COVER ARTIST / キズ

ViSULOG 2018年6月号 COVER ARTIST / キズ

3rdONEMAN「怨ミ晴ラサズオクベキカ」AFTER PERSONAL INTERVIEW

来夢
キズのパーソナルインタビューの最後を飾るのは来夢。

来夢の言葉は一部だけを切り取れば時に誤解を、時に敵を増やし、ファンすらも傷つけるであろう。
しかし、その言葉の真意が顔を覗かせた時、来夢の言葉はバンドやライヴ、さらにはファンとの関係や音楽の定義すらも変えていく。
そんなインタビューの始めには「危機感」が漂っていた。

取材・文:神谷敦彦 (「ヴィジュアル系の深読み話」編集長

『みんなも危機感60%、40%楽しむっていう俺と同じ割合でいてくれ』 来夢:3人のインタビューはどうでした? ――おもしろかったというと変ですけど、reikiさんが来夢さんの考え方に近しいのかなという印象を受けました。 来夢:あーなるほど。 ――LIQUIDが終わったその場でもうZeppの話をしていたと仰っていました。 来夢:そうですね。でも今はZeppのこと考えてないですけどね。 ――作品作りですか? 来夢:いや、来年何してるんだろうなって思って。どう考えても今のままだと1年後にステージに立っている将来が見えないです。今がんばらないと来年いないって思って、最近は危機感が強いです。辞めたいとかそういうわけじゃないんですけど、惨めな未来は見たくないですから。引き際が大切だなと。活動をしていて、動員とか数字的な意味で下がっているわけでもないしむしろ伸びているんですけど。 ――全く楽観しないですね。 来夢:一瞬はするんですけどね。これ、インタビュー始まってます? ――あ、始まってます。 来夢:始まってるんですね! 原動力の60%は危機感かなと思っています。40%は何か分らないですけどね。自分なりの意思だったり、音楽をやりたいという単純な気持ちだったりすると思います。使い古された言葉ですけど、俺たちだけががんばっても意味ないじゃないですか。会場の空気を作るのは客であるし、俺たちは誘導するだけです。そこで揉め事があって楽しく過ごせなかったりするのも客次第だし。最近のバンドってすぐマナーだったりとかに首突っ込むじゃないですか。俺は知らねーよって思ってるんですけど。俺の耳に入ってきたらどっちも出禁にしますね。共通点は「キズが好き」という気持ちだから分かり合える点はあると思うんですけどね。 ――アーティスト像がカジュアルになってますね。友達というか。 来夢:あーそうですね! それが気になりますね。「その場でお前が注意してあげたら?」って思います。その点はキズのファンは強気でいてほしいですね。 ――そんな声がステージ上の人に届くのも何だかなって思いますね。 来夢:微妙ですよね。何とかしてやりたいという気持ちはありますけどね。そういうところも含めてバンドって、ファンと俺たちが作り上げるものだなって思います。ありふれた言葉ですけど。みんなも危機感60%、40%楽しむっていう俺と同じ割合でいてくれないとこのバンドに先はないですね。そもそもずれているじゃないですか。俺は命をかけて伝えようと思って、救おうと思って歌っていますけど、向こうは娯楽で来ているじゃないですか。救われたいと思って来ている人もいますけど、一言で言えば娯楽じゃないですか。俺が言っていることって本当に届いているのか、不安になることってありますよね。 『あの場にいた人間の人生観が見たかっただけ』 来夢:今日メインのことって何を話すんでしたっけ? ――メインは3rdワンマンのアフターインタビューをしてから、今回のライヴタイトルにも関連が強い「怨ミ節」について自由に広げていこうと思っています。ただあまり覚えてないと仰ると思うので。 来夢:はははは(笑)。ちょっと思い出します。んーーそうですねー。人がいっぱいいましたね。男が多かったし、楽しかったなってそれくらいですね。でも、キズのライヴだなって感じがしましたね。 ――本編が終わった後に1分くらいでしたでしょうか。長い沈黙がありましたね。 来夢:あの妙な空気感ですね。俺思うんですけど、何も提示されていないああいうビーンって音が伸びている状態で自分が何を思っているか、何をしようと思っているかが、その人の人生観なんです。そこで何も感じなかった人間は、何も感じずに死ぬんだろうなと思うし。そこで何かを感じたり行動に移そうと思った人間は、積極的に生きられるんだろうと思います。これはどこにも言っていないので、これを聴いた人は「え、そういうことだったの?」ってなると思うんですけど。俺はあの場にいた人間の人生観が見たかっただけです。だから不親切に帰っていったんです。 ――何も言わなかったですよね。問われているというか、見られている空気がありましたね。 来夢:あの数分が「あなたの人生」だと思います。その時に、例えば否定をすることしかできなかった人間は否定することしかできない人間だろうし。これは精神論というか、メンタリスト的なものの実験でも行われているんですけど、そういった時間がほしかったんです。 ――アンコールの声を一番最初に挙げた人もいたり、ばらばらの声を揃えた人もいましたね。 来夢:そういう人間はどこでも生きていけるだろうなって思いますね。むしろ何もしなかった人間は、ライヴをがんばるんじゃなくて生き方をがんばった方がいい。完全にあれは人生の縮図でしたね。メンバーもこのことを知らないです。よく思うんですけど、MC考えるより歌詞追加して歌った方が、バンドマンのやるべきことだと思うんですよ。俺、「怨ミ節」の最後の3番はMCだと思ってるんですよ。だからMCしなかったんです。気合いれるとこ間違っているバンドマンが多いと思いますね。MCにするにしても大喜利大会で笑いを取ってなんぼみたいとか。そういうのってバンドマンがやるべきことじゃないと。何度も言いますけど、バンドが与えるのは感動だと思っています。MCで良いこと言おうとかするなら詩人にでもなれと思いますね。それができないから、不器用だからちゃんと曲に言葉を載せて伝えるのがバンドのやり方で、それを受信するのがファンのあるべき姿だと思っているので、「MCなくて残念」って思っているだけの人間は「お前は本当の意味で音楽を楽しめてないよ」って思いますね。 『愛情は上書きされる。怨みは原動力として残り続ける。だから怨み続ければいい』 ――「怨ミ節」には3番の歌詞が追加されるということでした。私は「「怨ミ節」の3番のところがどういう背景で出てきたのかなって気になっています。 来夢:言いたかったことは愛と怨みは紙一重ということですよね。愛がないと憎めないというか、怨めないというか。怨みがないと愛せないというか。俺はそう思いますね。好きの反対は嫌いではなくて、無関心だと思うんで。嫌いの反対も無関心なのかなと思うし。怨めるくらいの愛情がないと愛せないということですよね。なので、どうでもいいと思ってしまったら憎むこともないし、ということを伝えたかったのかなと今思いました。みんなが持っている怨みはそれは愛情なんだということを伝えたかったですね。だから気が済むまで怨み続けたらいいと思います。 ――怨む心は愛だから否定する必要はなく、むしろ怨み続けたらいいんですね。でも、愛と憎しみは古今東西いろいろなところで歌われてきたテーマで、かつ来夢さんという過去をあまり振り返らない人が、このタイミングで曲にしたというのが私には意外だったんです。 来夢:あーーー。でもあれ、過去の話じゃないですからね。現在進行系ですよ。怨み続けてますからね。 ――そこ、解釈を間違えていました。 来夢:俺、怨み続けてますからね。俺は人を見返すのが好きなんですよ。正確には見返すための努力が好きなんです。それも伝えたかったんですけど、あんまり歌詞にはまらなくて除外したんですけど。怨みというものって原動力になるんですよ。例えば俺は九州から上京する時に「お前は絶対に成功しない」だの何だの言われましたけど、なんだかんだ言いながら今も生き残っていますし。バンド関係ではないですけど怨み続けているものはあります。でも怨み続けることによって原動力になるので、怨んだらいいんですよ。愛故に。だから「怨ミ節」は過去の話じゃないんです。 ――怨みは終わってないんですね。 来夢:俺は怨み続けてますよ。俺に怨みを持っている人は怨み続けてほしいですし。それは愛がないとできないことですから、逆に俺はうれしいです。