ViSULOG 2019年11月号 COVER ARTIST / DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
そこのけ、そこのけ、御犬さまたちの御通りだ。
昨年は10周年という大きな節目を迎えたうえで、2020年の年明けに最新シングル『アンハッピードッグデイズ』を発表したDOG inThe PWO。

彼らは来たる5月から、次なるツアー[犬交パーティーDX]を始めるという。 と同時に、どうやら今回のシングル『アンハッピードッグデイズ』は、10周年を経たからこそ生まれてきたものであるのだとか。

ちなみに、[犬交パーティーDX]については彼らがかつて行ったファーストツアーの上位互換的な意味合いが含まれるタイトルになっていることを考えても、DOG inThe PWOが今このタイミングを大きなステップのひとつとして考えていることはよく伝わってくる。

つまり、御犬さまたちの〈特別な日々〉は、これからもまだまだ頼もしく続いていくのだ。

取材・文:杉江由紀
あんまり自分たち自身では
「よくここまで10年頑張って来た」的な感慨にふけることなかった
――年明けには最新シングル『アンハッピードッグデイズ』がリリースされておりますが、昨年はDOG inThePWOにとって10周年という慶事もございました。そんなひとつの大きな節目を越えた今、皆さんが果たしてどのような心境にあるのか?ということを、今回のインタビューではまず教えていただけると嬉しいです。 :去年の10周年が終わってみて思っているのは、バンドがここまで続いてきたことに対して「ありがとう」とか「おめでとう」っていう言葉をお客さんたちからもらったりしたことは嬉しかったですし、自分たちとしては改めてこのバンドの今というものと、ちゃんと向きあえた日々になったんじゃないかな、という実感はあります。あとは、当たり前のことなんですけど、これからも思いついたことを実現出来るバンド力みたいなものをメンバー皆でもっと強くしていきたい、っていうことも凄く感じた1年でした。逆に言うと、あんまり自分たち自身では「よくここまで10年頑張って来た」的な感慨にふけることなかったですね。 10周年が終わった今は「どんどんここからも走っていかなきゃな!」
という気持ちになってます。
――なるほど。それはきっと、節目を迎えても立ち止まることなく、前へと進み続けているからこその感覚なのかもしれません。 準々:ほかのメンバーもそうだと思うんですけど、今まで10年続けられたバンドなんてほかには無かったんですけどね。でも、10周年が終わってみると「まだ5年は確実に続けられそうだな」という手応えを感じることが出来たんですよ。まぁ、バンドが解散したりするのって方向性の違いとかがよく理由になるじゃないですか。そういうことは、僕らに関してはこの先5年は無いだろうなって思えるんですよ。なんなら、僕は次の10年も続けていけそうだなって思ってます(笑) ミズキ:俺も、まさに準ちゃんが言ってることと似た感覚を感じてますね。10周年っていう節目でヘンに燃え尽きたり、ちょっとしたゴールみたいに思ったところは全然なくて、ここから先に向けてのことをちゃんと考えられた10周年になりました。もっとガンガンやってこうぜ!という気持ちで、あらたなスタートを切れたのが凄く良かったです。 ――実に頼もしいお言葉ですね。 緩菜:ただ、僕からすると10周年は修業みたいな年だったなっていうのもあったんですよ。10周年だから10コのミッションをクリアしようっていうのが始まって、それが思っていた以上にキツくて(苦笑)。だって、いつもだったら年に1つなのにそれがいきなり10倍ですからね。とはいっても、もちろんどれも楽しかったんです。やり切ることが出来て良かったなとも思っていますし、準備とか大変だったっていうのはあるにしても、「やりゃ出来るんだな!」っていう自信もついたので、結果としては良しでした。去年あれだけやれたということは、これからはさらに楽しみだなって感じてます。 ――修業の日々を経て自信を得た、というのは良いことですね。 メイ:僕はなんか、去年って台風の目の中にいるみたいな感覚がありました。ずっと渦中にいるだけに、「思えば10年経ってたんだな」って感じるくらいだったというか。それに、10年経ったからってここで少し休憩しようかとかと、止まろうかということでも全くなかったですしね。