2019年1月26日(土) TSUTAYA O-EAST「ViSULOG 8th ANNIVERSARY」

ヴィジュアル系を愛する人に毎日ホットなニュースを届けてくれるヴィジュアル系ポータルサイト・ViSULOGが8周年を迎えた。
毎年恒例となっている周年イベントが今年も東名阪で行われ、東京公演にはViSULOGの8周年を祝うべく総勢5バンドが1月26日に東京・TSUTAYA O-EASTに集結した。
この日初ライヴを行う新人から、ViSULOGと同じく今年8周年を迎えるバンドまでこれからのヴィジュアル系シーンを担うバンドによる寒さも吹き飛ばすアツい1日の模様をレポートする。
もちろん今年もMCはViSULOG編集長・山本貴也氏とお馴染みの鈴木“ぽっくん”邦昭氏の2人でお送りする。

TEXT:オザキケイト
PHOTO:インテツ

ViSULOG 8th ANNIVERSARY/LIVE REPORT

ZENSAI BOYS ( OPENING ACT )
軽快なドラムが鳴り響くなか元気よく飛び出してきたのはZENSAI BOYSの2人。
聞きなれない名前かもしれないが、それもそのはず彼らは現在活動休止中のFEST VAINQUEURのHIRO(Ba/Vo)とLEZARDの公佑(Gt/Vo)の2人からなるユニットで、この日が初ライヴなのだ。

ライヴはLEZARDの「Driving[DPY]」のカバーからスタート。
「さぁイースト、揺らせ!」の声とアップテンポな四つ打ちエレクトロサウンドに煽られオーディエンスが跳ねる。
シンプルなスリーピースバンドゆえにステージの広さを持て余すのではと思ったが、そんなことは微塵も感じさせないほど元気いっぱいにステージを駆け回るHIROと公佑。
さらにこちらもFEST VAINQUEURのカバーであるパンキッシュな「宴~utage~」ではモッシュが起こり、文字通りお祭り騒ぎの様相を見せた。

ここまではお互いのバンドのカバーを披露してきたが、ここからはZENSAI BOYSのオリジナル楽曲となる。もちろん初披露だ。
冒頭にHIROが「いつもどんな時もファンのみんなの思いが僕たちの原動力になっています。そんな関係性って素敵やな、大事やなって思って作った曲があります」と紹介した「【equal=】」はファンに向けた素直な気持ちを綴った心温まるナンバー。
普段歌うことがない2人が自分の気持ちを自分の声で表現できることがこのユニットのいいところの1つだろう。

そしてラストを飾ったのが「HARA☆PEKO」だ。
“食い潰せ!”の歌詞の通り、腹ペコな2人がメインディッシュを食い潰してやるという意気込みを感じさせるパーティーチューンはまさに今の彼らの名刺代わりといえる
こうして彼らの初ライヴはどんどんと会場を巻き込み、初ライヴとは思えない盛り上がりを見せて幕を閉じた。
2019年、今一番ハングリーなのはZENSAI BOYSの2人かもしれない。


[SET LIST]
01. Driving[DPY]
02. 宴~utage~
03.【equal=】
04. HARA☆PEKO
アクメ
学校のチャイムが鳴るとそれはアクメのライヴが始まる合図だ。
メンバーが現れるとフロアから黄色い歓声が飛ぶ。
最後に登場したCHISA(Vo)がそのキュートな見た目とは裏腹に黄色い声をかき消すように「やれんのかイースト!!」と啖呵を切るとライヴは「ROTTEN ORANGE」でスタート。
HAL(Dr)のパワフルかつラウドに爆走するドラムにフロアはすかさずヘッドバンギングで応戦。
アクメらしさ全開のオープニングにいきなり絶頂に達しそうな勢いだ。

シンプルなビートで構成されたミクスチャーサウンドに清涼感のあるメロディーが乗った「ADVENTURE TIME」もまたアクメらしさのひとつであり、彼らの色で会場を次第に染めていく。
また、きらびやかな和メロに将吾(Gt)の繊細なギターワークが映える「絶唱謳歌」ではアクメだけでなくこの日参加したバンドのタオルも舞い、会場の心を掴んでいく様が見て取ることが出来た。
MCでは他のバンドからうるさいと苦情が来るほどのRIKITO(Ba)の関西ノリで笑いを誘い、ライヴはラストスパートに突入。

