【 LIVE REPORT 】「ViSULOG 9th ANNIVERSARY」- Day.1 -

2020.01.25 ( Sat ) TSUTAYA O-WEST
我々が愛するヴィジュアル系の情報を届けてくれるポータルサイト・ViSULOGが毎日休むことなく情報を発信し続けて9年が経った。
そして、新人からベテランまでViSULOGだからこそのキャスティングで行われる毎年恒例となった周年イベントが今年は東京・TSUTAYA O-WESTで開催された。

今年は初のツーデイズ開催。
初日となる1月25日公演ではベル、アクメ、heidi.、Blu-BiLLioNという4バンドに加え、100%死んでるという正体不明の謎の新人バンドが出演。

さらに、今年はTシャツコンペと題して人気ブランド・KINGLY MASKとコラボ。
出演バンドがデザインしたものの中でリツイートといいねが多かった上位3デザインが実際に販売されるという企画も行われた。

今年もMCはおなじみのViSULOG編集長・山本貴也氏、カメラマンは彩冷えるのインテツ氏でお送りする。

TEXT:オザキケイト
PHOTO:インテツ
ベル
ベル ベル ベル ベル ベル
トップバッターは昨年10月に新メンバー・ルミナ(Gt)を迎え新体制となったベル。

「始めようかウエスト!」というハロ(Vo)の第一声でライヴは「午前3時の環状線」で幕を開け、彼ららしいレトロな雰囲気で会場を彩る。
続いて演奏された「ジェラシー」は“歌謡サスペンス”を掲げるベルの王道ソング。
この曲ではルミナがばっちりギターソロを決めてくれた。

さらに「僕がベルで初めて作詞作曲した曲をお届けします」というハロの導入から披露されたのは最新ミニアルバム『解体新書』に収録されている「平行線」。
オーディエンスは伸びやかなに歌い上げるハロの歌声に酔いしれた。

MCを挟み、ライヴはラストスパート。
演奏されたのはこちらも新曲である「花市匁」。
新曲ながらハロがわかりやすく指示することでフロアはヘッドバンギングで応戦する。

ライヴの勢いはそのまま「カラータイマー」へ。
明弥(Ba)のスラップと正人(Dr)のタイトなドラミングがぐいぐいと会場を引っ張っていく。
「ぼーっとしてる間にこの一瞬終わっちまうぞ!」とフロアを煽るハロ。
そう、彼らのカラータイマーはもう鳴り始めているのだ。

ベルに残された時間はあと1曲。
この日ラストに演奏されたのはルミナのエモーショナルなギターが響く疾走感あふれる「愛と免罪符」。
“この曲から再びベルが始まるんだ”という意志を強く感じるラストだった。

彼らはこの『解体新書』を引っ提げ4人で初めての東名阪ワンマンツアー『4カウント』を3月から敢行する。
“5年目の新人バンド”ベルの攻めの姿勢をその目でぜひ見届けてほしい。


[SET LIST]
01.午前三時の環状線
02.ジェラシー
03.平行線
04.花市匁
05.カラータイマー
06.愛と免罪符
アクメ
アクメ アクメ アクメ アクメ アクメ
2番手に登場したのは年始にアメリカでツアーを行って帰国したばかりのアクメ。
もちろん彼らにとって2020年、日本での初ライヴだ。

暗転したステージにHAL(Dr)が登場するなり「東京!ハッピーニューイヤー!」とドラムソロをかますとそのほかのメンバーも順にステージイン。
最後に登場したCHISA(Vo)が「行けんのか東京!」と吼えるとライヴはハードな和風ナンバー「マグロ解体チェーンソー」からスタートした。
さらにその勢いは「腐敗蜜柑」で衰えるどころか増していく。

MCではアメリカツアーの初日に車上荒らしにあった苦い思い出を語ってくれた。
しかし、そんな境遇も「ベストアルバムを売ってないのに完売しました!」と笑い話にできてしまうのがアクメ。
盗まれたグッズのTシャツをどこかの村みんなで着ているのを見かけたらSNSで教えてほしいとのことだ。