刺すのは勘弁してほしいですけど(笑)。 ――生きていてほしいです(笑)。怨んでいた時の記憶って、残るんですよね。 来夢:そうなんです! むかついた奴ってけっこう覚えていますけど、好きな奴ってあんまり覚えてないですよね。好きって上書きされるんですよ。あの時好きだったけど、今の人の方が好きだなとか上書きされるんです。 ――怨みは名前を付けて保存ですね! 来夢:そうなんですよ。あの時もむかついた、この時もむかついたわー! ってなるんですよ。好きだった奴は「何か好きだったな」くらいになるんです。だから持てるものって少ないと思うんですよ。好きは一つしか持てないんです。まぁー時々、不倫とかで二つ、三つ持つ人もいると思うんですけど。でも怨みというのは無限大に持てると思うんですよ。 ――怨みと愛情には、そこの違いもありますね。 来夢:あー今言ったことは歌詞に載せておけば良かったなぁ。今すごく後悔しています。 ――新しい発見ですよね。 来夢:こういうこと結構あるんですよね。そういうことがあると、1ヶ月前の自分がものすごく情けなくなるんです。「もっと考えていたら、もっと違うゴールにたどり着けるだろ」って思います。 『「プロ意識」を捨てることがファンの願いでもある』 ――愛と怨みの違いの話なんて、本になりそうなテーマですよ。 来夢:そうですね。これは自分で言ってハッて思いました。 ――怨みは原動力になるのでたくさん持っていたら良いですからね。「好きを仕事にするか」という問題が私のインタビュー以外の仕事でよく話題になるんですけど、私はあまり肯定派ではなくて。 来夢:あーー俺もそうですね。好きを仕事だとは思ってないですね。仕事として考えていたらお金を集めるためにビジネス的なことやってますよ。お金は活動資金が出せてライヴができれば良いんですよ。その反面デメリットもたくさんありますよ。だから「今歌いたくねー」と思ったら帰りますし。俺はプロ精神は持ってないですね。「こっちは金払ってるんだぞ」と言われても「いや、俺は知らん。勝手に来たんだろ」って普通に言いますし。そこが今の大半のバンドと違うところじゃないですか。俺はビジネスとしては思ってないです。来てくれなんか一言も言ってないし。 ――確かにプロ意識の一つの基準として、「お金が払われたら」というのがありますね。 来夢:しょうもない考えですよね。かといっても、感謝の気持ちがないわけではないですけど。そこは難しい割合です。そこは空気読んでくれって思います(笑)。俺にプロ意識が足りないとか言う奴は、まずキズには合ってないですね。バンドマンの方が偉いとか、そういうのは嫌なんですよ。どっちも偉くないし。どっちも同等だけど、どっちも勘違いしたらいけないなと思います。「金払ってるんだからお客様は神様だ」とか言う奴には払い戻してやります。歌う気分じゃなかったら自信満々で楽屋に帰る自信がありますね。歌うことが当たり前じゃない。俺だけが必死に歌っても楽しくないし。 ――今みたいな発言って、ミュージシャン側からしたら言いづらいタブーだと思うんですよ。 来夢:タブーですよね! でも、それ言わないと始まらないですよね。何をびびってるんだろうって思います。でも、昔の自分だったら言えないと思います。すべてを捨てた俺だから、今だから言えることです。正解はないですからね。でもこれが正解だと思って俺はやってるので。これ言ったら簡単なんですけど、「売れたいために書いた曲と、伝えたいために書いた曲のどっちが聴きたい?」ってファンに聴いたら「伝えたいための曲が聴きたい」って絶対言うんですよ。でも、ビジネス的なことを考えて、プロ意識を重視しろって言うのなら「売れたいために書いた曲を聴きたい」と言わないとおかしいんですよ。 ――お客さんのためにやっていないことが、最終的にはお客さんのためになるという。一周回ってきましたね。この反転がおもしろいですね! 来夢:そうですね。いつ反転するんだろうって思いますけど(笑)。でもそこら辺はみんな分かってくれていると思います。王様みたいな気分でのびのびとやらせてもらっていますよ。 『ファンの声も聴かない、ファンレターも読まない理由が「ファンのため」になる』 来夢:でも俺は客の声は聴かないので伝わっているかどうか分からないです。表情で読み取るくらいですね。手紙もさらっとしか読まないんですよ。これは書いておいてほしいんですけど。ファンレターってちゃんと読めよって思うじゃないですか。例えば俺は今は金髪にしていますけど、「黒髪の来夢くんが好きでした」って言われると「黒髪の来夢くん」になりたくなるんですよ。でもそれって流された俺がいるだけで、本当の俺じゃないですよね。心理的には流された自分も含めて自分という気持ちもあるんですけど、みんなに作られた自分になるのがものすごく嫌なんです。だからファンレターというものは、さらっとしか読まないんです。みんなも作られた俺なんか見たくないはずですよね。申し訳ないですけどね。むしろ読みたくないんです。これも矛盾してるんですけどね。もらうことはものすごく嬉しいんです。 ――人の好きっていう感情に対して、ノーは簡単には言えないですよね。 来夢:そうは思いますね。だからどんなブスから好きって言われても嫌な気持ちはしないですよね。言い方は悪いですけど(笑)。 ――書き方が難しいですね……。 来夢:そのまま書いていいですよ(笑)。ブスであろうとババアであろうとデブであろうとうれしいですね。これでプラスマイナスゼロの印象になったかな(笑)。でもファンレターってみんなどうしてるだろう。取って置いてるんですけど、このままだと家を借りなくちゃいけなくなる(笑)。お祓いでもするかな。 ――祓ってはいけません(笑)。作られた自分にならないようにするために、ファンレターはさらっとしか読まないってことですからね。一般社会からはみ出るくらいがちょうどいいんじゃないですかね。 来夢:むしろ、はみ出た人間だからこそ、社会に馴染めなかった人間だからこそ、ロックやってるんだよって思います。それを分かってくれてないですよね。礼儀正しくないだの、無愛想だの。それができてたら俺はサラリーマンやってるって(笑)。社会に馴染んでばりばり仕事してるよって(笑)。 ――大手企業の部長くらいになっているかもしれません(笑)。 来夢:そんな人間だったらバンドなんてしてないって。だから夢見ないでくれって思います。本当に、何を夢見てるんだろう。バンドは、ライヴはクズな人間しか輝けない場所なんだよって思いますけどね。 ――普通の一般社会とはルールが違う場ですよね。 来夢:法律に触れない限り何も言わないでくれって。触れたとしても触れた俺ごと愛してくれという伏線を張っておきたいですね(笑)。あと何でしたっけ。けっこう言ったと思います。でも3rdワンマンが終わって思いついたことがたくさんありすぎて後悔してますね。「怨ミ節2」出したいですね。しつこいか(笑)。歌詞書き換えればいいか。 ――「怨ミ節」だけでアルバムにするのはどうでしょう? 来夢:そんなに推します(笑)!? どんだけ怨むんだって思いますよ! しかもさらっと「アルバム」という危険なワードを言いましたね(笑)。アルバムは嫌だなー。 ――しまった、期待をかけるとリリースしたくなくなりますよね。流された自分になってしまうので。 来夢:そうなんです。ってなってくると俺にかける言葉がどんどんなくなってくるんですよ! 話にならなくなってくるんですよ。普通のインタビューと思って来るインタビュアーさんはやられて帰っていくんですよ。 ――来夢さんの時は「聴こう」って思わないです。ぶつけてみてどうかなって思っています。 来夢:あーそれが一番うれしいです! 俺、疑問に思ってくれたことに対して答えるのが好きなんですよ。「どうでしたか?」って聴かれると「どうだったかなー」って思ってしまって。「独特な終わり方でしたね」とか言われても、「あーはいー」ってなります(笑)。「あそこは来夢さんらしくなかったんですけど、どうしてですか?」って聴かれた方が、「そんな風に思うんだ!」って話したくなりますね。あのワンマンだって疑問に思ったことがあると思うんですよ。あの沈黙は何だったんだろうとか。疑問をぶつけてくれた方が次の歌詞に繋がるし。自分発信で作れるのは歌詞とか曲くらいなんですよね。曲なら「愛してる」も言えるけど、口で言うとなると何も言えなくなるんですよね。だからファンからもぶつけてほしいです。 来夢's interview fin.



