ViSULOG 2019年11月号 COVER ARTIST / cali≠gari
四半世紀の時を超えてきた、そのキャリアと存在感。
何より、cali≠gariにしか生み出せないものを常に呈示してみせるその異才に満ちた手腕には、圧倒的な畏怖さえ感じてしまう。

夏にはEpアルバム『この雨に撃たれて』を発表した彼らが、ここに来て25周年イヤーを経ての26年目に入った第一弾作品として発表するのは、その名も『ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか』と題されたミニアルバムだ。

なお、このインタヴューにおいては作品に対する解説だけでなく、今作を【頚椎盤】と【椎間盤】の2形態とした理由から始まって、最終的には現在の音楽シーンが直面しているリアルな問題にまで、ギタリストでありリーダーである桜井青氏が舌鋒鋭く語ってくれることとなった。

12月はツアー[シリーズ“街”2019冬 三角と工業]や、年末公演[2019 LAST GIGS 極月喰らい、三つの煩悩 -akuśala-mūla-]、そして来年の春先に予定されているdeadmanとの2マンツアー[死刑台のエレベーター]にも臨んで行くことになるcali≠gariが、今まさに何を思い何に向かって動いているのか。それを、ここではあらためて感じていただきたい。

取材・文:杉江由紀
今作は、他に誰がこれをやるんだ?というものになってます。 ――夏にはEpアルバム『この雨に撃たれて』が出ていた中で、今回は次いでのミニアルバム『ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか』が発表されることとなりました。聴かせていただきました印象としては、前作とはテイストが全く異なる仕上がりにやや面食らったりもしたのですが(笑)、作品によってサウンドの有り様はもちろんのこと、詞の雰囲気も大胆なほど自在に可変するあたりはやはりcali≠gariの凄さですね。 桜井青:確かに、テイストは前回とかなり違いますねぇ(笑) ――今作については【頚椎盤】と【椎間盤】の2形態があることや、「ヘルニア Ⅰ」から始まって「ヘルニア Ⅴ」と題された楽曲たちが収録されていること、さらには各メンバーによるモノローグが入ったインスト曲「ヘルニアの場面・村井研次郎」「ヘルニアの場面・桜井青」「ヘルニアの場面・石井秀仁」までが入っていることを踏まえますと、実にテーマが明確なものであると受け取れます。これだけコンセプチュアルなものが生まれるに至った経緯をまずは教えてください。 桜井青:もともと、cali≠gariはいわゆるコンセプトっていうものを嫌っていたところがあって、だからこそ“実験室”っていうかたちで作品を出していたんですけどね。でも、このところ復活して以降のナンバリング・シリーズでいうと、たとえば『13』とか『14』は悪意とか死とかをテーマにしてきたところがあるし、今回はそこのテーマ性がさらにわかりやすくなったということですかね。というわけで、今作は他に誰がこれをやるんだ?というものになってます。でもほら、ヘルニアを患っている人ってけっこう多いじゃないですか(苦笑) バンドをやっていくうえでの二大職業病といったら、ヘルニアと痔ですよ(笑) ――タイトルにある“ある職業病”とは良く言ったもので、確かに人によって度合いこそ違えどヘルニアが持病となっていらっしゃるミュージシャンの方は多い印象です。 桜井青:バンドをやっていくうえでの二大職業病といったら、ヘルニアと痔ですよ(笑) ――重い機材の上げ下ろしに、長距離移動、そもそも楽器が重いのにそれを持ってステージ上では激しく動いたり、制作時には長時間のデスクワークもあったりと、首や肩や腰に負担がかかるケースは多そうですものね。 桜井青:ステージパフォーマンスで、首を激しく振ったりするような人たちも大変だと思いますよ。どうしても長くやってると、どっかしらには来ますよね。