密着レポート

アクメ「学艶天極 -GAKUEN TENGOKU-」ライヴレポート/2018.01.26(金) 高田馬場AREA

アクメ「学艶天極 -GAKUEN TENGOKU-」/2018.01.26(金) 高田馬場AREA
2018年1月26日 高田馬場AREAにてアクメによる初主催イベント『学艶天極』が開催された。
ビバラッシュ、the Raid.、ユナイトを迎えてのライヴの模様と、思わぬハプニングから垣間見えた彼らの未来を感じるステージをお届けしたい。

TEXT:二階堂晃
PHOTO:綺桜シンヤ / 二階堂晃
[ViSULOG]
アクメ「マグロ解体チェーンソー」特集

LIVE REPORT/アクメ「学艶天極 -GAKUEN TENGOKU-」ライヴレポート/2018.01.26(金) 高田馬場AREA

ビバラッシュ るいまる
ビバラッシュ (O.A)
トップを飾ったのはオープニングアクトのビバラッシュ。カラフルな衣装を身にまとったメンバーが笑顔全開で登場し、一気にフレッシュな勢いに包まれる会場。一曲目の『Merry-Merry-Merry-Go!!-Round☆』から大胆不敵な表情でヘドバンを求めるVo.るいまる。
当初は出演の予定はなかったビバラッシュだが、実はるいまるはかねてよりアクメVo.CHISAのDIV時代からのファンだったそう。その後、別のライヴの楽屋でその思いの丈をCHISAにぶつけたところ、本日アクメ初主催のオープニングアクトが決まったというエピソードがある。

その喜びを全身で表現しながら、ハチャメチャなライヴを繰り広げる気合十分のるいまると楽器陣。「サルでも分かるノリだから一緒に出来るよね!?」と客席を挑発しながら届けられたのは『ナチュラルバイセコー』。オーディエンスを床に座らせ合図で飛び上がらせるかと思いきや、「う~~~~」というなんとも緩い掛け声とともにじりじりと立ち上がらせるというシュールかつ斬新なノリを見せつけるばかりか、お客を座らせたままでステージ上手から下手にウエーブをさせるといった、もはややりたい放題のるいまるとそんな彼にツッコミを入れつつも熱い演奏を畳みかけるメンバー。
そして「先輩たちのファンを根こそぎ抱きしめたい!ビバラッシュと浮気しようぜ!」と、ルーキーならではの大胆不敵な煽りと共に届けられた『ギガラバチェリハート♡』ではキュートなモンキーダンスを披露し、会場に集まったオーディエンスも満面の笑顔でそれに答える幸せな空間が広がった。

「ラスト!!ビバラッシュにもっと踊らされてみませんか!?」とぶつけられたのは最新シングル『踊らされた人生』。るいまるはお立ち台の上にマイクスタンドを立てて仁王立ちのまま客席を煽りまくる。
一見おちゃめでハチャメチャさを売りにしている彼ではあるが、ステージ上で一瞬垣間見せたロック・ボーカリスト然としたクールでキレのある佇まいが実に印象的で、今後のさらなる成長と脱皮にも期待したいと思わされるライヴだった。

「バンギャルちゃん!またお会いしましょう!」と元気よくステージを去っていったビバラッシュは、憧れの先輩バンドの初主催を大いに沸かせるというトップバッターの責務をしっかり果たしたと言っていいだろう。

[セットリスト]
01.Merry-Merry-Merry-Go!!-Round☆
02.ナチュラルバイセコー
03.ギガラバチェリハート♡
04.踊らされた人生
星七 bo_ya 由羽 テンシ 一陽
the Raid.
2番手を飾ったのはメンバーお揃いの赤いジャケットに身を包んだthe Raid. アイドル性たっぷりのルックスと個性溢れるそれぞれのキャラクターにも関わらず、それとは裏腹なゴツいシャウトとサウンドで会場を責め立てるライヴが彼らの魅力だ。

本日も一曲目の『病んでる君に贈る歌』からSっ気たっぷりにオーディエンスを煽るライヴそのギャップに、会場はたちまち激しくも色っぽいthe Raid.の世界に包まれていく。 セクシーなキレもありつつ程よく余裕感もあるVo.星七の頼もしいパフォーマンスに先導されてスタートしたライヴだったが、曲の早い段階で「今の無し!」と演奏を止めて頭からやり直させる星七。大きな演奏のミスは何も感じられなかったが、完璧なステージを届けたいというファンへの愛がそうさせたのだろう。そんな彼らの誠意に全力のノリでオーディエンスも応える。