それどころか、ここからはさらに皆の期待に応えたいとも思ったし、実際にお客さんたちからの「次は何をしてくれるの?!」っていう雰囲気も凄く感じたので(笑)、10周年が終わった今はどんどんここからも走っていかなきゃな!という気持ちになってます。 ――ここまで5人全員のお言葉をうかがった印象としましては、異口同音に「これから」に向けての思いを新たにすることになったというのが、DOG inThePWOにとっての10周年という節目だったことになりそうです。そして、この度2020年の第1弾音源として世に出たのがシングル『アンハッピードッグデイズ』になるわけですが、今回の作品で皆さんがバンドとして特に打ち出したいと考えていらしたのは、どのような方向性だったのでしょうか。 :あれは7年目か8年目のことだったのかな?当時、そろそろ10周年も見えてきていた中で「バースデーソングを作りたいね」という話が出たことがあったんです。なんかいいじゃないですか、バンドにとって10回目のお誕生日を曲で祝うなんて。それで、何回も作ろうとしてはいたんですけど、どういうわけかなかなかピンは来るものが出来なかったんですよ。結果的にバースデーソングのことは一旦置いておくことにして、10周年が始まった最初に10年分の感謝を伝えるバラードとして『Re:WORLD』を作って出した、という流れだったんです。 ――それが2018年秋のことでしたね。 :それでまぁ、今回こうして10周年が終わったあとの最初の作品として何を出したいかなと思ったら、ここに来てやっと「おめでとう」っていう歌を作れるような気がしたんですよ。 ――先ほど、メイさんも10周年の最中は「ずっと渦中にいた」とおっしゃっていましたし、いろいろなひとしきりが終わってようやく自らを祝える心境に至れた、ということなのでしょうか。 :いや。何故その当時に曲を作ってもピンと来なかったかというと、そもそも僕らは自分たちに対して「おめでとう」なんていう曲を作るのはあんまりガラじゃない、っていうことだったんだと思うんですよ。人から言ってもらえるのは、とっても嬉しいですけどね。そういう意味では、バースデーソングを作るなら、自分たちに向けてのものではなくて、誰かを祝うような曲の方がいいなと思ったし、この11周年に入っていく今だったらそれを良いかたちで作れるなとも思ったわけなんです。だから、それを確信した時点で僕は皆に「次はバースデーソングを出したいです!」って言って、制作に入りました。 ――では、明確なテーマありきでの曲作りがなされていったわけですね。具体的なプロセスの面でいうと、表題曲「アンハッピードッグデイズ」は、いかにして生まれていったことになるのでしょうか。 :原曲は準が書いてきて、それを皆でわちゃわちゃとやりながら、楽器録りはスピーディーに進んでいきましたけど。歌詞は一向に書き上がらず…という状況で(苦笑)、僕は個人的に焦燥感を感じてました。いつも通りと言えばいつも通りの展開でしたね(笑) 緩菜:ほんと通常営業だった(笑) :ただ、基本的には何も変わらないんですけど、今回のシングルからクレジットに関しては個人名表記が解禁されまして、これまでは統一としてDOG inThePWOだったものが、今後はそれぞれの原曲作曲者がクレジットされることになりました。特に深い意味はなくて、気分でそうなったんですよね。 ――聴く側にとっては、クレジットを見ただけで原曲作曲者がわかるというのは参考情報として大変ありがたいです。なお、「アンハッピードッグデイズ」の原曲を作られた準々さんからすると、この曲を作っていくうえで曲調の面について特に重視されたのはどのようなことでしたか。 準々:そうだなぁ…明るくてワイワイ出来る感じは欲しいな、と思ってました。ライヴのことも想像していたところがあって、せっかくだから皆と楽しく盛り上がれるような曲にしたかったんです。 ――となると、コード感の雰囲気なども自然と定まっていったことになりそうですね。 準々:あぁ、そこは確かにイメージとして最初からわりと固まってました。このコード感っていうのは、もともと僕の得意なパターンでもあるんですよ。 ――聴かせていただいた印象としても、たとえ何の事前情報がなくても音だけで「これはDOG inThePWOの曲だろうな」と思えそうなほど、この曲にはこのバンドならではの賑やかでハッピーな空気感が強く漲っているなと感じましたよ。 緩菜:あー、なんかその感覚はわかるかも。 そんなのを普通に作るのはイヤだし、
