC」の上で葵は拳を振り上げ、観客たちを煽りだした。
みずから飛び跳ね、フロアー中の人たちと一緒にこの会場を大きく揺らしていく。
刹那エモーショナルな歌と前のめりな勢いを持って攻めゆく姿勢に触発され、いつしか大勢の人たちがその場で飛び跳ね、一体化した空気を心地好く味わっていた。
それにしても今宵の葵はとても挑発的だ。
それだけみずからの中へ眠っていた野生の魂を剥き出さずにいれなかったのかも知れない。

これまでの熱を抱いた表情から一変。ジャジーでムーディな音色が流れだした。
大人の色気を漂わせ「アザレア」を通し妖艶な香りを振りまきながら葵は観客たちへ心を乱す大人なロックの魅力を突き付けた。
熱狂するだけがライヴじゃない、胸の奥からジワッと滲み出る身悶える妖艶な高揚も、興奮と恍惚呼び起こすロックな姿勢だと言うように、会場中の人たちを口説くよう葵は艶かしく歌いかけていた。

演奏はふたたび激しさを抱きだした、葵はタオルを振りまわし「beauty girl」を武器に、観客たちを熱したパーティー空間へ連れだした。
重い音で攻めるばかりが騒ぐじゃない。
心はしゃぐままに、歌や演奏の持つポップで楽しい熱に触発され騒ぐことだって、最高に快楽を得られること。
それを葵は証明していた。

最後も葵は、観客たちと一緒に大きく手を振りながら、ポップでスリリングでメロウな、気持ちを嬉しくはしゃがせる葵流歌謡ロック「サヨナラセカイ」を通し、無邪気な笑顔浮かぶパーティー空間を描きだしていった。

メガマソ










トリを飾ったメガマソのライヴは、切々としたギターの調べの上で、インザーギがハートフルに歌い出した「シスタン」からスタート。

涼平のギターがフィードバック音を鳴らすと同時に、楽曲は心地好く風を切るように軽快に走り出した。触れた人を光あふれる世界へ連れだすように、メガマソの楽曲がこの空間を爽やかな色に染め出した。

その心地好さへ、いきなり暴風を巻き起こすように「天使崩壊」が飛び出した。
一気に速度を上げた演奏、爽やかさを抱きながらも、そこへ熱を加えるようにメガマソは音を繰り出してゆく。
途切れない感情のドラマを、メガマソは熱狂という要素を加えながら描き出していた。

爽やかさと疾走性、熱を抱いた中へ、さらにメガマソは「スノウィブルー」を通し、胸疼く高揚を加えだした。演奏はどんどん激しさと鋭さを増してゆく。
でも、そこへはずっとメガマソらしい爽快な色も抱かせていた。たとえそれが短いイベントのステージだろうと、メガマソはつねに色を持った物語を一つ一つのステージの中へくっきりと映し出してゆく。

最新アルバムより届けたのが、まるでミュージカルのクライマックスシーンを示すような、開放的でドラマチックな表情を携えた「Hoops」だ。
熱と希望と勇気と光と愛に満ちたその歌は、心に眩しい輝きを与えてくれた。
思わず笑顔を浮かべたくなる感動のクライマックスを、この歌を通し彼らと分かち合ってゆく。
そんな気分へ嬉しく浸っていた。

同じくキラキラとした輝きを放ち駆けだした「ふとん史」にも気持ちがはしゃぎ出していた。凛々しさを抱いた楽曲だ。
インザーギも激しいパートでは観客たちを煽り、優しい表情ではハートフルに歌いかけてゆく。1曲の中で次々と陰影を変えてゆくところは、この歌もミュージカルを彩るドラマ曲のよう。
むしろメガマソというバンド自体がドラマを描き出す存在ということか。
フロアーにいる人たちがにやけた表情で拳を振り上げていたのもわかる気がする。

最後は涼平の歪んだギターの音が炸裂した、疾走歌物ナンバーの「SWANSONG」だ。
胸をくすくる歌、でも演奏は勢いを持って駆けるように身体は嬉しい昂りを覚えてゆく。

客席で身体を折り畳んでいた人たちも、心はメロウな歌に惹かれながらも身体は熱を求めたかったということだ。
大勢の人たちが手の花を咲かせ、メガマソの届けた爽やかな熱を全身で受け止めていた。
心地好くその身を昇天するような気分で、彼らの演奏に愛情を捧げていた。

最後に、この日出演したメンバーらが舞台へ勢ぞろい。
最後に出演者全員でメガマソの「ブラインドイノセンス」をセッション。
メガマソが演奏していく中、出演者たちが後ろではしゃげば、サインボールを客席へ投げる形でステージを盛り上げていた。



そして、次回の「HYSTERIC CIRCUS」は、8月10日に高田馬場AREAを舞台に「真夏のHYSTERIC CIRCUS」と題して行われる。出演は、葵-168-、mitsu、ベル、レイヴこちらも見逃せないメンツだ。