COVER ARTIST / 摩天楼オペラ

ViSULOG 2019年2月号 COVER ARTIST / 摩天楼オペラ

INTERVIEW / 摩天楼オペラ

昨年5月にGu.JaY、今年の1月にDr.響を新メンバーに迎え新たなスタートを切った摩天楼オペラが2月27日(水)に待望の新体制初アルバム「Human Dignity」をリリースする。

苑、彩雨、燿がこれまで摩天楼オペラとして積み上げてきた重厚なメロディック・スピードメタルと、JaY、響という2人の若き天才の持つモダンなラウドのエッセンスが見事に融合した、まさしく「新たな摩天楼オペラ」の形がここにはある。

新たな物語の幕開けと呼ぶにふさわしい今の5人を捉えたインタビューをご覧頂こう。

取材・文:二階堂晃
『自分のバンドで大きな舞台に立てるのが一番』 ――まずは、Gu.JaYさん、Dr.響さん正式加入までの経緯を聞かせて下さい。 :JaYとは3年くらい前に出会って、まずはサポートとしてライヴに参加してもらうようになりました。その期間を経て、去年の5月に正式加入ということになって今に至ります。 ――サポートメンバーからの正式加入という流れは、双方にとって大きな決断だったのではないでしょうか? :ほぼ2年のすべてのライヴをJaYがサポートしてくれていたので、気持ちとしてはほとんどメンバーという感覚だったというか。「後は正式加入の時期をどうしよう?」といったくらいのことだったんです。そんな中、前任のドラムの悠の脱退のタイミングとちょうどぶつかってしまったんですが、そんな状況でもやりたいとJaYは言ってくれて。 JaY:今思えばあの頃は色んな思いがありましたけど、結果としてこうしてメンバーが5人になってアルバムが完成して良かったなと思っています。今が全てなんで。当時もその時の「今」のことしか考えていなかったですから。 ――まずJaYさんを迎えて4人の摩天楼オペラとして再スタートを切り、今年の1月1日に響さんの加入が発表されました。 :JaYの正式加入と同時に響のサポート参加がスタートした形となります。メンバー全員でドラマーを探していた中で、JaYの知り合いが紹介してくれたドラマーの1人が響だったんです。 ――響さんと言えばメタル、ラウドシーンにおいてその名を知らない者はいないと言っても過言ではない若き天才ドラマーという印象があります。そんな響さんがヴィジュアル系バンドでもある摩天楼オペラへの加入は、やはり大きな決断だったのではないでしょうか? :元々ラウド・シーンでバンドを2つやっていて、ヴィジュアル系のバンドのサポートでもいくつか叩いたりしていた中でのお誘いでした。ちょうど今の自分の人生の節目を考えた時に、「今後プロとしてやっていく」という部分にこだわりたいと考えていたタイミングだったこともあって、第一線で活躍してきた摩天楼オペラからの誘いというチャンスは絶対に掴み取りたいと思いました。 ――響さんは、これまで数多くのライヴの現場をサポートしてきたキャリアのドラマーですが、そこからひとつのバンドに加入するということも大きな転機だったのではと感じます。 :それはよく言われるんですけど、僕は決してサポートドラマーになりたいという訳ではなくて。そもそも僕は元来の目立ちたがりなので、自分のバンドで大きな舞台に立てるのが一番だとずっと思って活動してきたんです。 『僕は、摩天楼オペラなんで』 ――そんな流れで新体制摩天楼オペラとして5人が集結し、2月27日(水)に待望のNEWアルバム『Human Dignity』がリリースされます。こちらはどういったテーマやコンセプトを掲げて制作されたのでしょうか? :これまでの摩天楼オペラが積み上げてきたものと、新加入したJaYと響の色のふたつが融合する、新しい摩天楼オペラとしてのアルバムを作ろうと思いました。偶然にもJaYも響もラウド系の持ち味のある2人だったので、これまでの摩天楼オペラには無い色を付けてくれると思って、JaYの書いた曲に僕がメロディを付けて、メンバー全員で肉付けしていくことで最初にリード曲の「Human Dignity」を完成させました。それがバッチリ未来の見えるパワーがあるとメンバー全員が思えたので、「Human Dignity」を軸に曲を揃えていったのがこのアルバムという形です。 ――作曲のJaYさんとしては、どんな思いでこの曲を書かれたのでしょうか? JaY:アルバムの1曲目はSEだったりすることが多いですけど、イントロのギターリフが最初に耳に飛び込んでくることでそれを裏切りたいと思ったんです。最初から「これをアルバムの1曲目にしたい」という狙いで、メンバーに持っていきました。 ――「新しい摩天楼オペラの最初の1曲」という点においてはプレッシャーはありましたか? JaY:(しばらく考えた後)僕は、摩天楼オペラなんで。そういう意味ではプレッシャーは無くて、純粋に「新しいものを」という気持ちで作りました。 ――同時に「Human Dignity」の彩雨さんのキーボードと燿さんのベースは、共にシンプルで研ぎ澄まされた印象を受けました。 