ViSULOG 2020年3月号 COVER ARTIST / vistlip
過去と現在。
そして未来までをつなぐ、可能性に彩られた音がここには詰め込まれていると言えるだろう。

ここに来てvistlipが発表するミニアルバム『No.9』は、各メンバーの持つ音楽的背景や音楽的な原点が色濃く反映されたものであると同時に、ここからの彼らが歩んでいこうとしている“その先へと続く道筋”までもが音として表現されているものとなる。

シーンの第一線で長年にわたり闘い続けてきたvistlipだからこそ具現化出来たのであろう、完成度の高いこの音たちについて。
今回はバンドを代表してYuhと智にとくと語ってもらった。

取材・文:杉江由紀
「自分が求めてたのはこれだ」ってなったんです ――vistlipにとって、今回のミニアルバム『No.9』はメンバー個々の音楽的背景や、音楽的な原点が色濃く反映されたものになったそうですね。そこで、今さらではありますけれど、ここでは智さんとYuhさんの音楽的原体験についてのお話から、この取材を始めさせていただけますでしょうか。 :うちは親がピアノの先生だったんで、音楽にはちっちゃい頃から触れさせられてたんですよ。ピアノだけじゃなく、合唱とがかあるとそれにも出させられてたし(苦笑)。でも、その後に自分から音楽をやりたいなと思うようになったのは、友達がL'Arc-en-Cielの『True』っていうアルバムを貸してくれたのが切っ掛けでした。当時は何もわからないままに、「あぁ、これ『るろうに剣心』の曲だ」って思いながら「the Fourth Avenue Café」を聴いたりしてたんですけど、「この歌い方、カッコいいな!」とか、「バンドってなんか面白そうだな」って感じ始めたのはそこからでしたね。それで、ちょうどその1年後くらいにはDIR EN GREYとも出会うんですよ。 ――それはそれで、さぞかし衝撃的な出会いだったのでしょうね。 :「凄いなぁ、こんな音楽があるんだ…」って思ってました。自分の中では、そこで初めて激しい音っていうものにハマった感じだったんですよね。それ以前も、TVとかで流れてるX JAPANとかは聴いたことがあったけど、その激しさとはまた違ってるように聴こえたというか。 Yuh:あー、確かにそこは違うもんね。 :音が速いとか激しいとかメタルっぽいっていうのじゃなく、DIR EN GREYの場合はあの京さんの声の激しさに「自分が求めてたのはこれだ」ってなったんです。特に、「残-ZAN-」はそこが響いたなぁ。僕は、シャウトを欲してたんだと思います。 Yuh:L'Arc-en-Cielを聴いてた人が、いきなりそうなったんだ(笑) :うん(笑)。より明確に「ヴィジュアル系を、自分もやってみたいな」って思ったのはそこだった。 ――Yuhさんの場合、音楽的原体験はどのようなものだったのでしょう。 Yuh:俺も智と同じで、親がクラシックをやってたから、自分も3歳くらいから姉貴と一緒にバイオリンを習わせられてました(笑)。それで、小3の時ドイツに行った時にバイオリンの先生の娘さんがチェロを弾いてるのを聴いて、「こっちの方が音いいな」と思ったところからはチェロを始めて、そのまま音楽系の高校を卒業するまではずっとクラシックをやっていたというか、やらざるを得ないような感じでしたね。 ――では、ロックとの出会いということになると?? Yuh:TVとかは普通に視てたから、いろんな音楽は聴いてたんですよ。それで、あれは確か『Hey!Hey!Hey!』の番組の合間でCMが流れた時かな。レニクラ(レニー・クラヴィッツ)が『サーカス』っていうアルバムを出した時の来日公演のCMをやってて、「あー、これカッコいいな」ってなったんです。その前くらいからギターに興味を持つようになって、家にあったギターを小5くらいからちょっと触ってはいて、学校の自由研究?みたいなので、オケに合わせながら皆の前で曲をコピーしてひとりで弾くみたいな、今思えばちょっと恥ずかしいこともしてたんですけどね(照笑) ――小学生の頃から、なかなかの多才でいらしたのですねぇ。 Yuh:いやいやそんな。それでまぁ、僕はレニクラとかを聴いたりコピーした後に、今度はX JAPANを聴くようになって。7つ上の姉貴の彼氏がドラムをやっている人だったんですけど、その人と一緒に姉貴がキーボードでバンドを一緒にやってて、「今こんなのをやってるんだよ」って聴かされたのが、X JAPANだったんですよ。あれは「これはやべぇ!」ってなりました。そこからはブームだったのもあって、LUNA SEA、GLAY、SIAM SHADEとかも聴いてました。 ――そこに漏れなく技巧派・SIAM SHADEが入ってくるあたりに、ギタリスト・Yuhさんとしての今につながる片鱗を感じます。 Yuh:X JAPANでもhideさんが好きだったし、どのバンドを聴いても「なるんだったらギタリストだな」っていうのはありましたね。 智の「久しぶりにYuhがあの頃作ってたみたいな曲を聴いてみたい」っていう言葉が切っ掛け ――では、ここからはいよいよ今作『No.9』についてのお話をうかがって参りましょう。各メンバーにとっての音楽的な初期衝動が投映されることになったというこのミニアルバムを作って行く際には、今のお話にあったような皆さんのルーツを振り返るようなこともあったりしたのでしょうか。 Yuh:俺はそこまでそういうのを意識してたわけじゃなかったです。むしろ、曲作りの面で切っ掛けになったのは、「次どんなものを作ろうか?」という話を俺とTohyaと智の3人で話をしていた時に、智が「久しぶりにYuhがあの頃作ってたみたいな曲を聴いてみたい」っていう言葉だったんですよ。 ――それは既にほかのインタビュー記事などにも出ている、前回のワンマンツアー【NEW ERA STYLE】の最中に、おふたりとTohyaさんのお三方で大阪での食事の時のエピソードですね? Yuh:そうです、そうです(笑)。vistlipの前にも俺と智と留伊は一緒にバンドをやってたことがあって、その時に作ったような曲を智が「ああいうのを今のvistlipでやってみたい」ってそこで言い出したんです。 :そのバンドでは和っぽい感じの曲もやってたから、あれを今のかたちでやったらどうなるんだろう?って思ったんですよね。ちなみに、その曲タイトルは今回の『No.9』に入ったのと同じ「四季彩」でした。曲も歌詞も、今回のと当時のでは違いますけど。 自分にとっての必須課題というか、一つのノルマとして捉えていた(Yuh) ――となると、旧「四季彩」は今をさかのぼること何年前のものになるのでしょうか? Yuh:15年前とかだっけ? :多分それくらい。 Yuh:今回の「四季彩」は、その当時のことを少し思い出しながら作っていきました。 ――タイトルこそ同じであるとはいえ、歌詞も旧「四季彩」と今回の「四季彩」では違うものになっているそうですが、智さんとしてはどのような完成形を目指されたのです? :部分的に昔の「四季彩」で使ってたフレーズも入れてるんですけど、昔のやつと今回のではまず目線が違うんです。当時のが女性目線からの歌詞だったとすると、今回のは男性目線から書いたものなんですよ。 ――言わばセルフオマージュの手法で作られたのが、今回の「四季彩」であったわけですね。なお、制作の過程で過去を振り返りながら“あらためてわかったこと”がもし何かあらましたら、それについても教えてください。 :そこは単純に、俺は過去のものに対しては「なんか詰めが甘いなぁ」としか感じなかったです(苦笑) ――きっとそれは、15年の歳月を経て智さんがしっかりと成長をされてきたからこその感覚、なのでしょうね。 :そもそも昔はボキャブラリー自体が少なかったから、あれはもうしょうがなかったんですよね。和な感じにしたいはずなのに、途中で急にカタカナや現代語を使っちゃってたりとか、あらためて読んでみたら全然まとまってなかった。 ――そして、これは余談になりますが。なんでも、智さんはその過去の詞をネット検索して掘り出したそうではないですか。 :当時のものは歌詞サイトにもないし、自分の手元にも何も残ってなかったんだけど、検索してみたらファンの人が歌詞を上げてくれてたから。それを見て、「こんな詞を書いてたのか」って知りました。我ながら、そのあまりにちぐはぐな世界観にびっくりでしたよ(笑) ――今回の「四季彩」の歌詞から言葉をお借りするなら、当時はつまり〈まだあどけないあの頃〉だったのですね。 :そういうことでしょうね。あどけないっていうのはキレイな言い方をしてるだけで、さっきも言ったけどとにかくほんと詰めが甘かった(苦笑) ――そうした一方、Yuhさんが作曲の面で過去の「四季彩」を振り返りながら、“あらためてわかったこと”は何でしたか。 Yuh:僕の場合、過去のものを聴き直したりはしてないんです。だから、「こんな感じだったかな」という雰囲気を思い返したくらいだし、実際に出来た曲も前とは全然違います。ただ共通点があるとしたら、それはどちらもさっきから智が言ってる、和を意識したものだっていうことになるでしょうね。 ――曲作りにおいて和の雰囲気を醸しだすとなると、いわゆるヨナ抜きの和音階を使うことが多いと思うのですが、今回の「四季彩」でもそこはベースとなっているようですね。 Yuh:そこは両方とも同じです。