「まだまだ行こうか!」の合図で始まった「ラストワンショー」ではCHISAがギターを掻き鳴らしながら歌い、将吾(Gt)のエッジの効いたギターが響く。
さらによりラウドな「放課後の飼育」をお見舞いすると、フロアはすかさずヘッドバンギング。
そしてHALのド派手なドラムとRIKITO(Ba)のベースががっちりとユニゾンするアクメ随一の凶暴さを誇るメタルコアナンバー「モノノケレクイエム」でフロアを地獄に突き落とす。

「みんなで歌ってください」とこの日のラストに演奏されたのは「WONDERFUL WORLD」。
こんな世の中を“素晴らしい世界”と呼ぶのは皮肉かもしれないが、きっとアメリカでのトラブルがあっても、それを笑い飛ばして前を向くアクメのような姿勢こそがこの世の中を“素晴らしい世界”と呼ぶために必要なものなのかもしれない。

そんなことを思った夜だった。


[SET LIST]
01.マグロ解体チェーンソー
02.腐敗蜜柑
03.ラストワンショー
04.放課後の飼育
05.モノノケレクイエム
06.WODERFUL WORLD
heidi.
heidi. heidi. heidi. heidi. heidi.
続いて登場したのは今年で結成14周年を迎えるベテラン・heidi.。

ベテランの貫禄か、自然体で登場した四人がポジションにつくと、エレクトリカルなイントロが会場に響く。
「一瞥」だ。 最新アルバム『標本』に収録されている楽曲で、これまでのheidi.のイメージからは想像もつかない音像だが、元々の彼ららしさである力強いバンドサウンドとの融合を聴かせてくれた。
さらにその力強さは「磔」へと続く。
地鳴りのようなコースケ(Ba)のベースが会場を揺らすと、重々しいheidi.の世界を構築していく。

MCを挟み、我々をさらに深いところまで連れて行ってくれたのは「水槽」だった。
ナオ(Gt)のアルペジオに導かれるように、暗転したステージでスポットライトを浴びて義彦(Vo)が歌いだすと、オーディエンスがどんどんと義彦の歌に引き込まれていくのがわかる。
これが間もなく14周年を迎えるバンドの成せる業だろう。

ライヴは終盤戦へとさしかかる。
ナオのリフと無機質な機械音でぐいぐいと押していく「Ray」で再び会場のボルテージを上げる。
そして、この日最後に演奏されたのは「がらんどう」。
オーディエンスがハンドクラップを始めると、桐(Dr)の軽快なドラムに合わせてミラーボールが回る。
そこに義彦の柔らかな歌声が乗ると、ひとたび会場はポジティブな雰囲気に包まれた。

heidi.はどこまでも自然体だった。
終演後の山本氏とのトークセッションで“バンドを長く続けるコツは?”と聞かれると、“喧嘩をしないこと!”と答えていたように、これからも彼らは自然体で突き進んでいくのだろう。


[SET LIST]
01.一瞥
02.磔
03.水槽
04.Ray
05.がらんどう
Blu-BiLLioN
Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN Blu-BiLLioN
4番手に登場したのはつい先日惜しくも4月に解散することを発表したBlu-BiLLioNだ。

暗転した会場に青いサイリウムが輝くと、それは彼らの出番の合図。
「さぁ全力で応えてちょうだい!」とミケ(Vo)が叫ぶとライヴは「Aqua」からスタート。
Blu-BiLLioNらしいストレートなメロディにTeru(Key)のラップがフックになっているアッパーチューンだ。
さらに耳をつんざくようなTeruのシンセサイザーが響くと「S.O.S.」へと続く。

ViSULOGと時期を同じくして始動したBlu-BiLLioN。
9周年を祝うとともに彼ら自身の9年間にも思いを馳せる。
さらに、久々の対バンということで「解散が決まっているけど、(他のバンドに)お客さんを取られる気はさらさらないし、逆に(お客さんを)取ってやろうと思ってここに立っています。」と堂々の宣戦布告。
続けて「始めるのに遅いことなんてないから、解散が決まってるバンドでも今からファンになってもいいと思う。全力で取りに行くんで、少しでもいいと思ったら入ってきてほしい。」とミケ(Vo)が話すとフロアからは拍手が起こった。