ウチなんかはほんと、3人ともだから ――「ヘルニアの場面・村井研次郎」「ヘルニアの場面・桜井青」「ヘルニアの場面・石井秀仁」の3曲では、まさに各人がどのような切っ掛けで発症してしまったのか、という事実が克明に語られていて震撼しました。 桜井青:もしかしたら、この記事を読んでいる中には「ヘルニアだってー!ウケる!!」みたいにケラケラと笑う人たちもいるかもしれないけど、その昔にはHellとNearでヘルニアって言われるようになったっていう説があるくらいのものですからね。だって、ある日いきなり謎の激痛で倒れて動けなくなってしまうわけですから。悪魔によって何かをされて、地獄が近くなった!って当時の人たちが感じたとしても、おかしくはないですよ。まぁ、今となっては原因も解明されて対処法もある程度は確立されていますけど、そのくらい痛いっていうことなんです。痛過ぎて眠れない時はそれも辛いし、中には途中で治ったっていう人もいますけど、僕なんかは一生付き合っていかなきゃならないと言われてます ――どうかくれぐれもご自愛下さいませ。それにしてもですよ。25周年にまつわるあれこれが今年9月に終わった中で、何故cali≠gariはこのタイミングでヘルニアについて集中的に描いた作品を出すことにされたのです?? 桜井青:別に「何故」というほど難しいことではないんです。ひとつには、あらためて今後のライヴというものについて考えた時、やっぱりcali≠gariっていろんなバンドさんと比べてもちょっと特殊な構成のライヴをしているなと感じたんですよね。激しい曲だって決して少ないわけじゃないものの、もっとお客に寄っていけそうな感じの曲があっても良いのかなと思ったというか。これを口に出すことはちょっとハズかしいんですけど(笑)、いわゆるコール&レスポンスみたいな。お客さんたちとの一体感を生みだせそうな曲って、あんまり無いなと思った時に「よし、今回はそういうのを作ってみよう!」という気持ちで始めたんです。ただ、作ってみたら「果たしてこれは一体感を出せるのか??」っていう曲たちになっていて、結果としてこうなっていましたということなんですよ(笑) ――cali≠gariはどこまでもcali≠gariである、ということなのでしょうね。また、今作は自主レーベルからのリリースでもあるそうで、この方法をとられた理由についてもぜひうかがいたいです。 桜井青:25周年の締めくくりとして『この雨に撃たれて』を出させていただいて、ビクターに戻りましたということだったんですけど、そこから26年目に入って最初に何をやろうかとなった時に、今回はこういうものが出来てしまいましたからね。いやー、これはビクターからは出せないでしょ。ダメですよ、こんなの出したら傷ついちゃう!あ、傷つくというのは向こうがという意味ですよ(苦笑) ――そういうことですか(笑) 桜井青:実際、ちょっと歌詞の面で引っかかりそうな内容もあったんです。今さら、そういうことではモメたくないじゃないですか。向こうの法務部とかに手間をかけさせるのもイヤだったし、歌詞を黒塗りだのピー音で消すだのっていうことをやるような年齢でも既にないので(笑)、今回の場合は“ビクターらしくない”作品だからインディーズで出すことにしました。それに契約したからといって、必ずしもビクターから出さなくてはいけないということではないし、機が来たらちゃんと“ビクターエンタテインメントらしいもの”を出させていただきますよ。愛とか勇気とか、夢がたくさん詰まったものをね(笑) ――しかしながら、今作に収録されている楽曲たちもある意味では非常にキャッチーではあると感じますよ。なにしろ、一度聴いたら絶対に忘れられないほどの強烈なインパクトが満載です。 桜井青:確かに、自分が作った曲はそういうところは意識しましたね。「ヘルニアⅠ」なんて、歌詞もほとんどずっと〈イタイ…〉ばっかりだし(笑)。「晴天仕掛けのルサンチマン」っていう曲も、リズムの持って行き方をちょっと今風のミクスチャーみたいにしてみたんです。でもこれ、最初のうちは名古屋系っぽく作ったつもりだったんですよ ――えっ!これが名古屋系??? 桜井青:ですよねぇ(笑)。メンバーにも「全然違う!」