reiki
「びっくり箱みたいな人間になろうと思って」と話すキズのギタリストreiki。

話せば話すほど音楽ルーツが出てくる。
V系やメタルという脈々と受け継がれる伝統を重んじるタイプなのだろう。
と思っていたら最後に『ステージは水槽』と突然言い出した。びっくり箱の中身はまだまだ全貌を明かしていない。

取材・文:神谷敦彦 (「ヴィジュアル系の深読み話」編集長

『この先のアーティスト図が見えました』 ――こういうインタビューはお好きですか? reiki:んーまぁ、話していて自分が話すと自分に返ってくるものもあるじゃないですか。改めて意識していたことが分かるとかは好きだけど、いろいろ聞かれるのは好きじゃないですかね。 ――ミュージシャンの方は喋ることが仕事でもないですしね。 reiki:そんなに常に内側のことを考えてないし、聴かれた時に考えて「自分はこうかもね」って思うことはあるけど。だから苦手といえば苦手。 ――もう3rdワンマンも1ヶ月が経ちましたけど、覚えているものですか? reiki:んーワンフレーム、ワンフレームですかね。キズでというよりも自分としては、この先のアーティスト図みたいなものが見えたかなって感じ。今までは憧れていたキッズだったんです。憧れの目で見てきたものを自分に取り込んでキズにしていたんだけど、ちょっとは憧れられる存在にステップアップしたのかな。前回のワンマンがWESTであったんだけど、僕はすごく悲しいというか寂しいというか、虚しい気持ちになって。ジャンルによってすごいものってあるじゃないですか。メタルだったら圧倒的な演奏力とか。僕が今まで音楽をしていて楽しいと思ったのって、人間味が出た時なんです。僕はギターなので喋れない。なので、喋ってもないのに通じ合えたとか、本当の自分を出せたら楽しいって思ってた。けど、WESTでは映像を使ってショーのようなライヴで、決めごとが多かったりしたんだよね。人数とか箱のキャパシティ的にはいつもと変わらないのに、プロっぽい意識があるのが邪魔だった。LIQUIDROOMでは、前よりかは楽しめたかな。だから、今後のアーティスト図が見えたということ。うん、んー。分かります? 意味。 ――ショーの色が強かった2ndワンマンから、ライヴの色が強くなった3rdワンマンになって、ステージに立つ意識が変わったということでしょうか? reiki:ステージに立つ側の意識として、僕はこれから憧れられる立場になっていくんだろうなと思って演奏しました。 ――そこは大きな違いですよね。 reiki:あー、どこでそれを感じたかということですよね。やっぱり、今までバンドをやっていて、ファンの方に言われることっていうのが、くだらないことだったんですよね。「見た目がカッコいい」とか「弾き方がカッコいい」とか。キズになってから深読みされるようになったというか。「大丈夫でしたか?」とか心配されたり「今日は苦しそうだった」とかそういうことを言われるようになって、そういうことを言われるためにバンドをやっているんじゃない、と。とにかく、2ndワンマンが嫌だった。だから自分としても楽しみ方とか意識を変えようと思ってできたのが3rdワンマンだったかな。 『小学生でV系、ライヴハウスデビューの光と影』 ――reikiさんは音楽を始めた頃からずっとギターだったんでしょうか? reiki:そうですね。初めて聴いた音楽がX。「爆発寸前GIG」という渋谷公会堂でやっていたライヴのビデオを見て、衝撃受けて。僕はそれがV系って分かんなくて、激しい音楽が好きなのかなと思ったから、その次にメタルを聴いたんだよね。アマゾンでいろいろ買って。ギターは、hideさんがルーツかな。 ――今の髪のピンク色も、もしかして。 reiki:あ、今回はまじでhideさん! びっくり箱みたいな人間になろうと思って蛍光のピンクにしました。 ――hideさんはよく「おもちゃ箱をひっくり返したような音楽」と言われていましたね。 reiki:ですね。ギターヒーローですよね、やっぱり。それに憧れて、そこからメタルを聴き始めて。Judas Pries(ジューダス・プリースト)っていうバンド知ってます? ――あー、はい! reiki:Judas Priestがスラッシュメタルなのかな。Xを感じて聴いていて。その次はシャウトというものを覚えて。歌ではなくて、ギャーギャー言うのを覚えて。それも意味とかじゃなくて、奇抜だからカッコいいと思って聴いてた。そこからがっつりメタルでしたね。それで、ライヴハウスに遊びに行った。 ――え、早いですよね? reiki:僕は小学校の終わりぐらいにXの「爆発寸前GIG」を見てから、とにかく音楽を聴いてます。ライヴハウスにはおばあちゃんと一緒に行ったんだけど、入り方が分からないからいきなり事務所を訪ねて。そしたらそのライヴハウスの店長が「こんな奴(いきなり事務所におばあちゃんと一緒に来た奴)は初めて。おもしろい」「何が好きなの?」って僕に興味を持ってくれて。僕はデスコアっていうジャンルも好きだったんだけど、店長がダンボールにいろいろなバンドの音源を詰めて渡してくれて。同時にずっとXを聴いていて、V系雑誌を読んで奇抜なバンドを見てました。V系で好きなのはDIR EN GREYとかMUCC、the GazettE。蜉蝣とかMERRY。 ――音楽の中に自分を浸していたんですね。 reiki:ですね。僕、自分に自信がなくて髪を長くしてずっと前髪で顔を隠してたんだけど。でもメタルって音が強いじゃないですか。それが当時の唯一の救いというか、楽しかった。 ――メタルを聴いていると武器を持っている感じになれますよね。 reiki:そう!リリックも力強いし。 ――3rdワンマンではメタルが根付いている北欧系のお客さんもいらっしゃいましたね。 reiki:そうなんですか! 女性で? ――女性の方でしたね。 reiki:そんなにメタルの色はキズでは出していないんだけど、若干は出てるって言われますね。にじみ出ちゃうのかな。で、hideさんに憧れて同じギターを買ったんです。同じ形のモッキンバードを。それで嬉しくなっちゃって、練習しなかった。聴いていた音楽もXとかメタルなので早くて弾けなくて。なので廊下に飾って、拭いて、の繰り返し(笑)。で、ライヴハウスに通っていたら「ライヴしよう」って言われて、ライヴが決まっちゃったので練習しようってなって、周りのメンバーはおっさんとかだったから、教えてもらいながら練習して自然と弾けるようになっていったかな。その後に、僕は髪が長くて女みたいだったこともあって「V系やれや」って言われて、V系バンドはじめて、上京しました。 『キズは「汚したかった」』 reiki:キズの最初に考えていたのは「汚したいバンド」でした。 ――「汚したい」ですか? reiki:今のV系ってきれいじゃないですか。そうじゃなくて、人間の汚い部分とかリアルな部分を出したかった。僕は、携帯の待受けがLimp Bizkit(リンプ・ビズキット)のWes Borland(ウェス・ボーランド)っていうギタリストなんだけど、すごいメイクをしてるんですよ。hideさんは音楽の始まりの人で、Wesはライヴパフォーマンスとかかなりリスペクトしてる。この人。(携帯の待受けを見せながら) ――おぉ! すごいですね。 reiki:こういう離れた存在というか、人間離れしたいと思って、キズの最初は白塗りにしたんです。キズは最初からいろいろ作り上げていたバンドじゃなくて、やりたいことから膨らませていきました。何年先も偉大なバンドって、声一発で誰か分かるボーカルだと思って。HYDEさんもそうですし、GACKTさんも。京さんもそう。その点から見てもそうだし、僕は来夢の全部が好きなんですよ。正直、来夢のバックバンドでも良いと思う。ギターヒーローになりたいという思いはあるけど、自分が前に出るよりかは来夢の背中で弾きたいかな。 ――「来夢のバックバンドでも良い」という話がありましたけど、曲作りはどんな意識が強いのでしょうか? reiki:僕は、歌ですね。