ただ、昔のは今回のよりもいなたかったしメタルっぽかったかな(笑)。今回の「四季彩」はシンセ系の音にしても、ギターリフにしても、現代風なかたちで曲に出来たと思います。 ――具体的には、どのような手法をとられたのでしょうか。 Yuh:構成としては、あのラップっぽいパートを入れたのも大きいと思います。前のにはなかったんですよ。でも、vistlipでは俺が作る曲に関してはそういうのを入れるケースは多いし、vistlipを始めた時から海とかTohyaにも相談しながらミクスチャーの要素は意識して取り入れて来てますからね。そこをここにも入れたかったんです。 :今となっては、こっちのシーンでもラップとかもう普通になっちゃったけど。俺らが始めた頃は、かなり少なかった。 Yuh:周りからは「ヴィジュアル系なのにラップをやるのか」とか、最初はいろんなことも言われましたね。先駆けてやってた、くらいの気持ちなのにね(笑) ――憤懣やる方ないお気持ちはよくわかりますが、それだけvistlipは後にフォロワーが続出するくらいの、確かな実績を作ってきたということなのではないでしょうか。 Yuh:確かに、ここまでのvistlipが自分たちの道を信じて進んできたのは間違いないです。そういう意味で、この「四季彩」にも自分たちの大事にしてきたものを絶対に入れたかったんですよ。 ――とはいえ、和音階とラップ要素を混在させるのにあたっては、難しさも伴ったのではありませんか。そこに何か秘訣があったのであれば、少し教えていただきたいです。 :リリックの時点で曲調とか詞の世界観にそれを合わせることはもちろん大事で、あとは発声とか声色をどう使うかというのも重要なところではありましたね。 Yuh:バランス良く1曲の中に入れたいものを全て入れ込めたな、という手応えは自分の中にありますね。ある意味、「四季彩」に関してはこのミニアルバムを作って行くうえで自分にとっての必須課題というか、ひとつのノルマとしてとらえていたところがあったんですよ。だから、こうして昔を思い出しながらもこの曲を今のvistlipのものとしてちゃんとかたちに出来たことで、達成感と安心感?みたいなものを得られました(笑) ――これは仮定のお話ですが、もし今回の「四季彩」を15年前当時のおふたりに聴かせる機会があるとしたら、それぞれご自身に対してはどのような言葉を添えられます? :なんだろう?「良かったね」かな。 Yuh:15年後にはこうなってるよ、って?過去の智に、「これがアンサーだよ」って言ってあげればいいんじゃない? :なるほどね(笑)。まぁ、多分YouTubeに昔のは上がってるんでね。もし良かったら、皆さんも『No.9』に入ってるのと両方比べて聴いてみてください。 この曲ではそこをしっかりと“超えたかった”んです ――今回のミニアルバム『No.9』はそんな「四季彩」から端を発したものになったようですが、もちろんほかにもTohyaさんの作られた「GPS」と「Atelier」、海さんの作られた「Js Melancholy」、留伊さんの作られた「ミミックの残骸」なども含めて、実に魅力的な楽曲たちが満載です。それだけに各曲のカラーもかなり多角的な方向性を示すことになりましたけれど、これらをレコーディングしていくうえでは智さんが「曲によってのヴォーカリゼイションに相当こだわっているように見えた」と、先日は別媒体での取材にて海さんがおっしゃられておりました。それは事実ですか? :うん、そうかも。レコーディングの時にも、「どう?これ」って海に訊いたりしたし。曲によっては、それこそ「四季彩」なんていかにもヴィジュアル系っぽい歌い方を強調したから「やり過ぎじゃない?!」って言われたこともあったりしたけど、逆にリードチューンになってる「DANCE IN THE DARK」は全くヴィジュアル系じゃない方向性の歌い方をしてるんですよ。そういう、曲によっての歌い分けはしてますね。 ――物理的に、喉を鳴らしている位置からして曲ごとに違うのではにないです? :そうそう。「DANCE IN THE DARK」はリズミカルに聴こえる発音とかも大事にしたし。全部の曲を同じヴォーカリストが歌ってるの?って思われるくらい、明確に違いは出したかったです。 ――「DANCE IN THE DARK」を作られているのもYuhさんですが、この曲からは『No.9』の中で最も攻撃的かつ最新形な音像が具現化されている印象を受けました。ご本人としての狙いも、そこにあったことになりますか? Yuh:イメージしていたのは、サビが小刻みにハネる感じで楽しめる曲っていうことだったんですよ。そこがまずはあったから、これは仮タイトルも「DANCE」だったんです。