って言われて、僕も「そうだよね。名古屋系ではないな」って思ったところから、全然違う方向に仕上がっちゃいましたけど、なかなか良いものになってくれました。そして、何より今回は研次郎くんが作詞・作曲した「ヘルニア Ⅱ」がまた「こう来たか!」っていう感じなんですよ ――踊れるロックチューンといいますか、それこそライヴでおおいに盛り上がれそうな雰囲気になっておりますね。 桜井青:だから、テーマはありつつ全編を通してcali≠gariらしいバリエーションに富んだ作品になっているのは間違いないです。当初は、初期パンク全開!みたいなワビサビ無しの全てが激しい曲で固めて、ラモーンズみたたいなのを作りたい気持ちもあったんですけどね。この3人で作ると、どうやっても最終的にはcali≠gariになっちゃう。なんでなんですかね? ――初期パンクに徹するには、cali≠gariはセンスの面でも音楽的手腕の面でもオーバーキャパシティなのだと思いますよ。ちなみに、今作の中で最初にあがってきたのはどちらの曲だったのでしょうか。 桜井青:「ヘルニアⅠ」です。今年の6月に豊洲PITでやった時にもうライヴではやっていて、これは【祝・活動休止十六周年記念! 『10years』】の応援ソングだったんですよ。この10年で3人が3人とも経験したのがヘルニアだったから、復活して10年頑張った自分たちと、これからの自分たちに対しての応援曲として、もともとは作ったものだったんです ――だとすると、先ほども少し話題に出ました「晴天仕掛けのルサンチマン」については、直接的にはヘルニアとは関係がなさそうな楽曲にも思えます。この曲が今作に入ることになった背景も教えていただけますか。 桜井青:ヘルニアそのものとは関係ないです、これは。でも、痛い時って「どうして自分ばっかりこんな目に合わなくちゃいけないんだろう?」ってつい思いがちなんですよ。そういう、隣の芝生が青く見え過ぎてしまう状況を軸にして作ったのがこの曲ですね。そして、痛い時だけに限らずメンタリティの面でヘコんでいる時にもそういうことは起こりがちなわけですよ ――ありますね。そして、そういった精神状態も非常に泥沼で辛いです。 桜井青:最近はまさにメンタルなところが大変なコたちと関わりが多くあるのもあって、それがこの詞を書く切っ掛けのひとつでもありました。いるんですよ、リスカしちゃったりするコも。でも、いろいろと話を聞いていると「生きたいから」するんですよね。そういうコたちを見ていると、安易にリスカとかをネタにしてはいけないなと思って。だから、安易にではなくちゃんとそれを描いてみようと思ったから、これは本人にも了解をとって詞も添削してもらいながら、こうしてこのかたちになっていったんです。手首を切る行為=カッコ良い、みたいな昔のヴィジュアル系の概念とは全く違うものですね。純粋にこれは、「生きたい」という歌なんです ――それだけに、最後の〈誰もが不幸だったら、それが一番幸せなのに―――――。〉という一節は何とも切ないですね。 桜井青:結局は、そうやってループしちゃうんですよ。心の問題というのは本当に一進一退で、上向いたりまた下がったりっていう波がどうしても激しいですから。その波を繰り返しながら、少しずつ寛解に向かっていくんでしょうね ――心身に起こり得る、さまざまな痛みが描かれているせいなのでしょうか。今作では各曲おけるサウンドメイクについても、聴き手の心理を直撃してくるようなアプローチが取られているように感じます。 桜井青:言葉にすると抽象的な表現にはなってしまいますけど、曲によって若い音とか、イヤな音とか、痛みを感じさせるような音はいろいろ使ってます。敢えてね ――青さんは今回「ヘルニア Ⅰ」と「ヘルニア Ⅲ」を作られていますが、この両者の差別化についてはどのようにお考えでした? 桜井青:あんまりそこに差はないです。流れとしては、“Ⅰ”で「葬送行進曲」をモチーフとして使ったのが面白かったので、“Ⅲ”の方ではそこをさらに強調した感じですかね。当初はもしもほかの2人の曲が入らないという事態になった時の予備用だったんですけど、せっかくだからこれも入れちゃいました。