ViSULOG 2019年9月号 COVER ARTIST / Ricky
確かなキャリアと共にDASEINのボーカリストとしても活躍目覚ましいRickyがソロとしてViSULOG初登場!!
ソロ活動10周年イヤーの皮切りとしてリリースされたシングル『O.1.O~Only One Ocean~』は広大かつ爽やかなサウンドに乗せたRickyの透明感溢れるハイトーンボイスと、まだ見ぬ場所を目指すアーティストとしての覚悟と決意が込められた必聴の一枚だ。
取材・文:二階堂晃
『10周年の活動そのものをもっと大きなものにしちゃえ、とこの曲が僕に新たなヴィジョンをくれた』 ――Rickyさんのソロ活動10周年を迎えるにあたって、まずはこの10年がどんなものだったか聞かせて下さい。 Ricky:事務所からの独立があったり、THE MICRO HEAD 4N'Sの結成から脱退までの流れがあったり、DASEINの復活があったりと、決してソロ一本の10年という訳ではありませんでしたね。とはいえ、マインド面ではどの現場においても常にソロアーティストとしてのRickyを意識しながら臨むというスタンスで活動してきた10年間だったと思います。特に2013年の独立以降は音楽面以外のあらゆる部分において自分主導で進めてきたこともあり、僕にとってすごく密度の濃い時間だったし、今も現在進行形で継続中です。 ――そんな中、ソロ10周年を記念するシングル『O.1.O~Only One Ocean~』が8月28日にリリースされました。10周年イヤーの活動を発表した当初はフル・アルバムのリリースを予告されていましたが、何故その前にシングルをリリースする流れになったのでしょうか? Ricky:そもそもは今月から始まる全国ツアーありきで動いていたところがあって、ツアー前にコンパクトな曲数でアルバムを出そうかなと考えていたんです。そしてアルバムのリード曲として曲を書き進めていく中で完成したのがこの『O.1.O~Only One Ocean~』だったんです。 ――当初はアルバムのリード曲として生まれた曲だったのですね。 Ricky:『O.1.O~Only One Ocean~』が出来たことで、当初僕が描いていた10周年プロジェクトの筋書きからさらに大きく膨らんだんですよね。タイトルや歌詞も出来上がっていくうちに、この曲は10周年を盛り上げるにあたって、シングルとして十分に打ち出せる曲だなと思うようになって。そこから一度シングルを切ることでしっかりプロモーションをした上で、さらに当初の予定よりも充実したボリュームでアルバムに繋げていきたいと思うようになりました。 ――Rickyさんの10周年を予定よりも大掛かりなプロジェクトにするべく舵を切ったのですね。 Ricky:そうですね。10周年の活動そのものをもっと大きなものにしちゃえ、とこの曲が僕に新たなヴィジョンをくれたんです。 『Rickyだけの世界をブルーオーシャンでもレッドオーシャンでもない場所に新しく作る』 ――『O.1.O~Only One Ocean~』にはどんな具体的なメッセージを込めているのでしょうか? Ricky:“舵を取れ”というサビの最初のフレーズから、1日で全部出来たんですよ。独立するにあたってビジネスのことを勉強していた時期に、「レッドオーシャンとブルオーシャン」というワードを知って以来、ずっと自分の中に残っていた言葉だったんですけど。 ――マーケット・ビジネスについての専門用語ですね。 Ricky:そう。「レッドオーシャン」というのは、競合相手がひしめく場所のことを血に染まった海に例えていて、一方の「ブルーオーシャン」というのは、競争相手がまだあまりいない場所のことで、その言葉から歌詞をイメージした時に、僕はそのどちらでもない場所に行きたいなと思ったんです。「Rickyだけの海をブルーオーシャンでもレッドオーシャンでもない場所に新しく作る」というほうが大胆で面白いかなと。 ――素晴らしいイメージですね。 Ricky:他のどこでもないただ一つのオーシャンという意味で“Only One Ocean”という言葉を思いついた訳ですけど、そこから僕の好きな言葉遊びを当てはめていくと“O.1.O”と略せて、10周年の“10”にも見えてきたぞと。「コレだ!」と思いましたね。 ――Rickyさんだけのオーシャンとは、どんな海のイメージなのでしょうか? Ricky:“目の前は砂漠だけど”という歌詞が途中で出てきますよね?僕のオーシャンはどこかにすでにある海ではなくて、もともと水のなかった場所に一から海を作る的なイメージですね。「何も無い場所に僕だけの海を作るよ。良かったら一緒にその海作りを手伝ってみないかい?」という僕からのメッセージというか勧誘なんです(笑)。Rickyという船に色んな人を乗せて、世界に一つしかない僕らだけの海でバカンスできたらこんな素敵なことは無いですよね。 ――“雨が降り 水溜り 川となり 繋がって 海となり そこに夢が 泳ぎ出す”という一文にその思いが色濃く出ていますね。ソロアーティストを10年続けてきた歳月が無くては生まれなかった言葉なのではと感じます。 Ricky:ああ、そうかもしれませんね。