【 LIVE REPORT 】「ViSULOG 9th ANNIVERSARY」- Day.2 -

2020.01.26 ( Sun ) TSUTAYA O-WEST
前日の初日公演の熱が冷めやらない東京・TSUTAYA O-WESTではこの日もViSULOGの9周年をお祝いするべくたくさんの人が会場に詰め掛けた。

2日目となる1月26日公演ではマザー、WING WORKS、POIDOL、ユナイト、DaizyStripperの5バンドが出演。
バンドやソロ、人間と動物、新人とベテランといった様々な垣根を超えて集まった5バンドで、こちらも前日同様にViSULOGだからこそのキャスティングといえる。

2日目も前日に引き続きMCはViSULOG編集長・山本貴也氏、カメラマンは彩冷えるのインテツ氏でお送りする。

TEXT:オザキケイト
PHOTO:インテツ
マザー
マザー
2日目のトップバッターはGOEMON RECOREDSが送り込む期待の新星・マザー。
とある森に棲む4匹の動物が、人間に憧れて始めたバンドがこのマザーだ。
4匹は人間の清く美しい心”カルマ”を集めて人間の姿に変身できるという。
今日もカルマを集めに森から会場まで出てきたそうだ。

「ViSULOG9周年始めましょうか!」とA狐(Vo)が叫び、セクシーに舌なめずりをするとライヴは「ソメニ」でスタート。
オーディエンスはジェイク(Dr)のパワフルなドラムに合わせて飛び跳ねフロアを揺らす。
さらにムーディーなシャッフルナンバー「CANNIBALISM」ではルル(Ba)がジャジーなベースソロを決めてくれた。

MCではA狐が9周年を祝うとともに「9年前に何してたかなんて全然覚えてない」と語っていたが、その一言が9年間という時間の長さを物語っている。
「お祝いするにはみんなで楽しむのが一番」とフロアに声を求めると「ストレイキャット」を披露。
突然現れた人間のカタチをした4匹に戸惑いの色が見えたフロアだったが、次第に会場のボルテージが上がっていくのがわかる。
そんな戸惑いをさらに吹き飛ばすかのごとく4匹は「ここにいるお前たちは初めて見た俺たちに壁を作っている。仮面をかぶっている!そんなもの剥がしていきましょう!」と「MASK」を叩きつけると、箍が外れたオーディンスは理性を壊していく。

マザーは母の日である5月10日に神田明神ホールにて初ワンマン『マザーの日』を開催する。
そのために4匹はチケット700枚を手売りしてるというのだ。
「俺たちは泥臭くたって5月10日のワンマンを成功させたいと思ってるし、お前たちひとりひとりに気持ちを届けたいと思って手売りチケットを売っています」と意気込みを語った。

そして、この日ラストに演奏されたのは「アヴェマリア」だ。
シアン(Gt)の怪しげなアルペジオに導かれるように始まった重厚なイントロから一転、「生首ちょうだい」の声を合図にヘッドバンギングが巻き起こるとご満悦な表情を見せたA狐は「またどこかで会いましょう」と言葉を残し、投げキスをしてステージを後にした。


[SET LIST]
01.ソメニ
02.CANNIBALISM
03.ストレイキャット
04.MASK
05.アヴェマリア
WING WORKS
WING WORKS WING WORKS WING WORKS WING WORKS WING WORKS WING WORKS
「WING WORKSです。よろしくお願いします」
という声とともに板付きで始まったのは二番手、RYO:SUKEのソロプロジェクト・WING WORKSだ。
また、この日のWING-MENと呼ばれるサポートメンバーはtoshi(Gt)、Daichi(Gt)、YUCHI(Ba)、SHO(Dr)、ryu(Mp)というRYO:SUKE曰く最強の布陣となっている。