詞に関して言えば、「ヘルニア Ⅲ」はとにかく夜が辛かったっていう内容です ――夜が特に辛いというのは… 桜井青:酷くなると、なかなか痛み止めが利いてくれないんですよ。しかも、副作用が凄くキツいんです。それに、薬で痛み自体がなんとか消えたとしても、独特のなんともいえない痺れはずっとあるんですね。そうすると、今度はイライラしてくるっていう。もう眠れないんですよ、ほんとに。「早く朝が来ないかなぁ」って、何度思ったことか ――朝が来るとどうなるのです?? 桜井青:気分的に、まだ少しは紛れて楽になるんですよ。夜の間は、それこそさっきの「晴天仕掛けのルサンチマン」みたいなことばっかり考えちゃいますから ――なるほど。そう考えると、「ヘルニア Ⅲ」から石井さんの作られている「夢遊病」にかけての展開というのも、リアリティを感じるものになっているように思えます。 桜井青:曲を並べると、なんだかつながりがある感じも出て来ますよね。多分これは必然というか、なるべくしてなったんだと思います。そして、「夢遊病」は25周年が始まって一番最初にやった、新宿ロフトでのイベントタイトルだったんです ――そういうことでしたか。 桜井青:そういう意味では、本当なら今回のミニアルバムは“10周年お疲れさま!”ということで、豊洲PIT公演のタイミングで出したいと思っていたし、「夢遊病」という曲も自分で作るつもりだったのが間に合わなくて(苦笑)。石井さんに「このタイトルで1曲、お願いします」と頼んで出来たのがこの曲だったんですよ。それを、今ここに入れて出すことになったということなんです。まぁ、これはなんとも石井さんらしい曲ですよね。『夢遊病の女』というオペラをモチーフに、それを自分の詞かのように書いているあたりも含めて(笑)。そこにメロディがこういうかたちで乗ったことにも、びっくりですよ ――いずれにしても、今作『ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか』は音の面でも、詞世界の面でも、含蓄の多い仕上がりとなっているように感じます。 桜井青:取っ掛かりとしては、「ヘルニアだって!ケラケラww」っていうところから聴いてもらって、そこから「なるほど」ってなってもらえれば良いのかなと思います ――個人的には、「ヘルニアの場面・村井研次郎」「ヘルニアの場面・桜井青」「ヘルニアの場面・石井秀仁」の各人による赤裸々なモノローグもさることながら、その背景として流れている音が全て即興曲として成立しているあたりにも唸らされました。 桜井青:それぞれ通ってきた音楽の幅もあるし、キャリアがあると、こういうことが出来ちゃうんだなとは我ながら思いましたねぇ。今はヴィジュアル系をやっていることが楽しいし、ヴィジュアル系というものに対しての誇りも持ってやっていますから、「cali≠gariはヴィジュアル系です!」って正々堂々と言いたいんですけど、それぞれのバックボーンにあるものは、俗に言うヴィジュアル系とはまた違ったりもするわけでね ――おっしゃりたいことはよくわかります。 桜井青:元をたどれば、ヴィジュアル系の黎明期に活躍していたバンドたちは、そもそもヴィジュアル系から生まれた方たちではないですからね。cali≠gariにしても、ヴィジュアル系の歴史としてはかなり初期に始めた方のバンドにあたると思いますし ――だと思います。25周年のキャリアは、そう生半可なものではありませんよ。 桜井青:それは自分でも感じます。25年後にもcali≠gariをやっているなんて、思ってもみなかったですもん(笑) ひとつのパッケージを完成させるとなったら、
そこに至るまでにはほんとにたくさんの経費と時間が必要なんです