「死ぬ気でお辞儀しなさい!」の煽りで、折り畳みの海を客席に巻き越した『似非シンデレラ』。一陽のドラムの頼もしい安定感とbo-ya&由羽コンビのギターハーモニーと存在感はさすがの一言。昨年47都道府県ツアーを成功させたばかりの彼らのバンドとしてのゆるぎない強みが感じられる。そんな中、Ba.テンシの目を引くパフォーマンスは目を見張るものがあり、シーンにとっても久しぶりの花形ベーシストの登場にこれから多くの人が心を掴まれていくことだろう。
「みんなで猫になりましょう!」と届けられたのは『DevilishKitty』。お洒落なチップチューンのイントロから「右、右、左、左、ニャンニャン」という星七の可愛らしい振付に合わせて踊るオーディエンス。しかし、満員のフロアで両手を上げることもままならない会場。

自虐ネタスレスレのbo_yaとオーディエンスの「どすこーい」の掛け合いや、一陽の営業マンっぷりが炸裂したライヴ告知による和やかなMCを挟んで、the Raid.のライヴは中盤戦に。『セツナレイン』では先程までの空気からは一転、メロウな曲調に会場のきらびやかな照明もあいまって、会場はまるで星空の中に吸い込まれたかのよう。
次の『最終列車』では詞に込められた切ない思いを吐き出すように歌う星七と心を込めて丁寧に音を届ける楽器隊。等身大のメッセージを素直に語りかけるその姿も、彼らが若い世代の心を掴んで離さない理由のひとつだろう。

「ぐしゃぐしゃな笑顔見せてくれますかー!」との煽りからライヴは後半戦へ。キュートなパンク・ナンバー『Smile&Smile』では「俺と背比べだ!」と、全力のジャンプを求める星七と笑顔でそれに応えるオーディエンス。
そして「食べてもいいかーい?!」という不敵な煽りと共に、『純潔ピラニア』ではthe Raid.の真骨頂とも言える突き抜けたメロディーと激しいシャウトが叩きつけられた。ラストは『HEARTLESS』。「死ぬ気でかかってこい!!」「バンギャル魂見せてくれ!!」と、全力でオーディエンスの熱を求める星七。ヘドバンと折り畳みの嵐が会場に巻き起こり、タオルを振り回すファンも。

「おつかレイドー!!!」と決め台詞を放ち演奏を締めくくった後も、「みんなで広げようビバラッシュとthe Raid.とユナイトとアクメの輪!」と会場にあたたかく投げかける彼らのライヴからは、アクメの初主催の成功ひいてはV系シーンそのものの輪をもっともっと広げたいという深い愛が伝わってきた。

[セットリスト]
01.病んでる君に贈る歌
02.似非シンデレラ
03.DevilishKitty
04.セツナレイン
05.最終列車
06.Smile&Smile
07.純潔ピラニア
08.HEARTLESS
ユナイト
センスフルなSEが鳴り響くと、Ba.ハクとDr.莎奈コンビ、Gu.椎名未緒とGu.LiNコンビの順番で楽器隊がステージに姿を現し、最後に不敵な笑みをたたえながらVo.結が軽やかに躍り出る。ユナイトの登場だ。圧倒的に確立されたメンバー5人5様の「ドール感」とでも呼ぶべき不思議な佇まいに、会場は一気にユナイトの世界に染められていく。

メンバーそれぞれのテーマカラーであるピンク、パープル、オレンジ、グリーン、ブルーのライトが一斉に客席を照らす中、『イオ』からライヴがスタート。バンドとファンの関係を木星とその衛星イオになぞらえて届けられる、この強烈なメッセージ性こそがユナイトのユナイトたる所以だ。極上のメロディーを届ける結と繊細かつ疾走感溢れる楽器陣の演奏で会場のボルテージはどんどん高まっていく。
二曲目『BadRequest』ではオーディエンスを上手と下手に分けてコールさせるという遊び心たっぷりな一面もみせつつ、ファンク・ミュージックをベースにした楽器陣の確かな音楽的スキルが生み出すグルーヴに体を揺らして酔いしれるオーディエンス。今のシーンの中核を担うユナイトではあるが、このジャンルにおいてこの手のビート感を体現できるバンドは決して多くはない。決して型にはまらないユナイト独自の魅力がうかがい知れる。

MCでは結とアクメCHISAは新年会をするほど仲が良いとのエピソードが飛び出す。両者はかつてレーベルメイトであったにも関わらず、当時はさほど交流はなかったそうだ。アクメとして当時のその溝を埋めたいというメンバーの思いに応える形での出演となったユナイトだが、もうすでに着々と深い絆は生まれつつあるようだ。