歌と楽器の部分で言ったら、ブレイクとか。音が止まることによって、その次のサビの頭が大きく聞こえるから。聴いていて鳥肌が立つことを意識してる。 ――それこそ「傷痕」とか鳥肌立ちますね。 reiki:はいはいはい! そう、全曲そこは意識してますね。後はAメロ、Bメロ、サビの区切りをはっきりさせる。しれっと流れてしまわないように。難しいことはそんなにしないです。僕、音楽を聴いていると声が出ちゃうんですよ。 ――声が出ちゃう? reiki:曲がカッコいいと「わあぁー」みたいな。それは自分たちの曲でもそうしたいですね。僕みたいな人がいたらだけど(笑)。 ――V系はお好きですけど、メタルもルーツにあって、メタルに振り切ることはされなかったですね。 reiki:あー僕は最初はメタルにいきがちでしたよ。「自分だけでバンドやってるわけじゃないし」と最初の気持ちは妥協だったんだけど、キズからは妥協ではなくなったかな。もし来夢がメタルボーカルというか、声質とかシャウトとかする人間だったら、好き放題やっていたと思うけど。でもやっぱり何年経っても愛される作品とか、コンビニの有線とかで流れて「カッコいい。これV系なんだ」ってなったら良いなって。 ――メジャー感ではないですけど、分かる奴に分かれば良いっていう考えではないんですね。 reiki:僕はそうですね。 ――昔とかって、全世代が知っている曲がありました。今はそのジャンルの人しか知らないとなる傾向にありますよね。 reiki:そうですね。でも世間的な見え方を一番に置いているわけじゃなくて、キズっぽいというかキズの雰囲気を絶対に壊したくなくて。その中でのキャッチーさですね。さっきのメジャー感じゃないけど、人には合わせたくない。気持ち悪い曲だけど歌われるというか、キャッチーさは大事かなって。 ――聴きやすいものって、そのまま聞き流されてしまうこともありますね。 reiki:うん、そうそうそう。今はキズは何年経っても愛されるバンドだと思いますね。後は歌詞。歌詞は一番大事。 ――歌詞が一番その音楽を説明していますし。 reiki:うんうんうん、ですよね。 ――歌詞を自分で書きたいと思いますか? reiki:書けないんですよねー! 理解できない。歌ってみないと分からないのかな。僕が書くと馬鹿正直になって、文章って感じになっちゃう。僕の好きな歌詞は、考えさせられるというか、ちょっとひねりがあるやつなんで。あと僕は、韻を踏みたがる。ラップとかラップコアとか好きなので。詳しくはないけど、めっちゃ好きですね。押韻ていうのかな。文の終わりが一緒って覚えやすいですよね。歌詞書くのは無理かな。思うことはあるんだけどね。 『止まらない音楽欲求』 ――アレンジなどに活かすために普段からライヴに行ったりとかされているんでしょうか。 reiki:曲を聴かない日はないですね。さっきまで聴いていた、これ読めない。「I THE BREATHER」(アイ・ザ・ブリーザー)これカッコいい。もう4年前のアルバムだけど。これ聴いてましたね。 ――どうやって新しい音楽を見つけてるんですか? reiki:Spotifyって知ってますか? これの有料会員で、ディグりまくってますね。海外はこれが当たり前みたいで。 ――日本はようやく広まってきたくらいですね。 reiki:ラジオみたいなのがあって、「あなたが好きそうなアーティスト」を流してくれるんですね。なので永遠に音楽が出てくる。そうだ。洋服屋さんとかで流れている曲が気になったら「これ誰?」って聴いたりするかな。後はライヴハウスで転換中に流れている曲はPAさんの好みだから、その時も聴く。 ――reikiさん、SHAZAMというアプリ好きだと思います。流れている曲にスマホをかざすと表示してくれます。 reiki:そうなんですか! 良いですね。 ――キズのワンマンの時はSHAZAMでRage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)を発見しました。 reiki:あ、LIQUIDROOMの時でしょ? 会場BGMどうしようってなって、「レイジにしよ」って言ったの。後は絶対的にこいつらの曲は良いってなったら、そいつらが聴いていた音楽を調べる。ルーツを辿ると「こういうとこパクってるんだ」とか分かってきて。そういうのすごい好きですね。 ――自分が神だと思っていた人にも神がいることが分かったりして。 reiki:そうそうそうそう。楽しいですよね。最終的にはビートルズに行き着くっていう。 ――日本は洋楽コンプレックスなんて言葉もよくあったみたいですね。 reiki:そうなんですか? ――ロックの音を日本語で歌うのはどうなんだと言われていた時代があったみたいで。 reiki:そうなんだ。メタリカもビートルズ好きだろうし。始まりですもんね。 『「キモい」と笑った「ステージは水槽」の意味』 ――そうなんですか! あ、そろそろ時間ですかね。 reiki:大丈夫でしたか? LIQUIDROOMワンマンのことも話しましたよね? WESTのことだけ話したような気がする。 ――WESTがあってのLIQUIDROOMという話し方をされていましたからね。目指すアーティスト図が見えたというお話もありました。 reiki:そうそう……水槽、のイメージですかね。 ――水槽? reiki:水槽。水槽。ステージは水槽っていうイメージをまじでしていました。水族館行くじゃないですか。熱帯魚とか見るじゃないですか。ファンの方はそういうイメージ。僕たちは魚で……自分で言っててキモって思った(笑)。いや、でも本当に思ったんだよね、本番前に。もしかしたらステージから出してほしいのかもしれないし、帰りたいのかもしれないし、楽しいのかもしれないし、お腹が空いているのかもしれないし。ていう意識じゃないと、最初に言った『人間味』を悔やむんだよね。素でやってしまうと。なので、見ている人の意識でライヴをやったのかな。水槽ですね。水槽。 ――水族館に魚を見に来たお客さんの気持ちでライヴをするということですか? reiki:意識的には。みんなの声は本当に聞こえないんですよ。でかいとこだと聞こえない。何やっているのか分からなくなっちゃいますね。なんか水槽、なんですよね。 ――遮られていて声が聞こえないというのも、水槽のイメージに合致しているかもしれないですね。 reiki:ファンの方の見方ってそれぞれ全然違いますよね。中には「私がいないとこのバンドはダメだ」と思う人もいれば、本気でカッコいいと思っている人もいて。癒やされたいと思っているかもしれないし。 ――バラバラだとどこに集中すべきか分からなくならないですか? reiki:そう、嫌になるんですよ。「全然理解されてない」って思っちゃうんで、キズはキズという感じ。そういう意味で意識的な部分で先が見えたかなって。 ――バラバラな人に合わせようとすると、バンドはブレますよね。 reiki:そうですねー。そうそう! ――忌野清志郎さんってご存知でしょうか? reiki:あーはいはい! ――その方が著作の中で「ファンは信用していない」ってはっきり仰っていました。reikiさんも仰っていたようにいろいろなファンがいるから、「ファン」と一括りにできないという意味でした。 reiki:確かに「ファン」は信用してないな。ファンには何にもしてくれなくていいですね。ファンを大事にしているとか、大事にしていないとかじゃない。大事にしているのかな。してないか。僕たちがすることって良い曲を届けて良いライヴをすることで、それ以上のことってできないですよね。だって僕も好きなアーティストに何にもしてもらってないもん(笑)。LIQUIDは「完成! できた!」っていうよりも「あーなるほど」みたいな感じ。終わった後にもうZeppのこと話してたから。Zeppからだね、僕たちは。LIQUIDとか僕らなら余裕やと思ってる。ここダメだったら、ダメってことでしょ。
reiki's interview fin.