この10年で僕の人生にはたくさんの雨が降って、水溜りといういくつかの成果を残し、その成果が繋がって活動の軸となる川の流れを生み出し、10年経ってようやく小さな海、すなわちRicky独自の世界が形になり始めたかなと。後はその海をどう広げていけるか。 ――ミュージシャンや関係者といった、たくさんの仲間たちと共に活動を続けていることもRickyさんの大きな特色の1つです。だからこそ、『O.1.O~Only One Ocean~』の冒頭で深い孤独を歌っていることがとても意外に感じられました。 Ricky:僕は人を集めたがるタイプではあるけど、仲間を集めれば集めるほど「みんな本当にRickyに心から共感してくれているんだろうか」という不安を感じてしまうんです。これはおそらく僕みたいなタイプの人は多少なりとも感じる事だと思うんです。たとえ今現在、僕の周りに大勢の仲間がいたとしても、いつそっぽを向かれるかもわからない。今そばにいる仲間をできるだけ長く繋ぎ止めるためには、常に魅力的なRickyを打ち出していかないといけないわけで、それは楽しい反面、とても孤独な作業でもあるんです。 ――自らの道を貫くことを決めた人の宿命とも言えますね。 Ricky:それにエンターテインメントの世界全体を見た時に、Rickyの存在はまだまだ知られていないですから。J-POPとしてもヴィジュアル系としてもどっちつかずな立ち位置にいることは自分でも分かっているし…。元を辿れば自分から望んで飛び込んでいったというよりも、流れ流されて今の場所に自分がいるような気もしていて。そう考えると、この10年は「アーティストRicky」としてのポジションを確立させるための下積みのようなものだったのかもしれませんね。まだまだ理想には程遠いですけど。 ――とは言え、やはりRickyさんの周囲には今でもすでに大勢の仲間が集まっていることは事実ですし、今回『O.1.O~Only One Ocean~』のミュージックビデオの監督にWING WORKS RYO:SUKE氏およびカメラマンに彩冷えるのインテツ氏、アートワークのトータルデザイナーにex-NOCTURNAL BLOODLUST Daichi氏など、新たなクリエイター陣を起用していることも注目すべきポイントです。 Ricky:それもまた、僕が今回新たな舵を切ったということです。新たなクリエイターを迎えるにあたっては、RYO:SUKEくんとの出会いがまずは大きかったかな。WING WORKSのアートワークやサウンドに以前からシンパシーを感じていて、対バンや番組で一緒になった時に彼に声をかけた事がきっかけとなり、今回こうして新しいチームでヴィジュアル面の制作を進めることができました。 ――ミュージックビデオの制作も『R☆MY WORLD』以来、ほぼ5年ぶりとのことですね。  Ricky:炎天下の海岸での収録だったこともあって制作陣は大変そうでしたけど、僕はカメラの前で歌うことと表現することに専念出来たのが本当に良かったですね。良い映像になったと思いますよ。 『自分の経験からせめてもの人生のアドバイスが出来たらという思いで歌詞を書き換えた』 ――さらに『O.1.O~Only One Ocean~』収録のカップリングである「ヨウコソサヨウナラ」「My name is…」の2曲も、リード曲に引けを取らない聴きごたえのあるナンバーです。 Ricky:「ヨウコソサヨウナラ」は別アレンジで昔からあった曲でライヴでも何度か披露していたんですけど、僕としては当時の歌詞にあまり納得がいっていなかったんです。なので最近ライヴでも控えていたんですが、今回シングルをリリースするにあたり、伝えたいことの内容をブラッシュアップして収録するなら今だなと思えたんですよね。 ――Rickyさんの中で「ヨウコソサヨウナラ」という曲を通じて伝えたいことが明確になったということなのでしょうか? Ricky:人生っていくつか節目がありますよね?進学であったり、就職であったりとか。そのひとつひとつの節目ごとに新しい自分が待機していて、その節目を迎えるたびに待機していた新たな自分に人生のバトンを渡し繋いでゆくというリレーのようなイメージなんです。 ――それは大変ユニークな表現ですね。 Ricky:すごく重い話になってしまうけど、日本って比較的豊かで平和な国に見えますが、実は自殺者の数は世界的にみても多いようで…小学生でもいじめを苦に自殺してしまったりとか。そういうニュースを聞くと本当に残念だし勿体無いと思うんです。あともう少し頑張れたら次の自分に人生を繋ぐことができたかもしれない。僕自身もそうでしたが、特に若い頃は自分に次のステージが待っているなんて考えにはなかなか及ばないと思うし、もちろん次のステージが今より良くなるとも限らないわけですが、少なからず僕には生きてきて良かったと思えるステージが待っていた。そんな自分の経験からせめてもの人生のアドバイスが出来たらという思いで歌詞を書き換えていきました。 ――なるほど。 Ricky:僕自身、決して明るい青春時代を過ごしてきたという訳じゃなかったんです。やりたいことも無かったし。そんな僕がメジャーデビューを果たし、たくさんの仲間と出会い、20年近く経った今でもこうしてステージの上で歌えているという未来を、当時の自分は全く考えもしなかったことだと思いますし、今でも不思議に思うことがあります。