そこにさらにラウドさとか新しい要素が入ってきたのは、今の自分が好きなものを素直に取り込んでいったからですかね。『Timer』(2017年12月発表のシングル)くらいからより積極的にいろんな音を入れるようになって来てるんですけど、これまではその為の環境があんまり整ってなかったんですよ。簡単に言うと、(音楽制作用)ソフトを買ってなかったとか、そういうことなんですけど。でも、今回は今後も見据えたうえでそこも強化して、いわゆるダブステの音とかループ系の音も使えるようにしたんです。 ――素晴らしい。業務拡張のための設備投資をされたと。 Yuh:ギターのフレーズうんぬん以上に、今回は楽曲としての完成度を高めるために音の追求をしました。 :ほんと、「DANCE IN THE DARK」は“普通に”カッコいいっすよね(笑)。そこって大事なんですよ。ふと流れてきた時に、やっぱり自分たち自身で率直にカッコいいって思えるものじゃないと、自信を持ってリリース出来ないし。特に、今回は曲によってそれぞれ雰囲気も違うだけに、リード曲はあからさまカッコいいのが良かった(笑)。もっとも、自分的にも苦戦はしましたけど。 ――苦戦というのは、どのような面で? :あー、これも難しかったのはラップ部分です。これまでもたくさんやって来てはいるんだけど、この曲ではそこをしっかりと“超えたかった”んですよ。ラップがこのシーンにも蔓延しちゃった今だからこそね(笑) ――なるほど、そういうことでしたか。 :俺はhip-hopも好きだよ、っていうことはこれまでも発信してきたつもりだけど、もはやこのシーンの中でどうこうっていうことじゃなくて。世の中的にも『フリースタイルダンジョン』とかがあれだけ流行ってるわけで、俺たちが今後ここから闘っていかなくちゃいけないのは“そっち”もなんですよ。 ――V系がラップをやってみた、ではなく。ラップもやっているV系ですけど何か?というスタンスで、対外的にも勝負出来るレベルまで到達したかったということなのですね。 :そういうことなんですよ。まぁ、実際に勝負が出来るかといったらフリースタイルとかはまた難しいのでおこがましい感じにはなっちゃいますけどね。でも、表現の在り方としては遜色ないものとしてどうしてもやりたかったんです。 ――その挑戦をすることで、目指していたレベルは超えられたことになりますか? :超えられました。過去の自分は、絶対超えたと思います。踏んでる文字数の面もそうだし、踏み方もそうだし。KREVAさんが前に言ってたんですけど、「語尾の“が”とかだけをずっと踏んでてもしょうがない」って。ほんとそれは俺も昔から感じてて、今のじゃなくて以前のラップブームの時はまだコドモでしたけど、「これはおかしいでしょ」ってよく思ってた(苦笑) Yuh:踏みやすいからね。語呂合わせみたいに、ついやりたくなっちゃう気持ちは俺もちょっとわかるけど(笑) :その点、我ながら「DANCE IN THE DARK」のラップはテーマに沿った言葉を言葉数的にもちゃんと揃えられたなと思いますよ。よくこれだけ出てくるな、って自分に対して感心しましたもん。今回そこは自分を褒めてあげたいポイントです(笑) 一面だけじゃないからね、vistlipは。いろんな面があるからには、それぞれをさらに強化していきたい。 ――なお、「DANCE IN THE DARK」には〈“No.9”から始まる舞台に拍手喝采〉という歌詞フレーズがあります。これとミニアルバムのタイトル『No.9』の関係性についても、少し解説をいただけますと幸いです。 :順序で言うなら、歌詞が出来てからミニアルバムのタイトルをつけた感じです。詞の内容自体としては、終末論を音楽業界の現状と重ね合わせながら書いたものなんですよ。そこで浮かんできたのが、いわゆる第九として有名な「歓喜の歌」で。何故、こういうタイトルになったのかはこの歌詞を読んでくれた皆ならわかってもらえると思います。過去と現在と未来をつなぐ言葉なんですよ、ここでの『No.9』っていうのは。 ――未来についての表現という面では、この詞の最後の方に〈良くなる事はもう無いだろう ならこの世界でどう笑えるのか。〉というくだりがありますけれど、個人的にはここがとても深く響いてきました。 :この歌詞の根本にあるのは、ミュージシャンとしてコドモの頃から変わらずに音楽をやってきて楽しい!っていう気持ちなんですよ。それは変わらず続いていくにしても、「もうシーンとしては終わってるよね」とか「ビジネスとして成立してないよ」って言ったり思ったりしてるのは、おそらく金儲けのことだけを考えてる人たちだけなんじゃない?