「楽しむ準備できてるかい?」とオーディエンスに問い掛け演奏されたのは「Ready?」。
コール&レスポンスもばっちり決まり、会場の熱は徐々に上がっていく。
ステージ上では一人ずつが音を重ねていくジャムセッションが繰り広げれら、すべての音が重なると「Miss Mermaid」へと繋がる。
mag(Gt)と宗弥(Gt)の繊細なギターワークやそこに絡むTeruのジャズピアノといったウワモノが耳を引く華やかな楽曲だが、それも珀(Ba)とSeika(Dr)のリズム隊がしっかりボトムを支えているからこそだ。

ミケが「今日は鉄板の曲しか持ってきてねぇからさ、盛り上がれるだけ盛り上がってちょうだい!」と叫ぶとそのまま「響心identity」を叩きつける。
そして、ラストに用意されたのは「HOME」。
終盤にミケが涙をこらえきれず歌に詰まるシーンが印象的だった。

彼らに残された時間はあとわずか。
解散へのカウントダウンはすでに始まっている。
<この指とまれ>とは「HOME」の一節だが、ミケが話したように始めることに遅すぎることはない。
この日の彼らの全力のライヴを見て、何か心に残るものがあった人は迷わずにその指にとまって、一人でも多くの人が彼らの最期を見届けることを願ってやまない。


[SET LIST]
01.Aqua
02.S.O.S.
03.Ready?
04.Miss Mermaid
05.響心identity
06.HOME
100%死んでる
100%死んでる 100%死んでる 100%死んでる 100%死んでる 100%死んでる
この日の出演者のなかで唯一正体不明の新人バンドの名前があった。
それがトリを務める100%死んでるだ。

暗転すると、スクリーンに映像が投影される。
そこには暗い墓地に四つの墓が建てられており、その墓にはそれぞれ“KANATA”“IZUNA”“MIDORI”“REIKA”と文字が彫られている。
そう、彼らこそ昨年解散したぞんびが新メンバーを迎え始動したZOMBIEなのだ。

100%死んでるの正体がZOMBIEとわかった瞬間、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。
登場したメンバーは白塗りで髑髏メイクを施し、よりその異形さが際立つ。
そんなZOMBIEとしての初ライヴは新曲「100%死んでる」からスタート。
さらに先行配信しているファストナンバー「ゾンビ死ス」では感染者(ZOMBIEファンの呼称)は待ってましたと言わんばかりにヘッドバンギングで応戦する。

「楽しみたいヤツだけ両手を上げてください」という奏多(Vo)の言葉とともに青井ミドリ(Ba)のエキゾチックなベースがイントロを奏でだすと、ぞんび時代からの定番曲「腐り姫」が始まる。
感染者はゾンビのごとく両手をあげて踊るのがお決まりだ。
さらにこの曲では奏多に促され、新メンバーであるizuna(Gt)がギターソロを取るシーンも見られた。
彼らはわずか3曲でありながら、強烈なインパクトを残してステージを去っていった。

ZOMBIEの4人がステージを去ったあと、ステージ上のスクリーンには彼らに関する新たなアナウンスがなされ、再びフロアが沸き立ち、アンコールの声があがる。
ステージに舞い戻った奏多はこの日唯一のMCとして「ViSULOG9周年おめでとうございます!」とメッセージを残し、「死ねばいいのに。」を披露。
「頭飛ばして死んじゃえよ!」と煽る奏多に触発された感染者はREIKA(Dr)の力強いドラムに合わせ、何かに取り憑かれたように頭を振り乱し、街をさまようゾンビのごとくフロアを大移動する光景は映画で見たワンシーンのようだ。
そして、奏多がこの日の出演者を呼び込むとフロアと一緒に「死んじまえ!」の大合唱。
抱え込んだ負の感情を放出するかのように凄まじい熱量をもって初日の幕を閉じた。


[SET LIST]
01.100%死んでる
02.ゾンビ死ス
03.腐り姫
En. 死ねばいいのに。
まだ正式には始動していない新人バンドのシークレットから、結成14周年目前のベテランバンドまで普段では交わらないような組み合わせに、新メンバーを迎え心機一転したバンドやまもなく最後を迎えるバンド、さらには海外でのトラブルをはねのけるような強さを見せてくれたバンド、境遇は様々だが総じてどのバンドにもガツガツしたバイタリティーを感じる一切の手抜きがない夜だったように思う。

そんなViSULOGならではのライヴを明日も見ることができる贅沢さを噛みしめながら、明日はどんなライヴを見せてくれるのか思いを馳せながら帰路についた。

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