きょうのすけ
キズを一番後ろから見渡し、さらにはバンドとファンを繋ぐ役割も担っているきょうのすけ。

これまで衝撃とかわいいが組み合わさるビジュアルで注目を集めていた彼は、初めてパーソナルインタビューで口を開いた。
やっと組めたバンドへの思い、唯一無二のヴィジュアルのルーツと理由も明らかにされた。

取材・文:神谷敦彦 (「ヴィジュアル系の深読み話」編集長

『僕は「きょのす」というあだ名があります』 ――きょうのすけさんがファンの方とキズの間に一番いてくださる印象です。 きょうのすけ:そうですね~! ――3rdワンマンの「怨ミ晴ラサズオクベキカ」でも、アンコール最後の「きょうのすけコール」というのでしょうか? ありましたね。 きょうのすけ:僕は「きょのす」というあだ名があるので、「きょのすコール」って言います。へへへへ(笑)。 ――ほっこりしますね。3rdワンマンは率直にいかがでしたか? きょうのすけ:その少し前に新木場Studio Coastでのイベントで大きいとこでライヴをしていたんですけど、恵比寿LIQUID ROOMの方がたくさんの人がいる感じがしました。全員が自分たちのために来てくれているという感覚だったので。キズだけでこれだけ集まってくれるんだって。 ――ユエさんは2ndワンマンをアップデートしたのが3rdワンマンという位置づけでした。 きょうのすけ:2ndワンマンはメンバーはみんな良かったとは思っていないはずです。煽りもなくただ魅せつけるような。でも今回はショーのように魅せることもできたし、アンコールでライヴっぽさも出せました。 ――きょうのすけさんは幻想的なヴィジュアルとメイクということもあって、映像と最も一体化しているように感じられました。 きょうのすけ:あーほんとですか! LIQUIDは後ろの画面の上下も左右も隅々まで映像が映せたので、僕たちも映像の世界に入り込めました。ファンの方も喜んでくださったみたいで。やっぱりファンの方の声を聴いていると「映像を見るのかメンバーさんを見るのか忙しい」とかあるので、映像に目がいっちゃってるのかなって思います。伝えたい曲を映像で分かりやすくするという部分ではすごく良いと思うんですけど、映像に負けないようなステージングを突き詰めたいですね。 ――ファンの方の声も届いていらっしゃるんですね。 きょうのすけ:ファンレターとかで。いつも力になってますね。その中でも「キズがどういうことを思って、このセットリストにしたのかを考えます」といった深いところを見てくださっているのを見ると、ちゃんと伝わっているんだなって思います。来夢もよく言っているんですけど、「楽しかっただけで帰るんじゃなくて、いろいろ考えて持ち帰ってほしい」という意図があるので、そこを汲み取ってくださる人が増えてきたなと思います。ファンレターはそれを書いている時くらいは僕のことだけを思ってくれてるのかなと思うので、何をもらっても嬉しいですけどね(笑)。 ――実際に言葉で届けてくださるとうれしいですね。3rdワンマンはショーとライヴのバランスが良かったんですね。最後の「天誅」ではライヴ感がすごかったです。 きょうのすけ:そうです! ファンのみんなも僕たちもボルテージが上がってましたね。 ――立ってドラム叩いてましたね! きょうのすけ:はははは、ありがとうございます(笑)。 『太鼓の達人とセッション経験が加速させたバンドへの思い』 ――きょうのすけさんは音楽を始めた頃からずっとドラマーだったのでしょうか。 きょうのすけ:元々ドラムをやりたかったんですけど、ドラムを叩ける環境があまりなかったんです。親からも「ドラムだけはやめろ」と言われていて。 ――ドラムをやりたいと思ったきっかけは何だったのでしょう? きょうのすけ:X JAPANのYOSHIKIさんを見て「これになる!」と幼少期に思いました。 ――テレビを見てですか? きょうのすけ:太鼓の達人というゲームにはまっていて(笑)。太鼓の達人でX JAPANの「紅」を叩いている人を見て「この曲カッコいい!」と思って調べたのがきっかけでした。それくらいからV系に興味を持って聴くようになりました。X JAPANにはまって、そこからギターとかベースを一旦弾き始めましたね。最終的にドラムに落ち着きました。セッションは学生の頃からやっていて、長―くやったけど、なかなかバンド組めなくて。正直なかなか「この人とバンドしたい」という人に出会えなかったですね。 ――きょうのすけさんの中でメンバーの基準はどういったものだったのでしょうか? きょうのすけ:ボーカルはとにかく歌が上手いのと、わがままな人がいいなと思っていました。わがままなんだけど、言っている意図を僕も「あぁ、分かった」と思える人ですね。わがままな人はいっぱいいたんです。でも「え、それ言ってること合ってるの?」って思っちゃうことも多くて、自分が本心からついていけると思える人がいなかったです。来夢が初めてですね、この人の言っていることについていきたいと思えたのは。それまでに僕に「バンド組もうよ」と言ってくれた人は基本的には「あのバンドみたいな感じ」とか「曲はこういう感じ」とか既にあるものをなぞる感じだったんですね。でも来夢に関しては「人にこういうことを残したい」という内面の部分が重視されていて、曲調とか見た目のコンセプトは何でもいいという感じだったんです。そこから違いました。すごい考え方しているなって、キズのメンバーにはみんな思いますね。僕も考え方がキズに入って変わりましたね。 ――どんな変化があったのでしょう? きょうのすけ:僕はセッションの時はファッション的な部分でバンドを見てしまっていたのかなと思います。見た目がかっこよくて、コンセプトがどうでみたいな。それよりも、どういう意図があって、何を伝えたいのかという芯の部分を大切にするようになりました。そういったメッセージの部分をキズのメンバーに感化されました。内面的に変わったかなと思います。 ――セッションからバンドに切り替わって1年くらいで、今が一番ギャップを感じるかもしれませんね。 きょうのすけ:そうですね! 物事を考えるようになりましたね。バンドを取り巻く環境も自分たちを知ってくれる人の数も変わりました。セッションは単発だし、人の曲を演奏しますしね。気持ちが乗らないというか。自分たちが作った曲で、来夢の意図を汲み取って、それを思いながらライヴで表現することが自然になっています。 ――バンドを組むということになった時に、一番最初に出会ったのはどなただったのでしょうか? きょうのすけ:reikiとユエですね。ユエはバンドマンに見えなかったんですよ。ライヴハウスの楽屋ですれ違っていたことはあったんですけど、ただのカッコいいお兄さん(笑)。すごいイケメンの人がいるなーと思っていました。reikiに関しては、僕がreikiとバンドを組みたいというのを彼が聞いたら「あー生意気やな」みたいな。「うわぁ、この人は無理だわ」というのが第一印象でした(笑)。今はreikiにもこの時のことを言いますし、家にいても毎日ビデオ通話するくらいになりました。楽屋にいても基本的にずっと一緒にいる感じですね。こんな風になれるとは思ってなかったです。 ――ちょっと前にX JAPANの「I’ll kill you」だったと思うんですけど、曲を流しながらreikiさんと楽しそうにしている動画をtwitterに投稿されていましたね。 きょうのすけ:はいはいはいはい! あれはたまたまた撮っていたもので、普段は撮っていないだけでずっとあんな感じですね。それで来夢が「うるせー!」ってなってます(笑)。そういえば来夢がこの前のワンマンで「悔い残すなよ」って煽っていて。それだけじゃなくて「悔い“だけ”は残すなよ」って煽った時に僕もグッ! と胸を掴まれたようにめちゃくちゃテンション上がりましたね。そういう来夢に煽られて気持ちが乗るというのも、バンドってすごい良いなって思います。 ――演奏する側も来夢さんに煽られるんですね! きょうのすけ:そうですね! 僕は歌詞はこれまであまり読んでこなかったんですね。メロディーが良いとかその程度だったんですけど、バンドを組むにあたって来夢の歌詞を読んで考えるようになりました。ドラムのフレーズも歌詞が伝わりやすいようにどうしたらいいか考えたり、来夢の意図によって思い浮かべる情景とかも全然変わっています。セッション時代は「V系っぽい歌詞だな」くらいしか歌詞を捉えていなかったです。ただかっこよくいられればいいと思っていました。今は自分が思っていることをドラムに乗せて伝えられるように考えています。例えばX JAPANのYOSHIKIさんならどんな生き方をして、何を考えているのかが伝わってくるので僕も叩いている姿で伝えられるようになりたいですね。見てくれている人の感情が揺さぶられるようなドラムを叩きたいです。キズが持っている意図を伝えられるように土台を作れるドラマーを目指しています。 ――キズを後ろから全て見れるのはきょうのすけさんだけですもんね。 きょうのすけ:そうですね。あとはみんなにライヴ中に何かあっても、「僕が支えているから大丈夫だよ」って安心感を持ってもらえるようになりたいですね。 『「カッコいい」じゃ物足りない。「衝撃的かわいさ」のルーツと意味』 ――これまでもアーティスト写真が公開される度に、大きくヴィジュアルを変化していますよね。 きょうのすけ:そうですね。僕が普通の化粧をしても「空気」になっちゃうんで(笑)。メイクや容姿で、「きょうのすけっぽい」っていうジャンルを作りたいですね。キズが5年目とかくらいに周りのバンドのドラマーが「きょのすっぽい」って言われるくらいになりたいです。 ――フォロワーができる方はいらっしゃいますね。あのヴィジュアルの発想はどこから来るのでしょうか? きょうのすけ:V系にはまって何で好きなんだろうと考えた時に、普通の人とは違う世界観というのが僕にとっては大きな理由でした。手の届かない存在で、それこそ画面の中にいるような存在というか。今もやりたいメイクとかいっぱいありますね! 昔は「V系の中のこの人っぽくしてください」とかあったんですけど、今はなくなりました。 ――何かに似せる発想はなくなったんですね。 きょうのすけ:誰かの真似じゃないですね。僕の顔を知らない人でも、パッと見た時に「何だあの人?」と思ってもらえるように。この前いろいろなバンドが出るイベント・ツアーがあったんですけど、やっぱりみんなかっこいいんですね。その中でも僕は一番目立ちたいんです。だから写真も真ん中で写りました。ドラマーなのにど真ん中です(笑)。 ――V系の中で「カッコいい」などの美形は飽和しつつあるかもしれないです。みなさんカッコいいですし。きょうのすけさんはカッコいいとは違った新しいヴィジュアルの基準を作ってらっしゃるんですね。 きょうのすけ:カッコいいは普通になっちゃってますからね。二番煎じにならないで「きょうのすけ」というジャンルを作っていきたいですね。誰かの真似をしている人はいっぱいいると思うので、真似される存在を目指しています。アーティスト写真が変わった時にも衝撃がほしいんです。 ――これからリリースされる『ステロイド』のアーティスト写真も、何というか半魚人というとちょっと正確な表現ではないのですが。これまでに見たことのないヴィジュアルでした。 きょうのすけ:「ステロイド」は薬がテーマで。ヴィジュアルを決める時はまだ歌詞が決まっていなかったんですけど、ステロイドは人によっては副作用が強いということを知っていました。だから、僕のヴィジュアルは薬を使い過ぎてボロボロになってしまったゾンビをイメージしています。普段明るく楽しそうに応援してくれているファンのみんなの中にも、きっと病んでいたり苦しんでいる部分があると思うので、そういったことも表現したくて。 ――私はインタビューが好きでよく読むんですけど、V系なのにあまりヴィジュアルの意味を語ってくださる方が多くないなと思っていて。 きょうのすけ:確かにそうですね。僕も最初はかわいいであったりとにかく派手にしたいと思っていたんですけど、ライヴによっては伝えたいことがはっきりと出てくるんです。今回の衣装の肋骨が浮き出ていたり、内側にある花が枯れていたりするのも薬の副作用でボロボロになってしまった部分を表現しています。 ――細部の全てに意味があるんですね。 きょうのすけ:僕もそうですけど、派手なメイクをしている人は意図があるのかなと思います。僕がこういう個性的なメイクをしている以上は、意図をちゃんと持って表現した方が伝わりやすいですよね。 ――メイクなどは頭で考えるだけでは思いつかず、感性も必要かと思います。感性を研ぎ澄ませるために普段から何か意識されているのでしょうか? きょうのすけ:感性かー。知らないバンドでも新しく始まったバンドは見逃さないようにチェックしてますね。アーティスト写真もMVも見てどんな人がいるのかを研究してますね。最近始まったバンドも見ています。 ――いわゆるバンギャル男なんですね! 今日の服も人目を引きますし。メガネもおしゃれで! きょうのすけ:そうですね(笑)。普段から派手な格好してますね、夏なので(笑)。海大好きです。あ、でも日焼けはしたくないですけど(笑)。私服は見せる機会はないですけど、私服もカッコいい人でありたいというか。表舞台に立っているのに普段がかっこ悪いのは嫌だなと思っています。普段の僕のイメージ通りでいたいですね。私服の派手なのはただ好きというのもあるんですけど(笑)。派手でかわいいのが好きなので、僕も派手でかわいくなりたいと思っています。 ――自分で服を作りたいなどないですか? きょうのすけ:んー。やりたいのはバンドなので。他には興味ないですね。バンドしている自分が良いですね。最初は自分のこと絶対カッコいいと思ってたんです。「絶対売れるわぁ」と思っていたんですけど、全然バンド組めないので「勘違いかもしれない」と思って。キズが組めなかったらこの場にもいなかったです。最後の場にしようと思って始まったのがキズでした。今は嫌なことがあっても、「キズがあるからがんばれるや」って思えます。
きょうのすけ's interview fin.



