ViSULOG 2019年7月号 COVER ARTIST / ユナイト
ただ今ユナイトは絶賛夏ツアー『みんなのうた』を敢行中だ。
そんな彼らの最新シングル『シトラス/Eyes_Tea_Bitter_Brown』は紆余曲折を経て、原点回帰をしつつも大きく成長したユナイトの【今】が存分に込められている。 これまで以上に赤裸々にそれぞれの想いを語ってくれたインタビューを全編後編にの2号に渡ってお届けする。

取材・文:二階堂晃
『両A面シングルというものにはバンドとして良いイメージがあるんです』 ――『シトラス/Eyes_Tea_Bitter_Brown』をリリースしてのツアーも大詰めですが、まず今作のリリースに至るまではどんな日々を過ごしていましたか? 莎奈:ひたすら制作の毎日で、とにかく忙しかったですね。2019年のユナイトに関わるすべての作品作りをこの時期に一気に詰め込んだので。 LiN:3月の8周年ライヴをやってみて、「これはアリだな」と思ったんですよね。去年までは意図的にバンドの方向性を大きく方向転換した訳ですけど、そこではみ出た部分も持った上でグルっと一周して帰って来れたというか。その感覚で制作に入れたのが良かったかなと。 :8周年ワンマンは演出的にもバンド然とした、原点に戻ったステージだったと思っていて。僕もそれがすごく良いなと感じたんで、今作への影響は大きいかもしれないですね。 ――『シトラス/Eyes_Tea_Bitter_Brown』はどういった狙いでリリースを決めたのでしょうか? 椎名未緒:夏ツアーを回るにあたって、せっかくなら新しいアイテムと共に回りたいなという思いがあって。その上で、ユナイトのお客さんが喜んでくれるようなギミックを仕掛けたら楽しいだろうなと思って、急遽両A面シングルにすることを決めたんです。その結果、作業が2倍になって忙しくなったという(笑)。 :今回、選曲会に未緒さんが死ぬほど曲を持って来てくれたんです。 椎名未緒:前作『ビリブオアノ』では表題をLiNさんが書いてくれたんで、次は俺の番かなと思って。とは言っても、スラスラ書けた訳じゃなくて自分の中の物を絞り出しましたね。「絞り出せそうだ」っていう感覚も何となくあったんで、とにかくいっぱい曲を持っていこうと。 ――爽やかでメロディアスな「シトラス」と、ダークでひねくれた「Eyes_Tea_Bitter_Brown」の対比は、2014年にリリースされた『レヴ/ice』を彷彿とさせますね。 椎名未緒:両A面シングルを出すにあたって、意識したフォーマットが『レヴ/ice』だったんです。莎奈さんが加入するタイミングでのリリースだったこともあって、ユナイトがガツッと盛り上がった時期だった当時の肌感があって、両A面シングルというものにはバンドとして良いイメージがあるんですよね。その感じを今のユナイトへの火付け役として、また新たにやってみたいと思ったんですよ。 ――現体制に生まれ変わった当時のユナイトへのオマージュという側面があったのでしょうか? 椎名未緒:オマージュと言うほど当時をなぞった訳ではなかったですね。どれかがハマればいいなと思って俺は12曲ぐらい書いて持っていたんですけど、たまたま選ばれたのが「シトラス」だったので。 LiN:俺も「Eyes_Tea_Bitter_Brown」に関しては、「シトラス」が表題になることが決まった後にカップリングでなんかヴィジュアル系っぽいのがあったらいいなあくらいの気持ちで書き始めたんです。そうしたら、あれよあれよという間に両A面になって(笑)。 『いつかこの気持ちを「回収」しなきゃとずっと考えていて』 ――ここ近年のユナイトの作品は、曲や詞を通じてユナイトというバンドそのものの意志や姿勢を投げかけていくものが主軸だったと思うのですが、今作はあくまでも曲そのものの物語と、そこから伝わるメッセージ性を重視しているように感じました。 莎奈:それ、俺も最初から思っていたんですよ。「シトラス」とか、当初は未緒さんが何について書いたのはすぐには分からなくて。「バンドのことを歌っているのかな? だとしたら未緒さんめっちゃ歌詞の書き方変わったな。」とか考えながらドラムのレコーディングをしたのが印象深いですね。 ――「シトラス」の歌詞はミュージックビデオの表現を味わうことで、具体性を帯びてくると感じます。この曲のテーマは“友情”だと思ったのですがその点はいかがでしょうか? 椎名未緒:最初は今のユナイトというバンドのモードについて書こうとは思ったんですよ。「-ハロミュジック-」も「ビリブオアノ」もLiNさんがその時のユナイト全体の気持ちを書いてきた訳ですけど、「ビリブオアノ」の次のこのタイミングでそこを俺が上書きしてしまうのは違うんじゃないかなって思って。 ――なるほど。 椎名未緒:じゃあ何を書こうかなって考えた時に、俺の過去の作品で言うと「約束」とか、もっと遡るとキャンゼル時では物語風の歌詞を自分が書いてきたことに気付いたんですよね。そこから自然に、今回はそういうものを今の自分の言葉で書いてみようと決めたんです。 ――そこで選んだテーマが“友情”だったと。 椎名未緒:去年、APPLIQUE(椎名未緒によるソロ・ワークス)で「ニアリー」って曲を出したんですけど、そこで亡くなった友人について書いたんです。その時は当時の自分の精神状態も相まって、「こんなに悲しくて苦しい思いをするなら、いっそ出会わなければ良かった」というダウナーな感情に振り切っていて。とはいえ、もちろんいい思い出もたくさん残っているし、出会えて良かったっていうプラスの気持ちももちろんあるからこそ、「ニアリー」で自分の中のネガティヴな気持ちのみを排出して終わったことがずっと気がかりだったんですよ。いつかこの気持ちを「回収」しなきゃとずっと考えていて。 ――「シトラス」は未緒さんの過去の作品に対するアンサーでもあったのですね。 椎名未緒:「ニアリー」で書いた出来事の“正”の感情を書いたのが「シトラス」です。もっとも、こんなにも早く「回収」するタイミングが自分に回ってくるとは思っていませんでしたけど、幸運にもこういったタイプの曲でバンドの意志を書かないことが巡ってきたこのタイミングしかないなと思って。 ――未緒さんの直面した友人との別れは、年齢的にはいつくらいの出来事だったのですか? 椎名未緒:俺が小学校3年生の時です。なので、ミュージックビデオで描いているシチュエーションもそこに世代を合わせましたね。 ――“友情”というテーマはユナイト全体としても珍しい題材だと思うのですが、メンバーに皆さんにとって「友達」とはどんな存在と言えますか? 莎奈:改めて聞かれると自分に友達がいるのか不安になってきた(笑)。 ハク:俺にとって友達は自分を形成する要素の一つなんじゃないかなと思いますね。もちろんメンバーやファンや家族もそれに含まれるし、その中のひとつが友達っていう存在なのかな。 :俺も先輩や後輩はいても友達ってあんまりいないかもしれない(笑)! 一同:(爆笑) :自分がフラットでいられて、気軽に相談が出来る相手が僕にとっての友達ですね。 莎奈:最近、俺のことを友達だと思ってくれる人が増えてきたなって感じるんですよ。俺自身も人に会いに家から出たいって思うようになったし。 LiN:俺、自分のことを「オマエ」って呼んでくれる人が好きです。壁超えてきたなって思えるじゃないですか。メンバーともまた違う関係性だけど、目の前の一番近い距離にいる人だからこそ、そう呼べると思っていて。 椎名未緒:俺は、割とラフに色んな人のことを友達だと呼んでるかもしれないですね。その中でも突き止めるて考えると、俺にとっての友達は「自分のことを知っておいて欲しい」人かな。自分のことを誰かに理解してもらうのは大変なことだけど、その大変さを越えてでも自分のことを分かって欲しいと思える人が、俺にとって一番深い友達なんでしょうね。 『完全に作り話ではありますけど、俺の中にこういう要素が全くないのかって言われるとそれは嘘』 ――一方の「Eyes_Tea_Bitter_Brown」はLiNさん節炸裂の奇天烈ナンバーではあるのですが、歌詞の内容が言葉遊びに溢れつつも、とてもストレートな印象を受けました。 LiN:この手の俺の曲に「Love_Duck_Core_Nothing」と「May_A_Fly_i」があって、「Eyes_Tea_Bitter_Brown」もそのシリーズなんですよ。全部、男女のことについて書いていて。