CHISAがギターを手に取り演奏した最新シングル「ラストワンショー」はストレートで疾走感あふれるナンバー。
先ほどまで関西弁でノリノリに喋っていたRIKITOの顔は一転バンドマンの顔に。
縦横無尽に動き回るフレージングはストレートな楽曲にうねりを与える。
さらに、ポジティブなメッセージを届けた「MELODY(AL ver)」は心の真ん中に届くようなメロディーをCHISAのハスキーで伸びやかな声で聴かせてくれた。
そして、この日の最後を飾ったラウドとアイドルソングを和風で味付けしたアクメ流ミクスチャー「マグロ解体チェーンソー」ではオーディエンスとの掛け合いもバッチリ決まり、彼らはステージを後にした。
去り際に物足りなそうに「もっともっと一緒に遊ぼうよ!」と言っていたCHISA。
程よいくらいでやめておいた方がまた次が欲しくなるように、オーディエンスも同じく早く次のアクメが欲しいと思えるようなライヴだった。


[SET LIST]
01. ROTTEN ORANGE
02. ADVENTURE TIME
03. 絶唱謳歌
04. ラストワンショー
05. MELODY(AL ver)
06. マグロ解体チェーンソー
POIDOL
内臓を揺らすような重低音かつダンサブルな四つ打ちのSEが流れると、3番手であるPOIDOLがステージイン。
順に登場するメンバーに続いて、最後に登場した絢瀬ナナ(Vo)がキレキレのダンスを踊ると会場からは歓声が響いた。
そう、POIDOLはこれまでのヴィジュアル系に見られなかった“歌って踊れる”ハイブリッドなフロントマンを擁するバンドなのだ。

「ViSULOG(ツアー)ファイナル、始めようか!!」というナナの声でライヴは「夜な夜なバカを見る」でスタート。
SEの流れを汲むような四つ打ちEDMサウンドに凪爽汰(Gt)は激しく頭を振り乱しギターを掻き鳴らす。
POIDOLとフロアのダンスタイムはまだまだ終わらない。
「Bang!!Bambina!!」は<踊れよ踊れ>の歌詞の通り、ナナが先導し、オーディエンスとパラパラを踊る様はクラブさながら。
さらにPOIDOLならではだったのは「LIPS」の導入として、ナナのソロダンスタイムが設けられていたところだろう。
楽器陣のソロは数多く見たことがあるが、ボーカルがそれもダンスでソロをとるバンドは極めて珍しい。
最新シングル「LIPS」でももちろんダンスを披露。
フロアに対して「まだまだ(声を)聞きたいね」と声を求め、急上昇するボルテージにこれまで涼しい顔でベースを弾いていた絢瀬蘭(Ba)も次第に感情的にステージングが激しくなっていった。

MCをはさみ披露した「包帯天使ちゃん」は事前のフリ講座の甲斐もあり、息の合った盛り上がりを見せ、ストレートでキャッチーなメロディーが映える「エウレカ」はPOIDOLの真骨頂といえる。
そしてラストに水無月タクト(Dr)が司るドラムの展開がめまぐるしく入れ替わる「粛清エレジー」をもって会場をヘドバン地獄に叩き落とし彼らはライヴの幕を閉じた。
これまでのバンドにはないダンスという武器を手に、ヴィジュアル系新時代の幕開けを予感させるPOIDOL。
彼らのこれからとヴィジュアル系の未来に可能性を感じさせる30分間だった。


[SET LIST]
01. 夜な夜なバカを見る
02. Bang!!Bambina!!
03. LIPS
04. 包帯天使ちゃん
05. エウレカ
06. 粛清エレジー
ぞんび
“僕らはみんな死んでいる”というインパクトある言葉で幕が開くと、そういうことかと合点がいった。
そう、彼らはぞんびなのだ。
「MCなしぶっ通し6曲、ついてこれますか!」と奏多(Vo)が声を上げると「死ねばいいのに。」でライヴをスタートさせる。青井ミドリ(Ba)がハンドマイクで「死んじまえ!」と叫べばそれに呼応するように「死んじまえ!」とオーディエンス。
ライヴで見慣れたフロアのモッシュも彼らの手にかかれば右へ左へさまようゾンビに見えてしまうから面白い。

どうしてもバンド名とインパクトのある言語センスに注目が集まるぞんびだが、ミドリの歪んだエキゾチックなベースに導かれて始まった「腐り姫」はシンプルながらグルーヴィーな演奏を聴かせてくれたし、奏多の絶叫をもって演奏された「交響曲第9番「真夜中の第二音楽室」」ではキャッチーなメロディセンスを発揮。
そして、ミドリの奇奇怪怪ド派手なステージングと、感情を表に出さず飄々と職人のごとくギターを弾く翔(Gt)のステージ上での対比も彼らの魅力のひとつだろう。