そこを求めてる人はヨソを聴いてくれればいい(笑)
――その後、こちらの原曲に対して各パートの見地からアプローチしていった際のお話も伺いたいのですが、まずはミズキさんからお願いします。 ミズキ:バースデーソングということはわかっていたので、基本的に明るい音色や、ひらける感じの音でアンサンブルを作っていくようにしました。 ――DOG inThePWOとしては得意分野なタイプの楽曲だからこそ、その最新形を具現化するという意味で今回あらたに意識されたことなどはありましたか? ミズキ:あぁ、それもありました。どうしても、ここまで10年やってきた中ではバンドとしての個性を確立してきた反面、どこか凝り固まって来てしまっていたところもあるような感じもあったので、この曲を作っていくことがそこを1回ブッ壊したいなという気持ちを持つ切っ掛けになったんですよ。だから、今までにないやり方をいろいろ試したりもしてるんです。 ――明るくハッピーなだけではなく、ちょっとした毒気も音として盛り込まれているあたりがこの曲はとても乙ですよね。 ミズキ:だと思います。そこは自分でも意識してました。 :いやでもね、ミズキは意識しなくても根が暗いからな(笑)。そういう陰の部分とか、毒気はけっこう普通に出せるんですよ。 ミズキ:そういうことなのかなー(笑) :っていうか、ミズキだけじゃなくてウチはバンド単位で見ても本来はそんなに明るい曲が得意っていうわけではないんですよ。しかも、何の為に音楽をやりたいのかっていうことを考えたら、別に聴く人の背中を押せるような曲とか、「そうだよな、不幸せだよな。わかる、わかる。俺もだよ!」って励ますような曲なんていうのは、世の中にもういっぱいあるわけですからね。そんなのを普通に作るのはイヤだし、そこを求めている人はヨソを聴いてくれればいいので(笑)、僕らは「しんどいけど、前に進んで行こうな!」っていう音楽の方をやりたいよね、というスタンスでやってるから、つい暗いところがちょろっと出ちゃうんじゃないですかね。 ――なかなかそれは根深いお話ですが、メイさんの場合「アンハッピードッグデイズ」という楽曲とは、今回どのように向きあわれていかれたのでしょうか。 メイ:僕個人としては、敢えて普通にやるっていうことを大事にしました。 ――何故そこは敢えて、だったのです? メイ:10年やってきた経験からなのかどうかはわからないんですけど、音源にする時にいろいろ詰め込み過ぎてしまうと、それをライヴでやっていく時にそのまま表現できないっていう問題が出て来やすいんですよね。そこをようやく自覚することが出来たので(苦笑)、今回はライヴで弾いた時のことも考えてフレージングを考えたり、レコーディングしたりしていくようにしました。今までは、音源とライヴは別物って考えてたところがあったんですけどね。考え方というか、捉え方がここに来て少し変わったんですよ。ライヴをもっと完璧にやりたい、という風に。なので、必要以上の無理はしないことにしたんです(笑) ――良い意味で背伸びをしなくなった、ということなのでしょうね。 メイ:背伸びのし過ぎとか、実験的なこととか、飛び過ぎたことをやった曲って、結局ライヴの場でレギュラー落ちしてっちゃうという現実もあるわけですよ。だから、今回はとにかくライヴの場で常に最高の状態でやれる曲を作りたいな、と思ってたんです。 ――すなわち、それだけ地に足の着いたプレイがこの音源にはパッケージされている、と言えそうです。 メイ:はい、そういうことだと思います。 ――たとえば、5年前のメイさんと今のメイさんでは「無理はしない」となった時の、サジ加減も全く違うでしょうしね。10年経った今だからこそ出せる、等身大でも充分にカッコ良い音をメイさんはここで確立されたのではないでしょうか。 メイ:5年前なんて地に足どころか、空中を漂ってた気がする(笑) ミズキ:まだ地の存在さえ知らなかったんじゃない?(笑) :絶対そう!マジで俺ら皆フワフワしてたって(笑) メイ:確かに(笑)。昔の曲がどうとかそういうことじゃなく、この何年かでプレイヤーとして地に足が着いて来た、っていうのはほんとにあると思います。 