――そのcali≠gariが、今もcali≠gariにしか作りようがないアカデミックな作品を世に出し続けてくださっているというのは、音楽ファンからしてみれば非常にありがたいです。 桜井青:持ち上げ方がウマいですね、アカデミックだなんて ――仕様の違いを【頚椎盤】と【椎間盤】とするあたりからして、これはアカデミック以外のなにものでもないかと。 桜井青:そのままなんですけどね(笑)。限定盤の名前を考えていたら、ヘルニア→椎間板→椎間盤ってなって、じゃあ頚椎盤もアリだしこれしかないじゃん!って。ダジャレにも程がある(苦笑)」 ――なお、【椎間盤】については完全限定生産でライヴ会場優先での販売となるそうですが、こちらの装丁がまた秀逸にして所有欲をそそる仕上がりです。 桜井青:収集欲を刺激するものにはなってますね ――2019年、この界隈では専門CDショップが相次いで消滅しました。また、音楽業界全体でもパッケージとしてのCDの存在感は地に落ちかけていると言っても過言ではないでしょう。そんな中にあって、ここまで凝った装丁を自ら生み出してしまうcali≠gariは、その意味でも異端ですね。 桜井青:今回こういうものを作ったのは、まさしくそのお話につながる理由からなんですよ。もう今って、とにかく世の中がサブスク全盛じゃないですか ――音楽だけではなく、さまざまなものがサブスク化していっておりますね。 桜井青:若いコたちに訊くと、皆まずCDプレーヤーを持ってないんですよ。何で音楽を聴くかといったら、当然スマホでサブスクかダウンロードなわけです。もはや、こうなってくるとダウンロードするならまだマシと言える方ですよね ――アーティスト側の直接的な収益になるという点では、そうなりそうです。 桜井青:CDが売れないからサブスクで、って言ってもねぇ。V好きな人たちの絶対数みたいなものがあるとして、その中で全てのV好きが全てのバンドを聴くか?って言ったら、絶対にそんなことはないわけですよ ――当然、バラつきは出るでしょうね。 桜井青:これはこの際だから皆さんに知っておいて欲しいことなんですけど、単純計算をしたとしましょう。10曲入ったアルバムを3000円で出したとして、サブスクでどうやったら元が取れるかというと、3000曲くらい聴いてもらえないとダメなんですよ ――1曲1円程度というのは、あまりにシビア過ぎます。 桜井青:そんなバカな?!って思う人もいそうですけど、そんなバカなことがまかり通っているのが今のこの世の中なんです。何故そういうことが起きているのかと言えば、サブスクで成功しているのはほんの一部の人たちだけだからですよ。特に、海外でまず「これからはサブスクだ!」っていう声が高まったのは、絶対的なユーザーの分母が日本とは全くワケが違うからです ――日本では、まともなビジネスモデルとして成立しにくいのは理解出来ます。 桜井青:仮に何百万人が、10回聴いてくれたら…?っていうことですからね。桁が全く日本とは違っているんです。そして、これが日本のバンド業界における中小企業的なポジションの話になってくると、うちらなんかもそうだし、これはもっと深刻ですよ。お客さんの数が5000人から1万くらいの規模だと、サブスクでやってたら潰れます。ただ、そのくらいの規模でもニコニコ世代って言われるような、上手くやっている人たちはまだいいんですよ。だって、生楽器を全然使ってないんですから ――バンドは機材費やら、スタジオ費やら、なにかとかかりますものね。 桜井青:パソコンの中だけで完結出来るDTMと、バンドではそこも圧倒的に違うんですよ。本当にここは皆さんにも分かって欲しいところで、バンドでレコーディングをするとなれば生のドラムを録り、生のベースを録り、生のギターを録り、生のヴォーカルを録って、そのうえエンジニアさんにミックスやマスタリングをしてもらうという行程も必要になって来ますからね。レコーディング前のリハーサルに使うスタジオ代だって、その全てにおカネが発生するんですよ」 ――もっと言えば、ヴィジュアル系の場合はアートワーク用の写真を撮る際のメイク代やら衣装代なども、経費の比率としては少なくないはずです。 桜井青:そういうことですよ。ひとつのパッケージを完成させるとなったら、そこに至るまでにはほんとにたくさんの経費と時間が必要なんです。つまり、そこを皆さんには理解して欲しいんです せっかくおカネをかけて録っている良い音なんだから、
出来るだけ皆には良い音を聴いてもらいたい