ノンストップで走り続けるライヴも中盤にさしかかり、エレクトロコア的なアプローチに歌謡曲調のメロディーが映えるぞんびのキラーチューンを立て続けに披露。
メロディーにより比重が置かれた「だいっきらい東京」はミドリのベースソロがいいフックになり、緩急をつけたREIKA(Dr)のドラムがサビになるとツービートで爆走する「クソったれが」ではついにミドリがベースを置いてマイクを取り「クソったれ!!」と連呼しながらステージを練り歩く。
もちろんオーディエンスの熱は最高潮だ。

その熱はライヴが終わる瞬間まで決して下がることはなかった。
ミドリの自由なステージングも同様で、ラストを飾った「リビングデッド・マーチ」においてもほとんどベースを弾くことはなく、ただひたすらにフロアを煽る。
そしてそれに応えるようにステージに押し寄せる感染者(ぞんびファンの総称)は「リビングデッド・マーチ」の<貪り喰らえ>の歌詞を誰より体現していたように思う。
ゾンビに噛まれた人間はゾンビになってしまうが、ぞんびのライヴを体感した者も同じように感染者になり、こうして感染者がみるみる増えていくのだと感じたライヴだった。


[SET LIST]
01. 死ねばいいのに。
02. 腐り姫
03. 交響曲第9番「真夜中の第二音楽室」
04. だいっきらい東京
05. クソったれが
06. リビングデッド・マーチ
ユナイト
トリを飾ったのは3月にViSULOGと同じく8周年を迎え、この周年イベントにもこれまで皆勤賞のユナイト。
「それではTSUTAYA O-EASTの皆様、イタダキマス」とお馴染みのセリフを結(Vo)が呟くと、「ice」でライヴの幕は切って落とされる。
いきなりのキラーチューンにフロアはヘッドバンギング。
LiN(Gt)に至ってはステージに寝転びギターを鳴らす自由奔放さを見せる。
まだライヴが始まって数分である。
また、椎名未緒(Gt)の広がりのある小気味いいギターが冴えわたる「small world order」ではユナイトらしいキャッチーなメロディーを聴かせ、結に「LiN君よろしく!」と盛り上げ隊長を任されたLiNは声を張り上げフロアを煽る。

MCをはさみ、会場の空気を和ませてくれたのはかわいらしい雰囲気を持つ異色の中華風EDMナンバー「隕石系スタジオパンダ」だ。
思わず跳ねたくなる楽しさを持つこの楽曲、メンバー同士もアイコンタクトをとり笑い合って演奏している様子が実に微笑ましい。
その和やかな雰囲気からギアを一気に入れた「ubique」ではハク(Ba)と莎奈(Dr)のリズム隊がユニゾンをタイトにバチッと決め、さらに「高級娼婦とカミキリムシ」でフロアを上手と下手に分けて“ヘドバン合戦”を敢行。
フロアが一斉にヘッドバンギングをする光景は実に壮観だ。

ライヴは「僕らはいつだってここにいるよ!」と演奏された「ジュピタ」でラストスパート。
ストレートなメロディーと楽器陣の複雑なアンサンブルが耳を引くユナイトらしい1曲で、曲の持つポジティブな雰囲気にフロアは多幸感に包まれた。
そしてそのハッピーな空気はユナイトの現在が詰まったファンクナンバー「-ハロミュジック-」にて昇華される。
また、結は「POIDOLのお客さん、さっきダンス上手だったよね!よかったら僕のも真似してください!」と堂々ダンスを披露。
絢瀬ナナのダンスに比べるとファニーでオーバーなダンスではあったが、フロアから歓声を浴びはにかんで見せ、ピースフルな雰囲気のままこの日の公演の幕を閉じた。
奇しくも同じ年に生まれたユナイトとViSULOG、これからもお互いのアニバーサリーを祝い続ける関係性であってほしいと願っている。
ただ、次の瞬間にもしもの時の心配は不要だと気が付いた。
なぜならユナイトは“終わらない”バンドなのだから。


[SET LIST]
01. ice
02. small world order
03. 隕石系スタジオパンダ
04. ubique
05. 高級娼婦とカミキリムシ
06. ジュピタ
07. ‐ハロミュジック‐
終演後は全出演バンドが呼び込まれ、客席にお宝ツーショットチェキを投げ入れ、 2日前に誕生日を迎えたぞんびの奏多と、31日に誕生日を迎えるユナイトの莎奈をサプライズでお祝い。
さらには関係者席でライヴを見ていたGTBのTakeshiも呼び込み、最後はインテツ氏による集合写真を撮影し、この日のライヴは幕を閉じた。

その日行われるライヴスケジュール、ニュースリリースやインタビューやライヴレポートまで、若手バンドからベテランバンドまでヴィジュアル系の“現在”を知ることが出来るポータルサイトがViSULOGである。
この“現在”が毎日、毎年と続いていくと、そこには出来るのは歴史だ。
ViSULOGはこれからもヴィジュアル系の歴史とともにあるのだ。

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