自分の為にも、人の為にもなるような作品を作ることが出来た ――では、緩菜さんは今回「アンハッピードッグデイズ」の制作をしていく上で、何か気付かれたことはありましたでしょうか。 緩菜:まずは、気持ちの面でバースデーソングだっていうことは、明るい気持ちで録ろう!って決めてました。ドラムって、暗い気持ちで叩くと実際そういう音になっちゃうんですよ。明るい気持ちで叩けば音色もそうだし、フレーズ的にも軽快で明るいトーンのものが出て来たりするので、今回はそこを大事にしたんです。だから、音を出す前のブースの中での雰囲気作りがかなり重要でしたね。それが上手くいったせいか、家では浮かばなかったフレーズがポンポン出て来て凄い捗りました。 ――ということは、レコーディング現場で同時に再アレンジもされたわけですね? 緩菜:えぇ。プリプロで作ったのとは、ちょっと変わっていって結果的にこの完成形になったんです。 ――楽器隊の音がそうやって重なっていった中、春さんは歌詞づくりに奮闘されていたそうですけれど、この詞を仕上げていくのにあたり特に難しかったのは、具体的にどういった点だったのでしょうか。 :普段から遅筆なんですよ、僕は。何故かといったら、自分には見栄っ張りで好奇心旺盛なところがあるからなのか、大抵いつも最初に書く詞にはまだ本心が書けてないことがほとんどなんですよ。 ――ご自身でそれがわかるのですか。 :わかりますよ。最初のうちは、まだ「こう思われたい」とか「こう思っているように見られたい」とか、「こう思ってる自分でありたい」みたいな気持ちが言葉の中に渦巻いてますからね。そして、そういう要素を自分で読み取れてしまった場合、その歌詞はそこからどうしても好きになれなくて。書き直すことになるんです。 ――ご自身の内にある、本音と願望との闘いが繰り広げられるとは壮絶ですね。 :闘いっていうよりも、1枚ずつめくっていくような感じに近いのかな。フルコーラス分を書いて、ダメってなるとそこで1枚分がめくれて。またダメってなったら2枚目がめくれて。それを繰り返さなきゃならないから、僕は詞を書くのが昔から遅いんです。 ――ストイックな陶芸家のようですね。作っては壊し、作っては壊しを繰り返しながら、到達すべき点を求めていくという点で。 :いつも4~5回はまるごと書き直してますね(苦笑)。さっき、メイの話の時に等身大とか地に足が着くっていう言葉が出て来てましたけど、詞を書く上でもそこの域までいくのは凄い難しいことなんですよ。でも、去年『Doggy StyleX』(ミニアルバム)を作った時にわずかながらにそこが見えた気がして。バンドの今をそのままレコード出来た実感が相当あったので、今回はそこはさらに超えたいなと思ってましたね。 ――ということは。ひとつの成功体験を経て、今回は新たな領域へと踏み込んだことになりますか? :時間は掛かりましたけど。自分の為にも、人の為にもなるような作品を作ることが出来たという自負はあります。自分で「こんな歌を歌ってるバンドが俺は好きだな」って思えるようなものと、「自分たちはこういうことが言いたいんだ」っていうところが、ちゃんと合致するようなものをなんとか作れたんじゃないかと思いますね。その証拠に、書き上げた時に「どう?」って皆に訊く必要がないくらい、自分の中で完全に納得がいってたんです。 ――素晴らしい。個人的には、〈アンハッピーなバースデーず 反吐が出る位 かけがえなくて 嫌になる程 愛しき日々を〉という最後の部分が、特に胸に刺さってきました。 :僕にとってその愛しき日々どんなものなのかっていうことは、きっと聴いている人はよくわかんないと思うんですよ。その代わり、この詞に対して共感を覚えた人たちにとって、その愛しき日々がどんなものなのかも僕にはわからないんですけどね。だけど、この歌の場合はそこがまたいいんです。けっこう人によって受け取り方もまちまちで、「とっても明るい歌詞ですね」っていう人もいれば、「泣きました」っていう人もいるんですよ。なんかそれが、僕にとっては嬉しいんですよね。テーマははっきりしてるにしても、いろんな感じ方が出来る歌詞って良い歌詞なんじゃないかなと思うから。そういう意味では、これって絵本みたいなものに少し近いのかな。 ――こどもでも読めるような絵柄と文章で描かれている物語ではあるものの、行間や背景を探っていけば含蓄はあれこれ含まれていますよ、というタイプの絵本でしょうね。 :大人になって読み直した時に、やたらグっと来ちゃう系のヤツだ(笑) ――まさに言い得て妙です。