ユエ
本日から3rdワンマンの「怨ミ晴ラサズオクベキカ」を終えて1ヶ月以上過ぎたキズの4人にパーソナルインタビューを公開する。トップバッターはベースのユエ。
「僕は喋りますよ」という宣言、を超えた。2ndワンマン後に耳が聴こえなくなった理由、ストイックな性格を生んだワケ、ステージネームとファンの関係。話し過ぎではないかと思えるほどのマシンガントーク……でも、まだ話し足りなそう。

取材・文:神谷敦彦 (「ヴィジュアル系の深読み話」編集長

『ストレスで耳が聞こえなくなっちゃいました』

ユエ:(雑誌を熟読しながら待機) ――ユエさんはインタビューの場だったり、お話されるのはお好きですか? ユエ:僕はかなり喋りますよ(笑)。 ――ありがたいです(笑)。キズが始動してから1年経ちましたけど、これまではそこまでお話されていないですよね。 ユエ:インストアイベントでは割と自由に話していますけど、メディアに出たり動画に出る時はほとんど喋ったりしないですね。でも普段は喋ります。人と喋るのが好きなんです。 ――そうなんですね! 私はインタビュアーの仕事もしていますけど、立食パーティーとか行くとふさぎ込んじゃいます。 ユエ:分かります! バンドマンの飲み会とかあるんですけど、僕は一切行かないです。家から出ないです。だから知り合いが少なくて。対バンした時に同じベースの人とちょっと仲良くなれるくらいです。お酒もそんなに飲まないんですよ。 ――昔のV系バンドマンのお酒のエピソードはよく聞こえてきましたね。居酒屋を壊しちゃうみたいな。 ユエ:そういうの嫌いなんですよ(笑)。デメリットしかないですよね。一個メリットがあるとすれば、バンドマンらしいというレジェンドエピソードがつくくらいですね。うちのボーカルの来夢はこういった流れはあまり好まないかもですね。でも、あんまり勝手なこと言うと、あれなので(笑)。 ――大丈夫です。来夢さんチェックは通さないようにします(笑)。 ユエ:はははは(笑)。 ――では本題に入ります(笑)。3rdワンマンの「怨ミ晴ラサズオクベキカ」が恵比寿LIQUIDROOMで開催されてから、もう1ヶ月以上が経ちました。あの時のことは、ユエさんにどう映っているでしょうか? ユエ:3rdワンマンは純粋に楽しかったです。キズのライヴは映像や演出がひとつの特徴でもあるんですけど、2ndワンマン「裏切リ」はぎこちなさがあったんですね。僕の個人的な感想だと、2ndワンマンは正直言って、不完全燃焼だったんです。自分の持てる経験のキャパをオーバーしてしまって、うまくライヴを成立させることができませんでした。だから終わった後に悩んじゃったんですよ。あれがダメだった、これがダメだったって考えていたら、耳が聞こえなくなっちゃいましたね。 ――え、大丈夫なのでしょうか? ユエ:原因はストレスですね。今はもう耳は大丈夫です。自分でもこんなに真面目に考える人間だとは思っていなかったです。キズって僕の中で大事なんですよ。僕はバンドというものをずっとやりたいと思っていたけど、なかなかできない期間が長かったんです。何年もずっとバンドをやっていなかったんです。セッションやレコーディングのお仕事はさせていただいていたんですけど、バンドというものは組めていなかったんです。一緒にやりたいと思える人間がどうしてもいなくて。キズはやっと組めたバンドなんです。そのせいで変に真面目になっちゃうことがあって、2ndワンマンの後に考えすぎちゃって耳が聞こえなくなりました。 『ストイックさの源泉にあった「バンドをやってほしい」という言葉の意味』 ――ストイックの一言を超えてらっしゃいますね……。メンタルもフィジカルも削りながら活動されているんですね。あるミュージシャンの方は「ステージに立てる人は、一部の選ばれた人だけだ」と仰っていました。ステージの上は神聖な場所と捉えている方がいらっしゃいますね。 ユエ:そうですね。V系はライヴの本数が多いですよね。そうすると、どうしても惰性が生じてくるんですよ。その惰性がライヴに入ってくると、一本一本がもう帰ってくることのない勝負ということを忘れちゃうんです。バンドって存在するだけで本当は奇跡じゃないですか。幼馴染のバンドもありますけど、多くは地方出身だったり生まれも育ちも全然違う人がバンドという一つのことを動かすわけで。僕たちもそうなんです。僕は名古屋出身なんですけど、それぞれみんなバラバラなんです。そんな接点のなかった人間が集まってやれるからバンドもライヴも大切なんです。バンドが終わった後に気づくんですよ。「あのライヴはもっと大事だったんだ」とか。僕はそれを日常生活で経験してきたんです。 ――どんな経験だったのでしょう? ユエ:名古屋にいた時に、あるバンドに途中から加入させてもらったんですね。そのバンドは仲がすごい良かったんですよ。でも仲良しっていう感情だけでできるほど、僕のバンドというものに対する気持ちは軽くなくて。メンバーはみんな働いていたんです。だからどうしても仕事があるからライヴができないということがあって。見ている先が違い過ぎました。 ――同じレベルでバンドを組めていなかったんですね。 ユエ:僕は最初「バンドを抜ける」って言ったんです。そしたら「君が抜けるなら辞めよう」となりました。みんな辞め時が分からなくなっていたんだと思います。その後、バンドを名古屋でやりたいけどメンバーが集まらないから東京に出ようか、バンドというものから離れて普通の人として働いて生きていこうか迷った時期があったんです。その時期に、僕の後の人生に大きな影響を与えたある人と出会うんですが、その人が最後に僕に言ったことが「バンドをやってほしい」だったんです。その時はその気になれなかったんですけど、時間が経って「やっぱりバンドをやろう」、「次が人生最後だ」って。こういった出来事もあって、キズというものを大事に考えているんです。 ――そんな経験をされていたら、一緒に組むメンバーの基準も上がらないわけにはいかないですね。 ユエ:そうですね、失敗できないというのがありました。それからすぐに上京して、探してはいたんですけど、なかなか見つからなくて。最初に出会ったのがreikiだったんです。もうひとりギタリストとドラマーがいたんですけど、ギタリストはクリエイターの仕事をすると言って辞めて、ドラマーはV系はもうやらないとなって離れてしまって。そのクリエイターになったギタリストを口説くのにもすごい時間を要したんですよ。当時彼ほどのギタリストはいなかったんです。時間を費やしたにも関わらず、彼はバンドをやらなかったんです。だから「これ、バンドできるのかな」ってなっちゃいました。その時にreikiにLINEしたんですよ。僕は「バンド、やる?」って聴き方したんです。「メンバーどうする?」とかじゃなくて。メンバーにしようとしていた人がどこかに行ってしまうと、人って士気が下がるじゃないですか。ドラムもいない、ギターもいなくなった、肝心のボーカルは目途すら立っていないという状況です。でもreikiからすぐに返事が来て。「バンドやろうや。一緒に夢掴もうぜ」って来たんです。もうこれはやるしかないと思って。これでギターは決定です。 『キズのベーシスト像を優先したい』 ――バンドの消滅、ある方との別れ、メンバー探しの挫折を繰り返しながら今のユエさんがいるんですね。これからどんなベーシストになっていきたいとお考えでしょうか? ユエ:キズのベーシストとしてですか? 個人的にですか? ――どっちを優先するなどあるのでしょうか? ユエ:今だったらキズとしてのベーシスト像を優先したいかなと思います。