COVER ARTIST / cali≠gari

ViSULOG 2018年12月号 COVER ARTIST / cali≠gari

INTERVIEW / cali≠gari

2018年12月19日に結成25周年を飾るアルバム『14』を引っ提げて活動休止からの復帰を果たしたcali≠gariが待望のCOVER ARTISTに登場! 今作の完成に至るまでのそれぞれのモードから、昨今の「チェキ文化」の在り方にまで切り込んだ、歯に布着せぬ赤裸々なインタビューをご覧頂こう。

取材・文:二階堂晃
『だからいつでも“桜は散る”し“翼は広げる”ものなんです』 ――活動休止からの復活ということで、まずは皆様おかえりなさいと言ったところですね。 桜井青(以下:桜井):前回の取材の時に、あんまり重く捉えないで欲しいと言っていましたからね。この秋から活動再開することはお休み前から決まってましたし。「活動休止」っていうと色んな受け取られ方をされちゃうし、「活動休憩」とかの方が良かったのかもしれないですよね。 ――活動再開に伴ってネオアルバム『14』のリリースもかねてより告知されていましたが、つい先日に発売元のメーカーが急遽変更になるというセンセーショナルなニュースも飛び込んで来ました。 桜井:これがそのへんのヴィジュアル系バンドだったらセンセーショナルかもしれないですけど、cali≠gariのことなんでね。「ああ、やっぱり」といった感じなんじゃないですか? 今回はメーカーから抜ける時にこの件については何も言わないことを条件に抜けてるので、何も言えないんですよ。 ――ではあまり深くお伺いするのは止めにしておきましょう。発売元が変更になったことで、アルバムの内容もまた変更を余儀なくされたりといったことはあったのでしょうか? 桜井:ここが25年やってるバンドの強いところですよね。普通は途中でメジャーから出さなくなった時点で発売延期なんですよ。そこを瞬時に切り替えてインディーズ・スキルで発売日に間に合わせてしまうのが今のcali≠gariですから。そもそも、こんなご時世にメジャーのレコード会社の存在意義とは? っていうことなんですよ。インディーズ流通でも全国の小売店のすみずみまで商品が行き渡る時代の中で、メジャーに求められるものは宣伝ですよね。じゃあ、その宣伝に対しての熱意というものが……おっと、そろそろこの話はここまでですね(笑)。 ――このインタビューがお蔵入りになってしまう前に話題を変えましょう。『14』はcali≠gariらしくも新たな雰囲気を持ったアルバムという印象を受けました。特に、秀仁さんの歌詞の全体的なテイストにこれまでの作風にはあまり見られなかったメッセ―ジ性とも呼べるものを感じましたが、こちらは意図したものだったのでしょうか? 石井秀仁(以下:石井):歌詞が普通ってことですかね? 桜井:(爆笑)。 石井:前作からそういう節はところどころにあったと思いますね。あえて変な方に向けて歌詞を書くのを辞めたというか。 桜井:『8』までの石井さんはそういうテイスト全開だったと思うけど、復活してからは変わりましたよね。歌を歌う人って大変だなって思うんですよ。歌詞がないと歌えないから、常に世界に対して怒ってるのか、ラブアンドピースなのか、何かしらのメッセージを持ってなきゃいけないじゃないですか。だからいつでも“桜は散る”し“翼は広げる”ものなんですよ。 ――秀仁さんとしてはご自身の感覚に対してナチュラルに歌詞を書いたということなのでしょうか? 石井:なんて言うんですかね、俺が昔書いていたような雰囲気の歌詞って後から見るとちょっとしんどいなって言うか。カラオケとかで自分の曲が出た時に「こんな歌詞書いちゃってごめんなさい。」みたいなとこがあって。 桜井:カラオケで自分の歌詞を見ることなんてあるんですか? 石井:ま、もちろん俺が歌う訳じゃないですけどね。 『個人的にはその時のムード感が心地よかった』 ――作曲に関してもお伺いしたいのですが、今回は皆様それぞれどんなモードで曲を書かれて持ち寄りましたか? 桜井:なんとなくですけど、僕個人としては出来るだけギターのダビングの本数が少ない曲にすることは意識しましたね。cali≠gariは同期が無いと成立しない曲もありますけど、いつの間にか曲中にシンセがあることに慣れてはいるものの、そもそも自分はシンセがあるバンドは好きではなかったことに立ち戻ったというか。