ライヴは「IKAROS」で始まるという壮大な幕開けだった。
toshiとDaichiの繊細なツインギターがWING WORKSらしい広く奥行きのある世界を構築していく。
「さぁ、命を燃やしていこうぜ!」とRYO:SUKEを象徴する言葉で会場を煽るとセルフカバーである「未完成サファイア」を披露。
彼が過去に在籍していた少女-ロリヰタ-23区の楽曲でありながら、よりラウドにリビルドされたこの楽曲はそんなRYO:SUKEの過去と現在を繋ぐための一曲だろう。
そして会場をよりエレクトロでラウドな世界にトリップさせたのは「SiLiConE」だった。
元々WING WORKSが持っている音楽性にミクスチャーの要素をアドオンすることでフロアでは縦ノリが加速する。

「一緒に光り輝くワンダーランドに行こう」と投げかけて始まったのは、もう一つのRYO:SUKEらしさでもあるメルヘンチックな「ムービングライトキス」。
原曲とは違い生音で再現されたこの曲ではYUCHIの心地いいベースがグルーヴィーなノリを生み出し、Daichiがギターソロを取るシーンも見られた。
「ラストスパート行こうか!」と会場の熱をぐっと引き上げたのは「VAD†MAN」だ。
複雑な構成の土台を支えるSHOのラウドなドラミングに引っ張られるようにオーディエンスはヘッドバンギングで応戦する。
そしてRYO:SUKEは盛り上がるフロアに対して「超前衛的!」と賛辞を贈った。
そう、HYBRID SHOCK MUSICを掲げるWING WORKSの音楽とライヴは常に前衛的なのだ。

「何か一つのことを9年やるって本当に素晴らしいことだと思います。WING WORKSは今8年目、俺もViSULOGのように10年目指して突っ走っていきます!一緒に新しい歴史を創っていきましょう!」と語り、この日最後となる「FIXXTION BOY」をドロップ。
ryuがオペレーションするEDMサウンドにtoshiの伸びやかなギターが響き、RYO:SUKEはフロアに「未来を創っていこうぜ!」とメッセージを投げかけた。

終演後のトークセッションでは3月20日に控えたワンマンライヴにすべてを賭けると語り、自らを“変なヴィジュアル系”と称するRYO:SUKE。
しかし歴史を変えてきたのは変わり者の存在であることも事実。
2020年、ついに時代がWING WORKSに追いつくかもしれない。


[SET LIST]
01.IKAROS
02.未完成サファイア
03.SiLiConE
04.ムービングライトキス
05.VAD†MAN
06.FIXXTION BOY
POIDOL
POIDOL POIDOL POIDOL POIDOL POIDOL
三番手に登場したのは“歌って踊れるフロントマン”を擁するPOIDOL。

暗転したステージにメンバーが登場し、最後に“歌って踊れるフロントマン”こと絢瀬ナナ(Vo)がステージイン。
するとステージ中央でポジションについたナナはSEに合わせてキレキレのダンスを披露。
これがPOIDOLのライヴの始め方の流儀なのだ。

ライヴは最新曲「少年A」からスタート。
これまでのPOIDOLの華やかなイメージを180度ひっくり返すような攻撃的なナンバーで先制パンチを喰らわせる。
それでもなお「こんなもんでお祝いできると思ってんの?」とフロアを焚きつけると、続けて「エウレカ」を投下。
昨年の8周年イベントで見たPOIDOLとは別のバンドのようだ。
「今日はな、とことんやりにきたんだよ!」とフロアに宣戦布告すると「LIVING DEAD.」を披露。
宣戦布告を受けたオーディエンスも負けじとヘッドバンギングを繰り出すが、それでもまだ満足しないナナはフロアに乗り出しオーディエンスを煽る。

MCではニコニコ生放送にも触れ、POIDOLの元気印である凪爽汰(Gt)に対し“言ってはいけないこと”を言わないように忠告。
それに対し爽汰は「今日は生放送だから清楚系で行く!」と宣言し笑いを誘った。
このあと彼はお約束のごとく“言ってはいけないこと”を叫んでしまうわけだが、それは彼の名誉のためにあの日あの場所にいた人たちだけの秘密ということにしておこう。
そんな爽汰のNGワードから始まった「懲役三年」では複雑に展開するセクションで絢瀬蘭(Ba)がジャジーでアダルトなベースを聴かせてくれた。