「Love_Duck~」はしがないバンドマンと、それを金銭的に支える女の子の…… 莎奈:“取り巻く”くらいにしとけ(笑)! LiN:「そういう男女関係ってありますけど、どう思いますか?」みたいな。で、「May_A_Fly~」は可愛くなれなかったり、好きな人と一緒になれない女の子を見下してる女のことで。で、「Eyes_Tea_Bitter_Brown」はもう完全に“〇〇〇〇”のことです。 一同:おおお……(苦笑) LiN:完全に作り話ではありますけど、俺の中にこういう要素が全くないのかって言われるとそれは嘘になるんで。これまではバンドのマスコット的なキャラクターを前面に押し出して来ましたけど、ちょっとずつ自分がどういう人間なのかってことも作品に乗せていきたいんですよ。 莎奈:それはぶっちゃけ最近のLiNさんを見ていて思うよ。もちろんいい意味で。 ――過激な内容ではありますが、ミュージシャンの姿勢として素晴らしいことだ思います。 LiN:俺がここで書いた出来事を体験したとかでは全くないんですよ。どういうことかというと、例えば結さんと知り合いたくても知り合えない女の子がいたとして、その子は結さんが手に入らないから、結さんと似た背格好の男の子を探してアレしちゃうって訳です。その時の女の子の気持ちみたいなものを書きたいなって。実際問題、そういう話って回りにめっちゃいっぱいあるじゃないですか。 ――バンド業界の男女模様について描くミュージシャンは多いですが、今のLiNさんのようにその背景にある自分の気持ちをここまで素直に言葉にする方は初めてです。 LiN:きっとみんな俺のことをめっちゃマジメなヤツだとは思ってないじゃないですか。だから、こういうことももう言っちゃっていいかなと思って。それに少なからず、男女関係だけに限らずこういう浮ついた気持ちを抱えてる人って多いと思うから、ちょっとでもそういう人の心に刺さればいいなって思うんですよね。 ――男女の関係についての曲ということで、少し本題からは逸れますがメンバー皆さんの「こんな女の子は無理!」と思うのはのはどんな人ですか? LiN:俺は「ドカベン食い」する子が無理ですね。 莎奈:何!?「ドカベン食い」って何!? LiN:なんだろ、ガツガツかき込んで食うやつ。こないだ入ったご飯屋さんの向かいのテーブルに座っていた女の子がめっちゃそれをやっちゃってて、「ああ、無理……。」と思って。 ハク:俺、Twitterに「バンギャル怖い」って書くバンギャルが無理! LiN:分かる!ライオンがライオン怖いって言ってるようなもんだよね。 ハク:後は、自分のこと自分でサバサバしてるっていう子も、LiNさんの食べ方と一緒で清潔感の無い子も無理! 莎奈:意外にハクさんからいっぱい出てくる(笑)。 椎名未緒:俺は、異様に選民思想が強い子は付き合いづらいなって思いますね。「私は可愛いでしょ!?」とか「私は凄いでしょ!?」みたいなのを自信として持つ分にはいいんだけど、それを前面に出されると回りは承認してあげるしか円満に関わる術が無いじゃないですから。 莎奈:俺は男女関わらずですけど、好きなものがない子って仲良くなれないんですよ。好きな人って会話をいっぱいする相手ってことじゃないですか。そこにはその人の嗜好とか経験とかが厚みとして出てくるから、何か文化的に興味をそそられるものを持ってる人じゃないと、一緒にいてもつまんないですよね。後は、「私は可愛くないから」と言って努力しない子。 ハク:あー!超同意! 莎奈:女の子はね、絶対にみんな可愛いんですよ。生まれとか親とか、自分では変えられないもののせいにして頑張ることから逃げている精神が可愛くないんです。これはね、世の中全体に言いたい。 ハク:そう、可愛いと言われている子が自動的に可愛くなってる訳じゃないからね。「つべこべ言わずにお前も頑張れよ!」ってことなんですよ。 ――色々と出て来ましたけど、最後に結さんはいかがですか? :うーん、俺はこれと言って無理な子って思いつかないんですよ。でも、絞りに絞って言うなら、グイグイ来る子かなあ……。 ハク:それは見た目が結さんのタイプだったとしてもそうなっちゃうの? :そうだねえ、グイグイ来る子は苦手かなあ(苦笑)。
(後編へ続く)