そんな結も『色即是空-イロスナワチコレソラナリ- 』ではラジオボイスで客席をセクシーに煽動。クセのある音使いや激しいフレーズと、光るブレスレットでカラフルに彩られた客席との対比が、ユナイトならではの独特の雰囲気を生み出していく。
続く『PiNKY_she_SWeAR 』ではジャジーな音使いの中、客席はタオルを使った振付もカンペキ。ハク&莎奈のリズム隊のコンビネーションから生まれるうねりのあるビート感が実に心地良い。同様に「少しずつ自分たちの熱を上げていきましょう!」との掛け声からはじまった『ナユタの秘密 』では椎名未緒とLiNのカッティングが冴えわたり、彼らのキャラクター性の中にある高い音楽性がさらに浮き彫りになる。

二度目のMCでは、結いわく「ユナイトには『学艶天極』を極めているメンバーがいます!」とのフリから、LiNとオーディエンスによる本家『学園天国』の“へーイヘイヘイヘーイへイ”の掛け合いを繰り広げる一幕も。この肩の力の抜けたほっとする空気もユナイトの魅力だ。

クールなドラム回しから始まった『Cocky-discuS』では一心不乱にタオルを振り回すオーディエンス達に対し、「もっと一緒に遊びたい!!」と会場にさらなる笑顔を求める結。そして、「暴れる準備は出来てるかい!?」と畳みかけられた『ノゾキアナ?』からライヴはラストスパートへ。先程までのカラフルでハッピーな世界からは一転、ヘヴィでダークな一面もまたガッチリと板についていることも、昨年の秋を「黒ユナイト」として駆け抜けてきたことの賜物なのだろう。ラストは「とことん暴れて帰ろうと思う!!」との叫びからの『ice』。ユナイト随一のライヴ・キラーチューンだ。冒頭の「イタダキマス」というささやきも、今となってはシャウト交じりに吐き出されるハードなアプローチに変化を遂げていた。
歌と音楽の力で人の心に思いを届けることと奇天烈な世界観でオーディエンスをグチャグチャに引っ掻き回すこと。この二面性こそがユナイトのライヴの真骨頂だ。待ってましたとばかりにヘドバンの嵐を巻き起こす会場に対して、じっとファンを見つめながら満足そうにその光景を楽しむメンバー。そんな彼らの視線に応えるかのように、指でハートの形を作ってステージに向けるファンの姿も。

「全部受け取って帰るからね!」と徹底的にライヴを食らいつくしたメンバーは、結の不敵な「ゴチソウサマデシタ」と共に颯爽とステージを後にしていったのだった。

[セットリスト]
01.イオ
02.Bad Request
03.色即是空-イロスナワチコレソラナリ-
04.PiNKY_she_SWeAR
05.ナユタの秘密
06.Cocky-discuS
07.ノゾキアナ?
08.ice
アクメ
アクメ アクメ CHISA CHISA 将吾 将吾 HAL HAL
アクメ
お馴染みの学校のチャイムが鳴った後、パーティー感たっぷりのEDM調のSEが会場を一気にアッパーなショータイムに染めていく。いよいよ本日主催のアクメの登場だ。
学ランを改造したカラフルでワルさたっぷりの姿で登場から客席を煽りまくる彼らから溢れ出る、不良ならではの危険なカッコよさ。それに心を惹きつけられたからこそ多くのオーディエンスが彼らのこの「学園祭」に集結したのだ。

賛否両論を巻き起こした1stシングル『マグロ解体チェーンソー』からライヴはスタート。「和風×ラウド×アイドル」という斬新なミクスチャー感溢れるこの曲で、Vo.CHISAと共に扇子を振り乱し全力のモッシュを繰り広げるオーディエンス達。
アクメは昨年末よりBa.RIKITOが長期療養中のため、現在ベースレスでのライヴ活動を行っている。この日はサポートベースを入れることのない3ピース編成ではあったが、メンバー不在とは思えない勢いと音圧を繰り出してくる3人。極太のビートを叩き出すDr.HALを土台に、CHISAとGu.将吾の二人がシンメトリーにステージ前方に繰り出すフォーメーションもV系シーンにおいては新鮮な光景であり、彼らのジャンルを超えて通用するラウド・サウンドも相まって大きな高揚感を生み出していた。
続く『CryWolf』では、イントロのEDMサウンドに合わせてのコール&レスポンスで割れんばかりの声を上げるオーディエンス達。ラウドな空気の中、オリエンタルなトラップ・ミュージックのエッセンスが光る『MONSTER 』へ。CHISAの歌声も先程までの張りのある伸びやかなアプローチから一転、セクシーな息遣いで観客を魅了する。ダウナーでヘヴィなフレーズに全力のヘッドバンキングで応えるオーディエンス。カオティックですらあるブレイクダウンをはじめ、骨太かつクールな本格サウンドが際立つ一曲だ。