ライヴはラストスパート。
「大きな声ちょうだい!」と「AQUA BLUE」で再びギアをあげると、POIDOLらしい疾走感あふれるナンバーの土台を水無月タクト(Dr)が支える。
そして、「最後くらい思いっきり行こうぜ!」とこの日のラストを飾ったのはキラーチューン「包帯天使ちゃん」だ。
ナナのパラパラのようなフリもばっちり揃い、ラストにふさわしい盛り上がりを見せ幕を閉じた。

この周年イベントに三年連続での出演となるPOIDOL。
二年前の初出演のときは結成間もない頃だったが、終演後でのトークセッションで山本氏が言っていたように出演を重ねるごとに“パワフルになっていく”彼らはこの日のライヴでも披露した「少年A」を引っ提げ全国ワンマンツアー『KYOU-HAN-SHA』を敢行。
あなたも少年Aの共犯者になってみてはどうだろうか。


[SET LIST]
01.少年A
02.エウレカ
03.LIVING DEAD.
04.懲役三年
05.AQUA BLUE
06.包帯天使ちゃん
ユナイト
ユナイト ユナイト ユナイト ユナイト ユナイト
ViSULOGの周年イベントはユナイトなしに語れない。
ということでこのイベント皆勤賞のユナイトが四番手に登場だ。
なにを隠そうユナイトはViSULOGと同い年で、彼らも3月に結成9周年を迎える。

暗転するなり色とりどりの光の海が会場に広がり、メンバーが登場。
この日のユナイトはのっけから攻撃的だった。
結(Vo)の甘いマスクからは想像出来ないド派手な咆哮が始まりの合図となる「Eyes_Tea_Bitter_Brown」でライヴは幕を開ける。
この曲では椎名未緒(Gt)とLiN(Gt)のユニゾンによるギターソロも聴き所のひとつだ。
「9周年のお祝いだよ!盛大にいこう!」と結がタオルの準備を促すとフロアが一斉にタオルを振り回すパーティーチューン「Cocky-discuS」へ。
バンド関係なく様々なタオルが舞う様は壮観だ。

ユナイトのパーティーはまだまだ続く。
自然と体が揺れてしまうユナイト流ファンクナンバー「-ハロミュジック-」ではLiNのカッティングと莎奈のダイナミクスのあるドラムが冴える。
「そろそろ暴れていこうか!」と結が叫ぶとフロアの表情は一変。
手始めに「ノゾキアナ?」を叩きつけ、徐々に熱を上げていく。
さらに一気にボルテージを上げたのは「ubique」だ。
ユナイトの盛り上げ隊長・LiNが声を張り上げフロアを煽ると大きな声が返ってくる。
しかし、この状況でもクールなハク(Ba)は涼しい顔でスラップを決めてくれた。
そして、とどめを刺してたのは「それではTSUTAYA O-WESTの皆さん、イタダキマス」というお決まりのセリフで始まったのはキラーチューン「ice」。
それを受けたオーディエンスは待ってましたと言わんばかりにヘッドバンギングを巻き起こした。

「最後にみんなで一緒に声をそろえて9周年をお祝いしましょう。歌ってくれるかい?」とこの日最後に演奏されたのは「シトラス」だった。
<何だって何時だって誕生日だってさ 君は僕のいつも一歩先>の歌詞がまさに毎年2ヶ月早く誕生日を迎えるViSULOGとユナイトの関係のよう。
しかしViSULOGとユナイトは「シトラス」のような甘酸っぱい別れではなく、この先も変わらない関係のまま年を重ねていくことがだけが唯一違うところといえよう。
そして、会場には一足早く9歳を迎えたViSULOGを祝うようにシンガロングが響きわたった。