彩雨:「Human Dignity」だけじゃなくアルバム全体を通じてシンセの音数に関しては出来るだけ最小限にすることを心がけました。これまでの摩天楼オペラであれば大サビで壮大なストリングスが入ってきたりすると思うんですけど、今のバンドの流れや自分のモードとして、それとは逆の方向を意識していますね。 ――今の彩雨さんはどういったモードなのでしょうか? 彩雨:摩天楼オペラと言えば壮大なシンセを弾かなくてはならない、みたいな外側からのイメージから脱却したいと思っているんです。そういった要素に必ずしも頼らなくても摩天楼オペラらしさが出せるようになってきた、ということだと思っていて。 ――燿さんのベースプレイに関しても、あえてテクニカルなフレーズを前面に押し出すことなく曲の世界観に応じたプレイを随所で見せている印象です。 :シンプルでしたかね(笑)。ギターとドラムの絡みを聴かせることを重視してベースはアレンジしたというか。こういった曲調に16ビートの速いフレーズは必要ないと思ったし、曲に寄り添いつつサビではメロディを引き立たせるアレンジを意識しました。 ――「Human Dignity」の苑さんの歌詞は、力強くも前に進もうともがいている印象を受けました。 :まさしくその通りです。人間の内面にある強さと葛藤の両面を描いたものにしたいと思って。 ――それはやはり、これから摩天楼オペラが進む道を意識してのことなのでしょうか? :出来上がってみて、当然そこにも繋がるなと自分で再確認した形です。もがきながらも前に行かなきゃって気持ちは常に持っているので、それが自然と歌詞にも表れたのかなという。 ――JaYさんと苑さんのコンビによる楽曲であり、完全アコースティックナンバーでもある「見知らぬ背中」についても伺いたいです。 :JaYがアコギだけで持ってきた曲に僕がメロディを付けたいと思って、2人で完成させた曲ですね。 ――JaYさんはアコースティックギターもよく弾かれるのですか? JaY:いえ、ほとんど弾かないです。昔働いていたバーで弾いていたくらいですけど(笑)。 :(笑)。もちろんこの曲はツアーでも僕とJaY2人でのハイライトになると思うので、その部分も楽しみにしていて欲しいですね。 ――JaYさんが手がけた曲は「箱の底のMUSIC」もありますが、イントロのテクニカルなスラップ奏法もギタリストとしての引き出しにあったとは、驚きでした。 JaY:いや、それも全然元々引き出しにあったとかじゃないんですよ。スラップがあったらカッコいいだろうなと思って色んな動画を見ながら練習していたら多少できるようになったので、「これはいけそうだな」と思って曲にしました。 ――天才肌のJaYさんらしいエピソードですね。「箱の底のMUSIC」は楽曲がわずか1分強で終わることも「してやられた」と感じました。 JaY:最初はもっと長かったんですよ。後10秒くらい。 一同:(爆笑)。 JaY:だから1回のライヴでこの曲何回もやりたいんですよ。2回、3回、4、5、6回くらいは。途中からテンポも上げたりして。 ――文章では伝わりづらいかもしれませんが、JaYさんは本当に不思議で面白いキャラクターです。 JaY:いや、普段は普通ですよ俺。ただ、こういうインタビューだと簡潔にまとめようとして意味わかんなくなっちゃうんです。お酒でもあればいいんですけど……(笑)。 一同:(笑)。 『いつか、人間が世界の真理に辿り着いたらいいなって』 ――気を取り直して、彩雨さん作曲による「MONSTER」と「Sacrifice」はいずれもキーボーディストらしい華やかなナンバーに仕上がりましたね。 彩雨:「MONSTER」はJaYくんと響くんが入ったからこそこれまでやってこなかったような実験的な曲にしたいと思いました。四つ打ちでシンセメインでっていう曲は、今まであまり摩天楼オペラには無いタイプの曲だなと思って。「Sacrifice」は、元々自分が好きだったヴィジュアル系らしいメロディアスなナンバーを書きたくて。最近、意外にあまりこういうテイストの曲を書いてなかったことに気付いたんですよね。 ――「MONSTER」の歌詞は、“MONSTER=怪物”というモチーフをポジティブなものとして表現してるように感じました。 :ここでの「MONSTER」とは、“人間そのもの”という意味合いを込めています。「人類の歴史は闘いの歴史」なんて言われたりもしますけど、今日まで人間は生き続けているし、それぞれ短い人生の中で色々なことを思い、経験しながら生きている。そういう人間の姿を切り取れたらなと思って。 ――人間にはどうあって欲しい、というようなことを歌詞を書きながら考えたりもしましたか? :どうして人は生まれて来るのかとか、何故人は生きるのかと言ったような、僕らがまだ知ることのできない謎を将来の子供たちが知れるようになっていたらいいなと、歌詞を書きながら思いましたね。“知識の壁を いつの日にか壊してくれMONSTER”というフレーズは、まさしくそういうことです。いつか、人間が世界の真理に辿り着いたらいいなって。 彩雨:それは僕も思いますね。