FEATURE

R指定 「全国ワンマンツアー「R-Shitei oneman Tour-SHAMBARA-」ファイナルZepp Tokyo」

2017.01.24
昨年12月よりスタートしたR指定の全国ワンマンツアー「R-Shitei oneman Tour-SHAMBARA-」も、1月4日と5日にZepp Tokyoで行われた公演を持ってファイナルを迎えた。
ここへは、楽日となった1月5日のライヴの模様をお届けしよう。

TEXT:長澤智典


























『意識は早くも臨界点を突破しそう!』

満員の観客たちでごった返す会場。闇に包まれた場内から沸き上がる絶叫。幻惑的なSEに乗せ、メンバーらがゆっくりと舞台上へ姿を現した。一転、激しく唸るSE。その音を受け継ぐ形で場内に響き出したのが最新ナンバーの「-SHAMBARA-」だ。

未開の密林へ招き入れるように、重厚な音が、轟く大地の鼓動のように会場中へ鳴り響き出した。その音は、触れた人たちを妖しく黒い桃源郷へと導いてゆく。意識が自然にトリップしてゆくようだ。唸る音に合わせ、みずからの感覚は心地よい目眩を覚えていた。妖しく溶けるように意識が混濁してゆく……。自分は一体何を見て、何を感じている?
R指定の奏でる「-SHAMBARA-」は、恍惚を招く魔境を彷徨うような感覚を、瞼に、意識に映し出していた。

野獣が咆哮するように、雄大な世界へ意識を飛び込ませるよう「スーサイドメモリーズ」が激しく轟きだした。気合いを背負った絶叫と轟音は、感覚を壊しながら身体へ心地好い恍惚も注入していく。意識がますます混沌としてゆく。R指定が会場に生みだしたこの熱気こそ、指定男女たちが求めたい理想郷への入り口だ。

早くも理性は融解寸前だ。凄まじい勢いで吹き上がるCo2の隙間から見えたのは、神々しい野獣の姿。荒れ狂う音の渦へ飛び込むように、満員の観客たちが身体や気持ちを大きく揺さぶり続けていた「MELT DOWN」で意識は早くも臨界点を突破しそうだ!


『歪んだ衝撃にただただ溺れていたい』

「おめぇらの汚い声、響き渡らせてこい!」叫ぶ、マモ。負けじと起こる絶叫、絶叫、絶叫!!
哀愁を帯びた歌と演奏が、ノスタルジーな世界が広がる舞台の窓を開け、覗き込んだ人たちをぐいぐい中へと引きずり込んでゆく。荒ぶる音が炸裂すると同時に、意識が心地好く底へ其処へと堕ちて逝く気分だった。「サドマゾ」が作りあげた攻撃的な哀愁。気持ちが痛むからこそ、彼らはその痛みを快楽に変えようと激しく打ちつけてゆく。演奏に触れながら、熱狂の中そんな気持ちに溺れていた。

ソリッドな旋律の数々が鋭利な音の刃物となって身体を切り刻んでゆく。その痛みへ恍惚を覚えるよう、沸き上がる感情のまま高らかに叫びたかった。「ネクラ・ネクロ・ネグロ」が闇の恍惚の中へと感覚を飛ばしてゆく。心が痛むからこそ、この刺激がとても心地よい。

身体中へ沸騰した熱を注入するように「秘事」が流れた。拳を振り上げ、歪んだ衝撃にただただ溺れていたい。熱い音の洪水が身体中に迸る興奮と脳味噌を掻き乱すような恍惚を、触れた人たちの意識に巡らせていた。


『感情のままに暴れればいい。それが本来のお前自身の姿なのだから』

「騒げー!」「もっとあえいでこい!」三途の世界へ導くように黒く鬱蒼とした色を放ちながら、意識の中へ痛い切なさを抱えつつ、R指定は「八幡の薮知らず」奏でだした。
重く唸る音と呪詛めいた嘆きの声は、超えてはいけない世界へ連れ出す子守歌のよう。それでも、嘆くように響くその歌から意識を遠ざけたくはなかった。その病んだ音とずっとずっと心を繋いでいたかった。

「あの日から光は、希望は見えない。あの日から……」蒼い闇の色に染まってゆく悲しみが、とても痛心地良いのは何故だろう?
心が壊れそうなのに温もりを塗りつぶすよう「さらば」が、観客たちを絶望へと引きずり込んでゆく。それでも、歌や演奏に温かみを覚えずにいれなかった。ただ絶望に打ちひしがれるのではない。一片の希望の光が見えるからこそ、その闇に愛おしさを覚えていた。