2019年07月10日 RELEASE / 11th Double A Side Single
『シトラス / Eyes_Tea_Bitter_Brown』


詳細
<タイプM>
DCUN-21 / ¥2,000 (Tax in)

収録内容
[CD]
01. シトラス
02. 嘘つきのプレイリスト
03. Eyes_Tea_Bitter_Brown
04. シトラス (off vo.)
05. 嘘つきのプレイリスト (off vo.)


詳細
<タイプL>
DCUN-22 / ¥2,000 (Tax in)

収録内容
[CD]
01. Eyes_Tea_Bitter_Brown
02. ジャスミン
03. シトラス
04. Eyes_Tea_Bitter_Brown (off vo.)
05. ジャスミン (off vo.)

ユナイト 2019 SUMMER ONEMAN TOUR
『みんなのおと』

2019年07月14日(日) 名古屋ell.FITS ALL
2019年07月15日(月・祝) 金沢AZ
2019年07月18日(木) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
2019年07月19日(金) 水戸LIGHT HOUSE
2019年07月26日(金) 仙台MACANA
2019年07月28日(日) 盛岡 the five morioka
2019年07月31日(水) 札幌COLONY
2019年08月01日(木) 札幌COLONY
2019年08月04日(日) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2019年08月05日(月) 高崎club FLEEZ
2019年08月09日(金) 神戸VARIT.
2019年08月11日(日) 広島SECOND CRUTCH
2019年08月13日(火) 福岡DRUM SON
2019年08月14日(水) 福岡DRUM SON
2019年08月16日(金) OSAKA MUSE
2019年08月23日(金) 渋谷WWWX

ユナイト 2019 AUTUMN ONEMAN TOUR
『アンコール』

2019年10月05日(土) 高田馬場AREA
2019年10月11日(金) 名古屋ell.FITS ALL
2019年10月13日(日) 広島SECOND CRUTCH
2019年10月16日(水) 福岡DRUM SON
2019年10月20日(日) ESAKA MUSE
2019年10月25日(金) 仙台MACANA
2019年10月28日(月) 札幌COLONY
2019年11月04日(祝・月) 渋谷ストリームホール

ぞんび主催イベント
『真夏の死闘-2019- 恐怖の2MANバトル編』

2019年07月07日(土) 高田馬場CLUB PHASE

Gu. LiN | ユナイト
Ba. ハク | ユナイト
Vo. 結 | ユナイト
Dr.莎奈 | ユナイト
Gu. 椎名未緒 | ユナイト
Gu. LiN
Ba. ハク
Vo. 結
Dr.莎奈
Gu. 椎名未緒