っていう内容なんです(笑) ――純粋なるアーティスト側の意思を、この詞からは感じられますよ。 :確かに、規模として縮小してるのは間違いないんでしょう。CDが売れなくなった、っていう意味ではね。でも、たとえばサブスク解禁したりしながらも、今だってめっちゃ稼いでる方々はいるんですよ。羨ましいくらいに(笑) Yuh:あとはやっぱりなー。日本の音楽シーンの商業的なシステムって、海外の先進国と比べるとガラケー的な取り残されたものですしね。極端に言ったら、CDの盤は自分たちでオカネをかけて赤字で作る名刺みたいなもので、そこからYouTubeなりサブスクでどれだけ聴いてもらって、ライヴにも来てもらうかっていうところで考えていかないと。いろんなアーティストがそう思っているはずなんだけど、日本ではそこが上手く回りにくいっていうのがあるんでしょうね。 ――海外とはマーケットの規模がかなり違う、という側面もあるかと。 :それ以前の問題もあると思いますし。 Yuh:難しいよね、考え出すと。 ――くわえて、ViSULOGユーザーさまたちを始めとしたコアユーザーの方々にとっては、サブスクも便利ではあるけれども所有欲も満たしたいという気持ちもきっとあられると思いますしね。その点からいくと、今作『No.9』は4形態が用意されていますし、その中の【lipper】バージョンにはメンバーによるオーディオコメンタリーが収録されるのだとか。こうしたプレミアム感も、作品としては大事なところではないでしょうか。 :ぶっちゃけ、俺自身はリスナーとしての感覚だと盤は別に要らない派なんですよ。ただ、作り手という立場からするとモノにしていくうえではデザインやアートワークにもこだわりたいし、それも全て込みでの“作品”だと思ってますからね。 ――またこれは少し不謹慎な話にはなってしまいますが、まかり間違ってメンバーの誰かが不祥事を起こしてしまった場合、そのバンドの音源はサブスクから瞬く間に抹消されてしまうという危うさもあるわけですし。 Yuh:あー、そういうケースかー。 :確かにそうだよね。そういうこともあるのか。…って、その可能性は基本的にうちには無いと思います(笑) ――むろん、あくまでたとえ話です。 Yuh:難しいよね。よく言う作品に罪はないっていう意見もわかるけど… ――一方で、CDについては“お渡し会”など名称はさまざまですが、サインなり握手なりの付加価値があるから複数枚買うという付加価値ありきで成り立っているところがあるのもまた事実で…これも複雑な問題ですよね。 Yuh:そういう需要があることも、否定はしてないです。だけど、vistlipとしてこれはする、あれはしないっていう線引きはちゃんとあるんですよ。アーティストとして守らなきゃいけない一線はあると思うし、そこまでのアイドル化はしてないというプライドもあるので。 ――なにしろ、『No.9』はvistlipの音楽的背景をベースに、今現在のバンドが持つ力がいかんなく具現化されていれる作品ですので、聴いてくださる方々にも音そのものを何よりも堪能していただきたいものですね。 Yuh:自分の曲じゃないけど、今回は「GPS」とかも俺すごい好きなんですよね。女性コーラスをあれだけ入れたっていうのが、うちとしてはけっこう新しい攻めたアプローチだし。これも、今のうちだからこそかたちに出来た曲です。 :「GPS」は詞も面白いんですよね。自分で書いてるんだけど、他人事のように「凄いの書いたじゃん!」って思います。仕上がった時に読み直してたら、嬉しくなっちゃいました(笑) ――ところで。このアルバムが出た後にはツアー【Good vibes CIRCUIT ZERO】も控えているわけですし、2020年はここからが佳境になっていくとも言えるでしょう。おふたりが、ここからのvistlipに対していかなるヴィジョンをお持ちなのか、ということも最後にお聞かせください。 :バンドとしては、今回の「DANCE IN THE DARK」で一皮剥けたなという実感が持てたし、それはメンバー全員が感じていることでもあると思うので。これは瑠伊も言ってたことですけど、ここでつかんだ“あらたなvistlipっぽさ”を、ここからはもっと突き詰めていきたいと思ってます。まぁ、そうなってくると既存のファン離れが起きる可能性はありますけど(笑) Yuh:えー(笑) ――いや、きっとそれはないと思うのですよね。『No.9』にはvistlipがこれまでに培ってきた要素も入っておりますし、これは芸風を変えたのではなく、純粋に芸幅が拡がっただけのことだと思います。 :そう。一面だけじゃないからね、vistlipは。いろんな面があるからには、それぞれをさらに強化していきたいなぁ。