ちなみに、誕生日というもの自体に対しての考え方もそこは人それぞれだったりしますが、皆さんそれぞれの誕生日に対する価値観についても、ここで少し教えていただいて良いですか? 準々:自分の誕生日については…僕はなんとも思わないです。もともとイベント全般に対して、凄い冷めてる方なんで。このあいだのお正月とかも、あけおめメールとかしなきゃいけないのメンドくさいなぁ、ってなっちゃってました。誕生日も家族から祝われるのは素直に「ありがとうございます」って思いますけど、基本的には放っておいてくれていいです。 メイ:僕も誕生日は苦手な方ですね。祝われるよりも、断然こっちから祝う方がワクワクして楽しめるんですよ。プレゼントを買って渡す瞬間とか、凄いドキドキしちゃうし。自分の時は、「おめでとう」って言われると「ありがとう」とは思うんです。でも、その気持ちを言葉にするのがもうほんとに小っ恥ずかしくて(苦笑)。複雑なんですけど、嬉しい反面で苦手ですね。あ、でもイベント自体は好きです(笑) ――残念ながら、ここまでは誕生日についてあまり芳しいエピソードが出て来ていないのですが(苦笑)、ポジティヴなご意見をお持ちの方はいらっしゃいます? 緩菜:僕は素直に、皆に対して「ありがとう、ありがとう!」って言えます。誕生日は楽しいです。 ミズキ:俺も嬉しい派です。こうしてバンドをやらせてもらっていると、幸い祝ってもらえる機会というのもわりとあるので、そういう時は心から喜びます(笑) ――今年は、6月まで続く各メンバーのバースデーを記念したシリーズライヴ[ハッピードッグデイズ]も開催中ですものね。 ミズキ:ほんとありがたい話です。 ――さて。「アンハッピードッグデイズ」の歌詞を書かれた張本人である、春さんはいかがです? :自分のはどーでもいい。というか、自分の時は恥ずかしい。これはメイと近いですね。いろいろあったのもあって、ちっちゃい頃からあんまり好きじゃなかった。でも、人の誕生日を祝うのは僕も好き。むしろ、メチャメチャ好き(笑) ――そうした観点からいくと、この歌詞は〈誰でもない僕等に おめでと アンハッピーバースデー〉との記述もありますのでね。祝われるのが好きな人も、祝うのが好きだなな人も、ある種の当事者として解釈することが出来そうです。 :人って、年々ホメられなくなってくじゃないですか。最近、人から肯定された経験ってあります?僕は凄い少なくて。ましてや、自分で自己肯定が出来てない状況下だと仮に人から何か言われても…っていうのが、よくあるパターンなんですよ。 ――真面目な人ほど、自己評価が低い傾向にもあるのも難しいところです。 :だけど、出来るなら誕生日くらいは自分も自分を肯定したいし、皆もそう思えたら素敵じゃないですか。もし、「もうそんな祝うような歳じゃないよ」とか言う人が誰かいたとしても、「いやいや、俺にとっては祝いたい日なんだよ」っていう気持ちを伝えたいし。そういう気持ちを持っていたい、っていう願望もここには入ってるかな。 ――「アンハッピードッグデイズ」は、受け取る人の状況や心境によってさまざまな解釈が出来る歌になっている、という点がとても興味深いです。元を正せば、この曲タイトルも象徴的ですものね。 :単語としては、もともとハッピーアンバスデイって言う言葉があるじゃないですか。だけど、それをそのまま使うのはちょっと違うと思ったし、タイトルから「こういう曲なんだろうな」って判断されるのもイヤだったんです。かといって、これをアンハッピーバスデイとしてしまうと英語としての意味合いが大きく変わってきてしまうので、今回は「アンハッピードッグデイズ」にしたんです。不幸せな誕生日の歌ではないけれども、不幸せな誕生日とは何ぞや?ということにこの曲を聴いた人が思いを馳せてくれたらいいな、と思ってこの少し濁らせた感じのタイトルにしました。カタカナ表記だし、厳密に英語としての意味を追求したわけとかでもないからいいかなって。直感的に、これが一番しっくり来たんです。 思ってもみなかったようなカッコ良い曲が生まれてくる瞬間って、最高ですよね ――わかりました。なお、今回のシングルには他にもカップリング曲が収録されておりますので、それらについても少しずつ解説をいただこうと思います。冒頭の「ダブルアーム式DDT」はSEとなりますが、表題曲の次に来る「RED/PILL」はアグレッシヴな色合いを多分に含んでいるように聴こえます。