捉えた獲物へ脳天から轟音の鉈を振り下ろすように「インザコンクリート」が打ち鳴らされた。真実から目を逸らすなとでも言うように、絶望という地獄をR指定は触れた人たちの心へ映し出してゆく。重く騒ぐ音の唸りは、野生の咆哮を観客たちの心の奥底から引きずり出そうとしていた。ストロボライトの間に間に見えるメンバーらの姿は、心の救い主のようにも見えていた。
「やれんのか!」重轟音を叩きつけるように「喪失-soushitsu-」が吠えだした。胸に炎を抱いた観客たちが、荒れ狂う音の化身(メンバー)たちへ全力で挑みかかってゆく。後半に生まれた、熱した合唱。ただただ感情のままに暴れればいい。それが本来のお前自身の姿なのだから。彼らは、そう教えてくれた。


『身体が求めるままにその身を折り畳み、狂えばいい。それ以外にどんな感情が必要だと言うのか!?』

「今日は君たちの命日です。今日死にたいと言ってるメンヘラバンギャを殺しに来ました。何しにきたかわかんない奴ら、そういう奴らのバンギャルライフを終わらせるからさ!」
マモがギターを掻き鳴らし演奏したのが、荒々しさと重厚さを数倍増しにした「病ンデル彼女」。暴れたい衝動が身体中から沸き上がり出した。熱を持って荒れすさぶ感情は、絶望の中で蠢いていたときに見えた光のよう。絶望へ身を浸すことで自分が生きていることを証明してゆける。ここにいる全員と一緒に存在証明していける。この歌は、ここへ集ったメンヘラたちの生きるためのテーマ曲だ。
昂る感情へさらに熱狂を注ぐように、R指定は「正義のヒーロー」を叩きつけた。理性? それって何だ? 荒れ狂う音の衝撃波を全身で受け止め、全力で意識をぶつけることが、何よりも求めたい最上級の興奮だ。身体が求めるままにその身を折り畳み狂えばいい。それ以外にどんな感情が必要だと言うのか!?
「イケんのかぁー!」。凄まじいコアでパンキッシュでラウドな音が雪崩のように襲いかかってきた。[THE廃人間]に身を預け、ただただ狂ったように頭を振り乱し、手を揺らし騒ぎ奉ればいい。途中には座ってヘドバンする光景も場内に描き出されていた。会場中にこだました「廃人間」の合唱。フロアーには凄まじい熱を持った生気が渦巻いている。

熱した会場へ最後に突き付けたのが「ジャパニーズクラッシャー」だ。もはや会場中の人たちの姿が、熱狂の中で蠢く亡者たちの様にも見えていた。それは最高の褒め言葉。舞台上と客席が一つになり、感覚のみで溶け合ってゆく。だからこそ理屈を通り越した熱狂の風景が、そこには描きだされていた。


『この会場は生を与えてくれる。みずからの腐った感情を清め、甦らせてゆく』

アンコールの幕開け。春の訪れを嘆くように、R指定は儚さを抱きながら切々と「ソメイヨシノ」を歌いあげた。雅な音色の上でなんて心苦しい想いを描き出してゆくことか。誰もがその演奏へ心を寄り添いながら、哀切な想いを抱きしめていた。
「気合い入れてきたかー! 僕がロリコンの神です。お兄ちゃんと呼べー!」(マモ)
「今から歳を遡っていくから。みんなの生気を吸ってね。今年は流れない神、プール様だ。今年はプー様でいくから、よろしくね」(Z)
「俺にとっての神様は、ただの言葉さ。そんな私はすべり神、宏崇。今日は全力でかかってきてくれよな」(宏崇)
「今年も始まったばっかりということでね、今年の豊富は、酔っぱらって飛行機のチケットを失くさないようにします、頑張るね」(七星)
「なんと重大発表があります。これまでサポートギタリストだった楓が、正式ギターになりました。良かったー! 版張るよー。今日を持ちまして正式ということで。今日は正式メンバー入りしたけど、次はサポートメンバーになっているかも。何時もファンがいてこそ俺らがある。何時もファンに助けられて俺らがある。愛してる。2017年は全力で格好つけていきます」(楓)