2020年3月18日 RELEASE / Mini Album
『No.9』

収録曲
[CD]
01.GPS
02.DANCE IN THE DARK
03.J's Melancholy
04.ミミックの残骸
05.Atelier
06.四季彩

[DVD]
01.2019.11.1 LIVE at マイナビBLITZ赤坂全曲

詳細
No.9 【PREMIUM EDITION】 (CD+DVD)
MJSA1286∼7 / ¥7,200(tax out)
<初回封入特典>
・トレーディングカード(ランダム封入)
収録曲
[CD]
01.GPS
02.DANCE IN THE DARK
03.J's Melancholy
04.ミミックの残骸
05.Atelier
06.四季彩

[DVD]
01.ROUGH the vistlip(全力大好きvistlip)

詳細
No.9 【LIMITED EDITION】 (CD+DVD)
MJSA1288∼9 / ¥3,300(tax out)
<初回封入特典>
・トレーディングカード(ランダム封入)
収録曲
[CD]
01.GPS
02.DANCE IN THE DARK
03.J's Melancholy
04.ミミックの残骸
05.Atelier
06.四季彩

[DVD]
01.「DANCE IN THE DARK」Music Video
02.メイキング動画

詳細
No.9 【vister】 (CD+DVD)
MJSA1290∼1 / ¥3,300(tax out)
<初回封入特典>
・トレーディングカード(ランダム封入)
収録曲
01.GPS
02.DANCE IN THE DARK
03.J's Melancholy
04.ミミックの残骸
05.Atelier
06.四季彩
07.RADIO the vistlip [No.9 EDITION]

詳細
No.9 【lipper】(CD)
MJSA1292 / ¥2,500(tax out)
<初回封入特典>
・トレーディングカード(ランダム封入)

vistlip 2020 oneman tour
『Good vibes CIRCUIT ZERO』

2020年03月28日 LIVE HOUSE Queblick Fukuoka
2020年03月29日 鹿児島SR HALL
2020年03月31日 長崎ホンダ楽器・アストロスペース
2020年04月09日 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2020年04月11日 金沢AZ
2020年04月12日 長野LIVE HOUSE J
2020年04月17日 mito LIGHT HOUSE
2020年04月19日 越谷EASYGOINGS
2020年04月24日 仙台CLUB JUNK BOX
2020年04月25日 盛岡Club Change WAVE
2020年04月29日 広島CAVE-BE
2020年04月30日 岡山CRAZYMAMA 2ndRoom
2020年05月04日 神戸VARIT.
2020年05月05日 ESAKA MUSE
2020年05月06日 KYOTO MUSE
2020年05月09日 札幌SOUND CRUE
2020年05月15日 名古屋SPADE BOX
2020年05月16日 静岡SUNASH
2020年05月22日 新横浜NEW SIDE BEACH!!

EVENT LIVE

■ BugLug 10th Anniversary 『Que Sera Sera』
2020年03月13日 名古屋E.L.L
2020年03月14日 長野JUNK BOX
OPEN 17:00 / START 17:30
[出演] BugLug / (GUEST) vistlip

■ V FES.JAPAN Cure / MIND-V PRESENTS
2020年04月26日 新木場STUDIO COAST
OPEN 12:00 / START 12:30

■ アルルカンサーカス
2020年06月06日 日本青年館
OPEN 15:00 / START 16:30
[出演] アルルカン / Plastic Tree / vistlip / DEZERT
智 (Vocal) | vistlip
Yuh (Guitar) | vistlip
海 (Guitar) | vistlip
瑠伊 (Bass) | vistlip
Tohya (Drums) | vistlip
智 (Vocal)
Yuh (Guitar)
海 (Guitar)
瑠伊 (Bass)
Tohya (Drums)