この楽曲は、どなたが原曲を? :これも準です。今回は全曲とも準が原曲を作ってるんですよ。 ――そういうことでしたか。準々さんからすると、今回「RED/PILL」を作って行く上で求めていたのはどんなことでした? 準々:これは表題曲と一緒に何曲か提出した中の1曲だったものですね。 ――つまり、これもバースデーソングになる可能性があったということですか??? :違うんですよ。この曲を出して来た時、準々は「カップリングとして作った」って言ってました。とにかく今回ここに入れたい、っていう気持ちは凄い伝わってきた(笑) 準々:作って出来てみたら、なんかいいなって思ったから推しました。 ――ダイナミックなバンド感が凝縮されたような音像で、表題曲とは別方向に行き切っているものとして聴こえます。 準々:うちのシングルは、昔から3曲なら3曲とも全く違うタイプのものを入れて来てますからね。今回もそこは変わらないです。 ――この「RED/PILL」の歌詞については、何を切っ掛けとして書いて行くことになったのかも、ぜひ教えてください。 :これはねぇ。「アンハッピードッグデイズ」の詞がクレヨンを渡されて「好きな絵本を書いていいよ」って言われて書いたようなものだとしたら、こっちはグシャグシャッと書かれた前衛的な絵を見せられて、「ここにタイトルつけて」って言われた感じかな。 ――観念的なものであった、と。 :えー、さっきの等身大の話にまた戻るとですね。DOG inThePWOは最初から今みたいな音楽をやろう!って言って組んだバンドではなかったし、当初はお互いにカッコいいと思えるヤツらで集まって、イイ音を鳴らして、キャーキャー言われたいと思って組んだバンドなんですよ。まぁ、大抵のバンドはそうだと思いますけど(笑) ――原点は一様にそうだとしても、結局はそこからどう転がっていくのか?が最も大事なところだと思います。 :今思うと、準々と出会いたての頃なんて「こんな曲いいよね」とか、「こういうのもいいよね」って言いあいながらせっせと曲を作っていたわけで、お互い常にフルテンで投げてフルテンで返す!話しあいなんてゼロ!みたいなやり方をしていたんですよね。 ――ひたすら衝動をぶつけあっていただなんて、随分とプリミティヴだったのですね。 :だから、準がどう思っていようと俺は俺でやっていってたし、お互いの意図をマッチさせる必要もなかったんですよ。俺としては、この曲を聴いた時にその頃の感覚を明瞭に思い出したんです。「あ、これは自分の好きにやっていいんだ!」って。これはそういう詞ですね。そして、出来上ってみたら我ながら非常にカッコ良かった(笑) ――「RED/PILL」という表記からして、なんともスタイリッシュですし。 :だって、錠剤って線が入ってるのが多いでしょ。だからこうしたんです。あと、英語のスラングではRED PILLには“真実に目覚める”っていう意味もあるらしいんで、そこも考慮したところがあります。 ――では、もう1曲の「脳が足りん」。こちらについては、どんなイメージを下敷きとしながら作られたものだったのでしょう。 準々:これは『アラジン』みたいな曲が欲しい、という話があって作った曲ですね。 :僕がイジワルを言ったんですよ。『アラジン』とか『美女と野獣』とか、ミュージカルっぽい曲を作って!って言ったら、どんなのが出てくるのか興味があったんです。「困ったな…」って思うところから曲を作ってもらって、新しい一面が見たかった(笑) メイ:だけど、準ちゃんは『アラジン』を観たことが無かったっていう(笑) ――ということは、これは想像を元に作られたことに?? 準々:一応、曲作りの前に初めて観ました。 ミズキ:ちゃんと観たんだね(笑)。で、世界観としてはどうだったの? 準々:『アラジン』に関しては、要はマリオ的なことなんだなって思いました。悪いヤツに姫がさらわれて、みたいな。 :うーん…?まぁ、はい(苦笑) 緩菜:さすが準、冷めてるなー(笑) 準々:とりあえず、大体のイメージはわかったんで。作ったんですけど、出来たものは『アラジン』とはちょっと違ったかなって思いました。 メイ:『アラジン』というよりは、ちょっとホーンテッドマンションっぽい雰囲気を僕は感じましたけどね。その影響で、この曲にはサビでホーンテッドマンション的なフレーズを入れてます(笑) ――正直に申し上げますと、ワタクシも「脳が足りん」を聴いて『アラジン』を連想することはありませんでしたね。 :それは俺もですよ。「全然ちげーの来たじゃん!」って思いましたもん(笑)。っていうか、そうなることも最初から織り込み済みでしたけどね。想像の範囲外のことをオーダーされた時、準々は必ず新しい世界を作ってくるはずだって思ってましたから。そうやって思ってもみなかったようなカッコ良い曲が生まれてくる瞬間って、最高ですよね。 ――準々さん、春さんより“最高”のお言葉をいただきました。 準々:どうなんですかねぇ。もうちょっとくらいは、『アラジン』感を出してオーダーに応えた方が良かったのかな?とも思ったりはするんですよ。結果として良い曲にはなったと思うんですけど、注文にしっかりとそぐう曲を作れなかったという点については、僕としてはちょっと不本意です。 ミズキ:大丈夫。ちゃんと世界観のある曲になってるから。緩さと鋭さが混在してるところも面白いと思う。 緩菜:リズムとしては手拍子が入れられるような曲にもなってるので、あそこはライヴで皆が手拍子をしてくれたら嬉しいですね。 僕らって、異端なんですか?
一応、王道なバンドとしてやってるつもりなんですけど。
――そんな「脳が足りん」の歌詞に関しては、これまたユルさとシニカルさが交錯したものとなっているように感じるのですが… :これは本心ですよ。 ――しかし、〈ぼくはのろまで おばかさんだから〉とありますよ?? :周りからはきっとそう思われてるだろうなー、と思って。俺もそう思ってるし。この歌詞を書いたのは「アンハッピードッグデイズ」の後でもう“めくれた”後だったんで、ほんとに思ってることをスラスラ書けました。 ――この「脳が足りん」は、DOG inThePWOが良い意味で異端なバンドであることを今作の中で最も如実に表している楽曲に仕上がったと言えそうですね。 :えっ。僕らって、異端なんですか?一応、自分としては王道なバンドとしてやってるつもりなんですけど。このバンド名だって、実はGODっていう名前にしたくて「我が世界の神たれ」っていうのが、うちの秘かなコンセプトとしてありますからね。…って、そんな感じだったっけ? ミズキ:初めて聞いたわ(笑) ――このバンドは、本当に極めて異端だと思いますよ。もちろん、「だがそこがいい」ということでもあるわけです。 :そういうのヤだなー。そうやってさ、飛び道具みたいな扱い受けるの。俺たちはあくまでも、GLAY、L'Arc-en-Cielに次ぐくらいのドストレートにカッコ良いバンドをやってるつもりなのに。それが違うっていうなら、じゃあ90年代を受け継ぐ超正統派バンドっていうのはどう? ――どうもこうも(笑) :おっかしーなぁ。じゃあ、どういうバンドなの?うちって。 ――ディズニーランドにたとえるなら。ヴィジュアル系ワールドに隣接した、それこそ“パラレルワールド”を別エリアとして展開している感じでしょうかね。 :エリア自体も違うの?!イヤなんだけど。ど真ん中でいたい!!っていうか、ウチはど真ん中でしょ。他がズレてってるだけじゃない?なんかわかんないけど一時はメンヘラが流行ったりしてたし、突然チューニング下げて重い音にしてみたり。なんかヘンにラップし始めたり。皆がズレ出してるから、何故かうちが王道に見えないだけでしょ。そうなんじゃないかな。多分。 ――わざわざ何重にも語尾をぼやかさないでくださいよ。(笑) :あははは(笑)。まぁ、そんなに異端だって言うなら別にそれはそれでいいよ。納得はいってないけど。何度も言うけど、ウチはほんとは王道なんだからねっ!! ――承知いたしました(笑)。それでは今回は最後に、ライヴについてのお話も伺っておきましょう。来たる5月からは10周年を終えたDOG inThePWOが放つ2020年1st TOURとして[犬交パーティーDX]も開催されますので、こちらも実に楽しみです。 :いいでしょ、このツアータイトル。 メイ:ファーストワンマンツアーのタイトルですからね。 準々:懐かしい。 ミズキ:そこにDXがついてます。 メイ:『星のカービィ』みたいにね。 ――なんとも胸熱ではないですか。 緩菜:今年はそのツアー以外にもライヴがいろいろあるし、結局はまた大変な1年になりそうです(笑)
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
Official 犬Tube