音数が多くて分厚いサウンドがカッコいいバンドはたくさんいるんですよ。でも音が薄くてカッコいいバンドとなると、昔に遡って漁るしかないんですよね。(石井に向かって)薄い音でカッコいい最近の人って誰かいる? 石井:日本だと1人もいないんじゃない? 桜井:そうなんですよ。ちなみにこの間も観に行ったんですけど、奇形児とかILLBONEとか今聴いてもたまらないですよね。 ――この表現が正しいのかは分からないですが、『14』の随所に活休前のcali≠gariを彷彿とさせるテイストを感じました。 桜井:前作の『13』が『第7実験室』をオマージュしたものだったんですけど、個人的にはその時のムード感が心地よかったんですよ。その流れで『14』の曲作りに入った部分はあるかもしれませんね。 ――秀仁さん作曲ナンバーの中でも「月白」といったGOATBEDを彷彿とさせるアンビエント感の印象的な曲があると同時に「マシンガンララバイ」「天国で待ってる」など、バンド然としたサウンドの楽曲も多いですね。 石井:自分の曲は1回聴いたらその曲の正体が分かるようなものにしようと思って作りましたね。メロディとかも良い悪いとかじゃなくて、はっきりしたものにしたかったというか。曲の作りでいうと変なことをやってるもののありますけど、メロディとコード進行の調和もわかりやすいものは意識したといったところですかね。 ――研次郎さんは「飛燕騒曲」で秀仁さん、「動くな!死ね!甦れ!」で青さん、それぞれとの共作とクレジットされています。 村井研次郎(以下:村井):今までは毎回大量のデモを圧縮して2人に送り付けていたんですけど、今回はそれぞれに1曲ずつ決め打ちで送ったんで、ファイルを解凍しなくてもいいっていう。 ――お二人にお送りする曲の方向性はどういったものが基準となりましたか? 村井:いつもそうですけど、ある程度曲が出揃った時点で、曲調的な隙間を縫ってピュッピュっと差し込んでいった感じですかね。突然僕が「俺の曲が1曲目だ!」とか言い出したらびっくりしますよね。でもどうなんですかね、やっぱり若いバンドの人たちって曲順とかにこだわるんですかね? 石井:俺は若いころから曲順にはまったくこだわりがなかったけど。 桜井:本当にいつも思うけど、それはなんでなの? 僕はすっごく曲順気にするけど。 村井:僕とかはカセットテープの世代なんで、5、6曲目でB面に「ガチャン」って切り替わるタイミングとかは大事だなと思ってた派ですけどね。 ――ということは曲順は青さんセレクトによるものでしょうか? 桜井:最初に私が曲順を考えて2人に送ったら、研次郎くんから全然違う案が返ってきましたね。 村井:多分青さん以外の全員が最初から「カメラ オブスキュラ」が1曲目だと思ってましたよ。 桜井:私的には、それこそあの曲はカセットテープのB面の1曲目のイメージで5、6曲目のイメージだったんですよ。箸休め的なね。 ――「カメラ オブスキュラ」のギターは当時の青さんのプレイスタイルを彷彿とさせるサウンドが印象的でした。 桜井:それね、別の取材でも「この曲だけ往年のcali≠gariっぽいね」って言われました。結果としてこれが1曲目でよかったんでしょうね。 村井:「往年のcali≠gari感」って、もはや周りの人に聞かないと自分たちでは分からないですよね。 桜井:バンドって新しいことをやり続けないとやってる意味がないでしょう? そうしてると自分たちの色って振り返った時に見失いがちになるもので。だから『13』の時は「ああ、cali≠gariってこんな感じ」って1つずつ確かめながら、思い出しながら作っていきましたけど、今回の『14』に関してはそんなこと気にも留めてなかったけど、気付いたらそのム―ド感が出ていたっていう。 ――いずれも秀仁さんの楽曲ではありますが「天国で待ってる」は「東京ロゼヲモンド倶楽部(「第7実験室」収録)」、「飛燕騒曲」は「-187-(第6実験室)」を彷彿とさせるムード感を感じました。 石井:ああ、確かに。全く意識してなかったですね。 『みんな早いうちに遺言状を書きましょう』 ――収録曲ごとの詳細は『グラフ盤』付属のムック本に掲載されるかと思いますので、今は要所要所でピックアップ出来たらと思うのですが、「月白」の秀仁さんの歌詞が具体的なワードであることがやはり印象的ですね。 