歌詞の最後の“バトン”という言葉には、“命”という意味が込められています。 ――新たな場所へ向かうという意味では、「O.1.O~Only One Ocean~」と同様のメッセージとも言えますね。 Ricky:そうかもしれませんね。こんなメッセージを心底書けるようになったのもほんとここ最近ですし、ポンコツな僕でもここまで来ることが出来たんだから、生きてさえいれば今より素晴らしい人生に出会える可能性は決してゼロではないと思います。 ――「My name is…」についてはいかがですか? Ricky:この曲は僕が喉の手術で4か月活動休止していた時に感じたものそのままです。“僕のいない景色を眺めていた”とはまさにそのことで、みんなツアーだ、打ち上げだで楽しそうにしている様子をSNSでずっと見ていて。 ――その4か月は完全に音楽活動から遠ざかっていたのですか? Ricky:喉の治療という意味では2か月くらい休めば大丈夫だったんですが、僕はずっと走り続けてきたこともあってこの機会に一度止まってみようと思って4か月休むことにしたんです。「My name is…」はその期間に感じた事をストレートに書きました。僕はそれまでは、歌うことに対して特に何かを意識していたわけではなく、たまたま人より少し上手に歌えただけでここまで来たような気がするんですが、本来、人前で歌を歌い、歌を生業として生きてゆくというのはすごいことなんだと改めて気付かされましたね。手術をしたことで、日頃の生活も含めてボーカリストとしての責任みたいなものをそれまで以上に意識するようになりましたから。 『あえてコンセプトを掲げるとしたら「HYPER NEO SOLOIST」という事になるのかな』 ――『O.1.O~Only One Ocean~』はシングルでありながらとても聴きごたえのある一枚ですし、この後に控えているアルバムへの期待も否応なしに高まってしまいます。 Ricky:今シングルでは今の自分の中にあるかなりいい部分を出しちゃいましたから、野球でいうところの「3番、4番、5番」みたいな3曲でもあったので。自分へのプレッシャーを感じつつも、アルバムを出すからにはやはり「O.1.O~Only One Ocean~」に並ぶもしくはそれ以上のリード曲をまず生み出すことを念頭において制作を進めていますよ。 ――Rickyさんの中でアルバムのコンセプトや作品の輪郭は見えつつありますか? Ricky:僕の場合、アルバムってなるとどうしてもコンセプチュアルな方向に持って行きたくなりがちなんですけど、今回はもう少し気楽なというか、曲ごとの伝えたいメッセージが最終的にアルバムとしてひとつにまとまれば、おのずと今のRickyが作りたい世界になるんじゃないかなと。おそらく収録される楽曲全てが事務所を独立してからの作品になるので、あえてコンセプトを掲げるとしたら「HYPER NEO SOLOIST」という事になるのかな。 ――まずは『O.1.O~Only One Ocean~』を引っ提げてのツアー『Ricky solo 10th Annivasary TOUR 2019「THE☆10-PARI☆CKY」 ~天上天下 唯我独走~』への期待が高まりますね。 Ricky:当初はアルバムを出してのツアーとして計画していたので、当然アルバム曲メインでの構成を想像していたんですが、シングルに変更した事もあり、今回はソロとしての10年を総括するような方向にシフトしたセットリストを組みたいと思っています。その中でアルバムの片鱗も少しずつ感じてもらえるツアーにしたいですね。そしてファイナルでもあり僕の誕生日でもある赤羽ReNY Alphaでは、10年かけてRickyが築き上げた世界を映像に残したいとも考えているので「良かったら君も一緒にどうだい?」という事で、ぜひ僕のプール…じゃなくてRickyの小さな海へ泳ぎに来て欲しいですね!

2019年08月28日 RELEASE / NEW SINGLE
『O.1.O〜Only One Ocean〜』

収録曲
01_O.1.O~Only One Ocean~
02_ヨウコソサヨウナラ
03_My name is・・・

詳細
1,620円(税込) HNSR-0008

Ricky solo 10th Annivasary TOUR 2019
『 THE☆10-PARI☆CKY 〜天上天下 唯我独走〜』

2019年09月14日(土) SHIBUYA REX
OPEN 17:15 / START 18:00

2019年09月16日(月・祝) 横浜BAYSIS
OPEN 15:45 / START 16:30

2019年09月21日(土) 西川口LIVE HOUSE Hearts
OPEN 17:15 / START 18:00

2019年09月28日(土) 名古屋ハートランド
OPEN 17:15 / START 18:00

2019年09月29日(日) 大阪RUIDO
OPEN 15:45 / START 16:30

【TOUR FINAL】
2019年10月20日(日) 赤羽ReNY alpha
OPEN 15:45 / START 16:30

Ricky
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