2020年1月7日 RELEASE / NEW SINGLE
『アンハッピードッグデイズ』

【初回盤 (CD+DVD)】
RSCD-324/325 / ¥2,000(+Tax)

収録内容
[CD]
1.ダブルアーム式DDT
2.アンハッピーバースデー
3.RED/PILL
4.脳が足りん
5.アンハッピーバースデー (instrumental)

[DVD]
アンハッピーバースデー -Music Clip-

購入特典
[2タイプ購入特典]
DOG通信Vol.0.995

[発売元]
Resistar Records
【通常盤 (CD)】
RSCD-326 / ¥1,500(+Tax)

収録内容
[CD]
1.アンハッピーバースデー
2.RED/PILL
3.脳が足りん
4.アンハッピーバースデー (instrumental)

購入特典
[2タイプ購入特典]
DOG通信Vol.0.995

[発売元]
Resistar Records

DOG inThePWO 11th Anniversary 『Wonderful Wonder Year』
『ハッピードックデイズ』

『Wonderful Wonder Year』スペシャルLIVEイベント
メンバーの誕生日に想い出の地を巡る
『ハッピードッグデイズ』
全日程メンバーを祝うべく特別O.A出演決定!!

■ミズキハッピーバースデーLIVE
2020年01月12日(日)
東京:中野ムーンステップ
OPEN 16:30 / START 17:00
伝説のフォークデュオ&10年振りにメンバーパートチェンジバンド復活
[出演] 電信柱と桃尻漢&クリス inThePWO(O.A) / DOG inThePWO

■春ハッピーバースデーLIVE
2020年01月16日(木)
東京:府中Flight
OPEN 16:30 / START 17:00
ヤブ櫻井と新人医師達による新春の集い
出演:第一回桜を看取る会(O.A) / DOG inThePWO

■メイハッピーバースデーLIVE
2020年03月13日(金)
宮城:仙台MACANA
OPEN 16:30 / START 17:00
メイハッピーバースデーLIVE 3月13日(金) 宮城:仙台MACANA
頑張れ!!コピーバンド第1弾
[出演] D'OG~en~Ciel(O.A) / DOG inThePWO

■緩菜ハッピーバースデーLIVE
2020年03月15日(日)
高知:高知X-pt.
OPEN 16:30 / START 17:00
頑張れ!!コピーバンド第2弾
INU SEA(O.A) / DOG inThePWO

■準々ハッピーバースデーLIVE
2020年06月20日(土)
東京:HOLIDAY SHINJUKU
OPEN 16:30 / START 17:00
KING OF ダサカッコいい
[出演] バブリィ革命ズ(O.A) / DOG inThePWO

[料金]
全公演スタンディング:¥4,900(+Tax)

[一般発売日]
チケット一般発売中!

『ニャンダフルニャンダーイニャー!?』スペシャルLIVEイベント
マニア小屋『CAT inThePWO主催-猫耳限定(ニャー)-』

2020年02月22日(月) ※猫の日 高田馬場AREA
OPEN 16:30 / START 17:00

[料金]
スタンディング:¥4,900(+Tax)

10周年を終えたDOGが放つ2020年1stTOUR『犬交パーティーDX』

2020年05月03日(日) 大阪RUIDO
2020年05月06日(水・祝) 福岡INSA
2020年05月09日(土) 名古屋CLUB UPSET
2020年05月16日(土) 仙台MACANA
-TOUR FINAL-
2020年05月24日(日) 池袋EDGE

[開場 / 開演]
OPEN 16:30 / START 17:00

[チケット料金]
全公演スタンディング ¥4,900(D別)

【オフィシャル携帯サイト“DOGマニア”会員先行受付】
受付期間:1月4日(土)21:00〜1月13日(月・祝)23:59
入金期間:1月18日(土)14:00〜1月26日(日)23:59

【一般発売日】
2020年02月01日(土)より

INSTORE EVENT

2020年01月06日(月) 曙橋STUDIO
[1部] 通常盤購入対象 個別握手会
[2部] ランダムチェキ撮影会

2020年01月19日(日) 池袋マルイ
[1部] アコースティックライブ
[2部] ランダムチェキ撮影会

2020年01月19日(日) littleHEARTS.新宿店
[1部] アコースティックライブ
[2部] ランダムチェキ撮影会

2020年02月16日(日) ライカエジソン東京店
[1部] アコースティックライブ
[2部] ランダムチェキ撮影会

2020年02月23日(日) タワーレコード新宿店
トーク&サイン会(私物1点)

2020年02月23日(日) ライカエジソン自主盤倶楽部
[1部] アコースティックライブ
[2部] ランダムチェキ撮影会

2020年03月20日(金・祝) 新星堂サンシャインシティアルタ店
[1部] アコースティックライブ
[2部] ランダムチェキ撮影会
メイ (Ba.) | DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
ミズキ (Gu.) | DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
春 (Vo.) | DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
緩菜 (Dr.) | DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
準々 (Gu.) | DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
メイ (Ba.)
ミズキ (Gu.)
春 (Vo.)
緩菜 (Dr.)
準々 (Gu.)