桜井:石井さんの歌詞にしては珍しく“思い出している”みたいな言葉を使ってるよね。 石井:「本当はこう言いたいんだけど、この言葉を使うのは止めておこう」みたいなのが今回はまったくないですから。この世の理不尽さみたいなものをどう人に伝えたらいいか悩む訳ですよ。そういうことについて書いてますね。 ――また、青さん作詞曲の「火葬遊戯」はとても強烈な言葉で溢れていますが、これは何について書かれたのでしょうか? 桜井:「みんな早いうちに遺言状を書きましょう」ってことです。最近ようやく実家の遺産相続の話が3年越しに終わったんですけど、それがもうドロ沼で。 ――それは記事にしても大丈夫なのでしょうか……。 桜井:全然問題ないですよ。「ヴィジュアル系遺産相続」っていう本を出したいくらいですもん。お金の前だと血の繋がりとか子供の頃の親族とのあたたかい思い出とか関係ないんですよ。うちの母に実害が被ることになる以上、たとえ身内とあってももう敵ですから。そうならないように絶対に遺言状は書いておいてもらった方がいいわよっていう。 ――壮絶だったのですね。 桜井:僕も来年くらいにその辺ちゃんとしようかなと思いますね。もし明日僕が死んだらcali≠gariの権利とか石井さんと研次郎くんに任せるしかないですからね。「うちの親にも少しは入るようにしておいてね」っていう。 ――仮に本当に青さんが世を去ったとしたらcali≠gariはどうなるのでしょうか。 村井:その時は僕が「二代目:桜井青」を襲名します。 石井:しばらくは桜井青の名前を使って色々出しますよね。「桜井青、未発表音源!」とか言って。10年くらいはイケるんじゃないですかね。 村井:もしそうなったら「未発表音源」をいっぱい作らなきゃですよ。 石井:ライヴも俺と研次郎くん2人でやりますね。ホログラムとかで色んな時代の青さんを映して。 桜井:そんなのするくらいなら矢口くん(MUCC Gu.ミヤ)とかに眼鏡かけさせてしばらくの間「二代目:桜井青」やってもらってよ!(爆笑)。 ――どうかいつまでもお元気で頑張って頂きたいです。 桜井:もちろんですよ(笑)。だから「火葬遊戯」って、今回の曲の中でどうでもいいようでどうでもよくない曲なんですよ。今回、僕の歌詞はどれも「死」について書いてますね。最後はみんな死ぬから。さっきの話じゃないですけど、“桜を散らして”“翼を広げて”みたいなことを言わないんだったら、結局は表現ってそういう方向に向かいますから。『14』を作るにあたって、「エヴァンゲリオンのパイロットは14歳」とか「思春期の14歳の自殺率」とかそういうことをイメージしながら書いたりもしたんですけど、なんだか難しくって。 ――なるほど。 桜井:元々cali≠gariは何でもアリのバンドだし、好きに作ってみてコンセプトなんかインタビューの時に適当にでっち上げればいいやなんて思ってたんですけど、気が付いたらこういう雰囲気に自然に収束していったというか。石井さんは昔からこういうことを書いていたと思うんです。そこに僕が自然と寄っていった形になったと思いますね。 『チェキ、ダメ、絶対』 ――cali≠gariにとって原点回帰のようでもありつつ、新たなアップデートでもある『14』を完成させて迎える2019年はどんな年にしていきたいですか? 桜井:お客の分母を増やしたいですね。若い子からしたらcali≠gariのチケットは少し高めの設定かもしれないですけど、チェキ買うお金があるんだったらそんなに高くないよ、という。ツアーファイナルの中野サンプラザには是非来て欲しいなっていう。チェキに頼ってない円熟したバンドのライヴもいいよってことですね。 石井:cali≠gariってチェキ売ってないの? 俺は全然売ってもいいですけど。 桜井:ダメです(断言)。僕はまだまだ10年20年、cali≠gariの「音楽」で食っていきたいもん。 石井:お金がいっぱいもらえるなら全然いいと思うんですけどね俺は。 桜井:あんなもの、売るってなると別にチェキ撮影日を一日がかりで設けたり、ライヴ当日にめちゃめちゃいっぱい撮らないといけないんですから。チェキに命かけてるバンドマンはそこに力入れてるんですよ。 石井:あー、それは面倒くさいからイヤですね。 桜井:うちはクジのオマケ位が丁度いいんです。 村井:じゃあ、2019年はチェキには走らない年にするってことで。 桜井:チェキ、ダメ、絶対。