始動初期の頃はベーシスト単体として考えていたんですけど、今はキズのベーシストとしての考えにシフトしていますね。レコーディングの時に「ここでなんかやって」って投げられることが多いんです。僕がやりすぎかなと思うことをしても、受け入れられるんですよ。その時に「ライヴでどう再現しよう」と悩むこともあります。ベーシストは影の存在というイメージを割と受けますけど、キズのベースだと派手なことをやることが多いです。「へのへのもへじ」なんてまさにそうですね。そういう「キズのベーシストのあの人はちょっと小難しいこともやりつつ、やらないときは別のかっこよさがあるよね」ってなっていけたらなと思います。 ――どちらもあるってカッコいいですよね。3rdワンマンのアンコールの最後の「天誅」でもきょうのすけさんのペットボトルを投げたりと、熱い一面も伝わってきました。 ユエ:実はあれは僕の水なんです! きょうのすけはずっと叩いているので飲む暇あるのかなって思って、水をあげてから投げました。「天誅」のベースがオフになるセクションの時は来夢とreikiが絡み合ってるので、僕は最前に出て下手のお客さんを煽ってもいいんですけど、それだとドラムがひとりになっちゃうじゃないですか。かわいそうというのも変ですけど。だから自分が飲んだ水を共有してバンドとしてひとつの存在であることを示す意図があるというか。なかなかお客さんに伝わるかは分からないですけど、そういった動きをすることで一つの音楽をみんなで作っているというメッセージを送っています。 ――そんな意図があるんですね! ユエ:伝わりづらいですけどね(笑)。ショーのようなライヴという意図はあったものの、それを突き詰めすぎるとライヴ感が失われてしまうので、どこかで現場のリアル感がちょっとほしいですね。 『「ユエ」の由来は「お客さんが太陽で、僕たちは月」』 ――3rdワンマンの日は恵比寿駅でも大きなキャリーバッグを持っているお客さんもたくさんいらっしゃいましたね。 ユエ:遠くから来てくださる方もいらっしゃいますよね。普段は対バンイベントだと5曲や6曲になります。それを例えば沖縄とか北海道から見に行くとなると交通費だったり宿泊費があって少し高い。そのお金を稼ぐには人はどれくらいがんばらないといけないというのを、僕は名古屋で働いていたのでよく分かるんです。でもワンマンだったらライヴの時間も長いし、見たいと思ってくださる方も増えるはずなんです。そうなると、普段よりも責任感が生まれますよね。期待を裏切らないかつ、その人の人生の中で記憶に残すライヴをしないとなって思います。 ――ライヴに行くための時間もお金も、当たり前に捻出できるものではないですよね。最後にお聴きしたかったのですが、「ユエ」というステージネームの由来はお話いただくことは可能でしょうか。どこかでちらっと見たような記憶もあるのですが。 ユエ:何で見たんですかね? ――おそらく1stワンマンのライヴレポートだったかと思います。 ユエ:あーはいはいはいはい! 昔は「月-yue-」と表記していたんです。夜見ると月は明るいですけど、月が自発的に発光しているわけじゃないんです。太陽の光が反射して月が光っているように見えているらしいんですよ。だから、僕たちもそうなのかなと思っていて。僕たちは自分から熱を発するし、輝かないといけない存在ではあるんですけど、やっぱりお客さんがいて僕たちが成立するんです。お客さんが太陽だとしたら、その光や熱を受けて輝くのが自分なのかなと思って、ユエとつけました。 ――お客さんを想定されているんですね! ユエ:そうですね。僕が好きだったアーティストがファンをすごく大切にされる方だったので、それを聴いているうちに自然とそういう思考回路になったんだと思います。僕たちだけがいてもライヴはもちろん、活動自体も成立しないですし。お客さんの光や熱は常に感じていますね。ライヴしていてもそうですし、SNSでもコメントくれたり、お手紙くれたりするんですね。全部目を通す中で手紙の締めくくりに「キズの音楽を聴いて、私の人生は変わりました」と書いてあったり。キズの音楽を生きがいに学校や仕事をがんばっているという声をもらったりもします。そういうのを見るともっと還元できればいいなって思います。 『止まらないマシンガントーク~音楽ルーツ編~』 ――ファンの方の声は確実に届いているんですね。ちょうど時間ですね。 ユエ:もう1時間ですか? ――ちょうどそれくらいです。話足りないですか? ユエ:そうですね。普段人と喋らないので、第2回、第3回をお願いします(笑)。あ、そう言えば僕はもともと音楽は苦手だったんですよ。スポーツをやっていて。 ――え、それ聞かせてください。 ユエ:小学生の頃から中学生の頃まで硬式のテニスをやっていたんです。始めたばっかりの時は「プロになりたい」という月並みな夢を見ていたんですけど、割と早い段階で現実的になってプロは無理だからコーチになりたいと思うようになりました。自分も好きでやっていたから、子供に教えることでテニスの楽しさを広められたら良いなと思いました。それでスポーツの専門の高校に行くことが決まっていたんです。進路が決まると中学生って暇になるじゃないですか。その時にギターをしていた兄が「俺がギターやってるから、暇だったらお前はベース買ってこいよ」と言われたのが、僕のベーシストの始まりだったんです。僕、それまで通知表で音楽は1とか2だったんです。3もなかったんです(笑)。3もなかった自分が「暇だから買ってくるよ」ということで買ってきたんです。 ――暇だったからだったとは(笑)。 ユエ:でも音楽の成績が悪すぎて、タブ譜も読めないし譜割りも読めないからどういうリズムで弾いたらいいかも分からなかったので、ベースを部屋の隅に飾っていました。スタンドもないんですよ(笑)。その後ある音楽番組に出ていたL'Arc~en~Cielを、たまたま見ることができて。名前も知らなかったんですけど、カッコいい! って思ってベースを弾こうと思いました。正直、スポーツをやっていた時は音楽とかバンドをやっている人は「チャラついてる奴がやるんだろ」とか「モテたいからやるんだろ」って思っていたんですよ。だから、かっこいいと感じてしまったことを人に言えなかったんです。本当は兄に「さっきのアーティスト何ていうの?」って聴きたかったんですよ。でも、聴けなかったんです。音楽をバカにしていたので、変なプライドが邪魔をして。CDのレンタルショップに行って「あの時のテレビに何て書いてあったっけな」って記憶をフル稼働させました。綴りが僕には難しかったんですよね。「大きいLがあって小文字が混ざって」みたいな(笑)。だから「たぶんLから始まる」と思って洋楽コーナーに行っちゃったんです。そこで間違いに気づいて日本のら行を探しに行ってやっと見つけました。でも読み方分からなかったです(笑)。調べていくうちに「ラルクアンシエルって読むのか」と分かりました。 ――原体験はそこでしたか……! ユエ:そうですね。僕、ボーカルがすごい好きで。僕もだからやるならボーカルかドラムをやりたかったんですよ。でも何でベースかというと、最初に手にとったのがベースだったし、やらなきゃいけないって思ってしまって。ここで辞めたら逃げた感じがして、ベースを追究して極めたら他の楽器に移行しようと思ったんですよ。それが甘かったです。極められるわけないですよね、そんなたった数年で。しかも知れば知るほど奥が深すぎて、僕の人生を全部使っても極められないかもしれないという世界だったんです。そんな世界だということも知らなくて。「ベースは簡単」って聞いていたんですよ。もう長いことやっていますけど、全然ですね。
ユエ's interview fin.