CDが売れない今だからこそ、CDって楽しいでしょ?っていうことを、
あらためて皆に伝えたかったんです
――これは相当に大事なお話ですね。シーンの存亡が掛かっている、と言っても過言ではないでしょう。 桜井青:それなのにね。そうやっておカネも手間もかけて作ったものを、「他もやってるから」とか「流行ってるから」という理由でV系もサブスク化しないと!ってなっていったら、今あなたたちの好きなバンドは軒並み消えちゃいますよ。この問題は、今後あらゆるヴィジュアル系バンドが何らかのかたちでは通らなきゃいけなくなる話です。というか、もうその修羅の道の最中にいるんです。だけど、V系がまだ他よりマシなのは、それでもまだCDを買ってくれる人たちが沢山いる、っていうことが救いなんです ――ヴィジュアル系のユーザーは、音そのものだけではなくそのバンドの生み出すもの全てを所有したい、という方が多いですものね。バンド側もそのニーズに応えようと、それぞれに努力していますし。 桜井青:それでも、ショップなんてどんどん少なくなっちゃったしね。でも、だからって打ちひしがれている場合でも、スネている場合でもないわけです。CDが売れないとは言っても、CDにはCDでしか聴けない音がありますからね。スマホで聴くそれとは、絶対に違うわけです。とはいっても、その後者を切り捨てる気持ちはないので今回の【椎間盤】は2枚組にしたんですよ ――【椎間盤】に同梱されているDisc2が“スマホ、オーディオプレーヤー等で聴く為に特化したマスタリングを施した CD-ROM”になっているのは、そのためだったのですね。 桜井青:CDとしてスピーカーを通してもちゃんと聴ける盤と、携帯プレーヤーやスマホに取り込む為だけのCD-ROMを両方付けました。こうすると、両方でちゃんと良い音を聴けるんですよ」 ――さすがです。 桜井青:普通のCDを取り込んで圧縮されてしまうと、うちらが本当に聴かせたい音は届けられないですからね。せっかくおカネをかけて録っている良い音なんだから、出来るだけ皆には良い音を聴いてもらいたいんです。なおかつ、ファンが手に取った時に“嬉しい”と感じるものにするべく、コレクターズアイテムにもなりそうな装丁にしたんですよ。それでいて、CDの棚にちゃんと入るサイズになってますから ――かゆいところに手が届く、素晴らしい親切設計ですね! 桜井青:ウチの場合、もともと特殊パッケージはさんざんやって来ていますけどね(笑)。さんざんやって来ただけに、このところはあまりやっていなかったのもあって、今回は敢えてここまでやりました。CDが売れない今だからこそ、CDって楽しいでしょ?っていうことを、あらためて皆に伝えたかったんです ――青さん、そしてcali≠gariがこうしたことを啓蒙してくださるのは、音楽業界にいるひとりとして大変嬉しいですし、とても頭が下がります。 桜井青:作り手側に対して、「皆もガッツリもっと面白いの出そうよ!」って僕は常々思ってますね。そして、ファンの人たちに対しては「ちゃんとやってる人たちは応援してあげてよ」って思います “やり続けて行くこと”…つまり、“cali≠gariをやり遂げること”を意識していきたい ――かくして、今回のミニアルバム『ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか』は、cali≠gariにとって記念すべき26周年目の第一弾作品とあいなりました。じきに2020年がやって来ますけれど、ここからさらに先に向けたヴィジョンとして、青さんが思い描いていらっしゃるのはどのようなことでしょうか。 桜井青:25年やってきての26年目でしょ?ここからミニアルバムのリリースにともなったツアーやら、いろいろライヴも決まっているとはいえ、こうなってくるとね。もうあまり確信的なことは考えずに、“やり続けて行くこと”…つまり、“cali≠gariをやり遂げること”を意識していきたいです。あとね、きっとこのViSULOGを見ている人たちなんかは、cali≠gariがどんなバンドか知らない人も多いと思うんですよ ――若い世代だと「名前は知っている」という方はいるかもしれませんね。 桜井青:ウチは復活して10年にもなるので、飽きている人は飽きているし、くっついてくる人はくっついて来ていて、幸か不幸か若い人たちも聴いたり観たりしてくれれば好きになってくれる人もいるんですけど、なかなか新規で出会ってもらうっていうことが難しいというところもありますからね。そこはまぁ、このバンドに関しては扱いづらいイメージがあるというのもあるんだろうけど(苦笑) ヴィジュアル系のタブーを、ことごとく全部やってきたのがcali≠gariですから。
これからもウチらは、攻撃的に尖っていきます!
――すこぶる独自性が高いバンドだけに、なんとなく「敷板が高くて難しそう」と感じるケースはありそうですね。 桜井青:そこは確かに、密室系としてシーンの一部分を担ってきた自負はありますよ(笑)。ただね、覚えていて欲しいんです。眼鏡とはみだした口紅に目の回り真っ黒、っていうのを最初にやったはcali≠gariだからね!って。あ、ヒゲもそうだよ(笑)」 ――MALICE MIZERのYu〜ki氏は付け髭でしたけれど、地毛でというのは青さんが初だったのは間違いありません。 桜井青:ヴィジュアル系のタブーを、ことごとく全部やってきたのがcali≠gariですから。これからもウチらは、攻撃的に尖っていきます!