「人間はどこから来たのか」とか「ダーウィンの進化論は本当に正しいのか」みたいなことは毎日考えてます(笑)。 JaY:2019年、もうパンドラの箱は開かれてるからね。多分苑さんの言ってることは、僕らが生きてる間には実現しちゃうと思うんですよ。何故なら、2045年には人類の頭脳とAIの知能が完全に逆転するって言われてて……(熱く語り始める)。 彩雨:JaYくんは完全に僕側の人間なんですよ(笑)。 『歌う側も、演奏する側も、聴く側も、すべての人を幸せにする力』 ――苑さんの手による「Dead by Daybreak」「Invisible Chaos(シングル)」「actor」「SNOW」「The WORLD」、苑さん燿さんコンビによる「RAINBOW」も、それぞれの個性が確立された多彩な仕上がりとなっています。 :僕の曲に関しては、スタジオでメンバー全員で意見を出し合いながらアレンジを固めていったことでどれも面白い仕上がりになったと思いますね。「Dead by Daybreak」なんかは、スタンダードな構成に整えていく作業をしたくなくて、JaYがアウトロのギターを弾き始めたのにピンと来て「いいじゃん、このまま終わっちゃおうぜ」ってことでこの潔いアレンジになったのがとても印象に残っています。 ――「SNOW」での“和風”を感じるメロディラインがとても意外でありつつ、素晴らしく惹き込まれました。 :和風であることは特に意識しませんでしたけど、僕は昔からこういうテイストのメロディが大好きなんです。 JaY:この曲、僕の中でベスト・オブ・摩天楼オペラですね! 苑さんのメロディセンスによるものが一番大きいと思うんですけど。 ――となると、同じく新加入の響さんの「ベスト・オブ・摩天楼オペラ」も気になるところです。 :ドラムを叩くのと聴くのとで違ってくるんですけど、叩くなら「喝采と激情のグロリア」とか「PHOENIX」といったメロスピ系が好きで、聴くなら「もう一人の花嫁」とか今回の「SNOW」とかすごく好きですし、「RAINBOW」の明るいメロディもとても良いなと思いますね。 JaY:ちなみに、一番は「21mg」やろ? :はい、「21mg」です(笑)。 ――JaYさん作曲による重厚なインストナンバー「Cee」も織り交ぜながら、アルバムは「これぞ摩天楼オペラ!」と呼ぶべき壮大なメロスピ・ナンバーである「The WORLD」で締めくくられます。 :メロディ自体は何年も前から温めていて、いつか形にしたいとずっと思っていた曲だったんです。摩天楼オペラがずっと持ち味にしてきた壮大な曲もこのアルバムには絶対に必要だろうということも思ったし、曲そのものの壮大なパワーが凄い曲だったので、これはきっと最後の曲になるだろうなとは思っていましたね。 ――「The WORLD」とここまで展開してきた曲たちとの決定的な違いは、歌詞のポジティブなメッセ―ジ性にあると感じました。 :曲そのものに前へ進もうとするパワーがあったので、歌詞も自然と明るく前向きなものになりました。今の摩天楼オペラだからこそ、こういうものを自分で歌いたいという思いがあったんです。こういう明るい曲には、歌う側も、演奏する側も、聴く側も、すべての人を幸せにする力があるじゃないですか。その気持ちを、みんなで共有したいと思ったんです。 ――その思いは、やはりこの先に控えたツアーへと繋がっていきますか? :そうですね。「ガーッ」っと激しさを出せるのももちろんライヴならではですけど、やはり最後には笑顔になって欲しいので。「The WORLD」があることで、ツアーに来てくれるみんなとの絆をより深いものにしていけるんじゃないかな。 ――最後にこの5人での初ツアーと、この先の摩天楼オペラへの思いを聞かせて下さい。 :僕自身はロングツアーもメジャーデビューも人生で初のことなので決して余裕がある訳じゃないですけど、今の摩天楼オペラは5人が揃っての再メジャーデビューということで、この上なく良い状態にあると思うんです。このツアーの先にさらに大きなステージに立てるように、しっかりとこの先の勢いをつけられるツアーにしたいと思っています。 :サポート期間も含めるとJaYくんが3年、響くんが1年という中で、今の摩天楼オペラというものをしっかり見せていけるツアーにしたいですね。 彩雨:今回のツアーは初めて足を運ぶ地方も多いですし、5人になったことで区切りのいいツアーだと思うんですね。久々に5人になったということで、昔僕たちを見ていてくれたお客さんにももう一度見てもらうのにもいい機会だと思うので、今の5人の摩天楼オペラを安心して見てもらえる内容になると思います。 JaY:初めての土地で初めて摩天楼オペラを見るお客さんを「JaYギャ」にしたいっす。アルバムは完成しましたけどツアーに出ることでまた変わっていくと思うし、今からそれが楽しみですね。 :この5人になって、「何かが起こるんじゃないか」っていくドキドキ感がすごいんです。その第一歩となるこのツアーから、オペラ―(=摩天楼オペラファン)のみんなと一緒に、新たな奇跡を起こしていきたいと思います。