[SET LIST]
02.Cocky-discuS
03.–ハロミュジック-
04.ノゾキアナ?
05.ubique
06.ice
07.シトラス
DaizyStripper
1DaizyStripper 1DaizyStripper 1DaizyStripper 1DaizyStripper 1DaizyStripper 1DaizyStripper
二日間にわたって開催されたこのイベントもついに最後のアーティストとなる。
二日間の大トリを務めるのはDaizyStripper。
彼らは四年前に開催された『ViSULOG 5th Anniversary』を夕霧(Vo)のインフルエンザ感染のために出演をキャンセルした過去があり、今回満を持してのリベンジ公演となる。

暗転した会場にSEが響くとオーディエンスはハンドクラップでメンバーを出迎える。
登場するなりなお(Gt)はフロアに咆哮し気合は十分の様子。
ライヴは「色彩ヴィヴィッド」でスタートし、会場を色鮮やかに彩っていく。
「俺たちがDaizyStripper です!ヨロシク!」と挨拶も早々に「Sunday Driver」へと続く。
そう、今日は日曜日だ。
なおとまゆ(Gt)のカラッとしたギターとRei(Ba)のグルーヴィーなベースに乗せられオーディエンスはご機嫌に飛び跳ねる。
そんな雰囲気を一変させたのは夕霧のハイトーンボイスが映える「MISSING」。
風弥~Kazami~(Dr)のハードなドラムにフロアはすかさずヘッドバンギングで応戦してみせた。

イベント出演が久々という彼らはMCで3月1日に発売するアルバム『INFINITY』について触れ、さらにそのアルバムを携えたツアー『INFINITY CHALLENGER~正解じゃなく新しい答えを探そう~』は“最新が最高”ということを伝えるためのものということも語ってくれた。
そしてそのアルバム『INFINITY』から「INIFINTY」を披露。
<無限の彼方へ>というワードが印象的なアッパーチューンで、夕霧は「この曲を持って全国回っていきます。またどこかでみなさんに会えますように」と曲を締めくくった。
さらに続く「Seaside Avenue」ではトレゾア(DaizyStripperファンの総称)が合唱を会場に響かせた。

この日、彼らはもう1曲新曲を初披露してくれた。
その名も「D.A.I.Z.Y」。
もちろんDaizyStripperのことだ。
この曲は各メンバーを一人ずつ紹介するような楽曲で、歌詞はSNSを通してファンから集めたものを使っている。
メンバーの名前を叫ぶオーディエンスも楽しそうだが、それ以上にステージ上のメンバーが楽しんでいるのがわかる、バンド愛、メンバー愛を感じる一曲であった。

ViSULOGは9周年を迎え、いよいよ大台である10年目に足を踏み入れる。
そんなViSULOGにDaizyStripperが最後に贈ったのは「decade」だった。
そこに広がっていたのは多幸感あふれる光景。
様々な困難を乗り越えたDaizyStripperとトレゾアの10年間を支え続けた
この曲を、今年13周年を迎える彼らが少しばかり早いViSULOGの10年目のお祝いともとれるこのタイミングで歌うことの説得力を感じずにはいられないエンディングであった。

<繋いだ手は離さずに 僕らが目指した未来へ>

そう、きっとヴィジュアル系の未来はこれからもViSULOGとともにあるのだ。
そんなDaizyStripperからのメッセージだったように思う。


[SET LIST]
01.色彩ヴィヴィッド
02.Sunday Driver
03.MISSING
04.INFINTY
05.Seaside Avenue
06.D.A.I.Z.Y
07.decade
ヴィジュアル系は音楽のジャンルではないとはよく聞く言葉だ。
そのため、どこにオリジナリティを見出すかはそのバンド次第であり、それがそのバンドの個性となる。
事実、このイベントを通して一つとして同じようなバンドがないことにヴィジュアル系の奥深さと面白さを改めて実感することができた二日間でもあった。
そして、このヴィジュアル系シーンの動向を追うのになくてはならいのがViSULOGである。
これからもシーンのすぐそばで寄り添い、我々が愛するヴィジュアル系という日本が誇るべきジャンルを見守っていってくれることを切に願っている。
そして、10周年を迎える来年はさらに盛大にお祝いできることを今から楽しみしている。

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