2019年12月11日 RELEASE / MINI ALBUM
『ある職業病への見解と、それに伴う不条理な事象とか〟』

<完全生産限定盤>
【椎間盤】
2019年12月13日(金)よりライヴ会場優先販売(心斎橋DROP)
MSNA-128 / ¥4,500(税抜)
商品形態:ディスク2枚組(CD1枚 / CD-ROM1枚)

【収録内容】
Disc1:CD(10トラック収録)
Disc2:スマホ、オーディオプレーヤー等で聴く為に特化したマスタリングを施したCD-ROM (Disc1収録全曲+ボーナストラック3曲)

【収録曲】
01. ヘルニアⅠ
02. 晴天仕掛けのルサンチマン
03. ヘルニアの場面・村井研次郎
04. ヘルニアⅡ
05. ヘルニアの場面・桜井青
06. ヘルニアⅢ
07. 夢遊病
08. ヘルニアの場面・石井秀仁
09. ヘルニアⅣ
10. ヘルニアⅤ
※Disc2のみのボーナストラック
11.ヘルニアの場面・即興Ⅰ
12.ヘルニアの場面・即興Ⅱ
13.ヘルニアの場面・即興Ⅲ

商品仕様
・資料管理用ファイルボックス仕様
あの!A4サイズファイルボックスをほぼ57%に縮小再現!
CDは書類封筒に封入、カード式歌詞カードを特性クリップボードに収納。
※「ヘルニア - 復活十周年記念応援ソング - 」MSNA-123を同時に収納する書類封筒も付属!
【椎間盤】
MSNA-128△ / ¥4,500(税抜)
2019年12月13日(金) 心斎橋DROP公演より「通常ver.」と同時発売!

【収録内容】
Disc1:CD(10トラック収録)
Disc2:スマホ、オーディオプレーヤー等で聴く為に特化したマスタリングを施したCD-ROM (Disc1収録全曲+ボーナストラック3曲)

【収録曲】
01. ヘルニアⅠ
02. 晴天仕掛けのルサンチマン
03. ヘルニアの場面・村井研次郎
04. ヘルニアⅡ
05. ヘルニアの場面・桜井青
06. ヘルニアⅢ
07. 夢遊病
08. ヘルニアの場面・石井秀仁
09. ヘルニアⅣ
10. ヘルニアⅤ
※Disc2のみのボーナストラック
11.ヘルニアの場面・即興Ⅰ
12.ヘルニアの場面・即興Ⅱ
13.ヘルニアの場面・即興Ⅲ