RELEASE

2018年12月19日(水)
cali≠gari「14」【狂信盤】【良心盤】


【狂信盤】
MSNA-120 / ¥6,000(+Tax)
CD+DVD / 特殊パッケージ仕様
[CD]
全10曲 ※曲名未定
[DVD]
「狂信盤特典とは言ったものの当初決定していたプランが諸事情により制作出来なくなった割にはしたためた雑多な映像によって大分豪華になったと思われるノープランDVD」
01. トイレでGO! 【MV】
02. 水になる石井秀仁‼ 例のプールを蹂躙する美しき罪‼ -完全版-【ジャケ写メイキング:撮影 桜井青】
03. セルフカヴァーミニアルバム 「3」発売記念GIG@3/14(水) 新宿LOFT
※直ぐに聴ける!見れる!エムカード付き
※二十五周年記念贈呈盤ミニアルバム〝0〟の引換券付き

【良心盤】
MSNC-120 / ¥3,000(+Tax)
CD / 通常CDケース
[CD]
全10曲 ※曲名未定
※直ぐに聴ける!エムカード付き(CD音源)
※二十五周年記念贈呈盤ミニアルバム〝0〟の引換券付き

2019年1月14日(水)
cali≠gari「14」【グラフ盤】

【グラフ盤】
MSNB-120 / ¥5,000(+Tax)
エムカード + ムック本
[CD]
全10曲(エムカード) ※曲名未定
[内容]
ロングインタビューや『14』制作資料を含む100ページムック本付き
※直ぐにきける!見れる!エムカード付き
※エムカード収録内容
・アルバム「14」全曲(収録音源はハイレゾになります)
・トイレでGO! 【MV】
※二十五周年記念贈呈盤ミニアルバム〝0〟の引換券付き

LIVE SCHEDULE

TOUR 14 -The time is out of joint-

2019年01月14日(月・祝) Route Fourteen
2019年01月19日(土) 名古屋ボトムライン
2019年01月20日(日) umeda TRAD(旧umeda AKASO)
2019年01月26日(土) HEAVEN’S ROCKさいたま新都心 VJ-3
2019年02月02日(土) 高崎 club FLEEZ
2019年02月03日(日) 仙台MACANA
2019年02月09日(土) 岡山IMAGE
2019年02月11日(月・祝) 福岡DRUM Be-1
2019年02月16日(土) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2019年02月23日(土) F.A.D YOKOHAMA
2019年03月02日(土) 静岡Sunash
2019年03月09日(土) 札幌cube garden
2019年03月10日(日) 札幌cube garden

TOUR FINAL -I've come a long way since those old days-
2019年03月23日(土) 中野サンプラザ

PROFILE

cali≠gari
B. 村井研次郎
Vo./G. 石井秀仁
G./Vo. 桜井青

DISCOGRAPHY