極まる感情を吐き出すように、R指定は「ラストレイン」をぶつけてきた。歌が心地好く胸に染み渡ってゆく。でも身体はふたたび熱を持って躍動を描いていた。胸を疼かせる歌に、気持ちは優しく震え、そして昂っていた。
「君はサブカルチャー」の演奏に合わせ、場内中の人たちが左右に駆けだした。大きな大きな熱狂のウネリが、会場中に大きな熱気を生み出してゆく。誰もがマモの歌に合わせモンキーダンスに興じていた。気持ち感じるままにその場で飛び跳ねていた。
激しく炸裂した「暗い日曜日」に合わせ、全力で頭を振る指定男女たち。昂った感情をガツガツ煽るように歌と演奏が熱した状態でフロアーへ降り注いでゆく。場内は、熱気の中で理性を壊し蠢く熱狂人(びと)たちに支配されていた。
「やっちまえよ!」何度も何度も繰り返される煽りに、その場で飛び跳ね想いを返してゆく観客たち。「お前ら、死にに来たんだろー!」「俺たちとSEXしたいよな、愛しあおうよ!」「燃え尽きようぜっ!」延々と続く煽りの風景。会場を包み込んだ熱気は、壊れたサウナのようにどんどん上がり続けていた。どっちが先にくたばるか!? 延々と鳴り響くサイレンの音。限界を超えようとしたそのやり取りこそがライヴの持つ醍醐味だ!
「まだイケんのかー!」、「VISUAL IS DEAD」が掻き鳴らされた。螺子の壊れきった木偶の坊たちが、猛り狂う轟音の中で絡みあってゆく。なんて凄まじい熱狂だ。化粧が崩れることさえ忘れ、暴発した演奏に誰もが満面の笑顔で溺れていた。
熱した意識を恍惚へと導くよう、最後にR指定は「八十八箇所巡礼」をぶつけてきた。今宵のライヴは巡礼だ。みずからを熱狂と興奮の中で浄化し、本来あるべき生き生きとした自分へ浄化するための洗礼の儀式だ。タオルを振りまわし、マモの煽りに絶叫を返してゆく指定男女たち。R指定のライヴは生を与えてくれる。みずからの腐った感情を清め、甦らせていく。何より“生きてる”という生々しい実感を教えてくれる。それがとても嬉しいじゃないか。
「これからも派手な活動をしていくし、不器用な活動をしていくと思います。今年はいろんな活動を通してみなさんをドキドキさせていくので」(マモ)


『今宵もR指定は生きる意味を教えてくれた』

会場の照明が点いてさえも止まない熱狂の声に導かれ、再びメンバーたちが舞台へ姿を現した。「殺んのかいっ!」R指定は最後の最後に「國立少年-ナショナルキッド-」をお年玉変わりにプレゼント。場内中に舞い踊るタオルの群れ。感情をガンガン揺さぶる演奏に誰もが身を預け、今宵の熱狂を永遠の想いに変えようと終始暴れ、咲き狂っていた。何より、ここに来て生きる意味を、今宵もR指定は教えてくれた。

今後のR指定だが、春から全国ツアーがスタートする。夏には大きな動きも予定されているらしい。詳細は、震えて待て……ということか。



◆セットリスト
01.-SHAMBARA-
02.スーサイドメモリーズ
03.MELT DOWN
04.サドマゾ
05.ネクラ・ネクロ・ネグロ
06.秘事
07.八幡の薮知らず
08.さらば
09.インザコンクリート
10.喪失-soushitsu-
11.病ンデル彼女
12.正義のヒーロー
13.THE廃人間
14.ジャパニーズクラッシャー

アンコール1
En01.ソメイヨシノ
En02.ラストレイン
En03.君はサブカルチャー
En04.暗い日曜日
En05.VISUAL IS DEAD
En06.八十八箇所巡礼

アンコール2
En1.國立少年-ナショナルキッド-

RELEASE

New Single「-SHAMBARA-」
2016年12月21日 Release!!
【初回限定盤】
CD+DVD
S.D.R-304-A / ¥1,800(税別)
[CD]
01. -SHAMBARA-
02. インザコンクリート
[DVD]
-SHAMBARA- MUSIC CLIP
-SHAMBARA- MUSIC CLIPメイキング


【通常盤】
CD
S.D.R-304-B / ¥1,200(税別)
[CD]
01. -SHAMBARA-
02. インザコンクリート

LIVE INFORMATION

R指定特別単独公演 『チケ発大戦争~反逆のハロウィンナイト~』

2017年02月18日(土)高田馬場AREA

R指定東北ワンマンツアー『Scream of Japanese Crusher』

2017年03月10日(金)宮古KLUB COUNTER ACTION
2017年03月13日(月)石巻BLUE RESISTANCE
2017年03月14日(火)郡山#9


2017年02月11日(土)TSUTAYA O-EAST

R指定 PROFILE


  • Vocal:
    マモ
    Birth:
    05.05
    Blood:
    A

  • Guitar:
    Z
    Birth:
    12.07
    Blood:
    A

  • Guitar:

    Birth:
    10.15
    Blood:
    A

  • Bass:
    七星
    Birth:
    04.06
    Blood:
    A

  • Drums:
    宏崇
    Birth:
    04.27
    Blood:
    A



DISCOGRAPHY