MCでは「春夏秋冬!みんなが一番好きなのはー!?HALー!!」と、お決まりの掛け合いを冒頭からぶちかまし、いつもと変わらない天然お兄さんっぷり全開のHAL。そのやり取りを笑顔で見つめるCHISAと将吾の表情も実にキュートで、先程までの鋭い眼光とのギャップに思わずキュンときてしまう。
「重大発表を先にしちゃう!」との宣言から、2ndシングル「ROTTON ORAGE」のリリースもサプライズで発表され、この何でもありな自由度の高さも、学園祭をテーマに置いた本公演だからこその醍醐味だ。

ここからライヴは中盤に突入。将吾のルーズなストロークが鳴り響いたかと思えば、それを裏切るヘヴィリフと共に『EDGY』でヘッドバンキングを繰り出すメンバーとフロア。奇麗に見せることこそが美学になりがちなこのシーンのプレイヤーたちとは一味も二味も違う、将吾とHALのラウド・ミュージシャンとしての全力のパフォーマンスには圧倒される。CHISAのボーカルもいよいよ粘りを増し、10代の少年少女の誰もが持つ行き場のない焦燥や衝動をエモーショナルに歌い上げるその姿を、食い入るように見つめるオーディエンスたち。
続けて届けられた、ラウド・シーンからやってきたHAL作詞がからこそ書ける「バンギャルちゃんへの愛」を歌った『激ヤミセレナーデ』は、ヘヴィ・ミュージックとジャジーなシャッフルビートを見事に融合させたアクメのライヴ定番曲。ドスの効いたCHISAの歌声で会場のボルテージはMAXに。

次のMCでは、「療養中のRIKITOを待ちながら3人でこの先も闘う」とファンとの約束を交わすCHISA。ここまでのライヴの内容で、今の彼らには何の心配もいらないばかりか、来るべきに日に4人に戻ったアクメがどんなモンスターバンドになるのか末恐ろしささえ感じさせると会場の誰もが思っただろう。『学艶天極』を共に作り上げたビバラッシュ、tha Raid.、ユナイトという、いわば「級友」への感謝を惜しみなく伝えた後に、このイベントを今後もシリーズ化したいという夢を語るCHISA。

そして、この日一番のミラクルは次の『MELODY』で起きた。エモーショナルなパワーバラードであるこの曲の序盤で、同期機材のトラブルが起こり、シンセサイザーとRIKITOのレコーディングしたベースの音がスピーカーから一切出なくなったまま演奏が続けられたのだ。CHISAのボーカル、将吾のギター、HALのドラムの3つの音のみが会場に鳴り響く。通常なら、演奏を止めたり、戸惑いを隠せないまま何とかやり過ごすバンドがほとんどだろう。しかし、アクメは違った。
これもライヴだと言わんばかりに、今日一番の笑顔でアイコンタクトを取った3人はむしろその状況を心から楽しみながらそれぞれのパートを歌い、演奏し続けたのだ。普段はゴージャスなオーケストラ・アレンジと共に届けられるシンガロング・パートも、完全にメンバーとオーディエンスの声のみ。全力でステージに声を届けるファンと、それを笑顔で受け止めるメンバーの姿は、巨大な野外フェスやスタンディングのアリーナに立つ彼らの未来をイメージさせるには十分すぎた。早速、約束通り彼らは3人で闘って勝ったのだ。

その後のスタッフによる復旧作業中に、「みんなの声がいつもより聞こえてむしろ嬉しかった!まるでド●カムのコンサートみたいだった!」と屈託のない笑顔で感謝を述べるHAL。バンドとファンが一つのライヴを通じて揺るがない絆を結ぶ瞬間がそこにはあった。その後、無事機材もリカバリーし、ラストナンバーの『SENKOU』では元通りの分厚いラウド・サウンドと共に「気持ちを届けてくれ!!」と腹の底から叫ぶCHISAと、全力の拳と声で応えるオーディエンス。最高にエモーショナルな空間の中、やり切った表情のメンバーはステージを後にしていった。

鳴りやまないアンコールの中、メンバーが再登場。将吾、HALにいたってはビール片手に「アンコール?アルコール?」とうそぶく姿はやはり不良のそれだ。本日の全出演バンドメンバーを呼び込み、さらには会場に遊びに来ていたex-DIV Ba.ちょびもステージに登場し、久々の再会を喜ぶメンバー。
そしてなんと「自分から弾きたい」と打診のあったというユナイトBa.ハクのサポートで『マグロ解体チェーンソー』を再度演奏。CHISA、結、るいまる、そしてthe Raid.一陽の腹違いの兄弟だというカズちゃんピンのボーカルの持ち回りで、会場はもはやカオス。完全に学園祭の打ち上げさながらの笑顔溢れる空間の中、アクメ初主催『学艶天極』は大団円となったのだった。

[セットリスト]
01.マグロ解体チェーンソー
02.CryWolf
03.MONSTER
04.EDGY
05.激ヤミセレナーデ
06.MELODY
07.SENKOU
encore
08.マグロ解体チェーンソー