商品仕様
・資料管理用ファイルボックス仕様
あの!A4サイズファイルボックスをほぼ57%に縮小再現!
CDは書類封筒に封入、カード式歌詞カードを特性クリップボードに収納。
※「ヘルニア - 復活十周年記念応援ソング - 」MSNA-123を同時に収納する書類封筒も付属!
【頚椎盤】
MSNB-128 / ¥2,700(税抜)
商品形態:ディスク2枚組(CD1枚、CD-ROM1枚)+エムカード
※エムカードデザインは6種類の中からランダム封入

【収録内容】
Disc1:CD(6トラック収録)
エムカード: ボーナストラック / ツアー「三角と工業」でのライヴテイクを厳選して収録!(後日配信)
※告知中の「スタジオライヴテイク収録」より変更となりました。
Disc2:スマホ、オーディオプレーヤー等で聴く為に特化したマスタリングを施したCD-ROM

【収録曲】
01. ヘルニアⅠ
02. 晴天仕掛けのルサンチマン
03. ヘルニアⅡ
04. ヘルニアⅢ
05. 夢遊病
06. ヘルニアⅣ
※Disc1/Disc2収録曲目は共通です。
※エムカード収録曲は後日配信時に発表。

『シリーズ“街”2019冬 三角と工業』

2019年12月13日(金) 心斎橋アメリカ村DROP
OPEN 19:00 / START 19:30

2019年12月14日(土) 心斎橋アメリカ村DROP
OPEN 16:30 / START 17:00

2019年12月17日(火) 川崎Serbian Night
OPEN 18:30 / START 19:00

2019年12月18日(水) 川崎Serbian Night
OPEN 18:30 / START 19:00

[料金]
全会場スタンディング:¥6,000(税込)
※入場時Drink代別途必要
※3歳以上チケット必要

[一般発売日]
2019年11月9日(土)

2019 LAST GIGS 極月喰らい、三つの煩悩 -akuśala-mūla-

2019年12月23日(月) Veats Shibuya
OPEN 18:30 / START 19:15

[料金]
全会場スタンディング:¥6,000(税込)
※入場時Drink代別途必要
※3歳以上チケット必要

[一般発売日]
2019年11月9日(土)

cali≠gari × deadman『死刑台のエレベーター』

2020年3月14日(土) HOLIDAY NEXT NAGOYA
OPEN 17:00 / START 17:30

2020年3月18日(水) HOLIDAY SHINJUKU
OPEN 18:30 / START 19:00

2020年3月19日(木) HOLIDAY SHINJUKU
OPEN 18:30 / START 19:00

[出演者]
cali≠gari / deadman
[料金]
スタンディング:¥6,500(税込)
※入場時ドリンク代別途必要
※3歳以上チケット必要

[一般発売日]
2019年12月28日(土)
INFO.Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)

INSTORE EVENT

【タワーレコード限定特典決定】

◆タワレコ限定特典CD-R(曲解説対談CDR)全3種類
・石井秀仁 Ver.
・桜井青 Ver.
・村井研次郎 Ver.
※ランダム配布となります。
※無くなり次第終了となります。

【インストアイベント開催】
実施店舗:littleHEARTS.大阪店
日付:2019年12月12日(木)
時間:OPEN 18:45 / START 19:00
内容:トーク&4ショット撮影会(※スマホ、ガラケーのみ。一眼レフ、デジカメNG)

実施店舗:littleHEARTS.新宿店
日付:2019年12月21日(土)
時間:OPEN 14:45 / START 15:00
内容:トーク+握手&私物サイン会(私物は1点にメンバーサインとなります。メンバー毎に変更は出来ません。)
村井研次郎 (B.) | cali≠gari
石井秀仁 (Vo./G.) | cali≠gari
桜井青 (G./Vo.) | cali≠gari
村井研次郎 (B.)
石井秀仁 (Vo./G.)
桜井青 (G./Vo.)