RELEASE

2018.07.31 (Wed) RELEASE!!
4th SINGLE「ステロイド」


【TYPE A】
DMGD-004A / ¥1,500(税別)
全3曲収録
発売元:DAMAGE


【TYPE B】
DMGD-004B / ¥1,500(税別)
全3曲収録
発売元:DAMAGE

LIVE SCHEDULE

【4th ONEMAN】「さよなら」

2018年09月24日(月・祝) Zepp TOKYO


ペンタゴン&キズPresents『鉄傷』

2018年07月28(土) 新宿LOFT




2018年06月01日(金) TSUTAYA O-EAST
2018年06月05日(火) OSAKA MUSE
2018年06月06日(水) 名古屋E.L.L.
2018年06月08日(金) 新宿BLAZE
2018年07月14日(土) 大阪BIG CAT
2018年07月15日(日) 名古屋E.L.L.
2018年07月21日(土) TSUTAYA O-EAST
2018年07月27日(金) 品川Stellar Ball
2018年08月04日(土) 大阪BIG CAT
2018年08月12日(日) 名古屋 THE BOTTOM LINE
2018年08月19日(日) 仙台darwin
2018年08月25日(土) 福岡DRUM LOGOS
2018年09月17日(月・祝) 名古屋ダイアモンドホール
2018年10月06日(土) 大阪・服部緑地野外音楽堂
2018年10月14日(日) 大阪BIG CAT


PROFILE

キズ
Dr:きょうのすけ
誕生日:01.20
血液型:B
Vo:来夢
誕生日:11.19
血液型:B
Gu:reiki
誕生日:01.14
血液型:?
Ba:ユエ
誕生日:01.25
血液型:B

DISCOGRAPHY