RELEASE

2019年02月27日(水) RELEASE!!
NEW ALBUM「Human Dignity」


【初回限定プレス盤】
KICS-93780(CD+DVD) / ¥3,800(+Tax)
POSコード:4988 003 54090 6
アウターケース仕様
12P別冊フォトブック封入
[CD]
01. Human Dignity
02. Dead by Daybreak
03. Invisible Chaos
04. MONSTER
05. RAINBOW
06. Sacrifice
07. 箱の底のMUSIC
08. actor
09. Cee
10. 見知らぬ背中
11. SNOW
12. The WORLD
[DVD]
01. Human Dignity [Music Video]
02. Invisible Chaos [Music Video]

【通常盤】
KICS-3780(CD)/ ¥3,000(+Tax)
CD / 通常CDケース
POSコード:4988 003 54089 0
[CD]
01. Human Dignity
02. Dead by Daybreak
03. Invisible Chaos
04. MONSTER
05. RAINBOW
06. Sacrifice
07. 箱の底のMUSIC
08. actor
09. Cee
10. 見知らぬ背中
11. SNOW
12. The WORLD

LIVE SCHEDULE

[男性限定ライブ] MATENROU OPERA BOYS ONLY GIG -LIVE摩天狼2019-

2019年02月14日(木) 高田馬場PHASE
OPEN 19:00 / START 19:30

[女性限定ライブ] MATENROU OPERA GIRLS ONLY GIG -LIVE魔天女2019-

2019年02月15日(金) 高田馬場PHASE
OPEN 18:30 / START 19:00

Human Dignity TOUR

03/02(土) 松山 サロンキティ
03/03(日) 高知 X-pt.
03/05(火) 佐賀 LIVEHOUSE GEILS- SPIRITS
03/07(木) 熊本 B.9 V2
03/09(土) 宮崎 SR BOX
03/10(日) 鹿児島 SR Hall
03/12(火) 山口 rise SHUNAN
03/14(木) 岡山 LIVEHOUSE IMAGE
03/16(土) 奈良 NEVER LAND
03/17(日) 和歌山 GATE
03/23(土) 長野 CLUB JUNK BOX
03/24(日) 富山 SOUL POWER
04/06(土) 静岡 Sunash
04/07(日) 岐阜 yanagase ants
04/12(金) 水戸 ライトハウス
04/14(日) 高崎 clubFLEEZ
04/20(土) 小樽 GOLDSTONE
04/21(日) 旭川 CASINO DRIVE
04/23(火) 函館 CLUB Cocoa
04/26(金) 青森 Quarter
04/27(土) 秋田 club SWINDLE
04/29(月) HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
05/06(月) 恵比寿 LIQUID ROOM

摩天楼オペラ presents 12th ANNIVERSARY LIVE

05/05(日) 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 16:45 / START 17:30

PROFILE

Vo.苑 | 摩天楼オペラ
Gu.JaY 々 | 摩天楼オペラ
Key.彩雨 | 摩天楼オペラ
Ba.燿 | 摩天楼オペラ
Ba.響 | 摩天楼オペラ
Vo. 苑
Birth:12.18
Gu. JaY
Birth:12.06
Key. 彩雨
Birth:08.28
Ba. 燿
Birth:10.30
Dr. 響
Birth:07.13